傘の涙

別れを告げて帰った翌朝
軒先で傘が泣いていました
昨日とは打って変わって晴れた日の
爽々とした青空の下です

見上げる青葉もまぶしい陽気に
なすすべもなく立ち尽しました
昨日打たれた雨の重さと冷たさを
小さな傘から知りました

光を避けて開いた部屋の
内側に私は逃げ込みました
昨日打って覚えた掌の痛みに
涙もこぼさず泣きました

傘の涙

傘の涙

別れ詩

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-03-18

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