とびだせzokuダチの森・1
今度はとびだせどうぶつの森です。自分の好きな趣味のクロスオーバー作品も
混ざってますが、今回もお気軽に楽しんで行っていただければと思います。
今度は村長だ!
何処かの世界に有る、森に囲まれた平和な村。其処には言葉を喋り、
人間と同じく2足歩行で歩き、人間と同じ様に生活をする不思議な
どうぶつ達が暮らしていた。お話はこの村の駅のホーム外にて、電車を
待つ動物達のシーンからスタートする。
「ああ~、まだですかねえー、一体どんな村長さんが来るんでしょうか……」
「かっこいい人だといいわあ!アイヤ!」
「ぼくもドキドキだよぉ!」
「待ちきれませんねえ、をかし!」
駅のホーム入口にて誰かの到着を待つ、4匹の可愛い?どうぶつ達。
役場で働き秘書を勤めているシーズーのしずえ。純情で恋する乙女ゴリラの
ウズメ。顔に丸っこい髭の生えたおっさんみたいなカエルのカール。
まるで麻呂みたいな強烈な顔のアリクイのみやび。
「まもなく~、アホウ村~、アホウ村あ~」
お猿の駅員の声で四匹が一斉に構える。リーダー格のしずえも
皆に声を掛けた。
「では、みなさあ~ん、いきますよう~、……あれの用意はいいですかー?」
やがて列車がホームに到着した。列車の中から……、二人の人物が
出てきた。何やら揉めている様であった。二人はケンカしながら
ホームの外へと
歩いていく。
「もうっ!ジャミルのバカっ!どうすんのよう、また私達、
変な所に飛ばされちゃったじゃない!」
「俺の所為かよっ!知らねーっての!」
中から現れたのは、若い二人のカップル?であった。女の子の方は
民族衣装風の着物を纏い、赤毛のお団子三つ編みヘア。もう一人は
短髪ヘアに青い帽子、青い衣装。下半身はスパッツの元気そうな青年。
ぱああ~んっ!!
「!?」
「ようこそ!アホウ村へ!!」
集まったどうぶつ達が2人に向けて一斉にクラッカーを鳴らす……。
喧嘩をしていた二人は思わず手を止め、きょとんした表情で目を
点にし、どうぶつ達の方を向いた……。
「あの、……どゆこと?」
「ええと、あなたが新しい村長さんですか?初めまして、私、
この村の役場で秘書を務めております、しずえと申します!」
シーズーの女の子、しずえはニコニコしながらジャミルに声を掛けてきた。
「あの、なんかの間違いじゃね?俺ら、ちょっとした事故に
巻き込まれて……、此処に来ちまったんだけど……」
「ええー!そんな筈ないですよう!だってもう、新しい村長さんが
この村に来られる事は私達も前々から連絡を受けて知ってます、
だからこうして村の皆さんでお迎えに上がったんですよう!」
「だからそれが人違い……」
しかし、他のどうぶつ達もジャミルの話を聞かず、新しく就任される
らしい村長に興味深々。
「あらん、あなたいい男ねえ~ン、私、純情乙女のウズメよん、
宜しくね♡アイヤ!」
「……げげっ!」
ウズメがジャミルに向けてちゅっとハートマークを飛ばした。咄嗟に
ジャミルは素早くそれを避けて交わす。
「まあ、モテモテね、ジャミル……、凄いじゃない……」
「知らねーってのっ!」
アイシャが横目でジャミルを見た……。
「ぼく、カールだよぉ!仲良くしてくれると嬉しいなあ!」
「初めまして、をかし!私はみやびです」
「とにかくですね、こうしてみなさんも私も、新しい村長さんをずっと
お待ちしていた事ですし、どうかお話を聞いて下さい、とにかく役場まで
いきましょう!」
しずえの真剣そうな表情を見捨てるわけにはいかず、とにかく二人は
役場まで足を運んでみる。
「……どうぞ、それにしてもびっくりしました、いえ、私もこんな若い方が
次の村長さんを引き継ぐとは思わなかったので……、わ、私もまだぴちぴち
ですけど、村長を引退したばかりの前村長のコトブキさんはお爺ちゃん
でしたので……」
「結局俺がやっぱやるんかい!強引だな!」
「もう諦めた方がいいわよう……」
役場の秘書室へ通された二人はしずえにお茶を御馳走になっていた。
強制的に話を進められたジャミルは、がうがう吠えている。
「それにこの村に暫くお世話になるのも楽しそうよ!また新しい経験が
出来るじゃない!」
「はあ~、ったく、あんのアホ作者めえ~、マザーがどうにか一区切り
しそうだからって今度は急にぶつ森始めやがって……、冗談じゃねえよ、
俺、実際のゲームはセーラー服にスカート履かせられたり、ツタンカーメンの
面付けて村中走らされたりしてんだぞ!」
「……裏話はいいのよっ!それより、えーと、しずえちゃんだったっけ?
