春色エプロン チャプター8 ~白馬の王子さま、現れる・・!~
【 今までのあらすじ 】
36歳の吉田くるみは、会社勤めを辞めて、葉子おばあちゃんの世話を、夏のバイトとして始める。
葉子おばあちゃんは、順吉じいちゃんという彼氏もいるが、認知症で、いつも大変なくるみであった。
親戚の、吉田あかね(22歳)は、相談にのってくれたり、配達員の町田恭介も、、たびたび元気つけて
くれる。
細川順吉には、細川涼介(15歳)という、孫がいて、とても気が利いている。ある晩、あまりに
ボケがひどい葉子に対して、思わずくるみは、暴言を吐いてしまい、ピンチになってしまった。
【 本編 】
吉田くるみ(36歳)は、自分の部屋で、、思わず泣いていたのだ・・。
「わ、わたしって、ひどいことを葉子おばちゃんに言ってしまったわ」
「身内なまだしも、、バイトのお客さんに暴言を言ってしまうなんて、どうしよう」
ー くるみは、毛布にもぐり込んで自己嫌悪に落ちいる。ーー
言ってなかったが、くるみには下に妹がふたりいて、小さい頃は世話などしてきたつもりだった・・・・。
でも、要領のいい妹とくらべて、、真面目で、いつも親に怒られるのは自分だった・・。
『あー、どうしよう、あと1週間だけど、、このバイトを辞めて、、逃げちゃおうかしら?」
くるみの脳内は、パニック状態で、いつの間にか、、夜が明けていたのだった。
~ 次の日の朝 ~
居てもたってもいられなかった、くるみは、置き手紙を残して、、葉子おばあちゃんが、起きる前に家を出てしまう・・。
くるみが、とぼとぼと田んぼの脇道を歩いていると、、吹いている風もなまぬるくって、うっとおしい気分になってしまう。
す、すると・・・??!
なんと、前から歩いてくるのは・・・細川順吉さん(葉子の彼氏である)の孫である、中学生の、、細川涼介くん!ではないか・・。
「あれーー、くるみちゃん、久しぶり・・!」
落ち込んでいたくるみにとって、目の前に現れた、かわいい男の子は、、まるで、「ヒロインを助けてくれる、王子さま」に見えてきた!
「う、うん、涼介くんね、元気そうね。順吉おじいちゃんは、元気なの?」
細川涼介くんの話によると、、今、友人の家でゲームで遊んできて、ぶらぶら散歩しているそうだ。
涼介くんは心配そうに、くるみの顔をうかがい、肩に手をかけてくれる。
「なんだよ、くるみちゃん、、もしかして、あの、葉子ババアのことで悩んでいるの??」
「俺の母親も、順吉じいちゃんの妹の、京子ばあちゃんのことでいっつも溜息をついているぜ。まったく、80歳くらいの、バーさんは困るよね・・」
くるみは思わず、中学であるが、自分の気持を代弁してくれる涼介を、抱きしめたくなっていたのだ。
くるみは、思わず昨日のことを涼介に話すと、涼介は大声で笑う。
「ま、まあ、相手はボケた老人だらよーー、まともに相手をしないほうが、いいんじゃない??」
涼介の的確なアドバイスで、くるみは、ほっとして安心した気分になった。
「またねーー!!」
涼介は、、また、手をふると、、今度は、中学生男子らしく、駆け足で去っていったのだ。
ーー と、その時
くるみの携帯に、見慣れない番号で着信があった。「ええ??これ、誰かな?」
けれど、、今は気にする余裕すら無かったのだ。
~ 3日後 ~
結局、くるみは葉子おばあちゃんの元に戻り、また、一緒に生活を始めた。
葉子おばあちゃんも、少しは落ち着いて食事をしたり、掃除の手伝いをしてくれていた。
「こんにちは・・!野菜の配達ですーー」
そこへ、やって来たのは、スーパーの配達員の、町田恭介(まちだきょうすけ)である。
くるみと恭介が、会ったのは、、1ヵ月ぶりくらいだった。
恭介のモッとーは「いつも健康!」らしく、朝もジョギングとかして体を鍛えているらしい。
葉子おばあちゃんに、野菜を届けて世間話を終えると、恭介はくるみに話しかけてきた。
「よっ、くるみちゃん、バイトもあと1週間くらいかな??無理するなよ・・。」
恭介の優しい言葉に、くるみはドキドキしてしまう。
「ええ、そういえば、、、わたしの親戚のあかねちゃんって知ってるの・・・?」
くるみは、二人のことが気になって頭から離れず、ついつい質問してしまうのだ。
「ああ、そういえばメールの交換をして、今度ふたりで会うことになったんだよ」
ーー えっ~~!!?
くるみの脳内は真っ白になり、、目の前にいる恭介がすごく遠く感じられてきた。
「あかねちゃんって、けっこう自立していて若いのに、何でも出来るって女性だよね。ちょっと、派手だけどかわいいよねーー。」
恭介は、そんなくるみのことはおかまいなしに、べらべらとあかねのことを褒めているではないか・・?!
結局、その日、恭介が車で帰ったあとも、くるみは調子が悪くって何も手につかなかった。
夕方には、当のあかねからもメールが届く。
「わーい、くるみちゃん、聞いて・・!恭介さんとデートできることになっちゃいました。今度、話題の映画を観て食事することになったの、 応援してね!あかねより、」
くるみが、「恭介を好きなのかなー」と自分の恋心を確認しているうちに・・・
ふたりの展開は、どんどん進んでいっているらしい・。
『あー、まいったな、あかねちゃんにはかなわないや・・。」
そういえば、くるみが31歳の時に、あかねは17さいの高校生だったが、
なんか、イケメンの彼氏ができたとかって、親戚中に噂が広まっていた。
吉田あかねは明るい上に、、経済的にも自立していて、スタイルもよく、、とにかく男性に人気があるのだ。
ずっと、彼氏がいなかったみたいだが、とうとう、町田恭介に目を付けたらしい・・。くるみは、、今、陽子おばあちゃんのことでも、イライラしたり、、夜に徘徊で追われているのに・・。
その上、恋の悩みもできてしまい、、もう、どうにもこうにもならなくなった・・。
ーー と、その時であるーー
以前、中学生の涼介くんと、一緒に居た時に、かかってきたナンバーで着信があったのだ。
「はい、吉田ですが、、」
くるみが、おどおどと電話に出みると、、
「こちらは、森山会社の介護の相談センターです」
「はあ??介護の、相談、、、センターですか?」
電話の向こうで、慣れたらしい女性のハキハキした声がしてくる。
「ええ、くるみさんのバイト先の先輩に頼まれて、葉子おばあちゃんの相談にのりたいんです」
そ、う、だ、ん、にのってくれる・・??
天にもすがる気持ちで、、くるみは、、女性の声をきいていたのだった・・。
春色エプロン チャプター8 ~白馬の王子さま、現れる・・!~