記憶のページが閉じたあと
インターネットの古いホームページ
ひっそりとそのページは存在する
あなたのブログも趣味のサイトも削除してしまったのに
なぜかそのページだけは存在する
旅行に行った時の私とあなたの写真が載っている
もう一度ここへ戻ってくればあなたに会える
そんな気がするのです
私は歳を重ね
あなたの表情も声も仕草でさえも もうおぼろげで
ぼんやりとあなたという形だけが浮かび上がる
それでもそのページに向かえば
なぜかあなたを鮮明に思い出せるのです
久しぶりにページへアクセスしたら
すべて消えていました
あぁついに削除されてしまった……
心臓を鷲掴みにされるような、冷たい針を飲むような
驚きと緊張と、信じられない思い
すべてが綯い交ぜとなる感情は爆ぜる前に
ふっとやわらいで遠くなっていき……
静かに私の心から消えていきました
いつか消えるだろうと思っていましたから
これだけ長く残っていたことが奇跡だったのです
そして私はもう、あなたを思い出す必要はないのです
だってもうすぐ、本当のあなたに会えるのですから
きっと天国の入り口で待ちわびていることでしょう
記憶のページが閉じたあと