しずちゃんて呼んでいい?」
「あ、はい、勿論ですよっ!」
随分と喋り出すと止まらなくなる二人だなあと思い、しずえは二人を
見つめていた。
「……はっ!つ、つい見惚れてしまいました、すみません、お話を
進めないと!えーと、まずはこの村で生活をして頂くには住人登録が
いるんです、でも、登録するにはお住まいのご自宅を持っていないと
駄目でして……、取りあえず、線路の向こう側の商店街にたぬきちさんが
経営している(悪徳)不動屋さんのたぬきハウジングがありますので、まずは
たぬきちさんにご相談なさってみて下さい、あ、これ、アホウ村の地図です」
……たぬきち。会った事もないのに、その名前だけで何だかとてつもなく
嫌な雰囲気がジャミルはした。
「じゃあ、ジャミル、行ってみようよ、お世話になろ?」
「仕方ねえなあ~、結局こうなるんだよなあ~……」
「お願いしますね、あっ、折角ですから、村の他の住人さんにご挨拶
なさったり、色々と村を見て回るのも良いかも知れませんよ!」
「楽しそうっ!いこいこー!じゃあね、しずちゃん、またねえー!」
「腕引っ張るんじゃねえってのっ!ジャジャ馬あー!」
しずえもアイシャとジャミルに手を振る。そしてこう思う。
あの人たちなら……、きっと……、この荒んだ村を変えてくれる。
そんな期待と予感が胸にこみ上げてきた。
「それにしても、見事に何もねえなあ……」
「線路の向こうに商店街があるのよね、行ってみる?」
ふと、目についた小さい家の中から、コック帽を被った柴犬の
親子がのこのこ出てきた。
「父ちゃん、心機一転してこの村に新店舗を構えたけど、やっぱ
売れないね……」
「小太郎、人間辛抱だ、今に売れるよ……、お客さんも来てくれる
様になるさ」
「てか、お前人間じゃないだろ」
「はっは!それを言うなら小太郎、お前もじゃないかあ!」
柴犬?親子はコントを繰り広げながら2匹で何処かへ歩いて行った。
「……やってる事、はっきり言って賊ダチと変ってねえし!」
※今回のクロスオーバー出演(犬)者。 しばたベーカリーの柴田さん親子
村の住人に先に挨拶回りを済ませるか、不動産屋に行ってメインの仕事を
済ませてしまうか考えていると、変な足音が聞こえてきた。
きゅっきゅきゅ、きゅっきゅっきゅ……
「何だあ?」
足音がした方を見ると、白い真っ白なネコが走ってくる。
「はじめましてニャ!トロですニャ、あのね、トロは人間になるのが
夢なのニャ!額に三日月模様のある猫が方法を知ってるのニャ!この村に
いるって聞いて、やって来ましたニャ!これから宜しくなのニャ!」
「はあ、まあ、それはいいけど……、俺はジャミル」
「可愛いー!こんにちは、私はアイシャよ、どうぞ宜しく!」
「こちらこそ、宜しくなのニャ!では、またなのニャ!」
きゅっきゅっきゅっきゅ……
白猫トロは再び独特の足音を響かせ、何処かへ走って行った。
「これもう、ブツ森+賊ダチ(ケモノ編)って考えた方がいいんか?」
「だから、それはそれで楽しいじゃない!」
「ぽえーん。」
「ぶっ!」
何故か……、どせいさんまでいる始末。
「きゃあーっ!どせいさんだわーっ!あなたも此処に住んでるの!?」
「ぷう、なんだかおせわになってるます。」
アイシャ、どせいさんにすかさずハグ攻撃をしようとするが、
ジャミルに引っ張られ、連れて行かれた。
「やっぱ先に不動産屋の方行こうな、キリがねえからよ……」
「あーん、何するのようーっ!ジャミルのバカーーっ!ハグさせて
ったらあーーっ!!」
「ぷう。」
