たき火

たき火

キャンプ場でソロキャンプする嬉しさ。
たき火の煙を見つめながら、私は一体何処へ行くのだろうかと想う。
煙が立ち昇り星空の方へと無くなっていく。
この煙が人の心を現すとしたら移ろいゆく行く当ての無い動きをしている。
心は観測されるまで何を表現していて漂っているかはわからない。
人が心を見つめる時、たき火の立ち昇る煙のように何の計らいも無く漂っている。
火が立ち赤く燃え盛るのを見ている私は何を感じているのでしょう。
たき火を眺めると何か安心していく。
生きている私がたき火の光を見ている。
人生とはこれまで光の軌跡を生きて来たのです。
光の記憶を積み重ね情緒を感じて夢の中で存在している。
光の記憶が夢の中で揺らめき泳いでいる。
そしてパチパチと弾ける火の音を聞いている。
これまでどんな音を聞いて来たのでしょう。
様々な人生の音を聞いて記憶として留めている。
鳴って聞こえてくる人生の様々な場面での音達。
空間での音の波が心の中で生きている。
私はたき火を眺めて、光と音が明滅する情景に人生のつかの間の記憶でいつか無くなっていく。
人生とは短い時間の光と音の情報で跡形なく何も残さずにただ生きて来たのです。
生きる上で内面に焦点を当てて、私の中のたき火の光と音をじっくりと感じてみる。
こんな深い沈静の面持ちにじっくりと内面のたき火にフォーカスする。
生きているたき火は燃え盛りエネルギーを出して生命を謳歌している。
そして燃える火の勢いが静かに弱まっていく。
あー静寂に光り弱まっていくたき火の光と音を感じるのが感慨深い。
人生の余韻に耽けている奥深い静寂。
私のたき火はどのような光と音を感じて生きて来たのでしょうか。
その認識で内面の心はあいらしくしっかりと優しく味わってきたのです。
私のたき火はなぜ燃えるのでしょう。
それは夢があるからなのでしょう。
夢が私のたき火を燃えさせ元気にさせる。
燃えた火が人生の光と音を作り演出する。
燃料が必要で夢の達成の為に頑張っていく。
このたき火の光と音のように、人に優しくいたわり愛撫するような存在に惹かれる。
赤い光にうっすらと揺らめき放つ。
そしてぱちぱちと炎がぼわーっと慈しみ深い音を発する。
全てを優しく包む無上の暖かさ。
真っ暗な余韻の中に真っ赤な燃え盛る炎が情を優しく愛撫してくれる。
この静まる柔らかな光の火にぼんやりと心が安じていく。
火の動きを見つめると心の中がじんわりと温かくなる。
夢の中に私がいて記憶を眺めている。私は生きて存在している。
そして跡形も無く存在していない。たき火の光の儚き無常な計り知れない作為の無い有り方。
なぜ心は喜怒哀楽があり生きているのでしょう。
過去のたき火の情景。今のたき火の情景。移ろいゆく私の中の情景。
灯火のようにゆらゆらと移ろいゆき形状を変えていく。
私の中のたき火は何を見てきたのでしょう。
何を感じて来たのでしょう。私だけの内面のたき火が灯っている。
たき火は燃えています。そして、さあ、未来のたき火はどのような光と音を発するのでしょう。

たき火

たき火

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-09-04

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