隠れ家 V1.1

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隠れ家

久しぶりの隠れ家風呂か? 地方に仕事で転勤に成る前の、一人風呂だな。あれっ?音がする。人が、いるのかな? 『何をしているんですか~?』『入って来ないでよ!』う~ん?女の子?『ここは、1104号ですよ~!』『え~? 1114号でしょ~?』『あなた、間違っていますよ~!』『とにかく出て行って!』『じゃぁ、廊下に、出ているから、出て来るのを待っています~! 速くしてくださいね~!』麗花は、驚いた。風呂の番号を間違えるなんておっちょこちょい過ぎるわ。何不自由なく、お金持ちの家に生まれた麗花は、一人旅をするのが、好きだった。隠れ家的な一人専用風呂の広告に魅力を感じて来ては、見たものの、大失敗をしたようだ、二人用の露天風呂を持つ温泉は、多いが、一人用の露天風呂の温泉は、ほとんど見たことが、ない。番号を間違えるなんて、急いで服を着る。男は、本当に廊下で待っているようだ。『まだですか~?』『今すぐ出るわぁ!』がらがらと、扉が、横開きする。浩二は、驚いた。こんなに綺麗で華やかな人が、この世にいるなんて!のんびり風呂に浸かっていたのだろう、顔が、少し赤いけれど今まで、見たこともない美しさだ。『1104号だよ。』札を見せる。『君は、何号だっけ?』『1114号よ。』声のトーンの発音も綺麗だ『ここ1104号でしょ? 良く見てみてっ』『あら本当だわ。私が、間違っていたようね。ごめんなさい。』『どういたしまして。1114号で、ごゆっくりと2度風呂に浸かってくださいな。』『服をすぐに来たから、濡れているわ、もうお風呂は、良いわ温泉旅館の浴衣に着替えるわ。』『そう、俺は、一人で湯に浸かりたいけど、2番風呂か?一番風呂が、良かったけどな。』ぼそっと、つぶやいた。『失礼したわ。』『美人の後なら、まぁ良いか?』『皮肉のつもり?』『いや、そんなことは、ないよ。美人過ぎて少し驚いたよ。』美人と言われて少し嬉しい麗花だった。『褒めても何も出て来ないわよ。』『あっそうだ、一人風呂に入っていたってことは、一人旅だよね?11時頃ロビーで少し話しをしませんか?』『私は、別に良いけど。一人旅に慣れているし、出会いは、大切にするほうだから。』浩二は、ごく普通の中肉中背で顔達も、ごく普通な平均的な男だった。とりたてて魅力が、あると言うわけでは、なかった。がらがらと、扉を開ける。『じゃぁ、11時にロビーで。』『分かったわ、こちらこそよろしく。』真
面目そうな男だったけど魅力は、ないかしら。草食動物のようだわ。麗花は、冷静だった。軟派されることに慣れている。私に惚れさせて振ってやろうかしら?意地悪な心が、芽生えて来る。お金持ちに生まれた麗花は、何不自由のない、生き方をして暮らして来ている。逆玉の輿を、狙う男に言い寄られて男のあしらい方は、心得ている。
浩二の携帯のアラームが、鳴る。10時55分にセットしておいた。そろそろロビーに行かなければ、こんなラッキーな出会いは2度とないだろう。俺は、何の魅力もないからな。
告白成功率0%、告白されたことが、30年間一度もない。彼女は、20代後半くらいかな?
気品のある物腰で細身でなんとなくセクシーな雰囲気ですぐに惚れてしまうと危険な香りがする。もう既に半分、好きに成っているようだ。一目惚れかな。気付かれないようにしなくては。『先に来ていたの?』『本を読んでいたの、私、本を読んでいると時間にルーズになってしまうから』『本を読んでいるのが、そんなに好きなの?』『そうよ推理小説が特に好きだわ。』『えっ推理小説って人が、死ぬ本だよね? そんなのが、好きなの?』『推理小説ほど面白いものは、ないわ!』『旅行は、好きなの?』『旅行のない人生なんて絵に描いたお餅のようだわ。』『絵に描いたお餅って食べられないってこと?』『そう、旅行は、人生のスパイスよ。』『ちなみに聞くんだけどミスなの?ミセスなの?』『私?もちろん独身よ。』『あっそうなんだ。ちなみに君は、男と付き合ったことってあるの?』『もちろん、ないわよ。』浩二は、ずっこけた。『えっだって27歳くらいでしょ。』『24歳よ。』『そんなに若いの?でも、言い寄って来る男は、いるでしょ。』『お金か?身体目的の男は、大勢いるわ。』『お金、目的ってどんな男なの?』『私、優純女子学園に、通っていたの。』『えっそうなの?凄いお金持ちのお嬢様学校だよね?』『えぇ、授業料は、高いかしら?』浩二は、身分違いな気がした。『確か、英語の授業が、多くて、英語が、話せるようになるって有名な女子高だよね?ちなみに名前はなんて言うの?』『伊集院麗花よ。』『伊集院?かっこ良いね、麗花は、どんな文字なの?』『麗しいに草木の花よ!』『麗しいに花なんだね。』『私は、私の名前通りの女になりたいわ、そしてパートナーも私にふさわしい人を。なんてお名前かしら?』『俺の名前?大島浩二だよ。』『大きな島に、こうじは、どんな字を書くのかしら?』『さんずいに告げる、じは、数字の二だよ。ごく平凡だけど。』『浩二さんて持てるのかしら。』『えっ女の子には、持てないよ。男からも持てないけど。平均的な普通の男だよ。』『浩二さんは、私のお金が、目当てなの?それとも身体派なの?』『いや、別にどっちでもないけど。』『浩二さんは、夢は、あるのかしら?』『えっ夢っ?』『男性なら壮大な夢が、ある物じゃないかしら?』『それは、多分不可能だけど日本の財政の赤字が、減らせるようになる財政支援システムソフトの開発かな?』『浩二さんは、女性と付き合ったことは、あるの?』『いや、無いよ。う~ん30歳だし別にその内、見合いして結婚するよ。』『愛って純粋な物よ。真実の愛を、見つけるの。』『真実の愛か?羨ましいね。』『真実の愛と言っても男の価値は、年収で決まるってお父様は、子供の頃から言っていたわ。お母様からも年収1000万円以上の、男性とお付き合いしなさいって教わったわ。』『ふ~ん?』『浩二さんは、何のお仕事を、しているの?』『俺の職業?普通のサラリーマンかな。プログラマーとか、システムエンジニアって呼ばれる職業だよ。』『その仕事って、年収はいくらくらいなのかしら?』『普通は、たいして儲からないよ。年収は、30歳で420万って、くらいかな?』『その仕事に浩二さんは、満足しているの?』『満足していたんだけど、仕事でアクシデントが、合って地方に転勤さ。ここ、横浜が、気に入っていたんだけどね。』浩二は、肩を落とした。『私は、テニスのコーチをしているの、社長兼コーチよ。つくばテニスの森を、親の援助で20面程ある大規模テニススクールを、作ったの。そこの社長兼コーチよ。従業員は、13名、アルバイト、正社員も含めてね。』『20面もあるテニスコートか?凄いね!』『私は、高校を卒業してすぐにテニス場を造ってもらって、従業員を抱えて1から初めたの。やっと今、軌道に乗りかけているところ。経営学も学んだわ。』『へ~凄いね、だけどお金持ちの男と結婚したら専業主婦になるんじゃないの?』『それは、そう成ることに成るかも知れないわ。専業主婦に成って子供に英才教育をするのよ。でもテニスは、続けるわ。コーチとしてではなく時間が、あればエンジョイしたいから。私テニスが、大好きなの!』浩二は、一瞬はっとした。綺麗な顔から子供っぽさも持っている笑顔に見えた。素晴らしい出逢いかも知れない。『プログラマーは、部屋の中で椅子に座って出来る仕事だよ。』浩二は、自分に身合った良い職業に就けたと思っていた。ところが、つくば支社が、赤字になり黒字にさせるために転勤命令を受けた。今まで実家の横浜で、湾岸学校を出て、家から徒歩2分のソフトウェア会社に就職出来て、楽な人生だったのだが『俺は、今週末に転勤することに、成っているんだ。30歳にして、初めての一人暮らしみたいだ。』『それで浩二さんの転勤先は、どこなの?』『幸か不幸か茨城県のつくば市だよ。』『え~、浩二さん、つくばにいらっしゃるの?』『社員寮に入ることに、成っているよ。家政婦さんも雇っているらしい。』『つくばテニスの森か? 暇が、出来たら、行って見ようかな』『ぜひいらして、でも浩二さんって、テニスは、出来るのかしら?』『近所のおばさんとテニスをしていたことは、あるかな。サーブが、苦手でね、興味が、無くなったけど。』『それで、私と勝負する気?』『そんなに上手くは、ないよ。』浩二は、白旗をあげた。『浩二さんは、退屈では、無いのかしら?』『退屈な方が良い。運良くか悪くか、たまたま作ったバーコードの棚卸検品プログラムで会社が、儲けたんだ。それで白羽の矢が、飛んで来てつくば支社長だよ。』『浩二さん、年収420万円って、言ってらっしゃらなかったかしら?』『プログラマーの30歳の平均年収は言った通りだよ。自分の年収を言ったわけじゃないよ。』『浩二さんの年収は、いくらなの?』『1300万円くらいかな?』『浩二さんって、年収1000万円を超えているの?』『少しだけどね。俺に興味を持ってくれたかな?』麗花は驚いた。こんな縁が、あるのかしら?『私は、2人姉妹の長女で妹とは、仲が、良くて父と母からは、大きな愛で包まれているわ。』『幸せに育ったんだね。』『私は、将来素敵な家庭を築くつもりよ。浩二さんも、年収1000万円以上の女性を探したら?』『年収1000万円以上の女性は、見たことも無いけれど?』『私の友達は、年収1000万円以上の女社長が、多いわ。』『24歳で女社長をしているの?』『ご両親の子会社を経営しているのよ。』『凄いね。次元が、違い過ぎてまったく分からないよ。』浩二は、身分が違い過ぎるかなと少し落胆した。『えっ?普通じゃない?浩二さん経営学を、学んだら?支社長に成るんでしょ。』『支社長って言っても部下は、50人程度だよ。別に社長目線で社員と付き合う気は、無いよ。支社を支えるのは、俺のプログラミングの基本設計能力なんだ。部下もプログラミング能力は、優秀らしいんだけど、基本設計の仕方に難が、あるらしい。俺は、基本設計が、得意の分野で社長もそれで俺を選んだんだろう。』『そんな根拠で、経営が、出来ると思っていらっしゃるのかしら?』『支社長には、成りたくて立候補したわけでは、ないんだ。会社が、決めたから赤字が、続いて更に業績悪化につながっても責任は、取れ無いよ。』『意外と、さっぱりしていらっしゃるのね。』『俺は、基本設計を担当するから。後は、部下が、その通りプログラミングしてくれるか?どうかかな?』『浩二さんのつくば支社が、潰れないことを祈るわ。』『基本設計の腕が、無ければ何も出来ない男だよ。失業したらどこへも行けないさ。』『浩二さんは、他に何か得意な物は、ないの?』『えっそう言われれば虚弱体質ってところかな?頑張り過ぎれない性格でさ、いつも中途半端なところかな。』『運動は、体のために必要じゃないかしら?ウォーキングは、しないの?』『運動は、しないかな~?仕事での移動は、ほとんど無いし合っても車でしか行かないから。歩く必要は、ないよ。』『浩二さんは、不健康で良いのかしら?』『それは、健康には、なりたいけど。身分相応ってところかな。こうすれば人生設計は、成功する。こうすれば人生は、失敗する、ってテレビは、見たよ。お金持ちに生まれて無い男が、一発屋でテレビに出てくれば末路は、決まっているよ。』『あら夢の無い話ね。』『麗花さんは、お金持ちの家庭に生まれているらしいから成功すると思うよ。』『浩二さんって賢いのか賢くないのか少し分からないわ。』麗花は、今までに会ったことのないタイプの男に出会ってどうして良いかわからないでいる。『平凡な人間には、平凡な生き方が、あるのさ。麗花さんは、お金持ちの哲学が、あると思うけど。年収1000万円以下の男とは、付き合わないなんて普通の家庭に生まれて来た人間には、分からないよ。』『哲学では、ないわ。良い男性の条件は、お金をどれだけ稼いでいるかどうかよ!』『う~ん、そう言われればそうかも知れないね。』『お金を稼げる男が、成功の出来る男の条件よ。男性の人生の証は、どれだけ稼げてどれほどの女性と結婚して子供を成功者に育て上げられるかどうかだと思うわ。』『麗花さんの優純女子学園の話しかな?』『そうねぇ、普通の方も女性は、お金持ちが、好きだと思うわ。』『今の日本は、金次第で夢が、叶ったりするから麗花さんの考え方を否定する気は、無いけど。自分が、幸せな家庭を作る自信が、無いから。』『浩二さんは、一生独身でいるつもり?』『家政婦さんは、いるかな?結婚は、どうだろう?』『浩二さんは、家政婦さんと結婚する気でいらっしゃるの?』『そうでも無いけど、そう言われればそんな感じかな?愛は、欲しいけど30年、生きて来て愛に包まれた記憶は、ないし愛が、なくてもずっと生きて来れているよ。上手い食事が、合って梅酒かビールをグラス一杯、200cc毎日飲めれば十分幸せさ。』浩二は、恋愛にうとかった。『そんなことが、幸せなの?』麗花は、夢の無い浩二に悲しくなった。『グラス一杯のお酒が、あれば、何もいらないの?』『コップ一杯のビールか、梅酒が、毎日飲めれば幸せでいられるよ。他には、何もいらないよ。』『そうなのかしら?お子さんは?』『多分、作らないかな?』麗花は、失望した。『子供は、大切よ。私の子供は、私が、地球を平和にさせるような人間に育て上げるわ!』『地球の平和を子供にさずけるのかい?それは、どうかな?』『私の子供が、地球を平和にすることに将来は、きっと成るわ。そう子供を育てるつもりよ。』『そうなんだ。俺は、地球が、平和に成れるように将来の計画をしているけど、子供は、育てる自信が、無いなぁ。自力で地球が、平和に成れるように考えているつもりだけど。』『浩二さんから地球の平和なんて素敵な言葉が、出て来るなんて思って無かったわ。』『地球を平和に出来るソフトウェアを将来、作りたいんだ。まだ基本設計は、決まっていないけどね。いつか地球が、平和になるソフトウェアを開発したいな。』『浩二さんは、真面目に言っているのかしら?』『凡人には、凡人の地味な夢もあるよ。』『地球を平和で幸せにするってことが、地味な夢なの?』『不可能だと分かっていて地球を平和にするソフトウェアを開発するつもりでいるから。老後かな、定年退職したら時間が、余るから。そうしたら作ろうかと思っているよ。麗花さんは、子供を国連の事務総長にでもする気なのかな?』『良く分かったわね。その通りよ。国連の事務総長に私の子供に成って欲しいわ。そして地球を平和で幸せにするわ。』『そう?目標は、俺と意外に近いんだね?俺は、口先だけだけど、麗花さんは、不可能を可能に出来そうだね?』『地球を平和にして世界中の人を幸せにしたいわ!』『現実的にどうするの?俺は、ソフトウェア開発で国の財政、管理が、簡単に出来るソフトウェアの開発を考えているんだけど。財政管理が、簡単に出来れば、国の運営予算が、間違いなく無駄なく出来るんじゃないかと思っているけど。』『私は、子供を政治・経済の道に勧めて、国連の役員にして、もっと応援して事務総長に成らせるわ。』麗花さんはバイタリティに溢れてて尊敬に値しそうだ。『でも事務総長になったら、平和になるのかな?』『他の人が、成るよりも私の子供が、成ったほうが、平和で幸せな星になるわ。』『良い夢だね。ひょっとしたら叶うかもね。良い人生設計だと思うよ。俺とは、違う道だけどね。子供を国連の事務総長か?その母に成れれば偉大だね。応援するよ。何も出来ないけど。英語と中国語は、学ばせるのかな?』『私は、英検一級よ。通訳も出来るわ。子供も、5歳までには、中国語と英語は、話せるようにするつもりでいるの。』『麗花さんの子供に生まれて来たら良かったのかな?』『浩二さんには、ネガティブな印象が強いわ。もっとポジティブな子供が、良いわ。』『それは、そうかも知れないけど。』浩二は、俺の性格では国連の事務総長には、向いてないと思った。『事務総長は、ライバルに勝てないで成れるポジションでは、ないわ。強いライバルに勝って成れるようにするの。』『俺は、臆病に生きる道を選んだんだけどね。麗花さんは、ポジティブシンキングの固まりみたいな人なんだね!』『地球を本当に幸せにしたいと思っているのよ。地球の平和を実現させるわ。』『それって親譲りのセリフなの?』『そうとも言えるし私の持論とも言えるわ! 父は、地球の平和を望んでいるわ。母も同じよ。』『普通の人は、地球が、平和になれば良いと皆、思っているけどそのために何をすれば良いのか?分からないんだと思うけど。』『私の家族は、愛で包まれているわ。そう言う家庭を増やして行きたいの!』『俺の家族は、平凡だったかな。』『愛って素晴らしいわ。お父さまやお母さまは、素晴らしいのよ。分かってくれる?この気持ち。』『えっ俺に言っているの?麗花さん、人は、そんなに便利な心は、持っていないよ。』『そうなの?』麗花は、浩二さんみたいな人間とは、あいいれないのかも知れないと感じた。『怒られてもなぁ~?麗花さんの気持ちは、分からなくも無いけど、麗花さんの言葉だけで愛を感じて過去を忘れて未来は、バラ色になるとは、思えないかな。過去を簡単に打ち消せるものでは無いよ。兄と姉は、結婚をして家を出ていて幸せな家庭を築いている。俺は、家庭を持つ気が、無い。』『浩二さんの家が、不幸ってことじゃないのね? 浩二さんだけ自分を不幸だと思っているの?』『そうかな。そんな感じかな?家族を5人としたら俺以外の4人は幸せに生活している。俺一人だけは、少し卑屈な性格に生まれたみたいかな?不幸と言うか一人でいたいだけだよ。幸せな家庭は、簡単には、作れそうにないから。』『老後は、どうなさるつもりなの? 老人ホームにでも入る気なの?』『老後、遠過ぎるかな。老後までの人生設計は立てていないかな、今、聞かれて老後は、どうするのか?今、考えたよ、貯金が、あれば、一人で地味なソフトウェア開発でもしながら、好きな物を食べて生きて行くか? だね? 良くは、分からないな。麗花さんは、老後どうするか?決まっているの?』『私は、子供を陰で支えるわ。国連の事務総長よ。親のサポートも必要よ。成れない時
は、国会議員として日本の経済を立て直す立派な人物に育てるわ。』『事務総長か?国会議員か?総理大臣か?麗花さんの子供なら、成れるかもね?親御さんは、麗花さんの夢に賛成しているの?』『出来る限り頑張りなさい!って言ってくれているわ。お父さまもお母さまも後ろだてになってくださるわ。浩二さんて、人を本気で愛したことが、あるのかしら?』『う~ん、無いかな。と言うか愛するって意味が、分からないよ。愛しいと思ったことは、あるけど中学生の頃、朝、速めに学校へ行って2年生の女の子が、3年生の校舎の前を通って2年生の玄関まで歩いて行く姿を見て、優しい気分に成った女の子は、いるかな?』『浩二さんは、人をもっと好きになったら良いんじゃないのかしら。愛する人を見つければ人生やり直せると思うわ。愛の力は、地球を平和にするから。地球を愛で満たせば、平和になるわ!』『愛って良く分からないかな? 可愛いかそうでないかは、顔を見れば分かるけど性格を 愛しいと思えるかどうかは、分からないかな。愛しいと少し感じたことがある女の子は、俺のことを嫌いみたいだった。愛しいと思う子に嫌われたら愛しいと思うだけ自分が、傷つくよ。麗花さんのような聡明な方には、分からないかも知れないけど?』『私は、浩二さんが、愛する心を持ったらもっと人生は素敵に成ると言っているだけで私を愛してとは、言ってないわ。』『俺は、機械製品の生産に力を入れるより農業に力を入れたほうが、地球の平和が、訪れるのが、速いと思っているだけさ。農業で食糧自給率130%の国に日本が、成ればその成功を他の国が、真似をしたとしたら、世界中で食糧自給率130%の国が、出来上がると思う。食糧自給率が、130%まで上がれば飢えに苦しむ人が、いなくなる。お腹が、いっぱいに成れば、気持ちも心も安定する。そうすれば戦争も紛争もいずれ無くなると思う。空想だけどね。』『浩二さんは、お腹が、いっぱいになれば地球が、平和になるとお考えなのかしら?そんなことだけで、地球が、平和になるのかしら?』『麗花さんの家庭愛論よりは、食料自給率を上げるほうが良いと思うけど。愛が、あってもお腹は、空く。お腹が、減ったらいらついて来る。いらついて来たら気にいらない奴と喧嘩が、起きる。』『随分、極論ね。確かにお腹が空く午後5時~6時は、犯罪が、もっとも多く起きる時間帯だわ。でもそれで本当に幸せになれるのかしら?食糧自給率130%ってどうやったら、出来ると思っているの?』『それは、分からないよ。農業従事者では、ないしどうすれば食糧自給率を上げられるのか?もし確信することが、あればプログラマーを辞めて農業従事者になるよ。地球の平和を何よりも望んでいることは、負けないつもりだよ。』『余った残りの30%は、どうする気なの?』『国連に寄付でもすれば良いさ。地球上で食糧自給率が130%に上がるまでは、国連に寄付することで問題は、無いはずだと思う。』『浩二さんには、浩二さんなりの企画が、あるのね?少し見直したわ。』『別に麗花さんの俺を見る目が、変わっても地球が、平和になるわけじゃないけど。麗花さんの子供が、国連の事務総長になることを願っても良いのかな?』『当たり前よ、応援して欲しいわ。』『国連の事務総長になっても地球を平和にすることは、出来ないのでは、ないかな?一時期、俺も国連の事務総長になりたいと思った時期は、あったけど結局自分には、無力だと思いその生活路線は、諦めたよ。麗花さんは、自信が、あるのかな?』『私には、私なりの考え方が、あるわ。愛は、地球を平和にするわ。人を愛することを地球の人々に伝えるわ。私と私の子供の愛を配るわ。その愛が、伝われば地球は、必ず平和に成るはずよ!何よりも深い愛よ。』『麗花さんの愛論では、お腹が空くんじゃないかい?』『愛が、あればみんなで分けて食べれば良いのよ。それが、真実の愛よ。』『ふ~ん?分けて食べるよりは、食糧自給率を上げてお腹いっぱいになれるまで食べたほうが、良いんじゃないかと俺は、思うけど。日本を食糧自給率130%の国にすることが、俺のひそやかな叶わぬ夢かな?』『良い夢を持っているじゃない素敵よ。私のまわりには、そんな夢を聞いたことが、無いわ。素晴らしい夢よ。ぜひ叶えて欲しいわ。困ったことが、あったら何でも相談に乗るわ。』『そう言われても~何から初めて良いのやら?今は、まだ分からないよ。