動物と可愛い物大好きのアイシャには雅に今回の舞台は堪らん処であろう。
しかし、ジャミルの気苦労はまた増えそうな予感はしていた……。
(さすがに今回の話は……、アイシャの奴誘拐されたりしねえだろうな……)
線路を越えて二人は商店街の方へ。やはりというか、あまり並んでいる店は
数少ない。まず目に付いたのは、まめつぶ商店、エイブルシスターズの店……。
「私、此処のお店が気になるわあ、入っていい?お洋服屋さんみたいな
感じなの」
「うっ!」
アイシャが目を輝かせジャミルの方を見ている。何となく悪寒を感じ、
ジャミルは数歩後ずさりする……。
「大丈夫よ、買ってなんて言わないから、見るだけよ、それに此処のお店の
店員さん達にもきちんとご挨拶しておかないとね、お世話になるんだから!」
「ならいいけど……」
「こんにちはー!」
アイシャはるんるんで店に入って行く。本当に何も強請らねえだろうなと
安に駆られながらジャミルも後を追った。
「こんにちは、あら、みかけん顔やね、新入りさん?あ、もしかして……、
しずちゃんからお話聞いてます、新しく村長になられる方やのん?
どっちが?」
店員さんはハリネズミのお姉さん。奥の方でもう一人、ミシンをいじって
仕事をしているハリネズミさんもいたが、こちらはジャミル達に見向きも
しない。
「私はアイシャです、えーと、村長さんはこっちで……、私はサポートに
なるのかなあ?」
「アイシャ、何ならお前、代わりに村長譲ってもいいぞ……」
「駄目だったらっ!もう~っ!」
「ちっ……」
「あらあら、楽しい人達やねえ、そやね、ウチの方、まだ自己紹介が
すんどらんかったね、ウチはきぬよです、このエイブルシスターズにて
洋裁店を営んでます、どうぞよろしゅうね」
ハリネズミのお姉さん、きぬよが丁寧に挨拶する。すかさずアイシャが
ジャミルの手を取って上に挙げた。
「おい、こら、何すんだよ……」
「はあーいっ!で、こっちのお兄さんが新しく村長に適任されちゃった
みたいなの、ジャミルでーっす、ちょっと困った人ですが、どうぞ宜しくね!」
「だからやめろってんだよ!俺はお前の玩具じゃねえぞ!」
「あらあらまあ、ホンマに賑やかな方達が引っ越してきはったわねえー、ふふ」
「あの、仕事の邪魔ですんで……、もうちょい静かにして貰えませんか……」
今まで黙って黙々と仕事をし、後ろにいたもう一人のハリネズミさんが……、
突然ぼそっと喋った。
「おねーちゃん、また……、そんな言い方せんでも、お客さんやないの……」
「何だ、態度わっりいの!」
「ジャミルったら!ご、ごめんなさい、……少し度が過ぎました……、
あのう……」
アイシャが慌ててきぬえに頭を下げた。無論、後ろのハリネズミの
お姉さんにも。
「買う気ないんやったら出てって貰えます?……服にも失礼だわ……」
「……アイシャ、ああ言ってんだから出ようっての!ほら!」
ジャミルがアイシャの手を引っ張る。アイシャは慌ててきぬよの方を見た。
「本当にすみませんねえ、あれでもおねーちゃん、悪気はないんですよ……」
「いいえ、私の方こそ……、あのっ、又来てもいいですか?」
「ええ、勿論!今度はゆっくりみてって下さいね!おおきに!」
「はあ~いっ!」
安心したのかアイシャが元気に返事を返した。見ていたジャミルは呆れる。
「……たく」
しかし店の外に出たアイシャは何だかいきなりしょげ始め元気がなくなった。
ハリネズミ姉さんにきつく言われのが原因だったのか。ジャミルは何とか
しようとアイシャに声を掛けるが。
「おい、あのさ……」
「ヒコウキブウ~ン、オッコッタ!」
……二人の目の前を、小熊の様な……、子犬の様な生物がポテポテ
通過して行った。
「キャー可愛いっ!」
「はいはい、不動産屋、不動産屋行くんだよ!」
「キャー!ジャミルのバカーーっ!」
ジャミルは興奮しているアイシャの手を引っ張り不動産屋へと。
「此処だ、たぬきハイジング……」
「じゃあ早速入ってみましょ、あのー!すみませーん!」
「またお前は……、どうしてそう落ち着きがねえんだよ……」
ジャミルは呆れながら、率先して中に入って行くアイシャの後を追った。
中に入ると、セーターを着たタレ目の狸がいた。恐らく彼がたぬきち
なのであろう。
「いらっしゃいだも、しずちゃんからお話は聞いてるから知ってるだも、
あなたが新しく村長さんになられるジャミルさんとお連れのアイシャ
さんだも?なんだも?もうお二人は結婚してるだも?新婚さん?
いらっしゃいだももももも?」
「……!ち、違いますっ!た、ただの友達ですっ!」
アイシャは掌を前に突き出すと顔を赤くし、違う違うのポーズを
取リ思い切り否定した……。
「はあ……」
「ま、まあいいだも、取りあえずマイホームのご相談ね、この村で
暮らすにはお家が必要不可欠だものね、取りあえずマイホームの
ローンの頭金、まずは10000ベル払って欲しいだも、
だもだもだも」
「……おい、んなに払えるわきゃねーだろっ!」
「大丈夫だも、この村にはフルーツのなる木、海・川魚、虫とか、
それらを利用して売却したりすればあっと言う間にベルは溜まるんだも!
心配ないだも!」
「……心配ないって、何が……」
「とにかくお家の土地を見に行こうだも!好きな所に建てていいだも、
支度してくるだも!」
「……」
たぬきちはパーカーに着替えるとジャミル達の後を付いて行った。
パーカーを着ると余計腹が出て見えるデブ。……好きな所に
建てていいと言った割にはこのポンポコはあーじゃないだも、
こーじゃないだもと、色々と口出しして来た。……結局、土地が
決まったのは一時間後の事だった。役場から南の距離にある土地に
マイホームを建てる相談が決まったのである。
今回の異世界からのケモノゲストさん
どこでもいっしょ 井上トロ どせいさん マザーシリーズ
イウォークアドベンチャー・イウォーク スターウォーズシリーズ
「ふう~……」
「疲れたねえ~……」
土地も漸く決まりジャミルとアイシャは一息付いた。とは言っても、
頭金のローンが払い終わるまではたぬきちがマイホームの代わりに
貸出しした狭いテント住まいである。
「……」
アイシャがじっとジャミルの方を見ている。ねっ転がっていた
ジャミルが咄嗟に起き上がりぱっとアソコを抑えた……。
「……だ、大丈夫だよ!何もしねえから……、何なら俺、
心配なら外で寝ようか……?」
「ちっ、違っ!そうじゃないよ、……あのね……」
「あの、こんばんわ……」
テントの外で声がした。しずえである。
「あっ、しずちゃん?どうぞー!」
「いきなりですみません、お邪魔しまーす!」
ジャミルはしずえが来てくれて少し安心した。
「あの、これ……、住むお家が決まったお祝い……、になるか
分からないんですけど、お部屋の壁紙とランプです、お家が
建ったら是非どうぞ、使って下さい!」
「あ、こりゃどうも……」
しずえは肉球の壁紙と古い型のルームランプを二人にプレゼントする。
「わあ~、ランプがあると何か一気に明るくなるわね、しずちゃん、
どうも有難う!」
「いいえ、あっ、何だかテント生活ってキャンプを思い出しませんか?
