禁断の恋

禁断ってほど禁断じゃないかもですね。

まあ、所詮この程度ってことで。


――私の妄想ワールドをどうぞご堪能ください。

人は、誰かに恋をする。
しかし、その恋は永遠ではない。必ず終わる日が来てしまうのだ。
それでも人は恋をする。たとえ、その相手が犯罪者であっても・・・。

たとえ・・それが、禁断の恋だとしても・・・・。



ざぁー。大嵐が街を襲った。ゴロゴロとなる雷。そのなかを必死に走る中年男性がいた。
「や、やめてくれぇ・・・・!た、頼む・・。何でもゆうことを聞くから!」
 人目のつかないところに追い詰められ必死に助けを求める男性。
「・・・。なら、死んでくれよ。」
 相手は低い声でそう言うと、手元のナイフを強く握りしめ勢いよく振り上げた。
「お、俺はまだ、死にたくないんだよ・・・。」
 男性は持っている鞄をぎゅっと握りしめ、震えた声で続けた。
「な、何でこんなことを・・・。」
「お前が俺の人生を狂わせたんだろ!なんでだよっ!俺がなにかしたのかよっ?なぁ?ジジィ!」
 相手の男はそう怒鳴った。
「お・・・俺が何かしてしまったのだろうが、俺には心当たりがないんだよぉ。頼む、金ならいくらでも出す。どうか・・許してくれぇ!」
 そのとき、男の何かが、きれてしまった。
「金・・・?金だと?そんなもんのせいで、千紗は自殺したんだぞ!しかも、元はお前のせいなんだ!」
 吐き捨てるようにいった男はナイフで男性を刺した。
「・・っぐぅ!・・・そ、うだったん・・だな・・・。ぅう・・。ごめ・・んなぁ・・・。れ・・・」
そう言い残し男性は息絶えた・・・・。
「っ!・・・何で今更謝るんだよ!馬鹿じゃねぇのかっ?」
 男はその場をあとにした。