真剣に考えて見ても答えは、出て来なかったから。ハードルが、高過ぎるのかも知れない?』『私は、今をエンジョイしてテニスが、大好きだから母親に成ったら、ウィークエンドプレイヤーに成って子育てに全力を尽くすわ。必ず国連の事務総長に成らせて地球を平和にするの!私の息子の代で地球を平和に出来なかったら孫に夢を託すわ。素敵な老後生活になるわ。』『子供と孫を国連の事務総長にか?成功すれば素敵な夢だね。』インターネットが、世界中で使われるように成ったら地球が、平和になるかも、知れないと浩二は、思っている。『地球を平和に導こうとする同志達が、集まれば麗花さんの夢は、叶うかもね。』『私に取っては、必然の結果になるわ。もし私に出来なくても同志は、山のようにいるわ。私と私の同志達の夢よ。浩二さんの夢も時間が、あれば叶えて上げるわ。』『日本の食糧自給率130%の夢かい?』『そうよ、地球上の全ての国が、食糧で溢れ返るような国作りをしてあげるわ。』『嬉しい限りだよ。』『地球を平和にするのよ。』『旅先で偶然、知り合っただけだけど麗花さんのような考え方をする人が、増えれば地球は、平和に成るかも知れないね。麗花さんには、出来るのかも知れない。良い男性を見つけて子供を生んで立派に育てれば楽しい家庭が、作れるかもね。』『楽しくて朗らかで真面目で愛の溢れる家庭を築くわ。』『浩二さんは、年収1000万円以上のお友達は、いるのかしら?』『麗花さん、そんな人物いるわけないよ。ついでに言うと友達は、一人もいないんだ。プログラマーは、孤独でも出来る仕事でね。偶然のヒット作のバーコード読み取り装置による棚卸業務システムも偶然出来た。また偶然が、起きるとは、考えられない。今年の年収は500万円+支社長手当の300万円を足した800万円ってところかな?つくば支社が、潰れるようなことが、あれば年収500万円に落ちるだろう。当たれば大きいけど持続させることは、不可能に近いのが、ソフトウェア業界の難しいところだと思う。』『年収500万円は、少な過ぎでは?と私は、思うわ?どうしてそうなるのか分からないわ。』『平均500万円だね。平均1000万円以上なんて不可能な話だ。麗花さんには、年収1000万円の男を見つけて欲しいね。日本から事務総長が、出るなんて誇りに思えるよ。麗花さんのしつけの良さがうまく子供に伝授、出来ると良いね。』『年収が、低いとひねくれてしまうのかしら?浩二さんの性格は、何時頃からそうなったのかしら? 幼稚園の時は、そんなにネガティブな性格では、無かったのでは?』『幼稚園の頃の記憶は、なぜか分からないけど何もないな。小学校一年生の時、右斜め前に座っていた渡部さんが、憧れだった。』『それからどうしたの?』『良くは、覚えていないんだけど。渡部さんが、引っ越してしまった記憶が、うっすらとは、あるんだけど。俺は、そのまま横浜の小学校から中学校に上がり高校も湾岸学校だったよ。』『中学生くらいかしら?それとも小学校の時からネガティブだったの?』『小学校2年、3年くらいの時は明るかった記憶が、あるよ。中学に入って男らしく生きようと思ったらまわりと会話が、出来なくなってしまった。理由は、分からないよ。高校生に成った頃には、頭の回線が、混んがらがってしまって修復不可能になっていたよ。気付いた時には、ひねくれた心は、もう元には戻らなく成っていた。学校を出てその後、就職してテレビだけが、友達だった。今でもテレビが、友達と言うのは、変わっては、いないけどね。』『浩二さん、友達は、必要よ。年収1000万円以上の30歳のお友達を見つけなさいよ。そうしなくては、あなたの地球の平和を願う心は、開花しないと思うわ。頑張って良いお友達を作ってね。』『旅先でなかったらこんなに長い話しは、してないよ。旅先なら気楽だから、あっつくばで会うかも知れないんだったね。』『さっきも同じようなことおっしゃってなかったかしら?私の子供に生まれたいって言ってらっしゃったわね?たらればを言い出しても仕方が、無いわ。もっと前を感じて発展的な話しをするべきよ。』『そうだね。』『私は、地球の平和が、気になるの。浩二さんは、地球の平和を考えていらっしゃるから具体的な案が、聞きたいのよ。』『地球の平和を実現させるための具体的な案と言われても?普通に考えたらなかなかうまくは、いかないよ。』『まずは、子供を国連の事務総長にするの。そして地球に愛を配るの。愛が、あれば地球上から争いは、なくなるわ。愛に飢えた人が、戦争を始めるのよ。愛が、あれば人は、幸せに成って、戦争なんて起こさないようになるわ。愛は、地球を平和にして救うのよ。』『愛を配るってどうするの?』『地球上の家族、家庭に愛のある暮らしの幸福感を与えるのよ。私の家庭のように愛のある家庭は、幸せになると地球上の全ての家庭と家族に伝えるの。そうすれば地球は、愛のある家庭と家族で満たされるわ。』『良いアイディアだね。』『人生って愛なのよ。愛が、あればお腹が、空いたとしても愛が、あればなんとかなるわ。愛の力は、何よりも素晴らしくて人間の心を温かい気持ちにさせてくれるの、愛は、地球を幸せに導くの。』『分かりやすくて正論で素晴らしい。否定する気は、無いよ。それを国連の事務総長になった子供が、世界に向けて演説するのかな?愛は、地球を平和にすると。』『浩二さんは、人を愛したことが、無いって言っていたわよね。人を愛することが、出来れば浩二さんも愛で満たされるわ。ぽっかり空いていた心のどこかが、愛で満たされて温かい気持ちに成るわ。私を愛しても構わないわ。その気持ちには、答えられないけど、でも私を愛せば心が、温もりで満たされるわ。片思いでも何でも良いの。愛を感じて温もりを感じて生きることが、一番大切なことなのよ。』『麗花さんは、自分が、国会議員や国連の事務総長に成るつもりは、無いのかな?』『私?私をバックアップしてくれる人は、大勢いるわ。私が、総理大臣や国連の事務総長になって日本中、世界中へ愛が、人を幸せにすることを広めても良いわ。だけどそれでは、子育てが、おろそかに成ると思うの。私の意思を継いでくれるのは、私の子供しかいないと思うから。子育てと総理大臣の仕事の両立は、いくら私でも不可能だわ。』『愛が、あれば何でも出来るって言ってなかったっけ?』『愛を配るパフォーマンスをするのよ。それには、夫の協力と子供との絆が、強くなければならないの。夫と子供と私と3人の絆を世界中に配るの。』『それで?』『夫への愛。息子への愛が、無ければ私の今の愛情は、それほど大きな物には、成らないわ。夫を愛し子供を愛し両親を愛しその愛の結晶の子供だからこそ何にも負けない不変の愛を持つ子供に成長するの。』『俺は、超能力者では、無いんで人の心は、読めないけど麗花さんのメーリングリストの人達も麗花さんの子供をバックアップする予定なの?』『地球を平和にする会の会員は、それぞれの子供に愛を注ぐわ。メーリングリストのみんなともライバルになるわ。その中で私の子供が、一番に成るの。私の子供が、一番と言うことに成ればみんな力を貸してくれるわ。』『麗花さん以外の他の人の子供が、一番優秀だったらどうなるのかな?』『それは、有り得ない話と思うわ。私の子供が、一番に成るの、間違いないわ。私の愛を生まれた時から注いでいるから。』『麗花さんの子供が、一番たくさん愛をいただけるってことかな?そうだとしたら幸せな子供なのかな。良く分からないけど?』『私の子供は、地球で一番幸せになるの。地球で一番幸せな人が、国連の事務総長に成れるのよ。総理大臣だって私の子供が、日本で一番、愛を持って幸せに生きられるから総理大臣になれるのよ。』愛が、地球を本当に救えるのか?愛されたことのない浩二には良く分からなかった。『子供への愛か、0歳からずっと20歳に成るまで子育てをビデオに撮って録画しておくと良いかもね?』『あら、それも素敵ね。私の子育てを録画するなんて考えてもみなかったわ。』『全世界に子育ての方法を映像として放映出来ると良いね。』『ええ、私は、夢を必ず叶えて見せるわ。浩二さんは、離れて見ていてね。』『随分な言われようだね。つくばテニスの森には、麗花さんが、妊娠したら行かないことにするよ。子供は、市議会議員から始めるのかな?それとも都道府県知事かな?いきなり国会議員から始めるつもりかな?』『テレビ局のアナウンサーかしら?その後、政治番組の司会を務めて国会議員になるのよ。国会議員になってしまえばゴールは目前よ。日本に愛を届けるの。テレビ番組の司会者の時も日本に愛を届けるのよ。そうすれば国民に愛を配る人物だとイメージが付くわ。日本の国民に愛を配って政党の党首になるの。』『もう具体的な案が、あるんだね。』『選挙で私の子供の政党が、圧倒的な支持率で勝利するの、そこから総理大臣に成って、2期くらい務めて国連の事務総長になるのよ。そこでも地球の家庭に愛の大切さを唱えるの。何よりも家庭が大切だと 愛の配り方を説くのよ。愛は、地球を平和にして幸せになれると人類が、全ての人が、幸せに成れると演説するのよ。』『愛が、家庭と地球を平和にか?実現したらどうなるのかな?』『私と夫と子供の愛を地球の全ての家庭に届けるの。愛が、全てなのよ。愛を配るクリスマスのサンタさんに成るわ。』浩二は、麗花の言葉に心を惹かれていた。『上手く行くと良いね。』『絶対に奇跡は、起きるわ。偶然は、必然よ。見ててね、飛びっきりの良い男を見つけて必ず地球を平和にするわ。』『素晴らしいね。』それしか言葉が、思いつかなかった麗花を見ていると愛って本当に良いものかとなんとなく可能性を感じてしまう浩二だった。『私を愛してくれる男性は、たくさんいるわ。今は、国連の事務総長に子供を成らせようと誓ってくれる方で私を愛してくださる方もいるわ。年収3200万円だけど。27歳までには、私は、子供を持ちたいわ。今24歳だから後2年以内に結婚相手を見つけるわ。もちろん年収1000万円以上の子供を英才教育して国会議員に成らせることに賛成してくれる方よ。そして総理大臣の経験を積んで国連の事務総長に成るの。そんな素敵な人生の道を歩いて行きたいわ。国連の事務総長の母親に成って見せるわ。』『君に言い寄る男ってどんな男なの?うわべだけなのか?どこまで本気か?君の愛する年収1000万円以上の男を見てみたいな。きっとイケメンでポジティブの固まりのような男なんだろうね。自民党か民主党につてでもあるの?』『さっき言ったはずよ。テレビ局のアナウンサーに成るって、そして冠番組で政治の話をするのよ。そこで人気が、出れば都知事くらいには、簡単に成れるわ。都知事の後は、自民党か民主党の党首よ。日本の政党は、言うことがすぐに変わるから政党に、こだわりは、無いの。愛を前面に出すことに賛成してくれる党が、良いわ。』『もし、麗花さんの愛を配るって言うことと違う意見を言う人が現れたらどうする気なの?』『それは、人の心の元に成る部分よ、自分が、地球で一番幸せだと普通の人は、思っているわ。充分自分が、幸せと思っているところに愛を配られて余計なお世話だと言う人が、いたらそれは、仕方が、ないけど。でも心の中では、きっと愛を配られて感謝していると思うの。本当のことを隠したい人は、少なからずいると思うわ。』『偽善者って言われたらどうするの?』『私を偽善者だと言う人が、いたら私の家族に嫉妬しているだけだと思うの。私の家庭が、幸せ過ぎてそれを見たく無い人かも知れないわ。心に愛が、少ない人なのかしら?でも人って生き物は、自分が、一番と思っているものよ。私以上に名声や名誉が、欲しい方じゃ、ないかしら?私は、私の家族が、一番幸せに包まれていると思っているもの。何を言われても私の家族が、地球で一番愛で満たされている家庭であり家族だわ。』『まわりから不平不満が、出ても気にならないのかな?』『私は私、他人は、他人よ。不平不満が、聞こえても愛が、地球を平和にすることに、変わりは、ないわ。私は、全ての人に愛を配ることが、地球を平和へ導くと信じているわ。』『それを証明出来ると良いね?』『私の家庭が、地球を幸せで満ち溢れた星に変えて行くのよ。こんな素敵な人生を歩きたいわ。』『そうだね。麗花さんの愛が、地球を平和にして幸せに導くんだね?俺は、今、凄い人と話をしているんだね?地球を幸せに導く人と話が、出来て光栄だよ。未来は、明るいね?麗花さんの家族愛が、全てを幸せに変えて行くんだね?素晴らしい話しだ。麗花さん一家は、大勢派として生きるんだよね?』『そうよ、陽の当たる道を真っ直ぐに歩いて行くの。愛の素晴らしさを唱えながら私の家族と共に私と私の家族の絆を地球上の人、全員に見てもらうの。愛の素晴らしさを説いて行くの。そして愛が、地球を救うことに同調してもらうの。』『それは、素敵だね。応援するよ。影ながらだけれど。』『理解してもらえて嬉しいわ。今日ここで会ったのも縁なのかも知れないわ。もう2度と会わないからどんな話しでも出来るわね。少し心を許して羽目をはずして言い過ぎたかも知れないわ。浩二さんって聞き上手なのかしら。私の人生設計は、今、話した通りよ。浩二さんの食糧自給率130%をもっと具体的に話して欲しいわ。今度は、私が、聞き役よ。『そう?あんまり決まってないけど聞きたいなら聞いてみて。飽きたら話しを終わらせるから。食糧自給率130%を目指す凡人が、考えた夢を。平和になるか、どうかは、分からないけどね。俺は、地球上の国が、食糧自給率130%を達成すれば地球が、平和に成りそうな気が、する。食糧が、地球を平和に導くと。食糧自給率が、130%を超えれば独りに成っても、生きて行けそうな気が、するんだ。第一次産業をおろそかにした日本は、もう一度、第一次産業に力を入れる時期に来ているんじゃないかと思うんだ。銀行や金貸し屋が、多過ぎる気が、する。』『浩二さんは、本当に食糧自給率130%案が、地球を平和にすると本当に思っているようね。最初は、冗談かと思っていたわ。食糧自給率を130%にするには、どうしたら良いの?具体案が、あるなら教えて欲しいわ。』『2年間の全寮制の農業、介護の専門学校を作るんだ。16歳~26歳の間の2年間従事することにして、全国民が、16歳~26歳のときの2年間を農業か介護を行うんだ。食糧自給率が、130%を超えれば、輸送の関係で赤字になる場合は、国が、野菜や果物を買い取り国が、食糧を配給する。』『浩二さんって真面目な顔をすると可愛いのね。』『えっ、かっこ良いじゃなくて可愛いのかい?』『あら、ごめんなさい。話しを続けて。』麗花は、浩二が、真面目にしゃべっているのが、不思議だった。『戦後の日本が、そうで合ったように、今の日本も食糧の配給制を導入するんだ。朝だけか昼だけか夜だけか?それは、実際に行ってみて朝が、良いか昼が、良いか夜が、良いか調査をしてバランスの取れたメニューで配給して行く、そうか?小学校や中学校の給食が昼に作られるから給食センターで夜ご飯を作って配給制にしよう。朝か昼は、食パン一枚でも、平気なくらい栄養のある夜ご飯を配給するようにする。』『それは、全家庭なのかしら?』『いや、配給をしなくても構わない世帯には、わざわざ給食センターに足を運ばずとも普通に今まで通り家で夜ご飯を作って食べれば良い。公務員は、削減したほうが良いと思うけど農業従事者を公務員化することによって安定した収入が、得られるようにして農産物は、すべて一旦国が、買い上げてそれをスーパーや八百屋に一定の金額で売りそれを国民が、買うことにする。スーパーや八百屋を公務員化することも考えられるが、そうすると公務員が、膨大に成り食糧を作っても国が、赤字になる可能性が、出て来る。一度試しにやってみないことには、どうなるか分からない。』『公務員化には、反対だわ、農産物の質が、悪くなるわ!公務員化が、堕落を生み出すことは、歴史が、証明しているわ?浩二さんあなた歴史の勉強をしなかったの?その考えには賛成出来ないわ。』『俺もどうしたら良いのか分からない。どうすることが、正解か?今の俺では、雲を掴むような話だ。だけど食糧自給率130%が、地球を平和に導く一番良い案だとは、思っているよ。どうせ返せない借金を日本は、作ってしまった。それならもっと借金を作っても良いから食糧自給率の130%化を目指した国作りをしていただくよ。』『浩二さんの言っていることは、共産主義だわ。そんなことで国家が、立て直せるはずが、ないわ。』『う~ん、俺の考え方に賛成してもらえないで少しがっかりだけど共産主義的な政策は、ありえないことだとは、分かっているけど。資本主義的に食糧自給率130%化を行える政策を考える必要が、あるんだ。同調してくれる人が、いないから話題にもならないし議論も行われない。議論が、行われないから先へ先へと歩くことが、出来無い。一生この案は、お蔵入りに成ってしまう。』『そんなに感情的にならなくても、良いんじゃなくて?私の友達にひょっとしたら同調する子が、いるかも知れないわ?そうしたらその子を紹介しても良いわ。友達が、浩二さんと話し合いたいと言ったらだけど。』『そんな変わった子は、見つからないよ。多分、期待しないで待っているよ。』『見つかると良いわね?』『俺の人生経験で同調してくれた子は、いないかな?不可能な話しなんだよ。でもそれをやらなくては、地球の平和は、来ないのかも知れないと思っている。だけど、インターネットの力が、各国間の間で広まれば語り合うことが、出来て地球の平和につながる可能性は、あると思うよ。インターネットは、平和への道導べと成るかも知れない。』『それは、私も思うことが、あるわ。』『時代が、インターネットと言うものを編み出してくれた。』『食糧自給率130%は、どうするの?インターネットのほうが大事なの?』『食糧自給率130%は、俺の夢で現実を見て地球の平和に一番速そうなのが、インターネットが、どこにいてもつなげて世界中の人々と会話が、簡単に出来るように成ることかな?スカイプ動画チャットみたいな物が、あるし動画チャットは、知っているよね?』『知っているわ、メーリングリストの友達とビデオチャットで話し合うこともあるから。確かに便利だわ。ビデオチャットが複数人で出来るなんて魅力的だわ。浩二さん頑張って年収1000万円以上になったらビデオチャットの輪に入れてあげても良いわよ。』『ビデオチャットで世界の平和を語るのは良いけど、俺には、身分不相応じゃないかな?幸せな家庭の援護が、ある人達の輪だよね?議論が、白熱して眠れなくなったとき、平和な家庭を持っていたり友人を持っている人なら愚痴も聞いていただけるだろうけど俺には、相談できる友達もいないから。身分不相応でビデオチャットの輪に入ったら自分の人生にとってマイナスになると思うよ。』『またネガティブに戻ってしまったようね? そんなの気にしなくて良いわ。』『そう言うわけにも行かないよ、今の時間は、旅先の寝言だよ?明日になれば綺麗に忘れているよ。』『浩二さん今ビール200cc飲んで来たの?』『いや、飲んでいないよ。話しが、終わったら部屋で一人でビールを飲むよ。ぴったり200ccのつもりだけど500ccくらい飲みたい気分だよ。麗花さんのような美人と夜を徹してしゃべれるんだからしかも地球の平和について、こんなに嬉しいことは無いよ。ビール800cc飲んでも良いくらいかな?』『それは、飲み過ぎよ。身体は、大切にしなければ行けないわ。健康が、一番よ。体調を崩してしまったら健全な心を保てなくなるわ。』『健康が、一番か?それは、俺も思っているよ。医学の発達で200歳まで生きるつもりだから。』『浩二さんの寿命は、200歳なの?それは、凄いわね。私は、120歳くらいが、目標よ。』『そうなんだ。え~と話しは、変わるんだけど実は、俺、夜は、苦手なほうでもう部屋に戻らなくては?麗花さんは、深夜に成っても大丈夫なほうなのかい?』『4時だわ。5時間も話していたのね。私は、平気だけど、もう眠たいのかしら?浩二さんは?』『徹夜は、したことが、ないんだ。麗花さんのような人と地球の平和について語れて今夜は、ラッキーだったよ。日本の財政管理プログラムを作ることにするよ。じゃぁ、どこかで会えると良いね。』『もう眠るの?少し幼く見えるけど本当に身体が弱いのね。お休みなさい。私も今夜は、楽しかったわ。ありがとう。』『うん、ありがとう、麗花さん、頑張ってね。』『浩二さんも頑張って。』浩二は、一人きりの部屋に戻って来た。あんな美人を前になんで軟派しなかったんだろう?相手の意見に合わせて入れば良かった物を本音を語ってしまうなんて。30にも成って頭の中は、子供だな。年収もごまかせば良かったものを本当の金額を語る必要は、なかったんじゃないのかな?失敗だ。ビールの栓を開ける。ビールの味が、ほろ苦い。あんな美人には、もう会えないだろう。出会いを大切にすれば良かったものを。電話番号くらいは、聞けたんじゃないかな?一生に一度の出会いを逃したのか?浩二は、残念がったが、布団に入ると夜が、弱い浩二は、すぐに眠りに落ちた。
麗花は不思議だった。口説くチャンスは、いくらでも合ったのになぜ誘って来なかったのかしら?私に女性としての魅力を感じなかったのかしら?少し変わった男性だったわ。人間いろんな方が、いるようね?でも私の夫としては、失格かしら。夢が、まったく違う男性だもの。携帯の番号も聞いて来ないなんてうぶ過ぎるわ。ビール200ccで幸せになれるなんてアルコール依存症なのかしら?身体を壊してしまいそう。もし会うことが、会ったらアルコールは、禁止と約束させるわ。4時でお寝んねなんて子供過ぎるわ。地球を平和にしようなんて本当に考えている男が、いるなんて麗花は、珍しかった。口説く手段として口裏を合わせる男には、大勢、会って来た。本気で地球の平和を考えているようだったわ。稚拙な考えだったけど。麗花は、深い眠りに落ちた。麗花は、月々50万円もする8LDKの賃貸マンションに住んでいた。15階建ての11階で父親が、所有しているマンションだった。『あらっ』『あれっ』『なんで浩二さんが、ここにいるの?』『ここは、俺の会社の社員寮だよ。』『えっ3人くらいで住んでいると思ったら浩二さんの会社だったの?』『8LDKの2部屋、10畳の窓際の部屋と、隣の8畳の部屋が、俺の部屋だよ。』どうしようか浩二は、迷った。嬉しさが、こみ上げる。『永遠に逢わないと思っていたらご近所さんになるのね?』『そうみたいだね。おはよう。』『あははは、おはよう。』麗花は、少し嬉しかった。
            