飯盒でご飯を炊いてカレーを作って皆で食べたり……、はっ!わ、
私ったら、ついドリーム入ってしまいました!」
「そうだねえ、楽しいもんね!」
「ですよねえ^^」
アイシャとしずえはすっかり意気投合。お喋りモードに突入。女の子
同士の会話に入れないジャミルはねっ転がったままそのまま睡眠
モードに入ってしまった。
「zzzz」
「……ジャミル、ジャミルったら!」
「ふ、ひいい~?」
アイシャに起こされ漸くジャミルが目を覚ました。気づくともう
しずえはテントにいなかった。
「しずちゃん帰ったわよ、ジャミルに宜しくって、それから村長さんの
お仕事も……、これから頑張って下さいって……」
「あー!すっかり忘れてたわ、俺、この村の村長になったんだった……」
急に現実問題を思い出しジャミルが項垂れる。
「私も何だか眠いわあ~、……ジャミル、明日から、
新しい生活……、がんば……、にゅう~……」
「アイシャ……?おーい……」
アイシャはそのままぱたっと横になる。そして寝てしまった。
ジャミルは呆れつつも毛布を彼女に掛けてやる。そして自分も
今度こそ就寝しようと思い横になった。そして次の日。
すがすがしい快晴であった。二人は取りあえずフルーツを
集める事にしさくらんぼのなる木を探すとさくらんぼを集め捲る。
「これを……、商店街のまめつぶ商店に持ってきゃいいのか……、
ふ~ん、こんなモンがね、売れんのかよ……」
「売ってみなくちゃ分からないわよ、……あっ!」
商店街の通りをハリネズミのお姉さんが歩いていた。アイシャに
悪態をついた方である。しかしアイシャは挨拶をしようと笑顔で
近寄って行った。
「あの、おはようございます!昨日はどうもすみませんでした!」
アイシャがペコリと頭を下げるがハリネズミのお姉さんは無視。
そのまま自分の店の方まで歩いて行った。
「また、お買い物に行きます!」
「……買う気もない癖によく言いはりますね……」
ハリネズミのお姉さんはバタンとドアを閉めた。
「はあ~、またやっちゃったかなあ~……、ぐすん」
「アイシャ、ほおっておけっての、あの手のタイプは相手に
するのが大変だぞ……」
「いいのっ!諦めないわよっ!絶対にあのお姉さんと仲良くなって
みせるんだから!」
また暴走し過ぎんなよなと、ジャミルは思う。今回の舞台は
比較的結構落ち着いて過ごせそう……、かなと思うのだが。
「ふぁーっふぁっふぁっふぁっ!」
「!?こ、今度は何だっ!?」
今度は商店街を、アリクイの様な、……犬の様な変な顔の
毛むくじゃらの茶色い生物が歩いていた。
「こんにちは、あなたもこの村に住んでいるのかしら?」
「あ?おれ?うん、住んでるよ、おれ、元はね、メルマック星
っつー星に住んでたの、でも、乗ってた宇宙船が墜落してこの村に
落ちたの、だから今は此処に住んでるの、……ねえ、あんた達、
猫知らない?おれ喰うから」
「はあ!?猫喰うのかよ!?」
「だ、駄目よ、そんな事しちゃ!可哀想でしょ!?」
「でも、あんたらだってブタや牛食うでしょ、それと同じよ、
……ふぁ、まあ、この話でこんなの持ち出しちゃよくないね、
止めとくよ、それじゃまたね!」
「……」
アリクイだか何だかよく分からない生物さんはスキップしながら
何処かへ消えた。
「しっかしよくもまあ、思い出した様に色んなのあっちゃ
こっちゃから引っ張り出してくんなあ、飽きもせずに……」
「私、何だかますます楽しくなってきちゃった!うふふっ!」
……次は一体何が出てくるんだとジャミルは不安になったが。本人も
段々悪乗りし、楽しみになってきてもいた。
「この商店街、博物館もあるみたいよ、看板があるわ」
「げっ!」
ジャミルが2、3歩、後ずさりする……。彼は何よりお勉強等が
大嫌い。
「そんな、オーバーよ、もうっ!取りあえず今はこのさくらんぼを
売らないとよ、採れたての新鮮なうちの方がいいからね」
「ほーっ……」
二人はまめつぶ商店へと足を運ぶ。中にいたのはたぬきちより一回り
小さい狸さん。
「いらっしゃいませだなも、月・水・金・日はぼく、まめきちが店番を
しております、兄のつぶきちは火・木・土にお店番をしてますだなも」