 ―一週間後
ピロロロロ・・・・。さるぼぼのマスコットがついた携帯電話が鳴り響く。
ピッ!持ち主の女性が電話にでた。
「はい。麻穂です。」
『倉坂。今、何処だ?』
 電話相手の低く凛々しい声の男性に質問される麻穂。
「蓮さんに言われたとおり現場近くのコンビニで聞き込みをしているんです。」
『そうか。わるいが、そのコンビニ出て右に三軒いくと、スーパーがあるだろ?そこの店員に聞き込みしてくれ。俺もすぐ向かう。』
「はいっ!分かりました!待ってます!」
 プツッ・・・。
電話を切ってスーパーに向かう麻穂。
「えっと・・・。三軒っと。あっ!ここだね。」
 麻穂は、警察手帳を取り出し、中へ入って行った。そして、野菜を運んでいる二十代の女性店員に警察手帳を見せながら話しかけた。
「失礼。私はこうゆう者でして、少しお聞きしたいことがあるんですが。」
「あぁ・・。はい、分かりました。」
 店員さんは笑顔で引き受けた。
「では、一週間前の大嵐の日。この店は営業していましたか?」
「はい。ちょうどその日、私はシフトが入っていましたので。」
「では、今日は事件があった日と同じメンバーなんですか?」
手帳にメモを取りながら質問する麻穂。
「はい・・・。あ、でも大塚くんは途中で帰りましたよ。」
「それはいつごろか覚えていますか?」
 低く凛々しい声が聞いた。
「あぁっ!れ・・蓮さん!」
 パッツンの前髪をペンを持っている左手で整える麻穂。
「突然すいません。俺は、矢尾といいます。まぁ、気にせず答えてください。」
(・・・・?)
 蓮が女性店員と目を逸らしながら話すため、不思議に思う麻穂。
「は・・はい。えぇっと・・・。確か、午後四時ぐらいだったと思います。」
 蓮が麻穂の手帳をぱらぱらとめくる。
「ん?死亡推定時刻の二時間前か・・・。怪しいな。」
「お、大塚くんはそんなことしませんっ!」
 さっきまで笑顔だった女性店員が怒った口調で言う。
「その大塚さんはどちらに?」
 蓮は店内を見回しながら店員に聞いた。
「私、呼びます。」
 店員がその場を離れた。
それを確認すると蓮が麻穂に聞いた。
「倉坂。お前、どう思う?」
「そうですね。その大塚さんが犯人だとすると、ここから現場まで十分、仮に呼び出したとしても三十分ほど。八十分間の空白ができてしまいます。」
 手帳をめくりながら話す麻穂。
「そうか・・・。じゃあ家に凶器を取りに帰ったとしたらどうなる?」
「えっと・・・。調べてみます。」
「あぁ。頼む」
「あの。沙里さんからきいたんですが?」
 低い声をした男性店員がきた。
「君が大塚さんだね?」
「はい、そうですが。ていうか、錬斗って呼んでくださいよ。みずくさい!」
「昨日の四時から六時までの間。どこで何をしていたんだ?」
 低く凛々しい声で蓮が聞く。
「ははっ!俺、疑われているんですか。俺は、まっすぐ家に帰ってレンタルしていた洋画を観ていましたよ。」
「それを証明できる人はいるか?」
 メモをしながら鋭く言う蓮。
「俺、一人暮らしっすよ?そんなん誰一人として証明できる人いませんって。」
「ほぉーう。誰一人として・・・ねえ・・?」
眉を吊り上げる蓮。それを見た麻穂は、コホンッと咳払いをして、
「で・・では、ここから家までと、分かれば家から現場までの所要時間を教えてください。」
と聞いた。
「えっと、やっぱり俺が犯人だと・・・?」
 心配そうに聞く錬斗。
「いっ、いえいえ!違うんです。その逆で、犯人でないことを確かめたいんですよ。」
 麻穂は、必死に言った。
「ははっ!可愛い刑事さんだな。どっかの無愛想刑事と違って・・・。」
 錬斗はにこっと無邪気な笑顔を麻穂にみせると、蓮を睨んだ。蓮は、錬斗を睨みかえすと、
「つうかとっとと答えろよ!こっちだって暇じゃないんだよ。」
と、半ギレでいった。
(てゆうかコイツ・・。どっかで見たことあるんだよな・・・。)
 錬斗と蓮は同じことをおもった。
「あぁっと。こっから家までは徒歩で、二十分。家から現場・・・?までは、たしか十分ありゃいけるけど?」
 錬斗は蓮を睨みながら答えた。
「んー。だとしても、五十分の空白があります。」
「とりあえず、お前。保留。」
 麻穂の話を聞き終わった直後、蓮は棘のような鋭い言い方で錬斗に言った。そうして麻穂たちはスーパーをあとにした。



―数日後
だんっ!
警察署に机を叩いた音が響きわたる。
「おいっ!まだ犯人は捕まえられんのかっ?もう一週間以上経つんだぞ!」
 麻穂たちが担当している係のボス、鈴木 信夫が怒鳴る。
「はい!只今目撃証言をもとに容疑者をあらっています!」
「倉坂ぁ、お前大丈夫なのかぁ?女のくせに刑事なんかやってぇ。犯人になめられるぞぉ?」
 信夫は片手にインスタントコーヒー(麻穂と蓮の自腹)をもって笑った。
「矢尾くぅん。いっつも大変だねぇ。女嫌いの矢尾が倉坂のお世話できちゃうってことは、何かあるのかなぁ?」
「なんもねぇっすよ。あんま余計なこと言うと本物の首がとびますよ・・?」
「おぉー。怖。先輩睨むんじゃねぇよー。ははは。」
 麻穂は下唇をぐっと噛んだ。

