Wings

穏やかな日々の中で、僕らは同じ時間を過ごして夢見た
あの時自然と僕らの中の心や世界は通じ合っている気がした
でも螺旋で出来ている現実は僕らの生き様を引き裂く──

限りなく─続くこの空に僕は飛べないもどかしさ、
君は生まれた日から失ったままの翼の傷跡に苦しんでる
きっと君は僕よりたくさんの悲しみと痛みを感じてる
たった一人しかない命だから、生きることの(ことわり)だから
僕には少しも─その痛みを肩代わりすることはできないけど

苦しみや迷いの中で、変わり続けようとする君
僕も茫漠と広がるこの─景色を一歩ずつ歩いて行く
答えが何なのか 出口があるのか それもわからない─けど
もしいつか君が溢れる光を手に掴む時、翼を取り戻す日
きっとあの時─みたいな笑顔を見せてくれたらいいな
僕もたとえ人に自慢できる生き方でなくても─ 微笑み返すから
きっとその時君は僕より空─高く飛び─越えていくはず

たとえ冷たい雨の中でもその灯を消さないでおくれよ
くすんだ灰色の街の北風に吹かれて 心揺らぐ日も
心に背負った脆くも消えない強気 背負い続けて
降りかかる現実に耐えながら それでも諦めずに生きていく
まだあの綺麗な声─が心の中で響きつづけているから

君が涙で濡れる夜も 逃げ出しそうでも いつも味方でいるよ

この世界で君と出会えた奇跡を、寂しいからこそ感じる 
心の形は違っても僕らは同じ絆でつながってると思う─から
きっとどこか─で、何か─で繋がっているはず─だから
二人で未来に晴空から光が射しこむ小さな─屋根を探そう

Wings

Wings

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-05-27

Copyrighted
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