zoku勇者 マザー2編 (完)
マザー2編もこれで完結です。此処までお付き合い頂き本当に有難うございました。
シーユー・アゲイン3
一体、何が起きたのか分らなかった。ジャミルもアルベルトも
ダウドも。アイシャを捕まえているポーキーでさえも。
「あああ、ああああ……!うそだ、うそだ、うそだあああ!」
「マジ……で?」
「大きい……」
「オイラも、びっくりだよお……、こんな事って……」
ポーキーとジャミル達男衆3人の間に立って入ったのは……、
巨大などせいさんであった。アイシャを助けたいと言う
どせいさん皆の気持ちとポーキーへの怒りがどせいさん達の
未知なるパワーを引きだし、……合体して巨大モードになったの
だった。
「……わしらは……、どせいしん(神)……、です。」
その大きさは例えるとイベントなどでよく見掛けるふわふわ
バルーン人形ぐらいの大きさ。しかし、狭い……。只でさえ
狭い場所がかなり狭くなった……。どせいしん乱入でかなり狭い……。
「ぷう。いますぐ、らんぼう……、やめる。」
「うっ!な、何だよっ!別にお前なんか怖くないぞおーーっ!
この野郎ーーっ!!馬鹿やろおおーー!!」
ポーキーはアイシャを捕まえたまま、片手でどせいしんに
殴りかかろうとした。
「ぷうううーーー。」
「あいたああーーーっ!!」
しかし、逆にポーキーはどせいしんに頭突きをされその場に
ひっくり返る。反動で捕まえていたアイシャからも漸く手を
放した。
「アイシャっ!今だっ!走れーーっ!!」
「ジャミル……!」
ジャミルがアイシャに向かって叫んだ。アイシャは気力を振り絞り、
必死で走る。……ジャミル達の元へと。
「この野郎!逃がすかっ!」
ポーキーもアイシャを逃がすまいとむっくり起き上がり、
アイシャに向けPSI攻撃を試みる。しかし、その行為は
どせいしんによって阻まれた。
「ぷううううーーー!!」
「うわあああーーーっ!!」
どせいしん、ポーキーの上にジャンプし……、巨大な体で
ポーキーを潰す。……どせいしんの下敷きになってしまった
ポーキーは身動きが取れなくなってしまった……。
「ジャミル、みんな!あ、あっ!」
「アイ……」
どせいしんが跳ねた振動でよろけたアイシャは躓いて、
正面向きで倒れていたジャミルの上に覆いかぶさる形に……。
「ご、ごめんなさい、ジャミル……、……きゃあ!」
しかしジャミルは自分の上に倒れてきたアイシャをぎゅっと強く
抱きしめるのであった。
「お帰り、アイシャ……、戻って来てくれて……、マジありがとな……」
「ジャミル……、うん、……ただいま……」
「あの~……」
「オイラ達もいるんですけど~……」
「うわ!」
「きゃあ!」
アルベルトとダウドがぬっと……、イチャつき始めた二人の
前に顔を出した……。
「何だよお前ら!……?あれ?二人とも、もう動けんのか……?」
「とっくだよお!」
「うん、もうジャミルも平気な筈だよ、身体動かしてごらんよ……」
「……ホントだ!……よっ!」
「きゃ、きゃっ!?」
ジャミルが身体を起こしてみる。……すると自分の上に
乗っかっているアイシャと目線が合い……。
「近いな、すげー近い……、あ……」
「も、もうーっ!」
アイシャは顔を赤くしてジャミルから離れる。ちょっぴり残念だが、
これで漸くアイシャは皆の所に戻って来た。合体はしているが
どせいさん達も全員無事。後は……。もう何も恐れる物はあらず。
ジャミルは立ち上がると、どせいしんに潰されて唸っている
ポーキーの方を睨んだ……。
「ちくしょおおおーーっ!この体制からだってPSI攻撃
出来るんだぞおおーーっ!見てろよ、……PK……」
ポーキーは潰されたままの間抜けな体勢からでもPSI攻撃を
放とうとする。……どせいしん諸共ふっ飛ばそうとしている。
しかし……。
「あれ?あれれ?……何も出ないっ!……何でだよおおーー!!」
「な、何してんだ?あいつ……」
「う~ん、恐らくは……、PSIをまだ碌に使いこなせない
状態で……、随分無理したみたいだから、身体が疲れて急に
使えなくなってしまったのかも知れないね、……僕の推測
だけれど」
「な、な~る……」
ポーキーはそのままショックを受けたのか潰されたまま何もせず
動かなくなってしまった……。
「それよりチャンスだよお!ポーキーをやっつけるのなら
動けない今だよお!」
「よ、よしっ……!」
「待って!」
ポーキーをボコろうとした男性陣の前に突如アイシャが
立ち塞がった……。
「アイシャ!何やってんだよ!どけよ!」
「……皆、此処は私に任せてっ!」
「おい……アイシャーーっ!!」
アイシャは折角皆の元に戻って来たにも係らず……、再びポーキーの
元へと走る。ジャミルが止めようとする間も無く……。
「どせいしんさん、お願い……」
「ぷう~……。」
どせいしんはアイシャのやろうとしている事を理解したのか……、
ジャンプし、潰していたポーキーから離れドスンと地響きを
立て後ろに着地した。そして、再びポーキーとアイシャが対峙し、
睨み合う……。
「アイシャ!気を付けろ!」
「ジャミル、大丈夫よ……」
「……何だよ、ブス……、動けないこのぼくをいじめようってのか?