―休み時間
 麻穂と蓮は、昼の休みにコンビニで買ったおにぎりとお茶を誰も使わない署の屋上で食べることにした。
「あ、あの・・。蓮さん。ごめんなさい!その・・、私のせいでなんか・・・・。」
麻穂が言葉を詰まらせていると、
「別に。倉坂のせいじゃねぇし。あのハゲが悪ぃんだろ。」
と、蓮が言った。それを聞いて麻穂がクスッと笑った。
「何がおかしいんだ?」
 蓮が聞いた。
「い・・いえ・・・。ただ、蓮さんが『ハゲ』とか言うの想像つかないというか、にあわないなぁって思って・・・。」
「俺、そんな風に思われてんの?つか、たまったモン吐き出しとかねぇと気持ち悪ぃじゃん。」
「ふふっ。それもそうですね。」 
 クスクスと笑う二人。
「お前も吐き出しとけ。聞いてやる。」
「えっ?いいんですか?引きますよ・・?」
 おろおろする麻穂。蓮はフッ・・と鼻で笑う。
「大丈夫だって。愚痴訊くの慣れてっから。」
「わ・・分かりました。吐き出しますね!」
 そう言って大きく息を吸う麻穂。その勢いで麻穂は怒鳴る。
「くっそう!あのとんすら(フランシスコ・ザビエルのような)頭ぁ!いっつもいっつもパシリやがってぇ!自分も動け!そんなんだから、デブるんだぁ!てか、自分が偉いからって言っていいことと悪いことがあるっつの!」
 怒鳴った後、スッキリしたぁ。という顔をする麻穂。蓮は大爆笑していた。
「ククク!と・・とんすらて・・・。お・・おま・・・プッ!ククク・・・。」
 思い出してまた笑い出す蓮。
「ホ・・ホントの事じゃないですかぁ!」
 麻穂が、顔を赤らめ恥ずかしそうに言う。
「いいじゃんか。これからも言いたい事は言っとけよ。また聞いてやるからな。」
 蓮は、ニコッと笑う。それを見た麻穂は、赤くなった顔をもっと赤らめた。
(本当にお前って面白ェ奴だな。―俺の妹によく似ている―)
「・・・蓮さん?どうかしましたか?」
 不思議そうな顔で蓮を見る麻穂。
「・・・悪ぃちょっといいか?」
「へ?な・・・。」
と、言いかけると蓮が麻穂に抱きついた。麻穂は、蓮の胸にうずくまる状態になった。麻穂も蓮に抱きつこうと手を伸ばす。しかし蓮が手を離したのだった。
「わ・・悪かった。お、俺・・疲れてるんだな。ちょっと休んでくるわ。」
 少し顔を赤らめスクッと立ち上がる蓮。麻穂も続いて立ち上がる。
「か、顔赤いですよ?もっ、もしかして熱とかあるんですか?」
 そういって麻穂は、蓮の額に手を添える。かぁぁぁっと赤くなる蓮の顔。
「や、やめろっ!」
 蓮が言う。麻穂は「ご、ごめんなさい」といって手をサッと後ろにまわす。
「わー!見ぃちゃった見ぃちゃった!蓮が照れて麻穂ちゃん苛めるとこ!わわわ!蓮最テー」
 テンションの高い声が聞こえた。声のほうを見る二人。そこには錬斗がいた。
「おい!ここは関係者以外立ち入り禁止だぞ!何入ってきてるんだ!」
 蓮が怒鳴る。すると、錬斗は焦りだした。
「おわっ!まじでっ?やっべぇ。・・・・なーんてな。俺も一応関係者だから。」
「はっ?何の?」
 眉をくいっと上げ、冷たく聞く蓮。すると錬斗は、フッフーンと鼻を鳴らしていった。
「えぇー?麻穂ちゃんの彼氏様だよ?」
「っ!ど・・・どうゆうことだ?」
 珍しく動揺する蓮。ニヤニヤと笑う錬斗。
「ぷっ!冗談だよ、ばぁーか。あぁ。お前ってさぁ。外見モッテモテなのに女嫌いってもったいないよな。つか、なんで麻穂は大丈夫なの?」
 単刀直入に聞く錬斗。
「うるさいっ!お前には関係ないだろっ!」
 蓮は顔を真っ赤にして屋上を立ち去った。錬斗は人差し指を顎にあてクスッと笑う。
「あの、どうしたんですか・・・?」
「あぁ、やっぱりなぁ・・・と思って」
「やっぱり・・・?」
 不思議そうに聞く麻穂。「鈍いねー。」と笑う錬斗。
「麻穂ちゃんの事好きなんだよ。アイツ。」
 麻穂はうれしそうに顔を赤らめる。その麻穂を見て錬斗は、舌打ちをした。そして麻穂にニコッと笑いかけた。
「うーそ。冗談だよ。ごめんね。本気にしちゃった?」
 麻穂はそれを聞いてショックを受けた。
「そ・・そうですよね。わ、私のことなんか好きなわけないですもんね・・・。」
麻穂の目から涙が零れた。麻穂は目をこする。
「ご・・ごめんなさい。わわ・・・。アタシ、恥ずかしい。こんな、泣いちゃうなんて。」
 すると錬斗は、麻穂の両腕を握る。そして、そっと麻穂の涙がつたった頬にキスをした。
「・・・っ!」
 麻穂の目が真ん丸くなる。錬斗はニコッと笑う。
「俺は麻穂ちゃんのこと好きだよ。アイツより・・ずっと。」
「でも・・私は・・・。れ・・」
 錬斗は麻穂を止めるように話す。
「うん、知ってるよ。麻穂ちゃんはアイツのことが好きなんだよね。でも俺は諦めないよ。麻穂ちゃんが振り向いてくれるまではね。」
 そして、またニコッと笑い、
「じゃ、俺行くわ。」と言って屋上を出ていった。
麻穂はその場に座り込んだ。
「えっ・・・。アイツって、蓮さん・・・?つ、つまり両思いってことなの?」
 麻穂は赤くなる顔を隠すように、両手を頬にかぶせる。
「・・どうしよう。すっごくうれしいっ!」
 麻穂はしばらくその場にいた。