『本日からつくば支社長を務めさせて頂きます。大島浩二です。よろしくお願い申し上げます。』拍手が、起きる。『人それぞれですから、マイペースで自分の仕事をこなして行ってください。分からないことが、あれば何なりと質問してください。私も分からないことが、あれば何でも質問をして行きますので面倒でも些細なことでも教えてください。』また拍手が、湧き上がる。『それでは、みなさん仕事に移ってください。』50人が、仕事に就いて行く。さて、一番目の初仕事は何かな?『支社長、バーコードの在庫管理プログラムの基本設計をお願いします。』『了解。得意な分野だよ。ありがとう。』『支社長、仕事とは、関係ないのですが、伊集院さんとお知り合いなんですか?』『えっ、伊集院さんってお隣りの?』『そうです。美人姉妹ですよね。お友達なんですか?』『いや、友達ってわけじゃないけど。旅先で話しをしたことは、あるけど。』『じゃぁ合コン申し込んでくれませんか?』『えっ少し待ってくれる?お隣りさんって一人暮らしじゃないのかい?』『姉妹ですよ。お姉さんが、少し堅物で合コンに誘っても乗って来てくれなくて。妹さんは、気さくで話をしてくれるんですが、【お姉さんの許可が、ないと飲みには、行けないの。】って言うんですよ。』『就任初日から合コンのお願いか?一度お姉さんのほうと同じ旅館で、たまたま話しをする機会が、あっただけなんだ。合コンに誘えるほど、仲が、良いわけでは、ないんだよ。』『じゃぁ時間をかけて合コンの話し支社長お願いしますね。』『分かったよ。その話しは、おいおい考えるさ。仕事をしないと。』『はい、お願いします。』どうなっているんだ、ここは。就任初日から軟派の話しか?潰れそうな支社の立て直しに抜擢されたのか?俺は?合コンなんて年収1000万円以上の男としかする気は、ないだろう?面倒な話しをして来るものだ。夜になって9時か?初日だから速目に切り上げるか?『お先に失礼するよ。』『はい支社長、お疲れさまで~す。』『お疲れさま~。』寮は、会社から歩いて3分のところにある。寮のドアを開けようとする。隣りのドアが、開く音がする。挨拶でもしておくか?『こんばんは~』扉が、開く。愛花は、浩二を見て体中に電気で痺れる感覚が、した。指先からつま先まで、私の王子さまかしら?『あれっ妹さんなの?』愛花は、声も出ない。小走りでエレベーターに乗る。あれれっ無視されちゃった。挨拶くらいしてくれても良いのに。この調子じゃ、合コンは、不可能だな。美人姉妹って聞いていたけれど本当に美人姉妹だな。妹のほうが、気さくって聞いていたけど、挨拶もしてくれないんじゃ話しは、不可能だな。愛花は、人生で初めて好みの男性に出会った。心に衝撃が、走った。私、あの人と結婚したいわ?お姉さんから、相手の素性も分からない相手に勝手に話しをしては、いけないとずっと教わり続けて来たけど。あの人は、違うわ。地球の平和なんて考えていなくても良い、お金持ちじゃなくても良い。きっと運命の出会いが、私に起きたのよ。私の運命の人を見つけてしまったわ。愛花は幸せな気分に成っていた。浩二は、自分を中肉中背で性格は、根暗な男だと思っている。顔は、ごく普通、髪の毛は、いつも寝癖が、付いている。まわりの女性の自分を見る目も根暗な男で持てない男と思っている。しかし女性側から見れば話をしないところが、クールでミステリアスな魅力的な男性と見られていることにまったく気が、付かないでいる。浩二は、自分をまったく持てない男と信じ込んでいる。女性から見ればつくば支社でベスト3に入る理想の男性ランキングになっていた。浩二本人は、まったくそんなことに成っていることが分からないまま仕事をこなしていた。浩二は、女性にたいしてまったく自信が、無い男だった。月曜日に赴任して一週間が経った。無事5日間仕事をこなして帰宅した。翌日、土曜日で一日くつろごうとしているときふいに各部屋一つ一つについたブザーが、鳴った、はい、大島です。モニターには、麗花の妹の姿が、映っている。『何か御用ですか?』『大島さんですよね? お話しが、あるんですが?』愛花は、おどおどとしている。『はい、今、行きます。』浩二には、何の話しか?さっぱり分からない。『おはようさん。何の御用ですか?』『私、麗花お姉さまの妹の愛花と言います。』『はい、美人姉妹ですね?』本当に愛花さんは、可愛い麗花さんが、2人姉妹の長女と言っていたから、妹なのだろう。話す姿が、可愛いくてキュンと来る。キュートな女性の代表みたいに見える。『あの~突然なんですけど天気も良いしサイクリングに行きませんか?』愛花は、おそるおそる聞いてみる。『えっ俺、自転車持っていないけど。』『あの~つくば駅で自転車は、借りられるんです。一日200円かかりますけど?』『へ~そうなんだ。つくば駅までは、徒歩で行くの?』『はい、10分くらいだから歩いて行きませんか?』『俺の車で行こう、10分も歩いたら貧血起こすよ。俺って普段、歩いたりしていないから。サイクリングも貧血を起こさない程度にしてね!』少しテンションが、上がる。『下の玄関で待っていて。車を止めるから。ジーパンか、ジャージかどっちが、良いかな?』『ジーパンで良いと思います。』『了解、5分後に行くよ。』う~んどうゆう風の吹きまわしだろう?誘われるのは、悪い気は、しないが、部屋着のジャージからジーパンに着替える、ポロシャツは、長袖だな、肌が、焼けるとやっかいだ。愛車は、スカイライン。去年のボーナスの特別手当が、出たときに一括払いで衝動買いしてしまった。乗り心地は、良いのだが、燃費は、泣けて来る。身分不相応な買い物をしてしまった。あぁそう言えば今日のサイクリングも身分不相応だな?気をつけないと。『お待たせ~。』『いえ、今、来たところです。』『助手席にどうぞ~。』『はい、大島さんってお金持ちなんですか?』いきなりお金の話しか?さすが姉妹だな?『いや、お金持ちでは、ないよ。それと浩二さんって名前のほうで呼んでくれるかな?君は、お金持ちなの?』『愛花って呼んでください。親は、お金持ちです。私は、普通くらいです。お姉さまのスクールのコーチをしています。』『そうなんだ、つくばテニスの森だっけ?』『はい、そうです。テニスは、しますか?』『愛花さん、です、ます、は、付けなくて良いよ、普通に会話しよう。』『はい、わかりました、じゃないですね、良いわ。って言えば普通ですか?』『そうだね、その内、普通に話せるよね?』『ええ、そのうちに。』愛花は、ぎこちなかった。『え~と南駐車場で良いよね?空いているから?』『はい、良いです。』『え~とここからどこに行くの?』『つくばエクスプレスの改札の隣りです。』『じゃぁ地下まで降りるんだ?』『そうです。降りてスターバックスの隣りに小さな小屋みたいなお店が、あります。』『うん、了解。』『あそこです。』『えっ自転車無いよ。』『鍵を借りるんです。』『了解。』店の中に入った。『身分証明書は、お持ちですか?』『免許証で良いですか?』『はい、お預かりします。ありがとうございます。免許証をお返しします。A4出口を出て右側に駐輪場が、ありますからこの番号の自転車に乗ってください。』愛花は、ドキドキが、止まらずレンタルサイクリング店では、まともに話せなかった。『へ~こんなところに自転車のレンタル場なんてあるんだ~。』『たまにはサイクリングも面白いですよ。』『うん、愛花ちゃんが、なんで俺を誘ったのか?分からないけどサイクリングもたまには良いね。これからどこに行くの?』『池のまわりをまわりませんか?』『了解。』陽射しと風が、心地良い。サイクリングってこんなに楽しいものなのか?それとも愛花ちゃんが、一緒にいるからかな?何を話せば良いのかな?『愛花ちゃん、君も麗花さんと一緒で年収1000万円以上の人としか結婚しないのかな?』『私は、あまり気にしません。』愛花は、どう答えて良いか、分からなかった。両親からは、年収1000万円以上の男としか付き合うことを許されていなかった。子供を英才教育させるのに年収1000万円以上は、かかるからだ。子供を英才教育させて経営学を学ばせたいし、英語、中国語も、学ばせたい。そのためには、1000万円以上出来れば、3000万円以上の収入が、欲しい。でも浩二さんとなら英才教育が、出来なくても幸せな家庭を築けそうな気が、している。『浩二さん、年収は、いくらなんですか?』『年度によってばらつきは、あるけど平均600万円くらいかな?将来も800万円くらいでそれ以上の収入を得るのは、今の会社では、不可能かな?』『最高で800万円くらいですか?』自転車をこぎながら、話している。『そうだねぇそれくらいかなぁ~』私を口説いて来る男の人は、年収1000万円以上の人が、ほとんどで年収が1000万円以下の人なんてありえなかった。本当に私、浩二さんで良いのかしら?【一瞬の火でついた恋は、一瞬の間に燃え尽きる】とも言うわ。このドキドキが、いつまで続くのかしら?ドキドキが、無くなった後は、お金しか残らないわ。でもこのドキドキは、無くなるまで一緒に居たいわ。結婚しないで、恋人として付き合えば良いのかしら。結婚を考えると重たくなってしまうわ。ドキドキが、無くなるまで一緒にいて欲しいと言えば良いことだわ。【恋人に成ってください】と言えば良いわ。きっとそれで良いのよ。もし、このドキドキが10年続いたら、子供は、どうしたら良いの。30歳前に子供は、欲しいわ。『おぉ~いそっちは、行き止まりだぞ~。どこへ行くんだ~。』あら、私ったら『はぁ~い、今、そちらへ行きま~す。』善は、急げよ。『はぁ、はぁ、あの~私と付き合ってくれませんか?』『えっドアですれ違ったのと、今日、会ってサイクリングしただけで、あれ?どっかへ連れて行って欲しいの?付き合うって?』『私、浩二さんが、好きなんです。恋人に成ってください。私で良ければお願いします。』『え~~~?。』浩二は、戸惑ったこんなに可愛い子が、年収600万円の男と付き合いたいのかな?本気で言っているようだ。恋人は、居た経験が、ないが、断る理由は、身分違いってことだけだ。断ろうかな、せっかくシングルライフに満足して来た頃なのに。『俺で良ければよろしく。付き合っても良いよ。』『本当ですか?』『もちろん本気だよ。』心と口から出る言葉が、違っているが、捨てられても構わない。原宿で腕を組んで歩いてクレープを一緒に食べたい。『本当に本当なんですね?やった~~~。嬉しい~~~。』愛花は、初めて恋した男と付き合うことになれた。浩二は、将来、身分違いの打撃を受けることになることを覚悟をしたが、今だけは、幸せな気分を持って浮かれていようと思った。いつ浮かれた気分が、なくなるのか分からないから。

愛花は、おそるおそる今日の出来事を姉の麗花に話そうと思った。『麗花お姉さん実は、話しが、あるの。』麗花は、愛花のこんなに困った表情を初めて見た。『何か?あったの?』『お隣りの浩二さんのことなの。私一目惚れしてしまったの。年収が低すぎることは、分かっているわ、でも浩二さんといるとドキドキして幸せな気分になれるの。』『それでその先は?』
麗花は、なんと言って良いか分からない複雑な心境になっていた。『結婚は、しないつもりなの。だけど今は、浩二さんと一緒に話しをしてみたいの。恋人に成ってください。って言ってしまったの。』『浩二さんは、地球の平和について何かお考えをお持ちのようよ。』『麗花お姉さん反対しないの?だって年収600万円って言っていたわ。』『結婚する気は、無いって思っているのよね?』『そうよ。ドキドキ感が、無くなったらお金しか残らないから。もしドキドキが、無くなったら年収600万円では、暮らして行けないわ。結婚相手は、年収1000万円以上の方を選ぶわ。』『そうそれなら良いわ、結婚相手は年収1000万円以上の男を選ぶって今、ここで約束をしてちょうだい。』『ええ。約束するわ。だったらお付き合いを許していただけるの?』『私、年収1700万円の男と見合いさせられそうに成ったとき、横浜の旅館に逃げこんだの。その時、偶然、浩二さんと話を5時間くらいしたの。考え方は、ひねくれているけど誠実さは、感じられたわ。お付き合いだけなら許して上げるわ。』『本当に本当に許していただけるの?絶対に反対されると思っていたわ。許していただけるのね! 麗花お姉さん大好き!』愛花は、麗花に飛びついた。

『支社長、合コンの話しは、どうなりましたか?』『えっ合コン?』『覚えてないんですか? お隣りの二人と合コンですよ!』『あっそれね。いろいろ合って姉の麗花さんは、年収1000万円以上の男しか興味が、無いらしい。俺たちは、年収400万円~600万円だろ。』『そんなの夢を見ているだけですよ。そんな男どこにもいないですよ。現実を見させるためにも合コンを頼んでください!』『それなんだけどね?良く分からないんだけど、妹の愛花ちゃんと俺が、付き合うことになったんだ。』『つくばテニスの森のプリンセスと恋人になったんですか?』『どう言うことか愛花ちゃんから恋人に成ってください。って言われたんだ。』『えっ支社長は、堅物の麗花さんとお知り合いだったのでは、ないんですか?』『うん、愛花ちゃんとは、玄関であいさつしただけさ。しかも無視されて。』『それが、どうして付き合うことになったんですか? 詳しく教えてください。』『う~ん、どうも愛花ちゃんの好みのタイプが、俺だったそうだ。詳しくは、分からないよ。俺も本当かどうか分からないんだ。』『プリンセスのほうから告白されたんですか?』『土曜日にサイクリングに誘われてそこで告白されたんだ。何か思惑が、あるのか?どうなのか良く分からないよ。』『そうですか。おめでとうございます。合コンの件は、しばらく止めておいたほうが、良いですか?』『そうだね。恋人同士の合コンなんて聞いたことが、無いね。』浩二は、半信半疑だった。姉の麗花さんの入れ知恵か?愛を感じさせるための実験台になったのか?本当に愛花ちゃんが、俺に一目惚れしたのか?良く分からない。生まれて初めての告白だった。それも一度あいさつをしただけで、今後、おのずと結果は、分かるはずだ。ビールを200cc飲んでも寝付けない浩二は、ベッドの上でしばらくの間、考えては、いたが、幸福感と不安感の狭間を揺れながら眠りに落ちた。もう9時か?朝陽が、まぶしいブザーの音が鳴る。末っ子の愛きょうのある顔が、モニターに映っている。愛くるしい。『今、行くよ。』『は~い!』『お待たせ。愛花ちゃん今日は、どこに行く?』『映画とかどうですか?』『えっ映画?ごめん、映画は、少し音が、大き過ぎてだめなんだ俺。』『そうなんですか?』『DVDを借りて一緒に見ない?』『何を借りるんですか?』『何でも良いよ。』愛花は、浩二の気遣いが、嬉しかった。『じゃぁ、【君に届け】か【君はペット】が、好きです。後は、【悪女】なんかも良いです!それに【バックトゥザフィーチャー】【シザーハンズ】それか【風の谷のナウシカ】が、好きです。』『たくさんあるね。俺、全部見たことあるかな?何にしよう?【君はペット】にしようかな?』『はい、10巻か12巻くらいありませんか?』『俺、3巻目辺りから、おもしろくて録画して見てたんだ。1巻目と2巻目は、見てないから1巻目と2巻目が、見たいな?』『はい、浩二さんの部屋で見ますか?私の部屋で見ますか?』『う~ん、どうだろう?お姉さんが、家に入れてくれるのかな?』『恋人だから多分大丈夫だと思いますけど~。浩二さんの部屋が、見てみたいです。』『俺の部屋?凄い散らかっているよ。10畳と8畳の部屋が、あるんだけど、8畳の部屋のほうが、倉庫になってて寝室の10畳の部屋のほうは、比較的綺麗かな?』『10畳の部屋にテレビが、あるんですよね? 寝室のほうで良いです。布団の匂いとか、嗅いでみたいです。』『えっ布団?引っ越しで、新しいのに変えたばかりだから、別に良いけど。』『そうなんですか?匂い付きが、良かったのに。新しい布団でも良いです。』『了解。』愛花ちゃんって、変わっているなぁ。いや、それが、普通の恋人同士なのかな?恋人を持ったことが、ないから、良く分からない。セミダブルの部屋の中にテレビとブルーレイレコーダーが、ある。陽射しが、入る南向きの窓際の部屋だ。寝室には、ベッドと小さなテーブルが、有る、200ccのビールを飲む場所とノートパソコンだけで他の物は、全て8畳間に放り込んである。『綺麗な部屋なんですね。男の人の部屋ってもっと散らかっていると思っていました。』愛花は、動揺していた。男性の部屋に入るのは、初めてだった。この部屋は、テレビを見るには、ベッドの上からしかテレビが、見ることが出来ない。ドキドキして来る。浩二も動揺していた。テレビが、ベッドに寝転んで見るか?ベッドの頭のほうに背もたれて座って見るしかない。どちらにしてもテレビを見るのは、ベッドの上からだった。愛花ちゃんは、何を考えているんだろう?『ベッドに乗っても良いですか?テレビを見るにはベッドの上からですよね?』『うん、良いよ、寝転んで見る?それとも背もたれから見る?』『背もたれに座って見ます。』『了解、ベッドの掛け布団と毛布、邪魔だよね?』掛け布団と毛布をたたんでじゅうたんの上に置いた。『さて、ブルーレイじゃないよね? 確かDVDだよね。』『はい、DVDです。』浩二はDVDをセットして再生ボタンを押した。自分もベッドの上に乗り背もたれにもたれかけた。愛花は、どうしたら良いのか。分からなかった。手をつなぐのか? 待っていれば良いのかしら?この状況でDVDの再生に集中、出来るわけが、なかった。浩二も迷っていた。生まれて初めて女の子と二人きりでベッドの上にいる。何かモーションをかけたほうが、良いのか?このままDVDを見ているだけで良いのか?手をつなぐくらい、しないと相手に失礼なのかな?浩二は、おそるおそる愛花の手を握ろうとしたが、心の中と反対に手は動かなかった。愛花も手を握ろうとしていた。私どうすれば良いのかしら?胸がドキドキしている。男性とベッドの上に二人きりでいるんだわ。逃げも隠れも出来ないんだわ。『良いドラマだね?』浩二が、しゃべりかけた。愛花は、言葉が、出ない。気まずい雰囲気になる。『さて、もうドラマは、いいや。ドライブに出かけよう!』愛花は、動揺していたが、浩二さんの隣りにいられるってこんなに嬉しいものなの?これなら毎日隣りにいたいわ。積極的だった。つくばの道路は、広くスピードも出る。安全運転しなくては、事故も多い。浩二は、適当に広い道を選んで車を運転している。風が、心地良い。今日一日夜まで遊ぶつもりだったが。『愛花ちゃん午後は、急用が出来て会社に出ないといけなくなった。マンションに戻るよ。』『そうなんですか?今日は、一日、空いているって言っていませんでしたか?』『う~ん、実は、今、動揺しちゃって冷静でいる自信が、ないんだ。』『えっどう思ったんですか?嫌いになったんですか?』『そうじゃないよ。好きに成り過ぎてしまうと結婚したくなってしまったらどうしようって考えていたんだ。』『結婚ですか?私も結婚は、出来るか?出来ないか?分かりません。』『あっそうなんだ。お姉さんや、ご両親に結婚は、反対されているの?』『【恋人としてなら】って条件付きでお付き合いの許可をもらっているんです。』『そうか、恋人か?了解。その条件で考えて見るよ。』『私のこと嫌いになったんですか?』『その言葉、苦手なんだ。止めてくれ。』『その言葉ってどの言葉ですか?』愛花は動揺している。『【嫌いになったんですか?】って言い方の話しだよ。それを言いたくなったら【私のこと大好きになったんですか?】って言ってくれるかな?』『えっどうしてですか?』『近所のおばさんとテニスをしているとき散々【私のこと嫌いなの】って言われたんだ。』『嫌いじゃないのに、【嫌いなの】って聞かれたら、返事に困るんだ。【嫌いじゃないです、嫌いじゃないです。】って言うのが、苦手で逆の聞き方をして欲しい。私のこと大好きなのね。大好きなのね。】って言ってくれれば愛花ちゃんになら【凄く好きだよ】って言い易いんだ。今度、【私のこと嫌いになったのかしら?】と思ったら、【私のこと大好きなんですか?】って聞いてくれるかな?』『はい、分かりました。気をつけます。じゃぁ、私のこと大好きなんですか?』『うん、そうだよ。大好きだよ。』『嬉しいです。でも浩二さんって時々、気難しいところが、あるんですね。』『【私のこと嫌いなの?】って100人くらいに聞かれたら答えるのが、苦手になるよ。』『100人もお知り合いが、いるんですか?』『お知り合いもいるし、お知り合いじゃない人を含めたら400人くらいに【私のこと嫌いなんですか?】って聞かれたよ。ついでにもうひとつ聞かれたら答えに困る質問があるんだ。【休みの日、何をしているんですか?】って質問も勘弁して欲しい。休みの日は、【疲れて眠っているだけなんだ。】それを、そう答えると【嘘~本当のこと隠している~】って言われると心外なんだ。』浩二は、言い過ぎたかなと少し後悔をした。『分かりました。気を付けます。でも、【休みの日、何をしているんですか?】って今度、聞かれたら、【私とデートしてます。】って答えてください。』愛花は無邪気そうにそう答えた。浩二は愛花の笑顔の虜に成った。『ところで地球を平和にする計画は、愛花ちゃんは、どう考えているの?』『えっ私の家族とお友達の【地球を平和にする会】ですか?』『そう、それっそれっ!』『浩二さんには、何か考えが、あるって麗花お姉さんに聞きました。』『え~と俺の案は、食糧自給率130%に上げる案と日本の財政支援プログラムのソフトウェア開発だけど。愛花ちゃんは、何かアイディアが、あるの?』『私は、私なりの考えが、あります。』『えっ愛花ちゃんも何か考えているの?全然そんなふうに見えないけど。』『私は、宗教間の共通点の模索です。』『えっ宗教なの?』『はい、立派な宗教が、世界各地にあります。それを勉強して各宗教の良いところ取りのような法典を作ることです。新宗教の立ち上げです。私か夫が、新宗教の教祖になります。そして子供が、2代目の教祖です。』『えっ?すさまじい夢を持っているね。』『はい、友達にも意外って言われます。でも私は、私なりの【地球の平和を作る会】のアイディアとしてそれをやって見たらってまわりの人には、賛成してもらっています。』『へ~あんまり他人の意見を否定しない会なんだね。俺とは、結婚しないから、教祖か~?面白いな~。宗教団体の教祖って面白そう~。』『えっ教祖に成っていただけるんですか?』
『えっ俺とは、結婚しないんだよね?』『あ~そうでした~。』『でも俺には、食糧自給率130%案と日本の財政支援システムソフトの開発案が、在るから。宗教団体の教祖も良いけど。』『それでしたら宗教でその2つの案を取り入れた宗教団体にすれば良いじゃないですか?』『食糧自給率を130%にする宗教団体なんて聞いたこと無いよ?』『えっ【地球を平和にする会】は、奇跡を起こす会ですよ。そんな不可能なんて言っていたら叶うアイディアが、遠ざかって行きますよ。絶対、上手く行きますよ~。』『そう言われるとそうかも知れないと思うけど。』『私、宗教の勉強しているんです。日本の財政え~となんでしたっけ?』『日本の財政支援システムのソフト開発。』『じゃぁ理系の人にも入信してもらわないと行けませんね。』『こんなことで大丈夫なんだろうか?』『宗教団体の立ち上げの予算は、お父さまに出してもらうことに成っています。』『へ~そうなんだ~。』浩二は、自分の将来が、どうなるのか分からなく成りだした。『じゃぁまた明日ね。愛花ちゃん。』『はい、明日もデートしてくださいね。9時にピンポン鳴らします。』『了解。じゃぁ明日ね。』

