*星空文庫

雨。

とな 作

雨。
  1. 1日目。
  2. 2日目。
  3. 3日目。
  4. 4日目。
  5. 5日目。
  6. 6日目。7日目。
  7. 8日目、9日目、10日目。
  8. 11日目。
  9. 12日目。
  10. 13日目。14日目。
  11. 15日目。
  12. 16、17日目。

あと、30日、雨が降り続き、31日目に、雨が止むらしい。
自分は、雨が好きだから、30日後に、消える予定だ。

1日目。

雨が降っている。
ザァザァ、ザァザァ。
割と、強めに降っている。
雨は、気まぐれだ。弱いときもあれば、強いときもある。
そんな雨が、自分は好きだ。
なんだか、自由に生きているみたいで、いいな、と思う。
だから、30日間、自分も、雨みたいに生きようと思う。
1日目の今日。
朝は、サラダと、ご飯を食べた。
散歩に出かけた。雨の日の散歩に出かけた。白いビニール傘をさして、歩いた。
雨の日の散歩は、心の迷いを洗ってくれるみたいだった。
そして、1時間後、家に帰った。コーヒーを飲んだ。少し、苦かった。
昼食まで、外を見ていた。雨を見ていた。
きれいな雨だった。
昼食を食べ、自分は、眠りについた。
夕方、起きた。夕食は、お腹が減っていなかったので、食べなくて済んだ。
夜は、夜の空をみた。どんよりしていた。そんな雨も好きだ。落ち着いた気持ちにな
る。
そして、眠りについた。

"明日の僕へ。
明日は弱い雨だといいね。また、散歩に出かけてね。
じゃあ、明日の僕のために、眠るよ。おやすみ。
そして、明日はよろしく。"

2日目。

今日は、地雨だ。
一定の強さの雨がずっと降る。ずっと。
だから、今日は、いつもと変わらない普通の生き方をしよう。
朝食は、食パン一枚と、目玉焼きを食べた。
食後にコーヒーを飲んだ。
朝は、買い物に行った。
昼の3時ぐらいまで、色々と買った。今日の夕食の材料や、お酒など。
昼食は食べなかったので、買い物で買った、チーズをひとつ食べた。
それからは、読書をした。最近は、恋愛小説にはまっている。
恋愛小説といっても、ベタベタするわけでもなく、イチャイチャするわけでもない。
最後は、結局別れる、そんな小説を読んでいる。
自分も、こんな別れ方をしてみたいなと思い、我ながらバカだなと、笑っている。
しかし、こんな自分でも一応彼女がいる。
この話はまたいつかしよう。
そんな感じで、小説を読むのを止め、自分はまた、散歩に出かける。
出かけたときは、少ししか、雨が降っていなかったので、たまには雨に当たるのもいいか、と思い、傘を持っていかなかった。
けれど、帰り道、雨が強くなり、自分は走って帰らなければならなかった。
やっぱり傘を持って行けばよかったな、と思った。
そして、夜になり、少しのご飯を食べ、眠りについた。

"明日の僕へ。
多分、明日も散歩に行くと思うけど、少しの雨でもやっぱり傘をもっていったほうがいいよ。
今日はそれだけかな。
じゃあ、明日もがんばって。"

3日目。

ピリリリ、ピリリリ…
ピリリリ、ピリリリ…
携帯の着信音がなった。
誰からだろうと思い、眠い体を起こして、携帯にさわる。
彼女からだった。
彼女ははっきり言って、
いい人だ。
こんな自分に付き合ってくれる、心の優しい人だと思う。
この人は、自分が雨が止んだら消えることを知らない。
知らせようか、知らせないか、迷う。
『おはよー。今日も雨だねー。明日はひまですか。』
と、言ってきた。まぁいつもひまだから、
『ひまですよ。』
と、言った。
『じゃあ、どこかお出かけしましょうよ。ちょうど、見たい映画があるんですよー。一緒に見ませんか。』
はいはい、と自分は言った。
自分はこの人といて楽しいし、幸せだ。出会えて、ありがたいとも思える。
そんなことを思いながら、電話を切った。
詳しい時刻はメールで、ということらしい。
この人には、自分のしたいことを言うべきだと思っている。自分を大切にしてくれているから。
そういえば、もうすぐで、付き合って6年となる。
そのときは自分からデートに誘おう。
今日の朝ごはんは、サラダのみだ。
今日は仕事があったので行った。仕事はIT企業関係の仕事をしている。学生のころから、就きたいと思っていた。
仕事をこなすのはとても大変だ。上司の機嫌をとるために様々なことをしなければならない。それも、慣れてきたのだが。
昼食はひとりで、食堂で食べた。
そうめんだった。食堂で食べるより、自分で作って食べるほうが美味しいな、と思った。
そして、仕事が終わり、家に着いた。疲れていたので、少しの酒を飲み、眠りについた。