「あなたがお店番をしているのね、小さいのに偉いわね!私はアイシャです、
どうぞ宜しくね!で、こっちが……」
「今度無理矢理、村長に就任させられたジャミルさ、取りあえず宜しく……」
「しずえさんから聞いてるだなも!ぼくたち、兄弟二人でお店切り盛り
してるだなも、お店の品ぞろえは毎日変わるから是非チェックして
ほしいだなも!どうぞどうぞゆっくりしていってほしいんだなも!」
チビタヌキのまめきちはアイシャが動く方向に一緒に移動したり
イチイチ纏わりついている。落ち着いて買いモン出来ねえとジャミルは
思う。まめきちはうっかり気を許したら……アイシャのスカートの中に
入りそうだった。
「あの、今日はこれを買い取って欲しいの、朝取ったばかりの新鮮な
さくらんぼよ」
「はーい、買い取りだなもね、えーと……」
取りあえず、額は1000ベルに。ジャミル達はまめつぶ商店を出る。
「でもこれじゃ先が思いやられるなあ~……」
「他にもサカナ釣りとか、まだ稼ぎ場所はあるわよ、とにかく
頑張りましょう!」
「うええ~……」
2人は取りあえず、仮設テントの住居に戻った。……が。
「……テントの中に誰かいるのかしら?何だかごそごそ音がするわ……」
アイシャが不安そうな顔でジャミルの表情を覗った……。
「……の野郎!無断で人ん家に侵入するたあ←(お前もシーフだろ)
ふてえ野郎だ!……ヌッ殺してやる!」
ジャミルは急いでテントの中に入る。……其処にいた人物とは……。
「……お帰り、やっと来たね、お邪魔してるよお!」
「ダウド……」
毎度お馴染み、ジャミ公の悪友親友ダウドである。またジャミルを遙々
追い掛けて来たらしい。
「何だよ、またお前もかよ……」
「そうだよお、オイラも此処に住むの、オイラジャミルの相棒だもん、
オイラがいないと始まらないでしょ、……それに……、二人っきりに
なんかさせないよおお……、ボソ」
「わーー!何の話だっ!それに、家が建ったってこんな狭い家……、
3人も住めねえってんだよっ!」
「大丈夫、その辺はたぬきちさんから話があった、……それなら一気に
最大までお家増築するだも!だって、だからローン返済の金額は全部で……、
部屋を広くする費用含め、合計751万、5800ベル……だも、に
なります、だって」
「あんの……ダモくーそーたーぬーきーぃぃぃ~!!」
「そういう事、じゃあお家建ったらオイラも部屋借りるからね、
ローン返済は急がなくていいからねだも、だって、明日の早朝には
もう家が建つみたいだし」
「冗談じゃねえぞっ!……今回はマンションじゃねえんだからよ!ダウド、
オメー自分でローン組んで自宅建てろってんだよっ!」
「別にいいじゃないかあ!オイラ住むったら此処に住むんだよお!」
二人は狭いテントの中で暴れ始めた。見ていたアイシャは呆れ、遂に
大声を出した……。
「……やめなさああーーいっ!!ジャミルったら、いいじゃないのっ!
皆で住んだ方が絶対楽しいわよ!また宜しくね、ダウド!」
「あはは、はは、アイシャ~、うん、此方こそ宜しくう~……」
「その代りローン返済にはダウドもちゃんと協力してね!……751万
580ベルね!さあ、今日からまた3人で頑張りましょうーーっ!!」
「あああーーっ!!このパターンだとオイラも借金返済に巻き込まれるの
忘れてたああーーっ!!」
「アホだなあ……、とほほ~……」
……ローンは数年返済出来そうにない……。
今回のケモノゲストさん 海外ドラマアルフより、 アルフ
そして早朝。……たぬきちが無理矢理に建てた馬鹿でかい住居が
完成した……。
「凄いわね!本当に大きいお家ね!」
「はあ~、圧巻……、凄いねえ~、ふふふ~……」
「ローンがあああ~、……頭いてえ~……」
「いいじゃない!たぬきちさんはローンはゆっくりでいいって
言ってるんだから!それよりも、自分達のお部屋の他にもどんな
お部屋が作れるのかしら、楽しみー!」
「なら、俺は地下室にそうだな、……食糧倉庫を作るかな、
ヤケクソだよ、もう!後は……、お宝収納部屋とかさあ……」
「ちょ、何それっ!もっと皆で楽しめるお部屋にしなさいよ!