浩二は、部屋に戻りベッドの上で考え事をしていた。宗教団体の教祖なんて本当に出来るんだろうか?そもそも年収が、足りない俺と結婚する気が、あるのかな?俺の食糧自給率130%案は、どうしたら出来るんだろう?愛花ちゃんは、宗教の勉強をすると言っていた。俺は、農業の勉強をすることに成るのかな?それとも宗教の勉強を二人でして、農業従事者とプログラマーに入信してもらうんだろうか?この先どうなるんだろう?女性に人生設計を変えられることになるとは、思いもよらなかった。こんなことで良いんだろうか?愛花ちゃんと一緒にいて夢が、大きく変わることに成るんだろうか?本当に姉妹揃って地球の平和を考えているらしい。【地球の平和を考える会】と言うのが、年収1000万円以上の会と言っていた。お金持ちは、考えることが、違うんだな。 凡人に生まれた俺とは、考えることが、違うみたいだ。うっすら食糧自給率130%に成れば良いな、日本や世界の財政支援システムのソフト開発が、出来れば良いなとは、思っていたが、本当にそうなるとは、到底、思えないでいた。身分不相応では、ないのか?愛花ちゃんは、結婚は、しないつもりと言っていた。麗花さんは、絶対、許しは、しないだろう。どうしたものか?今は、幸せだ。愛花ちゃんと一緒にいると地球で自分が、一番幸せに思えて来る。この気持ちを今、味わっておくだけで良いのか?200ccのビールが、更に幸せにさせる。俺は、地球で今一番、幸せなのかも知れない。この気持ちが未来永劫まで続くわけでは、ないだろうけど?浩二は、今までに感じたことの無い不思議な気分になっていた。
平日は、夜の10時まで残業。なんでこんなに俺の仕事が多いのだろう。基本設計は、つくば支社の半分以上が、浩二にまわってくる。それをこなすには、10時まで残業するしかない。一日10時間、睡眠時間が、必要な浩二だったが、支社長と言う立場上、残業せざるを得ない。プログラミングの仕事は断って基本設計のみの仕事に徹している。そのせいか、つくば支社は、黒字に変わって行った。ほとんど潰れかけていた、つくば支社をわずか半年で黒字に転換させた。基本給500万円+支社長手当800万円の合計1300万円に増えていた。年収1300万円だ。土日は、愛花とのデートで盛り上がり平日は、支社長として一目、置かれるように成っていた。浩二の基本設計能力の素質が、開花していた。適材適所とは、これのことだった。愛花は、午前午後と宗教の勉強をして、ナイターの6時~9時の間だけテニスのコーチをしていた。愛花は、まだ22歳だ。愛花は、この先どうなるのか?眠る前に不安が、よぎっていた。浩二さんといると嬉しい、天にも昇る気持ちになる。だけれど家族には、結婚を反対されると思うと悲しい気分になる。まだドキドキする気持ちが、続いていた。安心感のような物で包まれている気分になる。土曜日、愛花は、いつものようにブザーを鳴らす。『はい、今、行くよ。』浩二の声が聞こえて来る。『じゃぁ玄関で待っています。』『了解。』残業で睡眠不足の浩二は、土日は、午後まで眠っていたいのだが、愛花との時間が、元気の源に成っている。『今日は、どこへ行く?愛花ちゃん。』『え~と、筑波山なんてどうですか?』『おっと、俺は、歩けないよ。貧血症だから?』『そうでしたね。忘れていました。じゃぁ、筑波スカイラインは、どうですか?』『えっ~、あんな道の運転をするのは、不可能だよ。残業が、多くて寝不足なんだ。』『じゃぁ、私が、運転します。』『えっ愛花ちゃんって運転、得意なの?』『得意ってわけじゃないですけど、たまには、筑波スカイラインを運転して気分転換をしませんか?』『う~ん、地球を平和にする会の話しが聞きたいな?ドライブよりも、地球の平和を語りたいな。』『私、宗教の話し、しか出来ませんけど、良いんですか?』『うん、それ聞きたいな。』『じゃぁ今日は、私の部屋で話しませんか?』『飲食禁止?ビール飲みながらでも良いかな?』『お酒ですか~?お姉さんにも【飲酒は、禁止にさせなさい。】って言われています。私もアル中に成らないか心配です。お酒は、だめですよ。』『そうか~ じゃぁ俺は、ベッドの上で横に成るから、隣の椅子で、地球を平和にさせる宗教の話しが、聞きたいなぁ。途中で眠ったら起こしてね。』『はい、それで良いです。』愛花の部屋は、テニスラケットが、10本、スノーボードが、3台、スキー板が、2セット、他には、ベッドとパソコンしかない。綺麗に片付いている。浩二と一緒に行ったディズニーシーの写真が、コルクボードに貼り付けられている。壁には、ディズニーのキャラクターのミッキーとダッフィーのポスターが、貼ってある。ぬいぐるみは、ダッフィーが、枕の横に置いてある。22歳の末っ子らしい部屋だ。『じゃぁ掛布団と毛布は、じゅうたんの上で良いかな?』『はい、じゃぁ隣りの部屋に持って行きます。私、力持ちなんです。』『えっ俺が、運ぶよ。』『良いです。ベッドの上で横に成っててください。』『了解~。』眠りたい浩二は、愛花の香りが、するベッドで横に成った。愛花が、掛布団を隣りの部屋に運び、オレンジジュースに氷を入れて自分の部屋のドアを開けると浩二は、眠りについていた。愛花は、浩二の顔をまじまじと見ながらオレンジジュースを飲み幸福感に満ち溢れていた。浩二は、残業の疲れで横に成った瞬間、睡魔に勝てず眠ってしまっていた。眠ったふりでもしてみようかと計画を立てていたのだが、余りにも責任感のある支社長の仕事は、浩二の貧弱な身体には、休息しなければ精神的に成り立たなかったが、愛花に絶対的な信頼感をこの半年で持っていた。その香りのするベッドでぐっすりと眠ってしまっていた。一時間ほどが、過ぎた頃、愛花もうとうととして来て浩二の頭に頭をぶつけてしまった。『あ痛たた。もうちょっと優しく起こしてよ。』『ごめんなさい、私、頭突きしちゃいましたか?眠たくて。』『あっ 宗教の話しは、どうしたの?』『部屋に戻って来たら浩二さんが眠っていたんです。それで気持ち良く眠っていたみたいだから寝顔を見ていました。可愛い顔していましたよ。』『30歳過ぎの男が、可愛い顔って言われてもね。あんまり嬉しくないかな?褒めてもらえているなら悪い気は、しないけど。』『本当に可愛かったんですよ。起こす気になれなくて見ているだけで幸せな気分に成っちゃいました。』『まだ、昼間だね、食事は、何にする?』『私の手料理を食べますか?』『何か作れるの?』『そうですねぇ~インスタントラーメンか?インスタントカレーなら作れます。他には、しゃぶしゃぶとか、お刺身とかです。』『お刺身ってどうやって作るの?』『スーパーでお刺身を買って来てお皿に盛りつけます。後、ご飯を炊くんですけど時間が、かかるからインスタントのお米で良いですか?レンジで温めるだけで出来る白米です。』『え~とそれで良いよ。いやそれが、良いよ。』『お刺身ですか?じゃぁ、もう少し横に成っていてください。私、買って来ます!』『うん、眠り心地が、良いからもう少し横に成っているよ。』浩二は、すぐに眠りに落ちた。付き合って半年。キスもしていない。これで良いんだろうかと、思いつつ、残業の疲れと、つくば支社の立て直しの重圧感が、少し和らいだ今でも、横になれば眠りに落ちてしまう。愛花に安息を感じてしまっている。すっかり惚れ込んでしまった。どう対処して良いか良く分からない。30歳にも成って、恋愛に素直に成れない。お互いの部屋を行き来する仲に成っても何も出来ない。男が、だらしないんだろうか?アプローチをしていない。愛花ちゃんは、どう思っているんだろうか?俺は、これで幸せだ。何も考えないことにしよう。何も恐れることなんてないのに、麗花さんに言われた、【男の癖にだらしないわね。】と。だらしなくても、だらしなく、なくても、今は、幸せを感じているし仕事も良い感じだ。欲張らなくても良いのでは?と思ってしまう。今、現在、自分の哲学から見て今の俺は、身分不相応で出来過ぎていて幸せの絶頂だ。全てのものを無くしてしまわなければ良いのだが。夢の中で考えていた。がちゃっドアを開ける音がする『愛花ちゃん、あれっ』『あなたは、そこで何をしているの!』『何って横に成っていただけだよ。』『愛花は、どこにいるの?』『キッチンじゃないかな?』麗花は、憤慨しているようだ。『愛花、部屋に男性を連れ込むのはルール違反よ。』『麗花お姉さんも浩二さんとのお付き合い認めてくれたじゃない?』『お友達としてのお付き合いよ。外で会いたければ会いなさい。部屋に行ったり連れ込んでは、いけないわ。』部屋で浩二は、まだ横になっていた。疲れが、身体に重くのしかかっていた。麗花が、部屋に来た。『浩二さん、愛花に手を出さないで。今日は、とりあえずお部屋へ戻ってくださるかしら?』『愛花ちゃんと俺は、友達であり、恋人でもある。邪魔は、しないでくれるかな?』『浩二さんと愛花では、釣り合わないわ。あなたも言っていたじゃない、身分不相応なことは、しないと。』『確かに身分不相応だけど、今の生活は、愛花ちゃん無しでは、考えられないよ。』『愛花、あなたは、どうなの?』『私も浩二さんが、いなくなったら寂しいわ。二人の間には、入らないで。』『愛花、いつからそんなことを言うように成ったの?少し二人のことは、考えるわ。浩二さんと愛花の気持ちは、分かったわ、私は、こんなこと耐えられないわ。私が、帰って来るまでには、浩二さん部屋に戻っててくださるかしら?』『何時頃戻るんだい?』『7時か?8時頃には、戻って来るわ。』『6時になったら部屋に戻るよ。』『そうしてくださるかしら?』『愛花ちゃん、お刺身を食べよう。』『はい、麗花お姉さん、今日のお姉さまは、どうかしているわ。私と浩二さんの仲は、認めてくれたじゃない。』『とにかく、私は、外へ出るわ!』『愛花、あなたお父さまとお母さまの言い付けを覚えていないの?』『それは、年収のことは、まだ分からないわ。』『覚えては、いるようね。良く考えなさい。』麗花は、外へ出て行った。『ごめんなさい、浩二さん、お姉さま、年収1000万円以上の相手が、いなくて少し不安定になっているの、最近。』『ご両親は、年収1000万円以上の相手って言っているんだよね?確か?麗花さんは、年収1700万円の男を蹴って年収3000万円の男に言い寄られているって言って無かったかな?』『お父さまが、探偵会社に調査させたらしいの。そうしたら年収3200万円って言っていた男性は、年収800万円だったの。それに加えて年収3200万円って言っていた男性の年収が650万円だったの。』『それで他に年収1000万円以上の男は、いなくなったのかな?』『結局、今までの最高年俸が、横浜へ逃げた相手の1700万円だったらしいんです。』『27歳か、28歳で子供を生みたいって言っていたっけ。26歳までに結婚相手を見つけるって言っていたよね?』『そうです。その人生設計が、今、崩れそうなんです。』『それじゃ、かんしゃくも起こしたくなるなぁ。』『他人事みたいに言わないでください。テレビ局のアナウンサーにして政治番組のキャスターから東京都知事になるって計画が、潰れてしまうんですよ。麗花お姉さま人間不信になりかけているんです。』『あれっ【言い寄って来る男が、お金目当てか?身体目的か?私には、分かるの!】って聞いた気が、するけど。』『お姉さま、気付かなかったらしいんです。』『そうなんだ~【愛が、地球を平和にするの】って言っていたけどそれもぶれ始めたの?』『愛されていると思っていた相手が、お金と身体目当てだったんです。愛が、かけらも無かったんです。』『で?どうするんだい?』『どうもこうもお父さまとお母さまが、年収1000万円以上の見合いの相手を必至に探しています。』『浩二さんのお友達に年収1000万円以上の方いらっしゃらないんですか?』『う~ん、独身だよね?』『そうです!』『当たり前か?そうだな~競馬が、趣味って男は、どうかな?』『その方、年収1000万円以上なんですか?1000万円以上か?3000万円前後か? 詳しくは、分からないけど友達の年収が、いくらかなんてそんなにはっきりとは、言い合うわけないよ。概算だね。』『本当ですか?年収3000万円前後の方いらっしゃるんですね。』『少し待ってくれるかな?結婚してるか?独身なのか?恋人が、いるか?良く分からないんだ。社交ダンスは、愛花ちゃんか、麗花さん、出来るのかな?』『優純女子学園は、英語と社交ダンスが、必須科目なんです。踊れます。プロのダンサーなんですか?』『え~と、黒木道彦って男なんだけど?知っているかな?』『え~超イケメンの社交ダンス界のシンデレラボーイですよ。年収4000万円って噂です。』『噂と現実は、違うんじゃないかな? 俺は、ギャンブルをしないんだけど競馬のBBSでたまたま知り合って、チャットで時々しゃべるんだ。毎日2000円くらい競馬で負けているらしいよ。』『でも、年収4000万円ならお姉さまにお勧めしたいわ、4人でダブルデートしませんか?社交ダンスの相手をなさるように麗花お姉さんにお願いして見ます。』『そう、踊れるんだ、じゃぁ、一度、頼んで見ようか?確か年齢は、俺と同じくらい、30歳くらいだと思うな。子供に英才教育を施すようなタイプには、見えないけど。それでも大丈夫かな?』『年収が、高ければ、構いません、それに黒木さんは、プリンスです!』『そう、そんなに有名人なんだ。俺は、黒木君のだめなところしか見てないけど。メルアド、分かるから、メールを送っておくよ。お姉さんにおめかししてダンスが、出来る格好で来るように言っておいてくれるかな?』『はい、分かりました。良い出会いになると良いですね。』『子供を国連の事務総長にさせる気は、なさそうだけど。総理大臣に、子供を成らせようとするって話は、初対面では、言わないように頼んでくれるかな?』『それは、責任を持ってお姉さまに、言っておきます。大丈夫です。心配入りません』『そう、それじゃ、セッティングするよ。黒木道彦の社交ダンス練習場に一緒に行こう。ワンレッスン30分、5万円くらいするかな。ひょっとすると10万円くらいするかも知れないよ。俺は、詳しく知らないけど。あっそれと俺は、子供の頃、踊っていたくらいで初心者と思って愛花ちゃんは、俺で我慢してね?大丈夫?』『10万円くらいは、たいしたことでは、ありません。私も社交ダンスは、優純で覚えただけでその後は、練習してないんでよろしくお願いします。』『了解、メールを送っておくよ。但しお付き合いの話しは、黙っていてくれるかな。レッスンした夜にそれとなく黒木君に聞いておくから。【社交ダンスが、覚えたいんです。】みたいな感じで頼むよ。』『はい、分かりました。』『俺と愛花ちゃんも時々踊ろう。』『その案、良いと思います。お姉さま、元気になるかも知れません。私も踊るの楽しみです。』『じゃぁ、そう言うことで頼むよ。黒木君に軽い感じでメールを送っておくから。来週の土曜日の午後1時~4時頃にダンススクールが、あるから。午後二時に玄関に二人でいてくれるかな?』『分かりました。それでは。来週お願いします。』『明日の日曜日は、どうするの?デート?』『そうですねぇ、私の部屋は、不可能なんで浩二さんの部屋でのんびりしたいです。』『う~ん、そうだね~。セミダブルベッドだけど、二人で横になれるかな?』『はい、私、小さいんで大丈夫だと思います。』『じゃぁ、9時に待っているよ。』『はい、じゃぁ、また明日。』そう言っていきなり愛花は、浩二に飛びついて来た。浩二は、びっくりした。『挨拶は、これからこうしませんか?』『うん。』

