春色エプロン チャンプター10  ~ あっ、財布が・・・?!~


【 今までのあらすじ 】

吉田くるみ(36歳)は、会社をやめてい、葉子おばあちゃんの世話するバイトをすることに・・。
1ヵ月の契約で、早3週間が経った。葉子おばあちゃんは、認知があり、とても一緒にいるのが大変だった。
けれど、配達員の恭介や、恋敵の22歳のあかね、順吉じいさんなど、周りに囲まれ、にぎやかに暮らしている。

ある晩、いろんな悩みが重なって、逃げ場がないくるみは、、、昔の同僚である、小暮壮太(こぐれそうた)に連絡していた。今日は帰りたくない、くるみは、、思わず、壮太に甘えてしまったのだった・・。



【 本編 】

吉田くるみ(36歳)は、目の前にあるデザートの、、カシスアイスクリームを食べながら、こう考えていた・・・。


『わたしも36歳だし、、一晩くらい、小暮(こぐれ)さんと一緒に過ごしても、、』


もちろん、小暮壮太(こぐれ そうた)には、恋心なんて無い。ただ・・・年上だし、あと腐れも無さそうなので都合が良かったのだ。


いわゆる、ちょっと利用したかったのだった・・


『女性だったら、誰でもこんなことしてるわよね・・』


吉田くるみは、心の中で必死に言い訳をして、壮太に甘えてみるのだった。


ーー、と、その時である



「ごめ~~ん、くるみちゃん。」
「おれ、、、彼女ができちゃったんだよねーー」
なんと、小暮壮太(こぐれ そうた)は、そういってスマホの写真を見せてくるではないか・・。



「えーーーーー!?」

そこに映っているのは、、、くるみと違って、とっても見た目も美人で、、上品な女性だった。
くるみは、、、落ち込んだ・・。



わあ、私と正反対・・!こんな女性がタイプなのね。(ため息)


壮太の話によると、、友人の紹介で知り合い、5歳も年下だけどしっかりしている女性で、いいお付き合いをしているそうだ・・。
くるみは、、大きなため息をついて帰途につく・・。



~ あとバイトも、残り3日間 ~


買い物を済ませて、台所へ行くと、葉子おばちゃんは一人で放心状態だった。



「あ、あら、、帰ってきてくれたのね、くるみちゃん」
「よかったよ、また一緒ね。」



葉子おばあちゃんは、感情がキレると怖い面もあるが、、こうやって久しぶりに会うと、弱々しくて、、かわいいおばあちゃんに変身するのだ・・。



『はあ・・これが認知症なのね。いつも、こんなふうに穏やかなおばあちゃんだと、いいんだけどな。」


くるみは、このバイトを始めておよそ3週間・・。葉子おばあちゃんとの、大変な生活に慣れてきた。


ーーと、その時・・!?

葉子おばあちゃんは、、、くるみのバックを、手から奪い取って、抱え込んでしまったのだ!



『ええっ、、なに、なに・・?』


「葉子さ~ん、わたしのバッグ、返して・・」



くるみはちょっとイラっとした声で、お願いする。


「やだやだ、これを返したら、また、くるみちゃんは外出してしまうでしょう?」



そんなふうに言う、葉子おばあちゃんの目つきは、いわゆるボケた老人の目つきで、不安でいっぱいのようだ。



「はあ・・?また、15分もしたら、郵便局に行こうと思ってたのになあ、、」

葉子おばあちゃんから、バッグを取り返そうと、おばあちゃんはムキになり、、抱え込む。


引っ張る、、⇒ 渡さない⇒  引っ張る ⇒渡さない・・・・。



こんな状態が、5~6回も続いて、、くるみは、とうとう根負けしてしまった・・。


「ああ。なんか泣きたくなっちゃた、こんなに強情な面が、葉子おばあちゃんにあるなんて・・。」



途方にくれたくるみは、、、庭に逃げてしまった。
「よっ、、くるみちゃん、あれ?泣いているの?」



な、なんと、、、庭に立っていたのは、、あの順吉じいさんである。


『ああ。神様の救いかしら・・・?順吉じいさんが、来てくれるなんて」


そうこうするうちに、、順吉さんは家に入り、、葉子さんと、会ったようだった。


~ それから・・2時間後のこと  ~

「あらあ、やだーー。順吉さんたら・・」
「はっはっはっ、、 このネタ、おもしろいだろう??」



たぶん、陽気な順吉おじいちゃんが、葉子おばあちゃんにでも、「面白いネタ」でも話しているのか・・・?


1階の居間は、恋人同士で盛り上がっているようだ。

その時・・ くるみは2階で洗濯物を干したり、ベッド、仮眠していたのである・・。


『あ~あ、やっと葉子さんの機嫌も直ったし、順吉じいちゃんがずっと居てくれればいいのになっ』


1ヵ月の予定であるバイトも、残り2日である。


このまま、無事に終わり、高報酬をゲットして、、、ひとりで旅行にでも行くつもりだった・・。



『あっ、、気になっていた、あのホテルでも予約しておこうかなーー』
くるみは、楽しいことを考えながら、1階に下りていったのである。



老人のふたりに、、冷たいジュースでも持っていこう、とドアをあけてみると・・・

ある光景を見てしまった、くるみは、、、、自分の顔から、血の気が引いていくのが分かった。



『ええっ・・・?なに、、なに・・?!」


「どういうことなの・・?まさか、、あの信頼している順吉おじいちゃんが・・?!」

くるみが見たのは、、信じられない光景だったのである。


いや、、信じたくなかった・・・!!

葉子おばあちゃんは疲れたのか、居間のソファーで熟睡しているようだ・・。



その1メートル先で・・・?!

な、なんと、、順吉おじいちゃんが、、葉子おばあちゃんの、財布から、お金を盗っているではないか!



順吉さんは、誰も居ないと思い、必死に、財布から1万札や、小銭など、、自分の、ショルダーに入れているのだった・・。



「はッ・・」

くるみは我に帰り、、順吉の後ろ姿に声をかけてみた。

「ちょ、ちょっと。。何してるの?もしかして、、お金を盗っているんですか?!」



当の順吉おじいさんは、最初は見つかり、おどおどして、、、びっくりしていた。。


けれど・・数秒後には、開き直ったのか、こう言ってきたのだ。

「いいだろう・・? 今日だって、俺が来たから葉子ちゃんは、元気になったんだなあ・・」


「すまん、年金暮らしで困っているんだよ」

「くるみちゃん、、見逃してくれないなーー」


以前、葉子おばあちゃん、聞いていたが、順吉じいさんは、割と子煩悩で、、今だに自分の子どもに、お小遣いをやっているようだ。

この、爺さんのことだから。。「俺が、稼いだ貯金だからな、、」などと、大判振る舞いで、配っているのだろう・・・。



くるみが、困っていると・・・



「こんにちは・・! 今日はレタスと、新鮮な卵、、持ってきたよ!」


スーパーの、配達員である町田恭介(36歳)が、、運がいいことに登場してくれたのである‥・・!



くるみは・・・天に昇る気持ちで、片手にショッピングバッグを持っている、町田恭介を見ていたーー


「やっぱり、恭介さんだわ。助かった・・・。」



その時、、順吉おじいさんが、さらに、千円札を自分のポケットに入れていることを、くるみは知らなかったのである・・。


     ( 続き )

春色エプロン チャンプター10  ~ あっ、財布が・・・?!~

春色エプロン チャンプター10  ~ あっ、財布が・・・?!~

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-09-21

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted