someday

someday

君と出会えたことが嬉しかった、
楽しんでいただければ幸いです。

ある日、


***
ある日小さなことで
つまずいてしまった
弱い人間がいた。



そいつはバカだから
落ち込んで、落ち込んで
「もう生きていたくない」
と云った。



ある日いつも明るく
前向きな人間が
死の宣告をされた。



そいつはバカだから
生きたくて、生きたくて
毎日どうしたら
もっと永く人間らしく
生きられるのか考えていた。



そんな二人が出会った。



弱い人間は下を向き
前向きな人間は前を向いて
二人は出会った。



「やあ、なぜ君は
下を向いて歩いているんだい?」



「…、なぜ君は前を向いているの?」



「僕は、もうすぐ死ぬんだ。
だから、どうしたら
もっと永く人間らしく
生きていられるのか考えて歩いているから
前を向いているんだ。」



二人は正反対だった。



「なぜ君のような
素晴らしい人間が死ぬんだ。
なぜ僕のような
下等な人間が生きるんだ。」



「僕は上等な人間じゃない。
神が授けた運命を受け入れられず
生きている。
だけれど、君は
生きる、ということを
苦しくても受け入れて苦しみながら
生きているじゃないか。
君こそ素晴らしい人間だよ。」



そいつは、明るい笑顔で笑った。



「なんで、なんで…」
そいつは顔をくしゃくしゃにして泣いた。



「悲しまないで、悲しまないで。
僕も君もいつかはね、同じゴールに行きつく。
それは、必然なんだ。」



君も泣いた。
僕らは泣いた。



その後、いくらかして
僕らは手を振り別れた。



「じゃ、また会おう。
それまで、君の名は聞かないよ」
明るい人間は言った。



「うん。
僕が同じゴールに立つまで、見ていてね。
君のように生きる。
君が望むように永く、永く生きるから。」
弱い人間は
涙を流し云った。



***



ある日、
空を見上げる人間は云った。



「君のように、なれたかな?」

someday

ふと考えるのです、毎日を暗く重苦しい気持ちで過ごす人が世界でどれくらいいるのかと。そんなことを考えたって使用がないのですが。思うんです、もし世界の人みんなが笑顔になれる夜が来るとしたら。
きっとそれは、世界が破滅するくらいの危機が過ぎ去って「ああ、よかった」って笑うとき。生き残った人間だけが満面の笑みを浮かべて、運悪く亡くなった命の上に仁王立ちする。
もしかして、平和の正体はそれなんでしょうね。
そして、亡くなった命を重んじて、これからの人生の糧として生き抜くことを決めることを生きることの意味なんじゃないかと思いこれを書きました。

戦争→平和→?

someday

君と僕との出会いは、 世界の小さな小さな異変。 世界の外れにはきっと君がいるから… また、出会うための物語。

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-05-01

Copyrighted
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