 昼休みが終わり、蓮は錬斗と、別の屋上で話をしていた。
「なぁ、お前なんでここに居るんだよ?」
 蓮がぶっきらぼうに言った。
「ん?居ちゃ悪い?」
「悪い・・つぅかイラッてくる。倉坂と話してるとこ見てると・・・。なんかあいつ、お前と話しているとき、その・・笑ってるから・・・。」
 蓮が照れながら話す。そんな蓮にクスッと笑う錬斗。
「おやおや。嫉妬か?大好きな麻穂ちゃんを俺に取られたから・・・。」
「黙れっ!・・だ、だいたいお前があいだに割り込んでくるから・・・。」
 冷静さを失い焦りまくる蓮。
「ふぅーん。俺がいなかったら告った?」
 真面目に聞く錬斗。
「・・わっ・・・かんねぇよ。んなもん・・。」
 蓮は力が抜けたように座り込む。そして片手で前髪をかきあげ顔を赤らめる。
「俺なぁ。麻穂ちゃんに好きって言ったよ。」
「は、はぁっ?マジかよ?」
「付き合って・・とは言ってない。どーせ麻穂ちゃん、好きな奴いるし。だから待つ。」
「ちょ・・待て!倉坂、好きな奴いるのかっ?」
 それを聞いた錬斗は、吹きだした。「お前も鈍いなー。」と笑った。
「おま・・し、知ってんのか?」
「あぁ、けど教えなぁい!知りたかったら本人に聞けば?じ・ぶ・ん・で!」
 蓮はハァーとため息をついた。
「マジでさぁ。お前といると調子狂う。何なの?ストレッサー?お前ストレスの塊か?」
「うわっ!ひっでぇ言われよー!つか、ホントの事しか言ってねぇし。」
「そうゆうとこがイラつくんだっ!お前も十分鈍いじゃねぇか。」
蓮はそう言い残すとスクッと立って屋上を出て行った。
「・・・いや、お前のほうが鈍いよ。麻穂ちゃんのそばにずっと居るくせに・・・。」
 錬斗は悔しそうに下唇を噛む。そして胸ポケットから《警察手帳》を取り出し、それに挟んである写真を眺めた。
「麻穂ちゃんだって、俺の事忘れてるんだもんな。」
 そう呟きその写真に写っている《六歳のときの麻穂》を指でなぞった。