……そうねえ、例えば……、お馬さん小屋とか……、可愛いわよ!」
「ケモノくせーな!誰が馬の世話すんだよっ!第一もう部屋じゃねえし!」
ケモノ臭いのはこの話の舞台では当たり前なんであるが。
「ゲーセン部屋がいいよお、ねえ!」
3人でギャイギャイ揉めている処に更に誰かがやってくる。
「……あの、何してるの、君達……」
「「アルっ!!」」
この話でもやっと追いつく。4人組主要メンバーの一人、
アルベルトだった。これで漸くいつもの4人組が揃った事になる。
「僕も来たよ、宜しくね、君達だけじゃ心配だからね、まあいつもの
パターンだけど」
「何がだっ!たくっ!」
「わあー!アルも来てくれたのね!うふふ、ますます楽しくなるね、
宜しくね、アル!」
「ん、此方こそ……、処でまた、何を揉めていたんだい?」
「とにかくだよ、まあこれこれこうで……」
ジャミルはアルベルトにちゃちゃっと説明した。高速早口で。
黙って話を聞いていたアルベルトは成程とばかりに頷く。
「じゃあ僕の方も提案一つ、図書館みたいな本部屋がいいんじゃ
ないかなあ……」
想像したのかアルベルトはうっとり。やっぱりそう来るかと
ジャミルは思った。んで、猛反発を始める。
「駄目だっての!俺がひき付け起こすわ!断固反対っ!」
「……別にいいだろ、君は部屋に入らなければいいだけの事だし」
「うるせー!来たばっかりでけえツラすんなっ!……それに
本の臭いが漏れただけでもいーやーだっ!」
「あのね、水浴びが出来るお部屋もいいと思うの……」
「そりゃ風呂だろが!んなモン一部屋でいいんだよっ!風呂と
してみなす!」
「けちっ!」
「……水浴びが出来る部屋、それは室内プールにもなると
思うんだけど……」
「ダウドは黙ってろっ!」
「……ダマッテラレナイヨー!」
「ふーんだっ!ジャミルのバカっ!!」
アイシャは不貞腐れる。その後、ジャミル、ダウド、アルベルトの
男衆3人は話し合いがもつれ込み、喧嘩沙汰になり何故か
プロレス状態になってしまった。
「どうしたんですかーーっ!」
「しずちゃんっ!……あのね、これはっ!」
しずえが慌てて走って来て騒ぎの現場に駆けつける。……しずえが
見た物は……、トリプルノックダウンで地面に倒れている野郎3人の
姿であった。
……その日の夜。部屋の件でギスギスしていた4人にしずえが手作りの
カレーを差し入れ。夕ご飯に頂く。しずえの美味しい手作りカレーは
瞬く間に4人をぱあっと幸せな気持ちに。
「おいしー!しずちゃんカレー美味しい!私も教わっちゃおうかな!?」
「ブ!……お、お前はやめとけ!頼むからっ!人類の平和の為にっ!!」
「……何よそれっ!」
今度はジャミルとアイシャのケンカが勃発しそうであった。頼むから
食べてる時だけは静かにして……、と、アルベルトは思う。
「♪~」
「あ、ダウドこのやろ!どさくさに紛れてっ!何おかわりしてんだっ!」
……だから、頼むからさあ、……食べてる時だけは……、
静かにしろよ、この野郎……、と、アルベルトは思う。
「こんばんはあー!」
……誰かが4バカマイルームに訪ねてきた。
「誰?今時分、仕方ねえなあ……」
「……ジャミルっ!スプーン銜えたままお行儀悪いわよっ!」
ジャミルはアイシャに尻でプッと返事をすると玄関まで出向いた。
当然の事ながらアイシャは噴火する。
「……もううーーっ!!」
……だから、頼むから……、お願いです、もう静かにして下さい
……、と、アルベルトは思う。
