園鳴現パロ「ひそひそ」
現パロ園鳴×朝ダチ
下腹部の辺りにあたたかいものが触れている心地よさに目を開けた鳴子は、ちいさく、そして繰り返し「文一郎さん……」と呼ぶ切ない声を聴いた。
背中どころか全身を覆われている。耳元をかすめる寝言。さすられている腹。
「園……」
起こすか、起こすまいか、思案しながらそっと首を動かして、背後から回ってきている大きな手を見つめた。なぜ腹を撫でられているのか。そもそも、抱き枕めいた己の現状に、こそばゆさを感じずにはいられない。
二度寝をする習慣のない鳴子だったが、体温やいじらしい気まずさ、子守唄のように響く園の呼び声──そういったものの心地よさに、ふっと目を閉じた時。
「……っ」
背中に当たる確かな感触。よく知っている、熱い、それ。
──園、まさか。
背後に手を回して、それを確かめた。園が「んっ……」と声を漏らしたので慌てて手を引っ込め、鳴子は園に触れている腰をなんとか離そうと、身をよじった。
朝なのだから、仕方ない。むしろ微笑ましくもある。
しかし、これでは損をしているのは自分ばかりではないか?
園が、鳴子がせっかく作った隙間を埋めるかのように身体を寄せた。「文一郎さぁん……だめ、です……」いったいどんな夢を見ているのか、くすぐったそうにいやいやを繰り返す園。
顎が鳴子の後頭部に当たっているが、園は短髪の感触に対してなんとも思わないのだろうか?
そして、腹にかかるかすかな圧。手。腹を覆わんばかりの、手。尻のあたりにぎゅうと押し付けられた、昂ぶり。
──くらくら、する。
「園、起きろ、おい」
鳴子は耐えかねて、腹に添えられた手を叩きながら、ついに声を張り上げた。
「園!」
──反応なし。いっそ頭突きをしてやろうか……、いや、そうか。
再び背後に手を回すと、鳴子は園の昂ぶりを思いきり掴んだ。
「ひっ、いっ!?」
「起きたか」
「……っ、文一郎さん、朝から、積極的ですね」
「ばっ、馬鹿言うな、それはお前の方だろ!」
「んっ……あ、あの、さすらないで、ください」
「ん? んー……」
鳴子は不器用なりにそれを愛しんだ。園が鳴子を抱く腕に力を込める。「ぶ、文一郎、さん……」園のためらいがちな手が、腹から、すこしずつ下方へ滑っていく。
「……お前、これ、どうするんだ?」
「文一郎さん、こそ……」
荒くなっていく呼吸と、衣擦れの音が響いた数瞬の後、どちらからともなく、向かい合って。
それからは、ただ互いの声ばかりが、互いの鼓膜を満たした。
園鳴現パロ「ひそひそ」