"明日の僕へ。
明日は彼女とお出かけですよ。だから、目覚ましを設定しておきますね。
明日は楽しんでくださいね。
おやすみなさい。"

4日目。

今日はデートだ。
だから、こうして、僕は雨のなか、彼女を待っている。
いつも、僕は先にくる。
これが当たり前と思っている彼女は、いつも私が来てからくる。
そんな関係だ。
朝ご飯は抜いてきた。映画館で、ポップコーンでも食べるだろうと、思ったからだ。
彼女が見たい映画はアクション映画だった。
子供っぽい映画をキラキラ目を輝かせて見ている彼女も好きだ。
しかし、彼女はよく食べる。だから、二人で一つのポップコーンを買ったが、彼女がほとんど食べてしまった。
まぁ、当たり前なのだが。
映画を見た後、彼女は泣いていた。人目を気にせず泣いていた。
よほど感動したのだろう。
僕はそっと、近くに寄ってあげた。
すると、彼女も寄り添ってきて、ニコッと笑顔でこっちを見てきた。
一体、何なんだと思いながら、昼食の時間になった。
昼食は彼女がラーメンを食べたいと言ってきたので、ラーメンを食べた。
彼女の小さな体にどう入っているのだろうと、思いながら食べていると、彼女は食べ終えたようで、私の分までとってきた。
何とも言えない。
昼からは、彼女の必要なものなどの買い物に付き合って、喫茶店でゆっくり話した。
彼女はどんどん話題を出してくる。楽しそうで、なによりだ。
夕方になった。彼女は静かになっている。
『今度はいつ、会えるの?』
と、聞いてきた。私は、
『今度は、僕から誘うよ。』
と言ったら、彼女は抱きついてきた。
いつも、彼女から誘うので、私から誘われるのがうれしかったのだろう。
そんな感じで、今日が終わった。

"明日の僕へ。

今日は彼女とのお出かけだったよ。今度は僕から誘わないとね。
じゃあ、明日も頑張って。おやすみ。"

5日目。

最近、雨を見ていると思い出すことがある。
あれは、こんな少しの雨の日だった…
自分は小学生5年生の2学期に引っ越した。自分は内緒にしていた。だが、徐々に噂として流れていた。だか、毎日一緒に学校に行っている一番の親友には、言わなかった、いや言えなかったのほうが近いかもしれない。
なんとなく、言いずらかったのだ。今の関係が終わりそうで、怖かった。
ある日、親友と一緒に登校していると、他の人から、
『引っ越しまでもうすぐだね。』
と、言われた。親友はびっくりしていた。
何も喋れず、そのまま学校に着き、各々の教室に行った。
そのままギクシャクしながら月日は過ぎ…
引っ越しの日が来た。
彼は来た。
『がんばれよ。』
と言われた。
何だか、すっきりした。
やはり、親友はいいなと思った。


何でこんな昔の話を思い出したのかはわからない。
自分は親友に自分からいうこともできなかった。最低だなと、今さらながら思う。
そんな時間が過ぎ、自分は眠りにつく。今日はリビングで布団を敷いて寝よう。
おやすみ。

"明日の僕へ。

今日は久しぶりに小学生のころを思い出したよ。あの人は元気にしてるかな。
じゃあ明日もがんばれ。
おやすみ。"

6日目。7日目。

世界は廻る。いつまでも。
たとえ私がいなくても。
世界は廻る。いつまでも。
たとえあなたがいなくても。
ずっとずっと。ずぅーっと。
世界は止まらない。
誰が何をしようとも、世界は廻り続ける。
だから、私は止まることにしよう。
まだまだ、雨は止まないのかもしれないけれど。
そしたら、どうなるのだろうか。世界は止まらないけれど、周りの人は止まるかもしれない。
世界は廻る。いつまでも。
たとえみんながいなくても。
まだまだ、雨は降っている。
雨はいつか、止む。
そのときに誰も止まらないのなら、僕が止まってやる。
それでいい。
それが今の僕の願望だ。
そして僕は安らかに、確かに眠っていく。
止まるまでは。

"明日の僕へ。

この二日間は考え事をしてたよ。
明日の僕もしっかり考えて。いきてね。
じゃあまた明日。"

8日目、9日目、10日目。

雨はよい。
雨の日のデートは、いろいろとのんびりしていて、よい。
11日は、君の誕生日だ。
この三日間、どこに行こうか考えていた。
僕は、水族館に行こうと考えていた。
今日は僕から、誘おう。
ピリリ。ピリリ。ピリリ。。。ガチャッ
「もしもし。」
と僕はいう。
「もしもし。」
と君はいう。
電話はすんなり終わった。
明日の朝10時から会うことになった。
君は嬉しそうだった。まるで、ひまわりが太陽に向いているように生き生きしていた。
実のところ、明日は僕も楽しみであった。
ふんわりとした空気が僕たちを包み込んでいる気がした。
明日は楽しもう。
そんなことを思いながら、僕は眠りについた。

"明日の僕へ。

明日のデートはまぁ、のんびりゆっくりと楽しんで。
じゃあおやすみ。
明日もがんばれ。"

11日目。

「やぁ。」

彼女がきた。
いつもどおり私が先に着いている。
彼女は慌てた声でこう言う。
「こ...んにちは。」
息を切らしながら彼女は言う。
こんなに急がなくても、私はいつまでも待つのに、と思いながら私と彼女は歩く。
そして、軽いご飯を食べ、水族館に入った。
そして、君はすぐ言った。
「その..手を繋いでもいい?」
私は久しぶりだったのでおどおどしながら、うん、と頷き二人の世界を楽しんだ。
マンボウは水中トンネルの上にいて、日差しのおかげで、マンボウが別の存在に見えた。
彼女も彼女で、わたしの手をギュッと握って別の世界を見ている。
僕らはクラゲを見た。
海にいるクラゲと違ってライトに照らされ、青、赤、緑など様々な色に変化していた。
同じ生物なのにこんなに違うとは...と思った。
私はそれから彼女を見た。なぜ、こんなにも輝かしい目で生き物をみるのだろう。私は心底、彼女と出会って良かったなと思った。
ゆっくり、ゆっくりと時間が過ぎていった。

ディナーは小さなレストランで食べた。
彼女はウキウキしながら今日のことを私に話してきた。
少し、酔ってきた彼女は、私にこう言った。
「この世界にあなたが居てくれてよかった。」
そして、彼女は眠りについた。
僕は彼女は素直ですごい人だなと関心した。
僕は彼女を家に送り、眠りについた。
"明日の僕へ

彼女を大切に。"

12日目。

深い深い眠りについた。
そこは深い深い海の中だった。
誰もいない。息苦しくもない。
何もない。何もできない。たまに私は思う。
私は何で生きているのか。何をすればいいのか。


そこは深い深い森の奥だった。
私は草むらの上で眠りについていた。
周りは木々がたくさんあった。だが、それだけだ。
私は私が眠っていたせいで、折れた草たちに謝った。
君たちの寿命を奪ってしまってごめん、と。

わたしの今日はこんな感じでずっと1日眠っていたのだ。

"明日の僕へ

今日みたいにずっと眠らないように。
君を求めている人はきっといるから。"

13日目。14日目。

私はふと思った。
もし、私がいなくなると彼女は悲しむのだろうか。
そう思うと、行動に移った。
トゥルル・・・トゥルル。
「もしもし」
君は、どうしたの、と言う。
「もし、私がいなくなったらどうする」
私は問う。
彼女は、
「私はそのときは泣き崩れるか・・・」
時が止まったかと思った。君があんなことを言うからだ。
「あなたと一緒にいなくなります。」
あぁ、何て私は、幸せ者なのだろう。こんなにも悲しんでくれる人がいるなんて。
「ありがとう」
私は言った。
次の日は、どうやって、いなくなろうか、考えた。

"明日の僕へ。

今日は彼女のことについて喋ろう。
もし、私がいなくなるとき、彼女をどうしたい?"

15日目。

今日は君からメールが来た。
『こんにちは。今日は用事があるから会えないけど、ちょっと報告したいことがあったので、メールをしました^_^
あなたからもらった、クローバーの種、覚えてるかな?
一番最初のデートのときに買ってもらったんだけど…
あれが、何と、庭の一部分を占拠してしまいました!笑
あなたには何も言わず、1人で勉強して、育てていました。
枯れることも多々ありましたが、無事に成長できました^_^ありがとう。
あなたはこのプレゼントを私が欲しいっ!って言ったとき、
クローバーが枯れてしまうと、君から僕への愛情がなくなってしまうような気がして怖い。って言ってたの、覚えているかな。
だから、私はあえて、言います。
クローバーが枯れてしまっても、私からあなたへの愛情は一生無くなりません。
これからもよろしくね^_^』
と、いうメールが来ていた。
私はそんなこと言ったかな、と照れながら1人、笑っていた。
心の中に暖かいものが溢れていた。

"明日の僕へ

もうそろそろ、どうしたらいいか考えたほうがいいんじゃないかな。"

16、17日目。

それは夜。どうみても。
あれも夜。誰がみても。
僕は夜。僕からすると。
君は夜ではない。
光だ。
夜になってはいけない。
僕は光になれない。どうしても。
なれるとも、思ってない。
だから、君は光であってほしい。
僕の隣じゃなくてもいい。
光であれ。
僕はもうすぐ君とおおきな決断をしなければならない。
僕のわがままでごめんなさい。
けど、君はどこでも光になれる。だから、この決断は必要だと思う。
またいつか、会おう。

このメールを送ろうと思ったが、なかなか決断ができずに、二日間が過ぎてしまった。

"明日の僕へ

もうそろそろ決断しないと、あの子もあなたも後悔だけ残るよ。"

『雨。』

『雨。』 とな 作

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • ミステリー
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2013-08-05
Public Domain

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