浩二は、部屋に戻って来た。黒木君にメールをしなくては。彼が、有名人だと言うことを浩二は、まったく知らなかった。スカイプでチャットをすることは、合ったが、年収は、気に成っていなかった。【年収4000万円くらいかな】とチャットで話しをしても浩二は、話し半分で記憶していただけだった。まだ、チャットは、開いていないようだ。まだ、5時だからな。8時頃もう一度連絡を取ろう。浩二は、しばらく仮眠した。明日は、踊れるかな?止めておこう。優純と近所のおばさんとの社交ダンスでは、レベルが違うだろう。携帯のアラームが、鳴る8時か?メールを打とう。【スカイプで話し出来ませんか?】短いメールだ、送信っと、ボタンを押した。ノートパソコンを開く。スカイプのグリーンのランプが点いた。【こんばんは。】黒木君からメッセージが届く。【こんばんにゃりん。】いつもの挨拶だ。【来週の土曜日なんだけど ばんばん】【土曜日は、午前練習、午後レッスンが、あるよ。でんでん】【そのレッスンのことなんだけど。ばんばん】】【どうしたの?社交ダンスは、苦手って言ってなかった?でんでん】【いや、知り合いでどうしても社交ダンスが、うまくなりたいって女性が、いるんだけど。ばんばん】【30分1レッスン10万円だけど、友達でも料金は、びた一文まけないよ。でんでん】【了解、知り合いの子、お金持ちらしいんだ。お金に糸目は、つけなくてもダンスが、上手くなりたいらしいんだ。ばんばん】【競技会に出るつもりなのかな?でんでん】【いや、子供にダンスを教えたいらしいんだ。ばんばん】【美女?普通?でんでん】【え~と美人かな?ばんばん】【既婚者かい?でんでん】【俺も良くは知らないんだけど、ところで黒木君は、独身だっけ?ばんばん】【独身だけど、恋人は、いるよ。でんでん】【あっそうなんだ。来週の土曜日2時過ぎ頃、3人でレッスンに行くから。】【3人もレッスンをするのかい?お客さんを紹介して来れてありがとう。でんでん】【いや、レッスンしたいって女性は、一人だけなんだ。ばんばん】【俺と恋人と恋人のお姉さんを連れて行くんだ。ばんばん】【じゃぁ、そのお姉さんが、レッスンを受けるのかな?でんでん】【そういうことだね。ばんばん】【美人じゃ無い子は、勘弁して欲しいな?でんでん】【年寄りは、だめなのかい?ばんばん】【こちらにも選ぶ権利は、あるよ。でんでん】【う~ん、多分一次審査は、通過出来ると思うよ。後は、会って見てからのお楽しみだよ。ばんばん】【変な子は、勘弁してね。でんでん】【血統書は、付いているから大丈夫だよ、9時だからお休みなさい。】【お休みなさい。】チャットを終了させた。とりあえずレっスンの予約は取れた。愛花ちゃんにも、メールしておこうか?【浩二だよ。来週の土曜日レッスンの予約が、取れたよ。お姉さまによろしく。お休みなさい。】浩二のメール音が鳴る。【ありがとう、お姉さまも喜ぶわ。お休みなさい。】短いメールだな?まぁ良いか?愛花は、迷っていた。お姉さまになんて説明しようかしら? 黒木道彦と言えば社交界のプリンスと呼ばれているセクシーな男性だわ。お姉さまの結婚相手としては、合格点が、付けられるわ。願ってもない話しを浩二さんに紹介してもらえたわ。結婚までどう応援しようかしら?明日、浩二さんと作戦会議だわ。姉に良い相手を見つけられて安心した愛花は、久しぶりに深い眠りに落ちた。あくる日の日曜日の9時にブザーが、鳴る。『おはようさん。今、行くよ。』ドアを開けて部屋に招き入れる。浩二は、寝癖が付いたままで、5分前まですっかり眠っていた。携帯のアラーム音で8時55分に起きたばかりだ。『浩二さん、お姉さまの社交ダンスの作戦会議をしませんか?』『了解。まぁ彼女には、国連の事務総長に子供を成らせる計画が、あるからね。俺としても、応援したいけど。』『そうですよね。私もお姉さまの結婚に賛成なんです。黒木道彦さんは、憧れられていますから。』『相手に取って不足無しかい?え~と彼が、そんなに憧れられているとは、思わなかったけど。』『チャット友達で実際に会ったことは、一度もないんだけどね?作戦か?通い詰めて黒木君の心を自分に振り向かせるしかないんじゃ、無いかな?』『道彦さんは、色は、何色が、好きなんですか?』『えっさぁ~どうなんだろう?』
『もっと作戦会議に参加してください。』『恋愛に作戦なんて必要なのかい?』『失敗は、許されません。』『そう言うもんかねぇ~?』『愛花ちゃんは、女性だし俺は、男性で恋愛の作戦なんて考えたことも無いよ。』『愛花ちゃんは、どんな作戦を立てているんだい?』『まずは、花束とか?必要以上にくっつくとか?』『え~と愛花ちゃんは、俺と交際するとき何か作戦を立てたのかい?』『私は、何か考えましたが、いつも行動に移せないんです。』『どんなこと考えていたの?』『ミニスカートを、はいたりしました。』『えっ、だってテニスしているよね。ミニスカートって言ってもテニス姿より短いスカートは、はけないんじゃないの?』『はい、全然気付いてもらえなかったです。』浩二は、愛花が、可愛い過ぎて【結婚しよう】と言う言葉が、頭をよぎったが、止めておいた。身分違いの恋には、これぐらいで良かった。自分が、今以上の収入を得る自信が、無かった。今が、幸せならこれで良い。一瞬身体中が、持ち上がって雲の上まで気持ちが、飛んで行った。忙しい平日が、過ぎ土曜日になった。9時にブザーが、鳴る。『今、行くよう。』今日の午後のため、どうすれば良いか話し合おうと浩二の部屋で語り合うことに成っていた。『麗花さんは、綺麗だから、黒木君に一目惚れさせる能力が、あるよ。』『浩二さんは、麗花お姉さんを見て一目惚れしたの?』『絶世の美女みたいに見えたかな?』『お姉さんに言い寄られたら断れますか?』『愛花ちゃんに会う前なら断れなかったと思う。』『今は、断れるんですか?』
『今なら断れるよ。う~ん。少し自信が、無いかな?』『えっ麗花お姉さまのほうが、好きなんですか?』『そんなことは、ないよ。それと、今の良い方、止めてね。【私のことのほうが、大好きなんですよね】って言ってくれる?』『あっ前に言われていたの、忘れていました。ごめんなさい。』『うん、それは、置いといて黒木君の好みのタイプって知らないんだ。』『友達同士なんですよね?』『それが、説明すると長くなるんだけど、適当に説明するとヤフーの掲示板で知り合ったんだ。それでメールマガジンを、俺が、出したくて、黒木君が、予想するって言う競馬のメールマガジンを二人で発行し始めたのが、きっかけで、チャットで、ときどき話すようになったんだ。芸能人だと好きなタイプは?ZARDだったかな~?』『あの~道彦さんのこと何も知らないんですか~?それじゃ作戦が、立てられないじゃないですか~?』『競馬の話し、しか、してないんだよね~』『スポーツ新聞のコンピ指数で予想しているみたいなんだけどほとんど当たらないから俺のメールマガジン信用が失墜しているんだよね。困った者だ。競馬の才能は、無いみたいだけど。あっそうだ!麗花さんに競馬の勉強をしてもらえないかな?』『競馬の勉強ですか~?それは、不可能ですよ~、ギャンブルに時間を使うなんてもったいないですからお姉さまは、絶対にしないと思います。』『そうだね~、俺もそう思うんだけど、もし会話に詰まったら競馬の話しが、出来れば、良いかなぁと思ったんだけど。』『お姉さまは、国連の事務総長に子供を、成らせようとしているんですよ。テレビ局のアナウンサーから、東京都知事を目指しています。話す時間が、あれば、政治・経済の話しをすると思います。』『そうだよね~、俺も麗花さんと話したとき、雑談している時間が、あるなら子供に政治・経済の勉強をさせると思うよ。競馬の予想は、しないと思うな。』『作戦会議になりませんね。』『そうだなぁ~。どちらかが、折れるしかないね。』『惚れたほうが、折れるしかないね。』『お姉さんは、折れません。【地球の平和を実現させるために自分は、生まれて来た。】と思い込んでいます。』『そんな感じだったね~?どうしようか~?黒木君が、地球の平和か~?そう言えば、子供の頃、御茶ノ水博士になって鉄腕アトムみたいな物を作りたかったって言っていたかな~?』『本当ですか?だったら子供を鉄腕アトムに育てようとすることに賛成してくれるかも知れないですね!』『まぁ鉄腕アトムのように正義感と強さを持ち合わせた人となりに育てるように黒木君に頼んで見るしかないね?彼は、子育てよりも競馬になりそうだけど結婚して子供が、生まれれば変わるかな?』『地球の平和と家族愛を持っている人でないとお姉さまの結婚相手には、成れません。』『そうだねぇ?黒木君は、大丈夫な~?年収は、クリアでも競馬に毎日お金と時間を使っているんじゃ、不可能かなぁ~。』『競馬って土日だけじゃ、ないんですか?』『良くは、知らないけど東京シティ競馬って言うのが、有って毎日やっているらしい。あ~後、競艇もやるみたいだよ。』『競艇って船ですか?呆れ返る私生活を送っていますね!』『う~ん、ネットで知り合った限りでは、そんな感じだったかな~?AKB48も、好きみたいだったかなぁ~?』『私、一旦、部屋に戻ります。』『了解。』愛花は、黒木道彦を軽蔑して来た。姉との関係も不可能なようだと思いあまり期待しないほうが、良いと話すことにした。『お姉さま、今日の社交ダンスなんですけど、あまりおめかししないでかまいません。』『どうかしたの?愛花?』『え~と、少し手違いが、合って行って見れば分かります。』二時にマンションの玄関に二人で立っていた。浩二のスカイラインが止まる。『こんにちは~どうぞ~麗花さん、愛花ちゃん。二人とも 後ろの席で良いよね。』『はい。』麗花と愛花は、後部、座席に乗った。金きらの衣装で背中が大きく空いている服だ。浩二は、社交ダンスが、出来ると言うのは、本当らしい。と思った。2時30分にダンスホールに入った。麗花は、きらびやかな服装で、一瞬でまわりの男達から称賛の目で見られた。皆が、振り返ったので思わず道彦も視線を麗花へ向けた。【美しい女性だ、今まで見たこともない女性だ】道彦は、踊ることが、出来れば光栄だと思った。隣りにいる可愛いルックスの子も見たこともない可愛いさだ。どちらが、俺に紹介すると言っていた女性なのか?二人とも見劣りは、しない。3時に成った。それを待っていた麗花が、道彦の元へ、歩いて行く。まわりが、騒然となる。これぞ美男美女の本物の社交ダンスが、見れる期待感でホールは、満たされた。『こんにちは、黒木さん、私、伊集院麗花と言います。浩二さんの紹介で今日ここへ来ました。』『こんにちは、麗花さん、社交ダンス歴は?どれくらいかな?』『中学と高校の時3年ずつ、していましたわ。』『では、レッスンを始めます。』感嘆の声が、聞こえる。まわりが、二人に注目している。浩二は、愛花に呟いた。『あの二人お似合いだね。』『はい、ダンスだけなら地球一美しい二人に見えます。』『私生活も素晴らしいと言いんだが。』浩二は、この出会いが、道彦の私生活を変えてくれることを願った。ギャンブルは、止めて鉄腕アトム作りをしようとしていた子供時代の感覚を目覚ましてくれたら・・・あっと言う間に30分が過ぎ、麗花が、愛花の元へ戻って来た。『黒木道彦さん、素敵な方なのね。』『お姉さまも素敵だったわ。一糸の乱れもない素晴らしいダンスを見たわ。』『そちらの御嬢さんもどうぞ。』愛花が道彦に呼ばれた。愛花は一応、踊れる姿では、来ているが、もじもじとしていた。浩二が、愛花の背中を押す。『行ってらっしゃい!』愛花は仕方なく道彦の元へ歩いて行く。歓声が、沸き起こる。『では、レッスンを始めるよ。』『はい。』愛花のダンスは、少しおどけない踊り方だった。麗花の優雅さとは、真逆のおしとやかで、見てて可愛いと思えるダンスのふりだった。姉妹でこうも違うのか?浩二は、愛花のダンスのほうが、愛嬌が、合って好みだ。4時になる。まわりの視線を羨望の眼差しで見られていた姉妹が、浩二と一緒にいる。浩二は、やばい。と思いホールから逃げ出した。道彦は、麗花の優雅溢れるダンスに衝撃を受けた。こんなに優雅に美しくセクシーに踊る女性を見たのは、初めてだった。『浩二さん、逃げ出さないでくださいよ。』愛花は、苦手な社交ダンスをやらされたことに少し怒っていた。麗花もやって来た。『愛花あなたのダンスは、いつもおどおどしてるけど、可愛いらしいわ。浩二さん、道彦さんを紹介してくれてありがとう。』『どう致しまして。こちらこそ、優雅な舞が、見れて目の保養になったよ。』『帰ろうか?』美人姉妹二人を後部座席に乗せる。身分違いかも知れないと浩二は、少し自信を失った。マンションの玄関で車から降りてもらう。『今日は、お姉さまの付き添いで疲れてしまったから、明日また9時にぴんぽん鳴らします。』『了解、それと、麗花さん、黒木君は、日曜日は、ダンスサークルが、あるから。一応、黒木君にメールしておくね?』『浩二さん黒木さんなら私、お付き合いしてもかまわないわ。よろしく言っておいてくれるかしら?』『了解、言っておくよ。お休みなさい。』浩二は、駐車場に車を止めて、部屋に帰って来た。少し動揺していた。やっぱりあの二人とは、身分不相応だ。考えても答えは、出ない。8時に成る。いつも通りパソコンを立ち上げ緑のランプを待つ。【あれっもうついているな?】【こんばんにゃりん】【こんばんは、でんでん】【今日の二人は、どうだった?ばんばん】【二人とも超美人じゃないか!でんでん】【でも、黒木君、恋人いるんじゃないの?ばんばん】【それは、そうだけど、変な子と付き合わされたら困るから恋人は、いるって言っていただけ。でんでん】【本当に?じゃぁ、麗花さんと付き合う気は、あるの?ばんばん】【あんなに綺麗な姉妹は、見たことないよ。お姉さんのほうだろ、紹介してくれるのは?でんでん】【初めに踊った麗花さんのほうだよ。ばんばん】【相手に取って不足無しってところかな?でんでん】【あの~言いづらいんだけど麗花さんって地球を平和にしたいと思っているらしいんだ。それで子供をテレビ局のアナウンサーにしてそれから都知事にして総理大臣を2期やって、国連の事務総長に成らせたいんだ。ばんばん】【それって真面目に言っているの?でんでん】【う~ん、麗花さんは本気みたいだよ。ばんばん】【年収1000万円以上の相手と付き合って子供に英才教育を受けさせてテレビ局のアナウンサーで冠番組を持って人気を得て都知事に成らせるつもりでいるらしい。その後、総理大臣から、国連の事務総長の母親になるつもりらしい。ばんばん】【あれだけ綺麗な人なら考えられるかもな。でんでん】【それなんだけど、続きもあるんだ。ばんばん】【地球の神に成るとか?でんでん】【そうじゃなくて家族愛を地球上のすべての人に配りたいらしい。ばんばん】【それってどうする気?でんでん】【家庭が、幸せになれば、地球は、幸せになるそうだ。ばんばん】【それに夫が、協力するってことかい?でんでん】【そう言うことになるみたいで夫と麗花さんと子供の3人の愛を世界中に配りたいそうなんだけど社交ダンスが、あれだけ上手ければ、社交ダンスで愛を配る気になっているかも知れないけど。ばんばん】【そうなんだ。でんでん】【それで付き合う気は、あるのかな?ばんばん】【そうだね。付き合っても良いかな。でんでん】【ギャンブル禁止でも良いのかい?ばんばん】【総理大臣の父親って言うのも悪くないよ。でんでん】【そう、じゃぁそう伝えておくよ。9時だからお休みなさい】【お休みなさい、よろしくね。でんでん】チャットが、閉じられた。まさかギャンブルを捨てても良いと言うとは、思わなかった。麗花さんと黒木君か?あの踊りを見たら幸せな気分になるかもな!浩二は、麗華さんの夢が、叶うと良いなと思っていた。愛花ちゃんの踊りも可愛かったなと思いながら残業の疲れと愛のキューピット役が、出来たことに満足して深い眠りについた。8時50分にアラームが鳴る。寝間着からジャージに着替える。9時にいつも通り、ブザーが、鳴り愛花ちゃんの愛くるしい顔が、モニターに映っている。『今、行くよ。』ドアを開ける。『部屋に来て、作戦会議だよ。』『どうなったんですか?』『黒木君は、交際OKだって。』『そうなんですかぁ~。良かったです~。』『麗花さんは、なんて言っていたの?』『え~と【年収4000万円で社交ダンスで愛を配るのも悪くは、ないわ】って言っていました。』『そう?相思相愛かな?』『そうみたいですね。』愛花は、嬉しかった。あの社交界のプリンスが、お姉さまと、付き合っても良いと言っているのだ。こんなに幸せなことは、なかった。『そう、じゃぁ特別作戦は、いらないかな?どう思う?』『今日の午後は、道彦さん、何をしているんでしたっけ?』『ダンス仲間とダンスサークルに行っているらしい』『そのサークルって休めないんですか?』『仲間と集まるだけだから、別に休んでも大丈夫だとは、思うけど。』『じゃぁ、お姉さまも今日の午後は、空いているんです。デートの段取り取ってもらえませんか?』浩二は、他人の幸せは、あまり嬉しく無い男だったが、頼まれては、仕方が、無い。『了解、メール打とうかと、思ったけど、メルアド教えるから、麗花さんにメールを黒木君に直接、送って連絡したらどうかな?』『はい、それでも、良いです。お姉さまに今メール送ります、アドレスを教えてください。』『うん、これが、メールアドレスだよ。』携帯を見せる。すぐにメルアドを入力して麗花に送る。素早い。『麗花さんからメールが行くって、送っておくよ。』『はい、お姉さまには、メール送りました。』『メール打つの速いんだね?』『はい、良く友達とメール交換するので。』『コンピューターの基本設計は、出来ても携帯の使い方は、良く分からないな。』『道彦さんにメール送ったんですか?』『あぁ、今から打つよ。え~と【麗花さんからメールが、届くよ。相思相愛みたいだね、ばんばん。】これで送信っと。今、送ったよ。』『はい、ありがとうございます。』『これで麗花さんの地球を平和にしよう計画の一次予選クリアかな?』『そうなると思います!』31歳と25歳、俺は、31歳と23歳か? あの二人なら、釣り合うけど、俺と愛花ちゃんは、身分違いだな?どうしよう?しばらくしたら二人の熱も冷めるかな?『あっ今、思いついた、宗教団体名【食糧130%教会】ってどうかな?』『えっ【食糧130%教】ですか?』『いやっそれでも良いけど【食糧130%教】センスないかな?』『浩二さんは、食糧自給率130%が、夢なんですよね?』『夢と言う程のものでは、無いけど夢のまた夢のそのまた夢くらいかな?』『医学の発達で200歳まで生きられるようになっても食糧自給率130%は、達成出来そうにないけど。愛華ちゃんの良いとこ取りの宗教団体の力で食糧自給率130%にならないかな?』『頑張ってみます。不可能なんてこの世にありません。夢は、必ず叶います。』『おっと、かなり夢見る夢子ちゃんみたいなことを言うことが、あるんだね。不可能なんてないなんて伊集院家の血筋なのかな?』『地球を平和にする会で不可能を可能にして地球を平和にしようって約束をしているんです。やり方は、様々ですけど。』『宗教も必要ですが、愛も欲しいです。』浩二は、自分の人生哲学と違う方向へ自分が、歩いているのが、怖かった。【身分不相応だと思う。大丈夫なんだろうか?愛花ちゃんは、可愛過ぎる。この先、後悔することになっても今の幸せが、欲しい。生まれてから今までで生きて来て今が、最高の幸せの絶頂期なのは、間違いない。怖くなるほどの幸せだ。この状態をこのまま続けて行きたい。】そう願った浩二だった。窓際で日暮れの雲を二人で見ていた。『このまま、時が止まると良いのにね。』『私は、浩二さんともっと幸せになりたいです。』『地球の平和は、考えなくて良いの?』『地球の平和は、考えます。私にも、お姉さまに負けないくらいの平和への気持ちが、あります。私にも志が、あります。必ず、平和を実現します。』『そう、夢が、あるんだね。俺は、愛花ちゃんの隣りに居られれば何もなくても良いかな?愛花ちゃんの脚を引っ張らない程度に頑張るよ。食料自給率130%をどうしたら実現出来るのか?改めて考えたいと思う。宗教は、今の俺には、難しくて少しネットで勉強したんだけど良く分からなかった。でも、愛花ちゃんの行く道の上にある小石を、どかして行って歩きやすくするくらいのことは、しようと思っている。』『はい、ありがとうございます。私も宗教と食料生産について勉強します。新しい宗教を作りたいんです。地球が、幸せで平和に成る宗教を作りたいんです。浩二さんか、子供に教祖に成ってもらいたいんです。浩二さん教祖になってもらえますか?』『えっ俺が、だって結婚は、しないんじゃないの?』『あの~テニススクールに浩二さんの会社の人が、レッスンを受けに来ているんです。』『え、それで?』『私のところへもレッスンに来ますし、お姉さまのところへもレッスンに来るんです。』『へ~みんなテニスしているんだ~。知らなかったな。』『それでお姉さまが、浩二さんの年収について聴いてみたそうです。』『えっ俺の年収?』『そうしたら浩二さんの年収が、2000万円以上だって聴いたんです。』『うん、2300万円くらいかな?』『なのでお姉さまが、浩二さんと私の、結婚を許してくれたんです。』『えっ結婚、出来るの?』『はい、浩二さんが、私で良ければ・・・』『俺が、断るわけが、無いじゃないか。』『そうですか?』『結婚しよう。』『はい、愛花で良ければ。』『うん。結婚しよう愛花ちゃん。』浩二は、幸せの絶頂に成った。愛花も幸せの絶頂に成った。人生ってこんな幸せなことが、あるんだと知った二人だった。浩二は、愛花と付き合い初めて麗花の言った【心が、温かい気持ちで満たされる】と言う言葉が、思い浮かび本当に心が、満たされることが、あることがあるんだと思った。温かい心が、浩二の全身を満たして涙が、ひとすじこぼれ落ちていった。涙が、ぽつぽつとぬぐうより速く溢れ出す。幸せで涙が、出ることなんてあるんだな。浩二は、生きていて良かったと思った。