―現場
麻穂は蓮と一緒に現場捜索をしていた。
「こ・・・これは!」
「ん?どうした?何か見つけたのか?」
 とっさにメモを取るスピードを速める麻穂に聞く蓮。
「・・・おそらく犯人は右利きで背の高さは百七十八センチ、体重は五十キロ代・・・短髪の男性です。」
「・・っ?何でそんなことが分かるんだ?」
「証拠を綺麗に消してあるように見えますが、まだたくさん残っていました。」
いろいろ指を指しながら説明する麻穂。
「例えばここ。一見何もないですが、わずかに血痕があるのがみえますか?犯人は拭き取ったみたいですが・・・。これで右利きだと分かりました。」
「ちょっと待て。犯人は被害者の心臓・・つまり左側を刺してるんだぞ?なのに何故右利きと?」
「では、ここに立ってください。ここは被害者が、亡くなっていた所から少し離れた位置です。犯人はナイフで被害者を刺した後ナイフを抜いています。その後少し留まっていたんでしょうね・・・。この血痕はそのときナイフからたれたものだと思います。そして、たれたときの高さで血痕の飛び散り方は変わりますが、たぶんこの感じだと百七十センチ前後・・・。被害者の亡くなっていた場所に残っていた血痕は壁にうちつけたときのものだとすると・・・。」
「あぁ。も・・もう分かったから。長いよ。もう少しまとめてくれ。」
 ため息をつきながら髪の毛をかきあげる蓮。
「・・・・。は・・んにん・・・は、れ・・・蓮さん・・で・・・すね?」
「えっ?」
 周りの捜査官が二人を見る。蓮は目を見開いた。
「ど・・うして?」
「じ・・・実は髪の毛が現場に落ちてて、DNA検査をしたられ・・・蓮さんのものと一致して・・・。この血痕を見・・て、蓮さんの犯行・・と・・・・・。」
 そして涙目で蓮に言う麻穂。
「ち・・違いますよね?」
 蓮はにこっと微笑んだ。・・・涙を浮かべて。
「そうだよ。俺が殺したんだ・・・。」
「ど・・・どうしてっ?」
「あいつは俺の妹を・・・千紗を自殺に追い込んだっ!金の力で・・。い・・命乞いまで金を使おうとしたんだ!・・・・殺すつもりなんてなかった。多少の殺意はあっても殺そうなんて考えなかった。・・・あいつ最後には謝ったんだ・・・。お、俺は・・・。」
 ぽろぽろと涙を流す蓮・・・と麻穂。
「もういいですよ。妹さんの為なんですよね。でも・・・つ、罪は罪です・・・。」
「あぁ。お前が手錠をかけるやつで良かったと思う。」
「わ・・私。蓮さんの事好きなんです!だ・・大好きなんです!」
泣きながら言う麻穂をみてプッと吹く蓮。
「こんなときに言うか?ふつう。」
「あ・・・す、すいません!私・・・。」
「いや、俺は嬉しい。両思い・・だったんだな。」
「そ・・うですね」
 蓮は麻穂の唇にそっと口付けした。
「・・・っ!」
 麻穂は、顔を真っ赤にする。それを見て蓮はまたプッと笑う。
「今度はちゃんと、目を瞑ってやろうな。」
「・・・は、はいっ!出所するまで待ってます。」
 蓮は、麻穂の頭に手をのせた。
「お前は、千紗によく似ているよ。俺はそんなお前が好きだ。」

 蓮はそういい残し麻穂の前から去っていった。
 そのときの後姿は麻穂には、妹思いの優しい背中に見えていた。


―六年と八ヶ月後。
 だいぶ伸びた髪を風になびかせ、電柱にもたれかかる少女の姿。
「倉坂!」
 遠くからあの低く凛々しい声聞こえた。
 しかし、どこか嬉しそうな。
「・・・蓮さん!」
 麻穂が叫ぶ。
 二人は抱き合い、六年ぶりの口付けを交わした。



                                   fin

禁断の恋

なんか、投げやりな感じですいません。
でも、自分が書きたかったシーンはかけたので・・・((要は自己満足

錬斗と麻穂の過去・・・、気が向き次第書いてみます。


本当にすみませんでした!
出直してきます。

禁断の恋

  • 小説
  • 短編
  • 恋愛
  • サスペンス
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-06-04

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