な なつ。




・な なつ。






ななつ数えた生まれ月。
子供みたいな作文の〼。
読点が枠の外で休む日,
落書きが真ん中で遊び
弱い力で鉛筆がころろ。
力の強い扇風機の前で
消して書いた「今日は」。






晴れるっていう今日は。






切って貰う為の手伝い。
風鈴がまたぶつかって,
家の中が小さくて広く
スイカが偉そうに様々
洗濯物と風あっち向き,
飛んでかないプリント。






算数のようなプリント。






長袖は屋根裏で居眠り
薄着で追い出されたり。
階段降りるトタトタは
ダンと踏めば三段目に
床板が痛い素の裸足は,
家守が鳴くと知ってる。






気を付けると思ってた。






ある花火から見た花火。
迷子は最後じゃないよ。
子供の作文みたいな〼。
物足りない綿飴の甘さ。
膨らませた風船のガム。
変身できない祭りの面,







ある花火から見えない。







読点に頼らない初夏の
真ん中当たりの「今日」。
一行開けるはじめの〼。
弱い風で鉛筆が転がる。
風鈴は鳴って消えてく。






夏が抽象的に行変える。
折り返さないで綴じる。






算数が苦手な子が見て
ほらって見上げた顔で
一所懸命に上げた声で
風鈴より,早く早くって。






ほら 答えは
やっぱりななつ。

な なつ。

な なつ。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-06-01

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