あくる日、いつものように9時にブザーが、鳴る。モニターに愛くるしい顔が、写っている。『おはよう愛花ちゃん。』『おはようございます。浩二さん。』扉を開ける。浩二のベッドでしばしくつろぐ。『浩二さん、教祖に成っていただけますか?』『えっ教祖?』『愛花の作る宗教団体の教祖さまです。』『それってウィークエンドだけ成るの?それとも仕事を辞めて毎日、教祖に成るの?』『え~と、毎日です。』『えっ仕事を辞めるの?』『はい、そうです。』『じゃぁひょっとして相手の年収なんていくらでも良かったってこと?』『いえ、3年やって軌道に乗らなかったら教祖は、辞めてまたサラリーマンに成っていただきます。』浩二は、ずっこけた。『教祖に成ったら愛花ちゃんと会える時間が、増えるのかな?』『今の仕事をしているよりは、たくさん会えますよ。』『そう、じゃぁ引き受けようかな?』『本当ですか?』『うん、本当だよ。』『やった~!教祖様、誕生で~す。嬉しい!』『でも、地球を平和に出来るかどうかは、愛花ちゃんの作る法典だよ。それを読んで人に、感動を与えられるかどうかが、鍵に成って来るよ。』『信仰した人が、幸せになれるような法典を作ります。各宗教の良いところを集めて必ず幸せになれるような法典を作ります。私これでも本気なんですよ。教祖さまを信じれば幸せに成れるそんな法典作りをします。』『えっ俺を信じると幸せに成る法典なの?』『はい、そうです。浩二さんか、私達の子供です。私は、教祖には、向いてないと思います。』『そうかな~?俺より愛花ちゃんのほうが、向いていると思うけど。』『私は、法典作りを一生懸命したいんです。教祖には、成れません。』『ふ~ん、そうすると愛花ちゃんの残りの余生は、テニスと法典作りになるのかな?』『そうですね、そろそろ本気で法典作りを初めないと間に合いません。100歳まで生きるとして24歳だから、あと76年しかありません。人として幸せに生きるための法典を作ります。』『俺は、その法典に協力して二人で法典を作るのかな?それとも愛花ちゃん一人で作るのか?それとも法典作りの会みたいな5人くらいのグループで 作るのかな?』『そうですね。私一人では、不可能ですから、3人から20人くらいの協力者を探して法典作りをみんなですることになると思います。』『それは、凄いね。頑張って!』『地球を平和にする会の人に協力してもらえたら一番良いのですが。私のアイディアに共感してくれる方が、いらっしゃると良いのですが?』『そうだね。協力者が現れたら良いね。麗花さんは、国連の事務総長から地球の平和のために愛を配るらしい。俺は、食料自給率を130%に上げたいけど、宗教の教祖になるなら、それは、諦めるよ。愛花ちゃんは、新宗教の法典を作る、素敵な考え方だね。目標はひとつ、地球を平和にして皆を幸せにすることだね。』『浩二さんは、食料自給率130%を諦めるんですか?』『教祖と食料自給率130%の2足のわらじは、不可能だよ。諦めるしかないかな?』『じゃぁ、法典作りにも力を貸していただけるんですか?』『うん、もちろんだよ。』『愛花、嬉しいで~す~』『うん。自分が、教祖に成るシミュレーションをしてみたいな。』『本気なんですね。ありがとうございます。』『優純のメンバーに教祖さまが、決まったことを知らせて来ます。』『うん。』愛花は、自分の部屋に戻って来た。子供の頃から、地球から争いが無くなれば良いと思って来た。自分で新宗教を作って地球に生きるすべての人を幸せにしたいと思っていた。その夢が、実現するかも、知れない。浩二との出会いに感謝した。浩二は、教祖を引き受けた。日本の食料自給率130%案を諦めたけど、夢よりも愛を優先させたかった。一生一緒にいたい。愛花ちゃんの夢も突飛過ぎるところが、あるけれど。新宗教団体を作るなんて分からない。俺に教祖に成って欲しいと言っているが、俺は、それほど優秀では、無いし人を集めることが、苦手で人前で演説するタイプでは、無い。俺のどこが、良いのだろう?告白して来たのは、愛花ちゃん誘って来たのも愛花ちゃんからだ。愛花ちゃんに一目惚れをしたけど。麗花さんにも一目惚れしたけど俺は、性格的に愛花ちゃんのほうが、合う気が、する。黒木君は、麗花さんと付き合うらしい。黒木君が、麗花さんの夢に力を貸すのだろうか?麗花さんと愛花ちゃんは、違う方法で、地球を平和にするらしい。どちらも不可能に感じる。姉妹で協力は、しないことに成るだろう?それぞれのやり方で、地球を平和にするつもりらしい。愛花ちゃんが、地球の平和にあれほど固執しているとは、浩二は、驚いた。愛花ちゃんは、真剣に地球を平和に出来る宗教を作る気でいる。今まで賛成した人が、いないのだろう。俺に賛成されて心から喜んでいたようだ。地球を幸せにする新宗教か?どんな法典になるのだろう?【愛は、地球を平和にする】なんて法典だったら、童話のようだ。愛花ちゃんの考え方が、本質から溢れ出て来れば良いのだが、果たしてどうなるのだろう。食料自給率130%は、封印だな、全てを手に入れようとして失敗した偉人は、歴史が、証明しているから。いずれ後悔することに成っても成らなくてもどっちに転んでも愛花ちゃんの側に居られるなら何でも良い。あの笑顔を見たら、温かさが、身体中を駆けめぐる。夢を諦めて愛を取ることにした。果たして俺の人生は、どこへ、向かうのだろう。過大な夢は、必ずしっぺ返しをくらうと言うのが、俺の人生哲学だけど。愛花ちゃんと一緒に居られるだけでも身分違いなのに、地球を平和にする宗教の教祖とは、荷が、重い。失敗は、目に見えているが・・・。8時か?チャットを開ける。5分ほどして緑のランプが、光る。【こんばんにゃりん】【ただいま】【お帰りぴょん、ばんばん】【麗花さんと付き合うことになったよ。でんでん】【やっぱりそうなんだ。ばんばん】【ああ。でんでん】【夢の話しは、聞いたのかい?ばんばん】【演説を聞いたよ。正直、僕には、期待に応えられない気もしたけどYESと答えたよ。でんでん】【そう、良かったじゃない、総理大臣の父だよ。国連の事務総長の父にも成れるかもね。ばんばん。】【国連までは、不可能だよ。でんでん】【テレビ局のアナウンサーくらいは、叶えて上げて欲しいな。ばんばん】【そんなこと、僕には、わからないよ。でんでん】【こちらは、地球を平和にする新宗教団体の教祖に成って欲しいらしい。ばんばん】【愛花さんも、地球を平和にする会に入っているの?でんでん】【麗花さんと同じく地球を平和にすることを子供の頃から心に決めていたらしいよ。ばんばん】【それでどうするの?食料時給率130%は、諦めるのかい?でんでん】【とりあえずネットに、食料130%党 を作ったよ。志が、ある人が、来れば、ラッキーさ。ばんばん】【そう、諦めたわけではないんだ。でんでん】【いや、諦めたと愛花ちゃんには、言っておいたよ。教祖になるって約束した。ばんばん】【宗教団体の教祖になるの?でんでん】【そういうことかな。俺としては彼女と一緒にいられれば、他には、何もいらないよ。ばんばん】【僕は、ダンスを続けると言っておいたけど。でんでん】【それは、職業なんだから続けなきゃ年収4000万円なんだってね?ばんばん】【たいした額じゃないよ。でんでん】【もう9時だ。お休みなさい。】【お休みなさい。】そうか、付き合うのか?まぁ良いことだ。麗花さんの夢を叶えられるんだろうか?地球を平和にすることは、良いことだ。麗花さんと愛花ちゃん、どっちの夢が、現実的かと言えば、二人共、浮世離れした感覚の持ち主だ。二人共、夢を叶えられたら良いのにな?地球を平和にするって簡単そうで難しいんだろなぁ~。浩二は、現代社会に失望していた。お金持ちが、文化を作る。文化が、地球を救うのかな?少し希望の光りが、見えた。浩二は、現在、年収2300万円。浩二の基本設計が、プログラミングしやすく、つくば支社を完全に黒字化して業績も圧倒的に伸ばしていた。特にバーコード関連の基本設計が、大ヒットしていた。浩二33歳、つくば支社に着任して3年が、経過していた。麗花は、27歳、愛花は、25歳、道彦は、33歳、麗花と道彦が、結婚式を挙げた。浩二と愛花は、半年前に結婚をした。愛花は妊婦姿で姉の麗花の結婚式に出ている。半年が過ぎ、浩二と愛花に待望の女の子が、生まれた。もう半年が、過ぎた頃、麗花は、待望の嫡男を生んだ。麗花28歳、愛花26歳、浩二と道彦は、34歳。母は、強しの見本のように愛花も麗花も強く成っていった。浩二と愛花の娘は、野菜が、豊作に成ることと教祖に成る可能性もあるから【伊集院神菜】浩二は、伊集院家に婿入りしていた。同じく道彦も伊集院家に婿入りして子供の名前は、天の志を持つようになることを祈って【伊集院天志】と命名した。

もう4年が、過ぎ去り、英会話教室と中国語教室に神菜と天志は、二人揃って通っていた。麗花は、公約通りの英才教育をしていた。浩二38歳、愛花30歳、道彦38歳、麗花32歳、神菜5歳、天志4歳、二人の子供は、公約通り英会話と中国語をマスターしていた。愛花は30歳になったら新宗教団体を立ち上げるつもりでいた。新宗教団体の名称は、【私が地球で一番幸せ教】、と言う少し変わった名前だが、愛花は、ナイスなネーミングと思っているらしい。地球の宗教の信者数は、キリスト教、約20億人、イスラム教、約12億人、仏教、約4億人、その他いろいろな宗教が、ある。その教えの良いところを取って、私が地球で一番幸せ教をたった15人から広めようとしていた。浩二は、教祖に成る練習を毎日のように愛花に指導を受けていた。【教祖は、慌てては、行けません。】【教祖は、分からない質問をされたとき、今は、その時期では、ありません。と冷静に語ること。】浩二は、愛花の頼みで演じているが、これで私が地球で一番幸せ教が、本当に出来るのか?全く分からなかった。愛花は、私が地球で一番幸せ教の法典を浩二に見せたがらなかった。浩二は法典を見ても失望するかも知れないし口出ししたく成るといけないと思い少し離れた距離を取っていた。【法典を見せて欲しい】とは、言わなかった。愛花は、ボランティアを募り15名程度で、私が地球で一番幸せ教の法典をパソコンに入力していた。30歳になったら私が地球で一番幸せ教を開くと言っていた。準備も着々と行われていた。宗教聖地となる体育館をつくばの農地だった一角に両親に頼んで、すねをかじって出してもらった5億円で聖地として体育館ほどの広さを誇る教会を建設した。浩二は、5億円もあったら一生遊んで暮らせるのにと、思ったし、私が地球で一番幸せ教で5億円の、お布施が、いただけるとは、まるで思えない凡人の浩二だった。私が地球で一番幸せ教のポスターも仕上がって1ヶ月前だと言うのに浩二の写真入り新聞折込が、配られていた。浩二は、年収2300万円の会社を退職し私が地球で一番幸せ教の教祖になっていた。プログラムの基本設計は、やりがいが、有ったが、教祖で自分が、幸せに成れるのか分からない浩二だった。絶対、自分には、向いていない仕事?と言うか お勤めと言うか、なんとも言えない職業に就いたものだ。人生こんなものかなと思いつつここから地球の平和が、生まれるだろうか?とても教祖の力では、不可能だろう。愛花ちゃんの書いた法典が、どれほどの物かによって運命が、決まる。私が地球で一番幸せ教立ち上げの3日前、嵐が、訪れ雷が、鳴り愛花のパソコンが、落雷の故障で、パソコンの中のすべてのデータが、無くなった。浩二は、驚いたが、もう法典は自費出版会社にお金を収めて文章もワード形式で送ってあり明日、出来上がり本になった法典が、届くらしかった。どんな法典に仕上がっているのだろう? 愛花は、浩二には、法典を見せてくれなかった。とにかく練習した通りに教祖を演じて欲しいと言うことだった。私が地球で一番幸せ教立ち上げの前日、明日は、忙しくなると夜ご飯は、外食することにした。浩二が、好きなとんかつ屋さんに行くことになった。明日、一番大変なのは、浩二だからと浩二が、大好物のとんかつ屋さんで外食することに成った。とんかつ屋さんのドアを開ける。『明日は、どうなるのかな?』『心配は、要らないわ。練習通りにやってね。大丈夫よ。』『慌てなければ、良いんだよね?』『ええ、それと分からないことを聞かれたら、【まだその時期では、ありません】と答えてね?それと【自分が、地球で一番幸せだと思いなさい】。』『2つだけだよね?』浩二は、責任の重大さに恐れ、おののいていたが、声には、出すまいと思った。『2つくらいなら簡単に出来るよ。安心して。明日は、うまく行くよ。』『浩二さん、あっ明日は、教祖さまと呼ぶわ。教祖さま、2つだけです。きっとうまく行くわ。』『そうだね、明日は、うまく行くね。法典は、いくらで売るの?』『法典は、100円か?200円か?で迷ったけれど100円にすることにしたわ。』『でも、もっと価値のあることが、書いてあるんじゃない?』『多くの人に読んでもらいたいから、100円で売れても、赤字なの!』『自費出版本だよね一冊いくらかかっているの?』『200項の本を10000冊頼んだの。一冊200円くらいよ。』『じゃぁ200円で売れば、元が、取れるんじゃないのかい?』『それは、そうよ、だけど私にも考えが、あるの。』『ふ~ん、俺には、教えてくれないのかな?』『そうよ、秘密よ。』『教祖に秘密にする宗教団体なんてあるのかい?』『私が地球で一番幸せ教よ、今までに無い新しい宗教なの?分かっていただけるかしら?』『分からないけど、そう言われたらなんとも言えないかな。教祖と言ってもロボットのようにしてれば良いんだよね?』『そう、私の言う通りで良いわ。大丈夫よ。』『強くなったね?』『私?変わらないわよ。』『だってです。とか、ます。とか言わなくなったよね?』『こんなに長くいたら普通に話すわ。』『う~ん、それでも一緒にいたいから、良いか?今後、俺といる時間が、減る、なんてことは、ないんだよね?』『会社勤めよりは、多くなるわ。』『作戦参謀と将軍の関係よ。100戦100勝してね。』『100戦100勝って戦うわけじゃないよね?他の宗教と戦うのは、勘弁してね。』『そんな危ない橋は、渡らないから。そのために15人で作戦会議を3年もしたのよ。』『まぁ俺には、何にも分からない世界ってことかな?何も考えないようにするよ!』『ロボット将軍、お願いするわ。』『ロボットか?あんまり楽しく無さそうだけど、俺は、大丈夫かな?』『私が、選んだ相手よ。間違い無いわ。何も考えなくても作戦は、ずっと続くからこれから先3年間の予定は、組まれているの?大丈夫よ!』『3年間は、最低でもロボットを演じるんだね?』『そうゆうこと、3年やってだめなら撤退するわ。キャベツと白米おかわりしても良いわ。』『太り過ぎたらズボンが、入らないから当分おかわりは、しなくて良いよ。』『とんかつ屋さんに来てダイエットするの?良く分からないわ。』『明日は、晴れるかな?』『晴れても雨でも大丈夫、任せといて。』『了解。作戦参謀さま・・・』自宅に戻った。『良い子にしてた神菜。明日もお仕事で留守にするけど大丈夫よね?』『ママ、良い子にしてるからお仕事、頑張って、I LOVE YOU ママ。』『偉いわ、良い子、良い子。』頭を撫でる。神菜は、もう5歳、来年小学校1年生に成る。月日が、過ぎるのが、早く感じる。私が地球で一番幸せ教、立ち上げの日、人が、来てくれるんだろうか?と浩二は、思っていたのだが朝刊のチラシに、無料で自家製オリジナルパン、プレゼントと書いてあった。自家製パン目的の人が、大勢来るのかな? どうやって集客するのか?分からなかった浩二は、私が地球で一番幸せ教よりも、パン目的の人に100円で法典を買ってもらうつもりなんだなと理解出来た。まぁ、何が、どうなっているのか?10時オープンなのに、9時30分から、人が、並んでいる。9時50分に成って整理券を、配り出した。1万人分のパンを用意してあるらしい。本も1万冊だ。さて、初日は、どうなることやら?10時に成った。パンだけ貰って行く人もいるが、法典も、100円で、買って行く人もいる。教祖は、リラックスチェアに座りウエストより下は、机で隠れている。固い椅子に座っているよりは、身体に不可能が、無い。うとうと眠りたくも成る、コーヒーを飲みながら眠気を我慢する。教祖は、人に見られている。少しの緊張感もある。私が、地球で一番幸せ教で一番偉いのが、自分なのか?愛花ちゃんなのか?良く分からない浩二だった。まぁ、愛花のプロデュース通りにしていれば良いんだろう。初日は、まさかの3000人が、来た。パンは、3000個、法典は、1200冊売れた。上々の立ち上がりだった。法典の中身は、どうも風の噂では、【自分が、地球上で一番幸せだと思うこと】、それが、一番幸せに成る方法だと説いているらしい。2日目は5000人の来場者が、来た。本が、1800冊売れた。1冊100円だから、赤字なのだが、自家製パンは、5000個さばけたらしい。慌てて自家製パンの追加発注を方々に電話をかけて7000個追加していただいた。3日目は、7000人の来場者でにぎわった。7000個の自家製パンと2200冊の法典が、売れた。法典を読んで平和になるものだろうか?入信する人は、いるのか、良く分からない。駐車場が1000台分あるのだが、連日500台くらい、置かれては、自家製パンをいただき出て行った。浩二は、1000台もの駐車場が、必要なんだろうかと不思議だったが、1000台分の駐車場は、必要みたいだった。パンは、17000個の内、15000個が、プレゼント出来た。3日間のキャンペーン期間は、大盛況に終わった。ほぼ愛花の計算通りだった。明日は、自家製パン、プレゼントが、無い、教祖に会いに来てお布施を置いて行く日だった。200人が、訪れ入信してくれた。お布施は、一人につき1000円程度だった。とりあえず4日間の教祖が、終わり明日からお休みだ。『愛花ちゃん、明日は、どうすれば良い?』『浩二さんは、自由時間よ。明日から3日間は、お休みで良いわ。でもあまり外には出ないで欲しいわ。』『了解、部屋の中にいるのは、問題ないよ。法典を読んでも良いかい?』『それは、だめよ。法典は、見ないでね。私は、今、現在の赤字を計算して今後どうして行くか15人で、考えるわ。』『分かったよ。明日は、俺なりの法典でも考えて見るよ。4日間、成功だったね。おめでとう。』『そうね。計算通りだったわ。』愛花は、本当に嬉しそうだった。その笑顔を見た浩二は、癒された。『じゃぁ頑張ってね。』『えぇ、頑張るわ。』寝室にはダブルベッド一つとセミダブルベッドが、二つ置いて有った。疲労は、ピークだったのでぐっすりと何も考えず眠りこんだ。翌朝、愛花は、20人で、今後の【私が地球で一番幸せ教】について、計画を話し合い意外に教祖が、立派に演じられたことを絶賛された。自家製パンのアイディアも成功だったと称賛された。赤字に成った法典と自家製パンについてどうやって黒字にするか?話し合った私が地球で一番幸せ教の法典を訂正、修正が、あるかどうかを主に話し合った。愛花は、空からお金が、降って来るかのごとく赤字を気にしなかったが、この辺りは、お金持ちの子供のままだった。浩二の知り合いで赤字を少なくさせるようにするようにと言われた浩二の密偵が、いた。愛花に、お金を出来るだけ使わせないようにして欲しいと言われていた。愛花は、当初3万人の動員を考えていたが、浩二の密偵の助言により1万人の動員しか来ないと予算を1/3にした。2000台の駐車場建設の愛花の提案も【最初は、1000台から始めては】と提案して予算の削減をした結果、9億円から6億円に予算を減らすことが、出来たが、当初の1万人の動員予想を上回る結果と成った。密偵は、愛花から『3万人は、大過ぎた予想だったけど1万人まで減らすことは、無かったわ。』と言われてしまった。自家製パン原価50円×17000個の結果、赤字85万円は、予想以上の人気だった。入場者予想は、行き当たりばったりだったが、法典の一冊の原価200円を100円にして10000冊のうち約5200冊売れても、100円に値段を設定したため52万円の売り上げにしか成らなかった。200万円の予算で52万円の売り上げが、あり148万円のマイナスに成った。赤字は、合計233万円だった。愛花は、それくらいの赤字は、仕方が、ないと思っているらしい。お布施は、400人×1000円=40万円だった。233万円―40万円=193万円の赤字だ。【自分が、地球で一番幸せだと思うこと】なんて法典で、教祖なんて必要なのかな?【教祖さまよりも、あなたが、世界で一番幸せです。】って法典らしいと聞いた。【自分が、世界で一番幸せだと思うことです】分かりますか?食事を食べれてお風呂にも入れる。【自分が、地球で一番幸せだ】と思うことです。そんな法典では、教祖の居る必要があるのだろうか?【浩二さんになら教祖が、勤まるわ】と、言っていたのは、こう言うことなんだなと思った。基本理念が、【教祖さまを信じなさい】では、無いらしい。教祖も【私が地球で一番幸せです。】と考えるんだろうか?【私が、地球で一番幸せです。】と思いなさい。と教祖が、語るのだろうか?どうでも良いな。愛花ちゃんの言う通りにしよう。道彦は、麗花の教育方針に驚いていた。本当に英才教育だ。麗花が、天志へ、思いを乗せていることが、予想以上だった。麗花の社交ダンスの技術にも驚いていた。大きな大会で、2度も優勝、出来た。新高輪プリンスホテルで行われる年に一度の大会だ。愛を世界中に配るらしい。社交ダンスで愛を配るのも悪くは、ないが、本気で思っていることに最近驚いた、とりあえずテレビ局のアナウンサーだろう。道彦は、天志をアナウンサーにすることに反対では、ないが、本気でアナウンサーから東京都知事か衆議院議員に成らせようと思っている。天志の結婚相手も優純女子学園を卒業した子から選ぶつもりらしい。アナウンスコースの塾にも通っている。偶然カリスマ性が、いくらかある。顔も偶然イケメンだ。民法局のアナウンサーくらいなら成れるだろう。道彦は、天志に聞いて見た。『天志、将来は、何になりたいんだ?』『アナウンサーから国会議員か、都知事、そこから、総理大臣に成って、2期務めて国連の事務総長に成るよ。』『成りたいことがあるのは、良いが、地球を平和にするつもりが、あるのかい?』『僕は、地球を平和にするために生まれたんだよ、父上。地球を平和に出来なかったら生まれて来た意味が、無いよ。』『天志は、それで良いのか?他にも進路は、いくらでもあるだろう?』『父上、僕は、地球を平和にするよ。』『そうか?それなら良いが。』『父上は、反対なのですか?』『僕は、天志が、良ければそれで良い。』『社交ダンスは、どうするんだい』『僕は、アナウンサーになります。他国とのコミュニケーションが、必要な場合に社交ダンスをしたりします。社交ダンスのプロには、なりません。すみません。父上。僕は、テレビ局のアナウンサーに成ります。』『ああ、分かった。天志の好きな道へ行きなさい。』本当にテレビ局のアナウンサーに成るのか?別に悪くは、ないだろう、いずれ挫折しても仕方が、無い。それから、数年が、経ち天志は、卒業と同時に、TGMテレビのアナウンサーに成った。道彦は、応援は、したが、テレビ局のアナウンサーの生き残りの難しさを感じる日が、来るのでは?と思ったが、我が子とは言えカリスマ性を持って生れて来た天志に期待をしていた。

