夜行列車

夜行列車

「転校生の谷田海人(たにだかいと)です。よろしくおねがいします。」

僕の転校はこれで三度目、親の仕事の都合で転校が多い。 そのため、友達とも深い付き合いにならないし、別れが辛いから深く関わることもしなかった。

十月頃、転校生したこともあって。文化祭の準備を手伝うことになった僕はクラスでやることになったたこ焼きの販売を手伝うことになった。 高校の文化祭であったが規模は大きく人もそれなりに多かった。

僕がたこ焼きを販売していると、一人の女子生徒がたこ焼きを買いにきた。スカーフについていた線が一本だったので同じ一年生であることがわかった。髪は黒く長いストレートヘアーで顔だちも整っていた。とても綺麗だったので僕はたこ焼きを焼くてを止めてしまった。 「あの・・。たこ焼き一つ貰えますか?」

「あ・はい。」

慌て気を取り直したこ焼きをパックに詰めて彼女に渡した。
「150円です。」

「ありがとう。」

彼女からお金を受け取るときに手が触れて胸が高鳴っているのがわかった。 文化祭を終えるとあの彼女のことが頭から離れなかった。
あの時触れた右手がまだ熱い気がした。 高校生二年生になると彼女と一緒のクラスになることができた。とにかく生徒が多い学校だったので 彼女の名前を二年生になってから知ることができた。名前は「華岡奈美恵。」(はなおかなみえ) 二年生になると新しいクラスに馴染めるようにとのことで生徒会がクラス対抗の球技大会が行われた。

僕の出場する競技はバレーになった。僕がバレーを選んだのはもちろん彼女もバレーに出場するからだ。

球技大会が始まると 僕は良いとこを見せようとして頑張って動いた。彼女がトスしたボールはほとんど決めて見せた。こんなときだけ俺すげぇなーて本当に思った。大会が終わると彼女から話し掛けてきてくれた。「今日すごく頑張ってたね格好良かったよ」

そう言われた時本当にうれしかった。それからはよく話すようになり、ついに告白して付き合うけとができた。それから毎日毎日が楽しくてしょうがなかった。

こんな日がずっと続けばいいのにと思っていた。でもやっぱりまた転校することになってしまった。親に頼み僕は夜行列車に乗って後で行くことになった。少しでも長く彼女と一緒に居たかったから。

別れの時間がくると僕は列車に乗り彼女の顔をドアの向こうからずっとみつめていた。列車が走り出し彼女と別れると 涙が止まらなかった ただ星が綺麗だった。

夜行列車

夜行列車

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-07-16

Public Domain
自由に複製、改変・翻案、配布することが出来ます。

Public Domain