父と私の人生と芥川九郎
今回はエッセイを書きます。
霊能探偵・芥川九郎シリーズの芥川は、よくお酒を飲んでいます(特にZファイル)。芥川の性格は私の本心を反映していますが、お酒やギャンブルを愛するところは亡父の生き方を反映しています。
父は若い頃からお酒と煙草、そしてギャンブルを嗜む人間でした。年を取ってから禁煙に成功し、ギャンブルも投資(私から見れば投機ですが)に昇華できましたが、お酒だけは最後までやめられませんでした。
私は子どもの頃、酔っ払っている父が嫌いでしたが、今思えば、悪い酔っ払いではありませんでした。愉快な酔っ払いでした。若い頃は酒乱と呼べるほどでしたが、年を取ってからは丸くなり、晩年は体が弱って昔のように飲めなくなりました。体調を悪くして少しの間だけ禁酒し、体調が戻るとお酒を飲み・・・の繰り返しでした。
65歳で亡くなりましたが、お酒のせいではありませんでした。間質性肺炎です。後で知ったのですが、入院から死亡までの経過が歌手の八代亜紀さんとほとんど同じでした。多分、同じ病気だったのかもしれません。
今振り返ると、父はアルコール依存症だったのだと思います。何かから目を逸らすために、飲んでいたのでしょう。それが何だったのか、今となっては永遠の謎です。見た目や言動だけでは、その人の心を本当に理解することはできません。父は繊細な心の持ち主でした。
私が精神科医や心理師(心理士)であれば、もっと父の心に寄り添うべきだったと後悔するのでしょう。しかし、幸か不幸か、私はそんなことで後悔できる人間ではありません。
人間には愚行権があります。愚行権とは、他人から見れば愚かで不利益な行為であっても、他者に迷惑をかけない(権利を侵害しない)限り、個人の自由として尊重されるという考え方です。この他者危害原則こそ、自由主義の真髄です。
私は父を、かわいそうな人間だとは思いません。立派に生きた尊敬すべき父親です。そして、私は父以上に合理的な人間です。前述の「自由主義の真髄」を胸に、これからも愉快に生きていくだけです。そう、芥川九郎のように。
父と私の人生と芥川九郎