浩二は、18年程、私が地球で一番幸せ教の教祖をしていた。信者が、驚いたことに、2000万人に、膨れ上がっていた。1000円~100万円のお布施が、年に何度か、収めに来る信者が、いる。駐車場も1000台から1万台に増えていた。駅からの直通シャトルバスも1時間に6本、運行される程に成った。1年間のお布施は、約9000億円に成っていた。信者は、教祖を信じるわけでは、無くただ【自分が、地球上で一番幸せです。】と思っていた。それが、貴重なことで子供にも【自分が、この世界で一番、幸せ】と思いなさい。と言う教育をしていた。しかし、愛花は、地球上、全ての国で私が地球で一番幸せ教を広めたかった。現在は、欧米に私が地球で一番幸せ教を広めていたが、なかなか、私が地球で一番幸せ教を日本から他国での信者を作ることは、難しかった。法典の翻訳は、神菜が、中心となり、優純女子学園を卒業したメンバー5人で、法典の翻訳をしていた。更に中国語の翻訳も神菜が、中心となり翻訳作業が、行われていた。日本人の信者が1700万人、海外の信者は300万人だった。浩二は、神菜も天志も偶然、カリスマ性に溢れて、生れて来たことに安堵していた。浩二は、将来、神菜に教祖を譲るつもりでいる。天志を、テレビ番組のニュース番組でキャスターをしているのを、時々見るようになった。愛花も麗花も夢に向けて着々と歩んでいる。浩二には、信じがたかった。8時になった。もう、時々しかしていないが、8時にパソコンをオンラインにする癖が付いていた。緑のランプが、光る【こんばんにゃりん】【ただいま でんでん】【神菜と天志君は、順調に育っているようだね?ばんばん】【まさかこんなに上手く行くとは、思っていなかったよ。でんでん】【愛花ちゃんと麗花さんは、夢を叶えられるのかな?ばんばん】【それは、分からないな、でんでん】【こんなに上手く行くとは思えなかったよ。ばんばん】【僕は、これから親子の絆の大切さをアピールすることに成っているよ。自分が、ミスしないか? プレッシャーの固まりだ。でんでん】【家庭の絆を、アピールするなんて大変だね。ばんばん】【こうくん、だって教祖業、上手くやっているじゃないか。でんでん】【俺のセリフは2個だけだよ。ばんばん】【麗花が、言っていることを我が家は、実践している。上手く行き過ぎて怖いくらいだよ。でんでん】【俺も上手く行き過ぎて怖いよ。愛花ちゃんは、世界に広めたいらしいけど、俺が、飛行機に乗るのが、嫌で海外に行き渋っているのが、不満らしい。ばんばん】【あっ9時だ。お休みなさい。】【上手く行くと良いね。お休みなさい。】緑のランプが消える。浩二は、人生が、上手く行ったことが、なかった、愛花に出会うまでは。愛花が、自分を変えてしまったらしい。信者2000万人の教祖か?ありえない話しだな。何か夢の続きを見ているようだ。ローマは1日にして成らず。このまま信者を増やして行くのだろうか?膨張主義のようにも見えるが、これ以上、増やすのは、危険なのでは、ないのだろうか?ふと一瞬感じることもある。それとも私が地球で一番幸せ教が、地球を平和にするのかな?良く分からない。愛花ちゃんが、寝室に戻って来た。『今日は、どうだった?』『いつも通りよ。何も心配は、ないわ。教祖さま。』『そうか、飛行機嫌いで悪いね。』『各国で準教祖を置くつもりよ。私は、海外へ訪問するわ。』『えっ会えないのかい?』『仕方が、ないわ。神菜も連れて行くつもりよ。海外勉強は、必要だわ。2代目教祖は、神菜に決まりだわ。そうか?俺は、60歳くらいで引退かな?』『何を言っているの?70歳までは、せめて頑張って。』『ああ、了解です。』『教祖は、タメ語しか使っちゃだめよ。』『頑張るさ。了解。ところでこのまま私が地球で一番幸せ教を広めるのかい?』『えっ何のこと?』『信者、約2000万人になったよ。このくらいで良いんじゃないかな?』『地球を平和にするのが夢よね、浩二さん』『うん、俺は、地球の平和を祈っているよ。』『それなら、もっと信者を増やさなくちゃいけないわ。』『生きている限り、膨張するのかい?』『私は、浩二さんと一緒に引退するわ!いろんなところに旅行に行かない?』『飛行機に、乗らない旅行なら構わないよ。どこでも良いよ。元気だね!あっそれとグリーン車にしてね。歩くのも嫌だよ。』『歩かない旅行なんてないわ。少しは、身体を動かしなさい。』『う~ん、貧血なんだけどね。』『立派に教祖業を務めて来たじゃない?』『リクライニングチェアに座って手を振るだけじゃないか?俺にとっては、かなり努力したつもりだよ。悪くは、無かったけど。毎晩、一緒に居られないなんてウソ付きだな。』『九州や、北海道の日帰りは、不可能よ。私も浩二さんが、いなくて寂しかったのよ。』『愛花ちゃんの人生は、成功かい?』『そうねぇ、信者2000万人は、最低ラインは、クリアかしら?』『教祖を信じない宗教って言うのは、斬新だね。』『そうねぇ、どうしてそう成ったのかしら?』『愛花ちゃんが、考えたんだよね?』『みんなで話し合っていたら、そうなったのよ。18年前のことは、良く覚えて無いわ。』『教祖を信じない宗教だったからここまで来られたのかも知れない。教祖を信じる宗教だったら少し重たいからな。そう言えば天志くん、アナウンサーに成ったみたいだね。』『お姉さまが、1~100まで教え込んで育てたのよ、当然よ。天志君は、カリスマ性もあるわ。』『神菜もカリスマ性が、あるね。子供にカリスマ性が、有って良かったよ。』『10年後は東京都知事になるのかな?』『多分、オファーが、あれば受けるらしいわよ。』『じゃぁ、私が地球で一番幸せ教の票を天志君に入れることにするか?』『そんなことしなくても当選出来るわ。』『そうか、そうだね。』『天志君の番組が、始まるわ!』【こんばんは、TGMアナウンサーの伊集院天志です。本日は、消費税に焦点をあてて討論します。民主党から3名の方、自民党から3名の方、共産党から、2名の方にお越し頂いています。】『板に付いた司会ぶりだね。』『お姉さまの子供よ、当たり前だわ。』『10年後は東京都知事かい?』『都知事か参議院から比例代表か?衆議院から比例代表で出ると思うわ。』『本当に夢は、叶うんだね。地球の平和まで、叶うかな?』『お姉さまの子供が、地球を平和にするなんて素晴らしいことだわ。』『私が地球で一番幸せ教では、平和に成らないのかい?』『私が地球で一番幸せ教も地球を平和にする一つの手立てとして貢献すると思うわ。』『私が、地球で一番幸せか?良く思いついたね。優純女子学園のシンクタンクが、作ったテーマよ。大ヒットして当然だわ。』『そうだね。愛花ちゃんのおかげだね。』『地球を平和にする会は、どうなったの?』『学生時代の夢だったわ。本気で地球の平和を考えていたのは、私とお姉さまの二人だけだったわ。男は、みんなだめよ。お金か身体目的だったらしいわ。』『女の子は、良い男探しに参加していただけだったみたい、本当に地球の平和を考えていても、家事に時間を取られて夢を実現出来ずにいるわ、私とお姉さまは、カリスマ性のある子供が、生まれるまで、子供を生むつもりだったけど一人目でカリスマ性のある子供が、生まれたわ。そうしたら、子育てに時間を割く理由は、無いもの。二人目を生む意味が、ないわ。』『そう、良いね。理想が、高くて。』『でも私だって地球の平和に貢献は、したいけど、家族は、一番大切よ。』『俺は、リクライニングチェアに座ってマイクパフォーマンスするだけの仕事で良かったよ。【自分が、一番幸せな人、手を挙げて~!】って言うだけで、楽な仕事に付けたよ。全員が、手を挙げるのも、見ていて面白いよ。』『私達の世代では、地球規模にさせるのは、難しそうだわ、神菜に夢を託すわ。』『アメリカか?イギリス?でヒット出来たら良いんだけど?国際結婚も悪く無いかも。』『えっ神菜が、外国人と結婚するの?』『日本に滞在していた外国人と、結婚しても良いし帰郷して広めてもらっても良いね。海外で偶然の出会いでも構わないよ。』『うまく来ているから、神菜の国際結婚も面白そうね。そうだ、教祖さま、比例代表区から出て見ない?』『それは、不可能だな?』浩二はびっくりした。椅子から転げ落ちそうに成った。『お金のことは、考えなくても良いわ。私、ファーストレディに憧れているの!』『ええええええええええええええええええええええええええええええええええ。それは、愛花ちゃんの頼み事でも不可能だよ。』『会員2000万人よ。浩二さんなら出来るわ。』『そうかなぁ~?少し待ってくれる?総理大臣は、飛行機に乗らないと行けないんだよね。』『えっそんな理由で断るの?』『神菜か天志君なら出来るんじゃないか?教祖に成ってから政治・経済の勉強をしたけど、俺には、向いてなさそうだよ。ファーストレディって、それは、行き過ぎた願望だよ。『私は、ファーストレディに成りたいの、本気よ。』『えっ本気で言っているの?』『私、私の選んだ人に一番に成ってほしいの。』『3日間、考えさせてくれ。良いかな?』『良いわ、3日後を楽しみにしているわ。』浩二は、思い悩んでいた、出来るはずの、無いことを、頼まれても。どうせ不可能なので一応立候補して総理大臣には、成れませんでした。と詫びるしか無さそうだ。愛花の願いには、逆らえないが今回は、不可能だろう、いくら愛花ちゃんとシンクタンクでも。

総理大臣か?地球の平和を本気で考えているくらいだ。夫を総理大臣にさせようと思っても不思議では、無い。だけど、俺にその才能は、なさそうだ。日本の赤字は、膨れ上がるばかりでどうにも成らない。国債を増刷するしかない。うちでの小槌のように国債を増刷するしか、ないだろう?そんな政策しか出来ない者を総理大臣に国民が、成らせてくれるわけが、無い。どうする気だろう?夜ご飯の配給制度を復活させても良いのかな?成れるわけが、ないのに考えるだけ無駄か? 浩二は、愛花の隣りで何も考えず眠りに落ちた。教祖の仕事が、お休みの日だった。日本の赤字について考える。総理に成るためには一応、マニフェストが、必要だ。愛花ちゃんが、マニフェストは、担当することに成っている。緑のランプが、点いた。【こんばんにゃんこ】【ただいま】【愛花ちゃんが、俺を総理大臣にしたいらしい。どう思う?ばんばん】【総理大臣?教祖さまに飽きて総理大臣か?成れると思っているの?こうくんは?でんでん】【成れないと思っているよ。ばんばん】【断れば良いのに。でんでん】【それは、そうかも知れないけれど、愛花ちゃんの言った通りにずっと歩いて来たんだけど、ばんばん】【僕から見てもこうくんに総理大臣は、向いていないと思うよ。でんでん】【そうか?不可能なことを不可能だと言うのも優しさかな?ばんばん】【それは、分からない、僕に聞かないで。でんでん】【でも俺が、総理大臣には、向いてないと思っているんだよね。ばんばん】【そうだね。でんでん】【そうか?道彦君も反対か?ばんばん?】【断るに一票。でんでん】【とりあえず、愛花ちゃんのプロデュース力を見てからにするよ。ばんばん】【9時だね。お休みなさい。】【お休みなさい】さて道彦君は、反対か? 麗花さんも、反対かな? まぁ、麗花さんの意見は、聞かないでおこう。どうするかなぁ~?宗教団体の立ち上げには、成功した。但し教祖としては、2つの発言とマイクパフォーマンスだけだった。総理大臣の仕事も内閣の大臣に丸投げしてしまえば良いか?あれっ俺って総理大臣に成る気でいるのかな?とりあえず明日、伝えよう。『お帰り。』『ただいま。総理になる件は、どうなったのかしら?』『期限は、明日だよ。』『私1か月でも良いのよ。ファーストレディに成りたいわ!』『もし、立候補するとしたら作戦参謀は、愛花ちゃんだよね。』『そう、私の台本通りにしてくれれば良いわ。』『俺は、何にも考えなくて良いんだよね?』『その通りよ。』『明日の夜には、返答するよ。』結婚して18年、眠りにつくとき、いつも自分が、地球で一番、幸せだと思える浩二だった。次の日、浩二は、どうしたら良いのか?分からなかった。総理大臣に成ろうとするならそれ、相応のお金も使うことになる。宗教団体の教祖で、身分不相応と考えていた。次は、総理大臣か?叶わぬ夢もあることを知るには、良い薬になるかも知れない。いつも思い通りには、行かないことが、あることを学ぶのかな。浩二は、子供の頃から言われたことには、反論出来無い体質だった。その日の夜 8時、緑のランプが点くのを待とうと思ったら既に点いていた。【こんばんにゃ】【お帰り】【総理大臣を目指すことにしたよ。ばんばん】【本気?でんでん】【シナリオは愛花ちゃんが、書いてくれた通りにやるつもりでいるから。ばんばん】【成れると思う?でんでん】【思わない。ばんばん】【なら止めたほうが、良いよ、でんでん】【俺って愛花ちゃんの言われたことに逆らえない体質みたいだから?ばんばん】【そんな根拠で総理大臣に成ろうとするのかい?応援してくれる人は、信者と他にいるのかな?でんでん】【信者に投票を促すこともあるかも知れないけど、作戦参謀は、愛花ちゃんだから。ばんばん】【こうくんは、何も考えないの?でんでん】【そう言うことだね、今のところ。ばんばん】【9時だからお休みなさい】【お休みなさい】
『ただいま』『お帰り』『最近、帰りが遅いけど、何かしているの?』『それは、置いといて返事は?』『あぁ、総理大臣ね。愛花ちゃんの指示に従うことにしたよ。』『ありがとう。』愛花は、浩二に抱きついた。『総理の件、引き受けてくれるのね。』『うん、別にどうでも良いから。』『これは、宗教団体、私が地球で一番幸せ教にとっても大事なことなの。今2000万人だけど。4千万人を目指すの。』『【自分が、地球で一番幸せ】ってことを、伝えるのかい?』『そうよ、私が地球で一番幸せ教のために総理大臣に成って欲しいの!そして【自分が、一番幸せ】と考えなさいと国民に説くのよ。』『えっファーストレディに成りたいんじゃ無いの?』
『それは、思い付きよ。冷静になれば、ファーストレディなんて、地球の平和に比べたらちっぽけなものよ。どうでも良いわ。とにかく私が地球で一番幸せ教の信者を増やすのそれが、一番大切なことよ。』『総理大臣が、私が地球で一番幸せ教を広めるのかい?【私が、一番地球で幸せ】って説くのかな?』『そうよ、総理大臣になるまでは、少し大変だけど、同志が、いるわ。2000万人の同志よ。必ず成れるわ。』『じゃぁ、比例代表区から出陣するのかい?』『そうよ、党名は、私が地球で一番幸せ教党よ。』『えっ宗教団体の名前を使うのかな?』『だめかしら?』『そうだなぁ?』『お布施を頂いた方には、浩二さんの顔写真が、載っているク
リアファイルを配っているわ。私が地球で一番幸せ教党で行きたいわ。』『それは、参謀本部の、共通した見解なのかな? 毎晩帰りが遅く成って来ていたのは、これのためだったの?』『そうよ、当たり前じゃない。私が地球で一番幸せ教を広めるために私が地球で一番幸せ教党を作るのよ。』『信者2000万人のうち、子供さんと海外を除いた1700万票が、見込めるわ!』『1700万票あれば13名は当選出来るわ。』『えっ1700万票でたった13人だけなの?当選するのは、難しいな?上手く行くと良いね。』『浩二さん、前々から言おうと思っていたけど自分にカリスマ性が、あると思ってないわよね?』『だって俺って、持て
ないよ。告白されたことが、ないし。』『それは、偶然よ。浩二さんには、カリスマ性が、あるわ。実感していないの?』『でも、告白されたのは、愛花ちゃんからだけだよ。』『お姉さまも、言っていたわ。性格が、ねじれているって。浩二さんが、パフォーマンスをすれば、マスコミの注意を引けるわ。』『えっマスコミは、苦手だな。』『今度の計画は、浩二さんにパフォーマンスしてもらって信者2000万人を3倍の6000万人にする計画よ。』『信者2000万人から、6000万人かい? それは、不可能だよ。』『何を言っているの? 私は、ファーストレディと 信者6000万人の両方を得る計画を立てているのよ。』『えっ、信者が、半分に減ったりは、しないのかな?』『大丈夫、私の脚本通りに話しをしてくれたら大丈夫だわ。』『愛花ちゃんの作戦に期待しているよ。ところで、何人立候補予定なんだい?』『えっ浩二さんだけよ。』『さっき13人、当選出来るって言ってなかったっけ?』『得票数を分ければ、13名、当選は、可能よ。でも赤字に成るわ。13名当選させるには、27名以上立候補しなくては、成らないわ。そんなにたくさんの人を立候補させるのは危険よ。危ない橋は、渡れないわ。浩二さん一人が、圧倒的な数字で当選するのよ。それも作戦の一つなの『う~ん、OKだよ。作戦参謀の言う通りにするよ。それは、そうと、俺、法典を読んだことまだ無いんだけどそれでも良いのかな?』『あらっ、浩二さん18年も教祖をしていて法典を読んでいらっしゃらないの?それで良く教祖をやって来れていたわね。』『だって愛花ちゃん【読まないで】って言っていたから。』『あらっそうだったの?忘れていたわ。でも法典を読んでもプラスに成るか?分からないから、読まなくても良いわ。』『あれっ、本当に読まなくて良いの? 分からないことを聞かれたら、【まだ、その時期では、ないです。】って言っておけば良いのかな?』『そうよ、それで良いわ。何も知らないほうが、教祖で悩むことも無いかも知れないわ。』『そう、まぁ、良いか?』『私の作戦を信頼して。』『うん。』愛花は、浩二に抱きついた。20年以上、一緒にいる二人だが、ラブラブのカップルのようだ。同じ末っ子でも浩二は、消極的で、愛花は、積極的だった。【私が地球で一番幸せ教 教祖 伊集院浩二さまが、次期衆議院選挙比例代表区に出馬することに決まりました。皆さん投票は、私が地球で一番幸せ教党の伊集院浩二さまに投票してください。『ちょうど良いサイズのポスターだね。写真は、良く映り過ぎてるんじゃない?』
『そんなことは、ないわ。ぶっちょうづらのときは、かっこ悪いけど笑っているときの浩二さんは、素敵よ。』『そうか、これをいろんなところに、貼り出すんだよね?』『一応、100枚刷ったわ。』『えっ、思ったより少ないね?』『選挙の経費削減よ。』『もっとお金を賭けて大々的にやるのかと思ったよ。』『信者の方には、ミニサイズのこれと同じポスターを送ったわ。当選確実なのにお金を駆けても意味が、無いわ。浩二さんは、教祖なのよ。教祖に、はむかって投票する人は、いないわ。1300万票くらいが、目標よ。』『何かパフォーマンスは、要らないのかい?』『後は、政見放送の台本を暗記してもらうわ。』『えっ、どれくらいあるの?』『10行もないわ。』『すぐに終わっちゃうよ。』『繰り返すのよ、10行を繰り返し言い続けるの。』『了解。簡単なのにしてね。』浩二は、どうでも良い気分で渋々引き受けた。『明日から練習してもらうわ』『母は、強しだね。』あくる日、麗花さんに聞いて見るか?『もしもし、浩二だけど。』『あらっ、珍しいのね。』『俺、衆議院議員に立候補することになったんだ。』『あらっ、総理大臣になるのかしら?』『愛花ちゃんは、俺に総理大臣に成って欲しいらしい。』『愛花の入れ知恵だったの?』『そう言うこと。国会議員には、比例区なら成れると思うけど、そこから、どうやって総理大臣になるのか? 良く分からないけど?』『愛花のことだから、何か考えが、あるんだと思うわ!』『でもね、俺が、パフォーマンスに失敗して私が地球で一番幸せ教の信者が、減って選挙にも落ちることが、あるんだよ。』『また、ネガティブ発言なの?宗教団体の教祖なのよ。浩二さんは。プライドを持ってパフォーマンスしなさいよ。』『天志君は、どうしてる?もうそろそろ都知事選出馬じゃないのかい?』『そうねぇ、視聴率も、良いし予定通り来ているわ。政党からのオファーも来ているのよ。』『あれっそれじゃぁ、俺と敵対するのかな?』『もう少し、次期を待つわ。都知事選挙で100%勝てるまで。』『出来れば民主党と自民党の公認で立候補したいわ!』『それなら、今の知名度から言って100%間違いないね?縁談話しは、あるのかい?』『たくさん、来ているわ、年収5億円の娘さんとか、来ているわ。他に女性社長で3億
円稼いでいる子なんかもいるわ。』『凄い高条件じゃない。なんで断っているの?』『私が、まだ子離れして無いのよ。』『そう、今回は、戦わずに済むんだね。良かった。』『俺は、天志君とは、戦いたくないな。』『その辺のことは、愛花と話し合っているの【浩二さんには作戦を教えないでね】って、言われいてるわ。』『その作戦、上手く行くような作戦なのかい?』『それは、秘密よ。』『後ろで手を組んでいるとは、思わなかったよ。』『頑張ってちょうだい。愛花の作戦は、かなり巧妙よ。』『まぁ、成るようにしか成らないよ。』『相変わらずネガティブね?』『ネガティブにもなるよ、たまたま当たったつくば支社を捨てて教祖に成ってまたそれを捨てて総理大臣への道だよ。良いのか?悪いのか?考えている時間も無いよ。』『心配しないで愛花の作戦通りに動いて欲しいわ。』『了解。そうするよ。じゃぁね。天志君と麗花さんの健闘を祈るよ。』『浩二さんにも幸運が、訪れますように。』麗花さんと愛花ちゃんは、裏でつるんでいたのか?天志君の捨て駒として使われるのかな?難しいことを考えたものだ。俺が総理になったら、間違いなく日本は、滅びるな。教祖に慣れて来たら総理大臣か?俺の人生ってなんだろうな?愛花ちゃんと一緒にいることを選んだらこんなことに成ってしまった。世の役にたっているのだろうか?俺の人生の目標は、200歳まで生きることと、地球の平和だけど。
『浩二さんに覚えて欲しい公約を紙に書いたわ。』『ふ~ん、A4用紙1枚分か?それくらいなら覚えられるかな?え~と【それでは、政見放送を始めます。私は、地球で一番幸せです。私は、世界で一番幸せです。私はこの世で一番幸せです。俺は、地球で一番幸せです。俺は 世界で一番幸せです。俺は、この世で一番幸せです。】これを政見放送が、終わるまで繰り返します。なんだこれは?』『簡単に覚えられるわよね?』無邪気な顔で見つめられる。どうやらこれで総理大臣に成れると思っているらしい。え~と、人には、挫折って言うのも必要か?これで総理大臣に成れるなら総理大臣が100万人くらいは成れるだろう。愛花の悪い癖が、出る。シンクタンクとやらは、何を考えているのだろう。俺の送った助言者は、何をしていたんだろう?『分かったよ。これを暗記するよ。これを繰り返し政見放送が、終わるまで、言えば良いんだね?』『そうよ、大丈夫よ。』『これで総理になれるならこれで良いよ。外で暗記して来るよ。』『え~一人で大丈夫?』『俺にも計画が、あって少し確認したいことがあるんだ。』『すぐ、戻るよ、30分もかからないよ。』『分かったわ。ちゃんと暗記して来てね。』『了解。』浩二は、携帯を持ち車の中に入った。電話を急いでかける。『どうゆうこと?暗記の台本?』『シンクタンクで考えた結果です。』『いや、それは、分かっているけどどうしたらあんなマニフェストに成ったんだい?』『私は、良いと思いました。』『じゃぁ、愛花ちゃんは、俺を総理にする気があるのかな?』『あります。大真面目です。』『あのマニフェストで俺が、総理に成れると思ったのかい?』『はい、思いました。』『何のためにもぐり込ませているか、分かっているよね?』『私は、私の信念を貫きました。あの案で良いと思います。』『そうか。そう言うなら仕方が、ない。暗記するよ。』どうしたんだろう、冷静な判断力が、あると思ってもぐり込ませた女性にあんなマニフェストで総理に成れると言われては・・・。暗記するしか無いと言うよりもう頭の中には、入っている、教祖をやっているときとまったく同じセリフだ。部屋に戻って来た。『暗記は、出来たのかしら?』『大体、教祖のときと同じセリフだね?』『そうよ、絶対、上手く行くわ!』『一応、このペーパーをちらちら見ながら政見放送をするよ。』『浩二さん暗記出来ないの。このくらいのマニフェスト暗記して欲しいわ。』『いやもし、ど忘れしたら、困るから。』『そのマニフェストを繰り返し言ってくれるなら何でも良いわ。』『了解。頑張るよ。』浩二は、困った。こんなマニフェスト聞いたことが無い。夢と現実は、別物だ。愛花ちゃんの言うことを聞こう。それで総理に成れなくても仕方が、無いだろう。俺は、もう少しまともなマニフェストを言えるが止めておこう。愛花ちゃんの言う通りにしておこう。運命の日が来た。背広にネクタイをして、リクルートファッションだ。何年ぶりだろう背広を着るなんて、政見放送のオンエアランプが光り始めてくださいと促される。『私が地球で一番幸せ教党の代表を務めています、伊集院浩二と申します。私が、地球で一番幸せ教党のマニフェストをこれから発表したいと思います。皆さんも良く聞いてください。私は、地球で一番幸せに生れました。なので今も地球で一番幸せに生きています。私は世界一幸せ者です。私は、この世で一番幸せ者に生れました。私より幸せだと思う方いらっしゃいましたらどこが、私より幸せか教えて欲しいです。私は、地球で一番幸せです。皆さんも 自分は、地球で一番幸せだと、考えて生きて行って欲しいです。自分は、この世で一番幸せ者です。私は、地球で一番、幸せです。なので皆さんに幸せを配ることが、出来ると思います。皆さんも自分は、この世で一番幸せ者に生まれたと思ってください。私は、世界で一番幸せです。』あと30秒の合図が出る『皆さんは、私より幸せですか? 私は、私が、地球で一番幸せ者だと思って生きています。皆さんも地球で一番幸せ者だと思って生きてください。』本番終了の合図が、出た。これで良いだろう。愛花ちゃんも納得してくれるだろう。愛花ちゃんが、政見放送を見ていたスタジオの中で。『どうだった、政見放送、良い感じだったよね。』『私は、もう少しシンプルに、私は、地球で一番幸せですを繰り返して欲しかったわ。でも合格点かしら。私が地球で一番幸せ教と私が地球で一番幸せ教党のマニフェストが、大体同じだったから今日は、これで良いわ。お疲れさま。』『ああ、テレビって緊張するね。』『教祖なんだから、もう少しどっしり構えて欲しかったわ。少し子供っぽかったわよ。』『あれが、俺の限界だよ。子供っぽくても良いじゃないか?歳のわりには、若く見えるし。良いんじゃないかな?また今度、機会が、合ったら、頑張るよ。』『とにかく、衆議院議員、当選、確実だわ。』『良かった、良かった。信者は、増えるかな?』『増えると思うわ。最高よ。』『今日は、ビール200cc飲んでも良いかな?』『良いわ。でも、お酒臭い人は、嫌よ。』『そんなにたくさんは、飲まないよ。何も考えていなくても緊張するもんだね。』次の日、私が地球で一番幸せ教党の政見放送について反論の声が何百通か?かかって来たらしい。良かったという電話は何千通も?かかって来たらしい。自分が、地球で一番幸せだと言うことをアピール出来たようだ。皆が、その気持ちを、持ってくれたら、なと浩二は、改めて思った。しかし、この後どうして行くのだろう?教祖だから当然、当確だ。1400万人の投票は見込めると言っても選挙区が違えば投票は、出来ないのだが。浩二は、つくばから比例代表区で立候補した。一番地盤が固いところだ、落選するわけが、無い。当選後のことを、愛花に聞いて見た。『当選したら、私が地球で一番幸せ教党を作るわ。共感してくれる人が、要れば私が地球で一番幸せ教党のメンバーに成ってもらうわ!』『えっ、それで総理に成れるの?』『マニフェストは、決まっているわ。』『じゃぁ、総理に成れそうかい?』『さぁ、マニフェストにどれだけの人が、共感してくれるかよ。』『随分、アバウトなんだね。』『大丈夫よ、マニフェストは、必ず、分かっていただけるわ。』『了解』家に帰り、緑のランプを待つ、8時につけて、9時まで緑のランプが、付かなかった。今日は、相談、出来ずか?仕方が、無い一人で考えよう。マニフェストは、どうする気だろう。まさか食糧自給率130%なんて言い出さないだろう?党員一人で、日本の赤字を減らして、経済再編なんて、出来るわけが、無いけどどうしたら良いんだろう。愛花ちゃんのマニフェスト待ちだな。愛花が、帰って来た。『お帰り。』『ただいまぁ~。』愛花は、浩二に飛びついた。相変わらず涙が、落ちる。嬉しい。いつまでも夢の中の恋人同士みたいだ?『どうしたの?マニフェストは?』『それは、明日のお楽しみよ。』『そうなの?じゃぁ、何か手立てが、あるんだね。』『お休みなさい。ビール200cc飲んでも良いわよ。』『了解。』珍しいなぁ、寝室を出てキッチンの冷蔵庫から200ccの梅酒を出す。ソファに座り、梅酒をコップに注ぐ。一杯目、上手いなぁ~!明日から総理大臣への道のりか?良いのかな?これで?愛花ちゃんに出会ってから人生が、変わった。でも、総理大臣は、絶対不可能だろう。でも200ccの梅酒を飲み終わり、夢の世界へと扉が、開くように思える程アルコールは、身体に効く。浩二は、深い眠りに落ちて行った。
『朝よ、おはよう、浩二さん』『おはよう、愛花ちゃん』『マニフェストだけど、裏工作をした結果、10個決まったわ。

