変化

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僕が入学初日の通学中の時だった、「おはよう。」一人の女の子が僕に声を掛けてきた。

僕が「あ、おはよう。」と挨拶を返すと「君も守屋高の生徒」その子はすぐさま僕に 質問を問いかけた。

「うん、そうだけど。君も新入生」僕が聞き返すと、「そうよ。楽しみよね~これから。」「なんで?」「なんでって、これからいろんな思い出を作れるのよ。
あんたわくわくしないの?」「ああ、そうだね。」「あんた名前は」「晴彦(はるひこ)。」「私は香り。よろしくね」これが僕と香りとの初めての出会いだった。

入学からおよそ3ヶ月程度たったころだった。僕は香りと同じクラスになり香りの世話好きな性格から周りと溶け込むのにさほど苦労しなかった。それに仲良い二人の友達も出来た その友達の名前は志気(しき)と結子(ゆいこ)だった。月も7月なので夏休みの遊ぶ予定も立てて カレンダーを見ながら夏休みが来る日を数えていた。

夏休みが来るとみんなで海に出掛けた。

旅館も予約して二泊三日の旅行だ。

1日目は海で遊び夜には香りの希望で最終日にしそうな肝試しもやった。肝試しは二人一組になり、森の奥にある神社の境内まで行って戻って来るものだった。ぺアは僕と香り。 志気と結子になった。

先に志気達が出発して、そのしばらくあとに僕達は出発した。夜の森は静かで 異様な雰囲気だった。肝試しを企画した香りも僕の手を握ったまま離そうとしなかった。

しばらく歩き続けていると僕は異変に気がついた 香りもそれに気づいたようだった。「ねぇ、さっきから同じとこ歩いてない」「みたいだな。」「なに冷静に答えてんのよ!」真っ直ぐ歩けばいい筈などで迷うはずはないのだが僕達は同じ場所を歩いていた。「ちょっと森から出られないじゃない。」「どうなってるんだ」ひたすら歩き続けると光が見え始めた。

「やっと出られる。」そこで、疑問がよぎった。まてよ、今は夜だぞ、光なんて見えるはずがない。「待て、香り。」言った時はもう遅く香りは光の中に入って行った。香りが突然消えたので、僕は必死で香りを捜した。しばらくすると、香りが戻ってきたので、香りの手を握り急いで出口まで走った。迷っていたのになぜ出口の方向がわかったかは、僕にもわからない。

その後、香りはあの時何があったのか話そうとはしなかった。ただ、元気だった香りが前よりも元気がないような感じがしたのは、僕の気のせいか。

変化

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-07-16

Public Domain
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