「こんばんわあーー!アイヤー!!」
「……げ、げげげげげ!!」
玄関先にいたのは、頭に数珠???を巻いた、ゴリラのウズメ、
(♀)。……とてもとても純情な乙女である。
「これ、新築のお祝い、村長さんに、はい!アタシの愛を込めた
バナナカレー♡きゃっ!」
「……誰?ジャミルの新しい隠し愛人?」
横からのっそりダウドが顔を出す。……ジャミルはダウドに速攻
ヘッドバッド。
「引っ込んでろっつーんだよっ!カレーでも食ってろっ!!」
「何だよおおお!」
「あのね、ダウド、うん、こういう時は……、彼女はどうぶつさんだし、
この場合は隠し愛獣人……かな……」
「あ、成程……」
「……納得すんなあああーーっ!!」
ダウドとアルベルトは走って奥の野郎専用寝室部屋まで逃走した……。
「いやだわあー!アイヤ!そんなんじゃないわよー、アタシ達ー!
アイヤ!きゃっ!!」
「おいっ!コラアアアア!!」
「……良かったわね、ジャミル、モテモテで……、うふふ……」
後ろにいたアイシャがぼそっと声を漏らす。しかし顔は笑っておらず……。
「あ、アイシャちゃんだったかしら?……あたし達、いいライバルに
なれそうね、ふふ……」
「いいえ、とんでもないです、私の負けだわ、じゃあね、
ジャミル……」
「あら!もう敗北宣言かしら!!」
「おおおーーーいっ!!アイシャーーっ!!」
アイシャも女の子専用自部屋に入って行く。……流石にゴリラと
張り合ってまでライバルにはなりたくない模様。
「じゃあ、村長さんお借りするわね、うふふ、夜のデート
行きましょうか!アイヤ!」
「……いーやーだあああーー!!」
ジャミルはウズメに拉致られ、夜のアホウ村でデートへと
駆り出されたのであった……。
「何か紛らわしいのよね、……アイヤって…」
アイヤアイヤ、自分の名前を連呼されている様で、何となく
しっくりこないアイシャである。……ジャミルがウズメに
拉致られた後、ジャミル以外の3人は再びリビングへ戻り、
アルベルトが持ってきた差し入れのカモミールティーで
一息ついた。
「ふう、美味しい……」
「アイシャ、いいの?様子見に行かなくて……」
「ちょ、アルっ!何でそうなるのっ!べ、別に私には関係ないわっ!
……ぜーんぜん!」
とは言いながら、アイシャの足がゆさゆさと貧乏ゆすり状態に
なっているのがダウドには見えた。落ち着かない証拠。
「あっ、そうだっ!このお家、まだお花とかないわよね!インテリアが
欲しいわ!……私、何か飾れる物がないか、ちょっとまめつぶ商店まで
行って探して来まーす!」
「……気を付けてね……」
「何だよお、アイシャも相変わらず素直じゃないなあ~……」
まめつぶ商店に行く筈が、アイシャはやはり……。
「……いたっ!二人して川で何してるのかしらっ!」
「うふふ、村長さん、いいえ、ジャミル君、アタシの為に
ドラドをつってね!ちゃんと釣ってくれるまで、ウフン、今夜は
返さないわよっ!早くしてね!今日の夕ご飯に焼いて食べるんだから!
アイヤーー!」
「ひいいいーーー!」
……どうやら釣るのが困難なレア魚をおねだりされている様子。
長くなりそうなのでアイシャは家に戻る事にした。
「あの様子だと、今の処パシリだけみたいだし、大丈夫かな……、
はっ!な、何が大丈夫なの!別に関係ないじゃない!」
……何はともあれ、4人の新たな世界での冒険とのんびり?な、
スローライフ生活がスタートしたのである。
とびだせzokuダチの森・1