1 消費税の廃止・・・
2 死刑制度の廃止・・・
3 食糧品のみに使える、食糧カード(月1万円)の支給(チャージ方式)・・・
4 国民投票の開始・・・
5 官僚のテレビ面接投票による合否判定(学力関係無し)・・・
6 所得税から月1万円、自分の好きな人に寄付する制度(自分以外)・・・
7 16歳~26歳の2年間の全寮制・農業・介護従事制度・・・
8 私が地球で一番幸せです。と朝起きた時と眠る前に唱えること・・・
9 ハローワークの4倍増、職員も4倍増・・・
10 ワーキングシェア6時間制の導入・・・

『えっ 消費税を廃止にするの?それでどうするの?』『どうするもこうするも無いわ。決まってしまったの。』『消費税の廃止は、分からないでもないけれど、死刑制度の廃止ってどうするの?』『それは、いろいろな意見が出て死刑制度の廃止論者が多かったの。』『えっそれってマニフェストで過半数取れるの?』『そうよ。』『税金の収入が減って支出が、上がるよ。』『それでも、良いの?』『え~歴史を逆行するの?俺が、それをやるの?え~!嘘って言ってくれないかな?』『本気よ。』『本当にやるの?10個ともやるの?』『そうよ、10個一緒にじゃなきゃ、話し合いが、面倒よ。』『え~。本当にそれで、OKなの?嫌な役まわりだな。やりたくないなぁ~?他の方法は、無いの?』『裏工作した結果、多数決で決まったの。明日40名が『私が地球で一番幸せ教党に入党することに成っているの。マニフェストは、まだ発表は、しないけど。』『えっ、そんなに歴史を変えて良いのかい?天志君や、神菜は、知っているのかい?』『ええ、知っているわ。どっちでも良いって言っているわ。』『え~やる気無いな~』『浩二さんしか中心に成れる人は、いないわ。』『あの~死刑制度の廃止って言うのは、考えたのは愛花ちゃんなの?』『いえ、違うわ。死刑制度、反対議員の取り込みのためよ。』『そんなことで法律を変えちゃって良いの~?重大事件だよ。俺は、考えたこと無いな。それで犯罪防止に成るの?』『いいえ、分からないわ。』『分からないでそんなことするの~?』『それを、党首の俺の意見として発言するのかい?』『そうよ。数の論理よ、大勢派に、なるためよ。』『えっ、俺が、人柱に成るの?』『そんなことないわ、世論調査の結果よ。明日で衆議院は、満期よ。タイミングも良いわ。』『了解。、やってみるよ。でもどうなっても知らないよ。』衆議院の解散が、満期で行われた。私が地球で一番幸せ教党が、立ち上がった。マニフェストは、10個

1 消費税の廃止・・・
2 死刑制度の廃止・・・
3 食糧品のみに使える、食糧カード(月1万円)の支給(チャージ方式)・・・
4 国民投票の開始・・・
5 官僚のテレビ面接投票による合否判定(学力関係無し)・・・
6 所得税から月1万円、自分の好きな人に寄付する制度(自分以外)・・・
7 16歳~26歳の2年間の全寮制・農業・介護従事制度・・・
8 私が地球で一番幸せです。と朝起きた時と眠る前に唱えること・・・
9 ハローワークの4倍増、職員も4倍増・・・
10 ワーキングシェア6時間制の導入・・・

500人が、私が地球で一番幸せ教党から出馬して400名が衆議院議員に成った。大政党の完成だ。国会が、始まった。『伊集院浩二君』名前が呼ばれ、内閣総理大臣に決定した。その夜、8時に緑のランプを待つ、点いた。【こんばんにゃりん】【ただいま】【どうしたら良いと思うマニフェスト?ばんばん】【決まったものは、やるべきだ。でんでん】【そうか?ばんばん】【間違えていたら天志が、元に戻すよ。でんでん】【そうか、天志君がいるか?ばんばん】【間違っていたら国民投票もあるからね。でんでん】【総理大臣だって。ばんばん】【良かったね。でんでん】【本当に良いか悪いか分からないよ。ばんばん】【国民が、こんなに賛成してくれるとは、思わなかったよ。ばんばん】【愛花ちゃんのマニフェストが、正解だったんだね。でんでん】【そうかなぁ~?ばんばん】【そうだよ。良かったね。でんでん】【9時だね。お休みなさい】【お休みなさい】愛花が、帰って来た。『私は、ファーストレディよ。お姉さまにも出来なかったことだわ~最高~』浩二は、今日の勝利のことだけを考えようとしていた。今日は、勝ったんだ。俺と愛花ちゃんと、私が地球で一番幸せ教勢力は、世界で一番幸せだ!愛花が、浩二に抱きついて来る。『おめでとう。愛花ちゃん。』『浩二さんも素敵だったわ。大勝利ね。』『そうだね。今日は、シャンパン開けようか?』『私は、コーヒーで良いわ。飲みたかったら、飲んでも良いわよ。』『後で飲むよ。今日の勝利に乾杯!』浩二は、これから来る、歴史の教科書を変えるようなマニフェストは、忘れコーヒーで乾杯をした。愛花はくつろいでいる。浩二は、政治のことは、良く分からない。人の命に係わることを自分で決めてしまうことに成る。身分不相応だった。これで良いのか?浩二には、分からない、愛花ちゃんと一緒にいたい一心から衆議院議員に立候補した。愛花ちゃんのために、私が地球で一番幸せ教党として、テレビに出演してまわり、【自分が、地球で一番幸せと思いなさい】【私は、自分が、地球で一番幸せだと思っています】と、何度も演説した。これで良いのかな?俺の人生?と、思ったが、愛花ちゃんとは、切っても切れない絆が、出来ている。今も、愛花ちゃんといるとときめくことが、出来る。これで良いんだろうか? 愛花ちゃんに愛して欲しいと言う愛のパワーだけで生きている。自分の考えは、忘れて愛花ちゃんが、いるから生きている。私が地球で一番幸せ教の入信者は、5千万人を超えていた。世界で一番自分が、幸せだと思っている。と言えるような人生を歩きなさい。と演説することも合った。浩二は、今の暮らしが、世界で自分が、一番の幸せ者だと思える。ソファーで眠ってしまった愛花ちゃんを見て再確認出来る。愛花ちゃんを揺すって起こす。『ソファーだよ。ベッドで眠らなきゃ。起きて。』愛花が、抱きついて来る。『私は、地球で一番幸せなのかしら?』『当たり前のことだよ。愛花ちゃんは、地球で一番の幸せ者だよ。』『分かったわ、ありがとう。ベッドに行くわ。』愛で心が、満たされる。嬉しい。浩二は、10個のマニフェストをすべて衆議院と参議院で無事、可決した。反対派は物凄い形相でにらんでつかみかかろうとする議員もいたが、多数決で決まるのが民主主義だ。総理大臣の座る席から何度も逃げ出したが、総理は総理だ。質問を受ければ、【私は、良く分からないから大臣に任せる】と発言した。歴史上まれに見る無能、首相だ。それでもなぜか人気だけは、落ちなかった。たったの1期で10個のマニフェストをすべて成した。『愛花ちゃんは、この後は、どうする気?』『10個のマニフェストを叶えたわ。国連の事務総長までは、止めておこうかしら?ファーストレディに成れたし、1期だけで十分よ。私が地球で一番幸せ教の教祖の相談役に戻ろうかしら。』『じゃぁ、私が地球で一番幸せ教党の党首は、天志君に任せようか?アナウンサー高感度ランキング1位だから別に良いんじゃないかな?』『そうねぇ、そうしようかしら?』『お姉さまに聞いて見るわ。』愛花が、麗花に電話をかける。『もしもし、お姉さま。』『あら、愛花なのお元気そうね。』『浩二さんと私は、10個のマニフェストを叶えられたから1期だけで構わないの。』『それで?』『私が一番幸せ教党の党首に天志君に任せたいの。』『愛花、本当なの?』『ええ、本当よ。お姉さまは、どう思うかしら?』『そうねぇ、天志が、良いと言えば私は、構わないわ。』『分かったわ、浩二さんに伝えておくわ。』麗花は、天志が、総理に成れるなんて嬉し過ぎて気絶しそうに成った。少しベッドで横に成りそのまま眠ってしまった。『お姉さまに聞いたら、天志君が、私が地球で一番幸せ教党の党首に成るのは、本人が、良ければ構わないって言っていたわ。』『そうか?じゃぁ、天志君に意見を聞いてみようか?』浩二は、電話をかける。『もしもし、浩二おじさんだけど、』『あっはい、天志です。お世話になっております。』『天志君、私が地球で一番幸せ教党の党首に成る気は、ないかい?』『えっ僕が、党首ですか?』『う~ん、何人か?候補は、いるんだけれど、やる気が、あるかなと思って電話したんだけど。即答は、不可能だろうから3日後くらい後にもう一度電話するよ。』『えっ待ってください。私が地球で一番幸せ教党の党首になるってことは、総理大臣に成るってことですよね。』『そうだよ。総理の座が転がり込んで来るって話しだよ。』『受けます。引き受けます。おふくろの夢です。タイミングが、ちょうど良いです。』『そうか?大変な仕事だけど、では、天志君に党首に成って見るように調整してみるからそのつもりで心の準備をしておいてくれるかな?』『はい、分かりました。ありがとうございます。』『こちらこそありがとう。麗花さんと道彦君にこのことをよろしく伝えて置いて欲しい。天使君の幸運を祈るよ。』電話を切った。『愛花ちゃん、天志君は、この話し引き受けてくれるそうだから。裏工作をよろしくね。』『裏工作は、お姉さまに、伝授するわ。』『あっ、そうすると愛花ちゃんのシンクタンクは、どうするんだい?』『浩二さんは、引退するわけじゃ無いから、サポートは、続けるわ。』『そうか、まだサポートしてくれるんだ。嬉しいよ。ありがとう。』緑のランプを待つ。あっ、点いた。【こんばんにゃりん。】【ただいま。でんでん】【天志君の話しは、聞いたかな?ばんばん】【総理に成れるのかい天志は?でんでん】【その方向で愛花ちゃんが、動いる。もちろん俺もうまく党首の座を変われるようにまわりの人を説得するよ。ばんばん】【本当の話しなんだ。でんでん】【そうだよ。総理大臣の父の気分は、どうだい。ばんばん】【まだ、信じられないよ。でんでん】【麗花さんは、何て言ってるの?ばんばん】【嬉し過ぎて寝込んでいるよ。でんでん】【まだ本当の話しか分からないのにね。でんでん】【本当の話しだよ。おそらく愛花ちゃんの、ねまわしは、上手く行くと思うよ。ばんばん】【ありがとう、こうくん でんでん】【9時だ、お休みなさい】【お休みなさい】緑のランプが、消える。道彦は、信じられなかった。麗花は、ずっと東京都知事から総理大臣を2期務め国連の事務総長になると宣言していた。まさか本当に都知事を飛び越し総理にいきなり成れるとは。信じがたい話しだった。道彦は、どきどきする身体を抑えつけられないまま眠りについた。翌朝。良く眠れなかった道彦だが、麗花を起こした。『麗花、朝だよ。おはよう』『天志の話し本当なの?』『おはようの挨拶は?』『あらっ、おはよう。それで天志は、総理大臣に成れるの?』『こうくんの話しでは、90%、間違いないって話しだった。良かったね。麗花。』『本当なのね!素晴らしいことだわ!』ベッドの上で小躍りする。『踊りたいだけ踊りなさい。ベッドから落ちないようにね。』『だってこんなに夢が、速く叶うなんて。信じられないわ。』『麗花は、総理の母親になるんだから、こうくんや、愛花さんのように冷静でいることも大切だよ。』『そうね。冷静に喜ばなくては、愛花に出来たのよ、私にも出来るはずだわ。』『子供と夫の違いは、あるけれど。喜べるときに喜べるだけ喜んでおきなさい。』麗花は、もう一度眠りたかった。夢のような話しだ。夢は、叶うと、必然に成ると思っていたけれど総理に成れるなんて愛花と浩二さんのように頑張らなくては。後は、天志のお嫁さんを探さなくては。ファーストレディにふさわしい女の子を。私の息子が、総理なんて必然だわ。棚から牡丹餅だわ。でも私は、天志を総理にさせるために英才教育をしたわ。天志も自分は、将来、総理大臣に成ると思って来ているはずだわ。大丈夫、大丈夫だわ。神菜は、高校時代天志と一緒にアメリカ留学を1年程していた。大学時代は、中国へ天志とともに1年間の留学をしていた。浩二は、神菜は、どう考えているのだろう?今は、俺が、教祖を兼任しているが、神菜は、教祖に成るつもりが、あるのだろうか?結婚は?見合いか?恋愛か?見合い相手なら、いくらでもいるが、恋愛は、難しいかな?旅に出させて一目惚れと言うのも、運命だが。毎回当たるとは、限らないだろう?偶然の出会いから俺と愛花ちゃんは、結婚した。麗花さんと道彦君も運命の出会いだった。神菜にも運命の出会いが、あるのだろうか?自分のことでいっぱいいっぱいで愛花と浩二は、子育ては、麗花さんに半分任せていた。天志君と同じ英才教育を受けていた。
3年後
神菜は妊娠中で、浩二は、教祖を務めていた。天志君は無事、総理の職業を務めていた。私が地球で一番幸せ教は、8千万人に信者を増やしていた。私が地球で一番幸せ教は、教祖が、偉いわけではない。【自分が一番幸せ】と思い込むことが信者の鍛錬だった。【地球で自分が一番幸せです】と毎晩唱えなさいと、教えを説いている。簡単な宗教だった。国内6千万人、海外2千万人に信者が、増えていた。『愛花ちゃん、おはよう』『おはよう、浩二さん』『神菜も無事結婚出来たし、子供も、もうすぐ生まれる。幸せな家庭かな?』『幸せな家庭よ。心配いらないわ。夢を見ているような人生で面白いわ。浩二さん、話しは、変わるけど国連の事務総長の話しどうするの?』『愛花ちゃんは、国連の事務総長は、止めておこうかしらって言ってなかったっけ?』『お姉さまは、天志君を国連の事務総長にさせようとしているわ。』『日本人にも国連の事務総長が、出来ることを証明して欲しいわ。』『えっ、じゃぁ、国連の事務総長の依頼、引き受けるの?』『ええ、そのつもりよ。メンバーのみんなと話し合っているところなの。』『海外で暮らすことに成るよ。』『別に飛行機で20時間程度よ。』『愛花ちゃんのシンクタンクは国連の事務総長の話しは、どう考えているの?』『シンクタンクのみんなは、想定内らしいわ。浩二さんなら国連の事務総長も務められると思っているし国連の事務総長史上最高の事務総長に成れると思っているみたいだわ。』『じゃぁ、愛花ちゃんは賛成派なのかい?』身分不相応だ。まさか世界の頂点に立つとは?『浩二さんなら出来ると思っているわ。』愛花は、夫が、総理になり、事務総長になるとは、夢でうっすらと描いていただけで実現するとは、思わなかった。これも運命なのかしらと思った?地球を平和にしなくちゃ。と子供の頃から思い願っていたし私の夫が、地球のトップに立ってもおかしくは、無いわ。私が、選んだ人ですもの。浩二は、自分が、国連の事務総長に抜擢されるとは、夢にも思わなかった。地球を平和にしたいとは、思っていたが、自分には、出来そうも無いと思っていたが、愛花ちゃんなら、なんとかしてくれるはずだ。事務総長の話しは、引き受けるんだろうか?愛花ちゃんと神菜とは、幸せな夫婦であり、家庭でもあるが。

日本中の話題に成っていた。

新聞の号外が、駅前で配られている。

伊集院浩二氏、国連の事務総長を快諾! きっと彼なら地球を平和に導いてくれるだろう!

と書いてあった。世界中で、私が地球で一番幸せ教の教祖、国連の事務総長を快諾とニュース速報が、放映されていた。

浩二は緑のランプが点くのを待っていた。ランプが点いた。【こんばんにゃりん】【ただいま、事務総長の話し引き受けたんだね。でんでん】【いろいろと話し合った結果まだ、保留中なんだ。ばんばん】【愛花さんは、なんて言ってるの?でんでん】【愛花ちゃんのシンクタンクは、想定内と考えていたらしい。ばんばん】【愛花ちゃんのシンクタンクは最優秀で今度のことも想定内なんだね。でんでん】【うん、愛花ちゃんの言う通りに人生を歩いて来たけど、今度も、愛花ちゃんにゆだねるよ。ばんばん】【地球を平和に出来たら良いね。でんでん】【9時だね、お休みなさい】【お休みなさい】緑のランプが、消える。さて、地球をどう平和にするんだろう?浩二には、【自分が、地球で一番幸せです】と、唱えれば幸せに成れます。と言うことくらいしか思い浮かばなかった。後は、愛花ちゃんの言うことを聞くくらいだ。

『ただいま~!』『お帰り~ 愛花ちゃん』『良いアイディアが、出たわ!』『本当?』『その話しは、また明日。』
愛花は、浩二に抱きついた。『また、よろしくね。浩二さん。』
愛花は、つぶやいて、地球で私が、一番幸せだと感じていた。
『こちらこそよろしくね。』浩二は、つぶやいて、同じことを考えていた。


                     END

隠れ家 V1.1

面白かったですか?感想を教えていただけると嬉しいです。 koukun12152000@yahoo.co.jp までメールが、欲しいです。

隠れ家 V1.1

伊集院麗花 お金持ちのお嬢様 愛花の姉・伊集院愛花 お金持ちのお嬢様 麗花の妹・大島浩二 普通のサラリーマン・黒木道彦 プロのダンサー・この4人が成すストーリーです。誤字脱字は、多いほうかも知れません。その都度指摘していただければ修正させていただきます。

  • 小説
  • 中編
  • 青春
  • 恋愛
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-02-17

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著作権法内での利用のみを許可します。

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