子供ながらに「あぁ、ここで母ちゃんとお別れなんだな」って気づいて

母の子供の頃の話なんだけど
母は2歳位の時に実の母親(私からしたら実祖母)に捨てられてるのよね。

祖父の実家前で「ここから1人で歩いて行きな」って、手を離されて。
子供ながらに「あぁ、ここで母ちゃんとお別れなんだな」って気づいて一生懸命思い出を忘れないようにしたんだって。

赤子の頃から話しかけてくれた声、顔、あたたかさ。
家の間取り、外の景色、いつも作ってくれた大好物。
泣かないように泣かないようにして、思い出まで失くさないようにってして。

今は、実祖母とも和解して、私もたまに遊びに行くけど祖母が母の好物を作ってくれた時に「これ、母が大好きだったって言ってました」って伝えると、驚いてた。少し、泣いてた。

弟夫婦に一度離婚問題が出て、義妹が「物心つく前に離婚した方が傷つかなくて済む」って言ってた時に、母が泣きながら伝えてました。

どんなに小さくても、忘れないって。
忘れられないって。子供ってそういうもんだって。

今でこそ笑って話してくれるけど。辛かったんだろうな。
どんな時でもあたたかく仲の良い家庭で育ててくれた母と父に、本当に感謝しています。

子供ながらに「あぁ、ここで母ちゃんとお別れなんだな」って気づいて

子供ながらに「あぁ、ここで母ちゃんとお別れなんだな」って気づいて

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-02-04

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted