冬子姫へ

冬子姫へ

 冬子姫へ

                        
 一昨日、木曜日、当直明けの日、僕はやはり冬子姫に会いたくて電話をしてしまった。長崎の島原の4歳年下の女の子と結婚話が進んでいるけれど、木曜日、朝、疲れ果ててアパートに帰ってきたとき、性欲とともに、僕は冬子姫に合いたくてたまらなくなっていた。今朝、また昨夜、お祈りしているときからそうだった。寂しさというのか、それとも性欲というのか、寂しさだったろうと思う。僕はアパートに帰ってきて勤行をした後、自分の携帯から冬子姫の携帯に電話した。昼の1時頃で誰も出なかった。2回目次は家の電話から冬子姫の携帯に電話した。3回目、今度は自分の携帯から冬子姫の携帯に電話した。出なかった。また自分の家の電話番号が不通知になっていることを知った。パソコンからISDNを操作し、自分の家の電話番号が出るようにセットした。
 一昨日のその日、自分は病院から帰ってきてから勤行してそして大量に溜まっていた洗濯をしてそれから1時頃、電話をすることができるようになった。


 冬子姫と自分は1年半ほど前から恋人のような関係になっていた。でも冬子姫の方は自分より10歳年上だった。でも冬子姫は美人なのに何故か独身だった。その美しい冬子姫を自分は密かに思い詰めていた。結婚したい。でも冬子姫は自分より10歳年上で結婚は難しいことも。
 僕が始めて冬子姫を診察したのは僕がこの前原に来て数日後のことだった。冬子姫はここ太田脳神経外科へはあまり今まで来たことがなかった。しかしその日、背中の痛みに耐えきれず、久しぶりにここ太田脳神経外科へ来たのだった。そして自分が担当になった。
 あれから4年が経つ。始めの2年間は単なる患者と医者の間柄だった。2年前か1年半前から僕たちは恋人の関係になった。子供は要らない、結婚しよう、という考えは次第に強くなっていた。これは自分のうつ病のためらしかった。
 子供のような面倒なものより、老後のように2人で生活してゆきたい、その思いができかけていた。


                完
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冬子姫へ

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  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-08-22

CC BY-NC
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