何て根性のひん曲がった……、卑怯で陰険なヤツなんだっ!……あ?
アッ、……アーーッ!?」
「うるさいのーーっ!」
「アイシャ……!!」
アイシャは何を始めるかと思えば……、ポーキーの上に馬乗りになり、
……ズボンを降ろした。
そして。
パンッ!……パンッ!……パンッ!
ポーキーの尻でケツドラムならぬ、尻叩きを始める……。これには
後ろで見ていたジャミル達もあんぐり……。
「いだあああーーっ!やめろこのブスーーっ!!あたたたた!!」
「全くもう!少しは反省しなさいよっ!私はアンタの将来が心配で
しょうがないわっ!」
「いだだ、いだだだだ、……畜生うう~、ブスめええ~、でも……、
アッ、何かキモチいい~ん……」
「アイシャ、もうよせってんだよ、おめえの手が腫れちまうよ、
ほら、こっち来いよ……」
ジャミルが慌ててアイシャを止めに来る。アイシャはもっと
叩きたかった様であるが自分を心配してくれるジャミルの
言葉に頷き、ポーキーから降りた。
「……畜生ううう~、よくもやりやがったなあ~、もうぼくの
HPはゼロよ!今回はこれで逃走してやる、でも、ぼくは
諦めないからな、絶対に……、いつかお前らを水洗便所に
流して笑ってコケに出来る日まで……」
「はあ、ちゃちい目標……、いいさ、来てみろ、何度だって
ボコボコにしたらあ!」
「ハン!それはこっちのセリフだっ!……でも……」
「……?」
……ポーキーがアイシャの方を向いたまま急にぼそっと
喋り出した……。
「おい、ブス、お前にケツ叩かれたの、嫌じゃなかった、
何でだろ……、まるで本当の母ちゃんに仕置きされてる
みたいで嬉しかった、おかしいな、ぼくのママは叱るって
言うよりも、ぼくがいつも邪魔で……、ただ怒って怒鳴る
だけだったしな……、……ブスがぼくの本当の母ちゃん
だったらよかったのに……」
「ポーキー、あなた……」
「なーんてなっ!んじゃあな、ぼくはこれで失礼するよーーん!
糞野郎共ーー!早くくたばって死ねよーーっ!これで本当に、
……シーユー・アゲイン……!!」
「……うわ!何だこれ!」
「く、くっさーー!」
「……うううう~!」
「くさいわあーー!いやーーん!」
ポーキーは4人に向かって強烈な半端ではない尻ガスを
発射した。4人がガスで怯んでいる間に……ポーキーが
目を付けたのは……。
「あ、あっ!それはっ!」
「けーけけけけ!こいつは頂いたぜーっ!……あばよーーん!」
「……こらブターーーっ!待てコラーーっ!!」
動けない筈のブタ。途端に元気になる。ポーキーは又もスペース
トンネルを奪い逃走。……ジャミル達はどせいしんと共に……、
その場に取り残された……。
「どうすんの?オイラ達だけなら何とかテレポートで
サターンバレーに戻れるのが可能かもしれないけど……」
「ぷう~。」
巨大化したどせいさん……、どせいしんまで一緒にテレポで
運ぶのは流石に無理である。しかし、もしも今、どせいさん達に
元に戻ったらそれはそれでエライ事に……。
「……まいったなあ~、……そだ!俺らだけ一旦サターンバレーに
戻って博士達に相談してみようや!」
「だ、ダメっ、そんなの!どせいしんさんを置いていけないわ!
一時だって嫌よ!一緒に戻るんだからっ!」
「でも、アイシャ……」
「おーい、我儘言うな、何もずっとここへ置き去りにする
ワケじゃねえんだ、博士達に相談すれば、どせいしんを上手く
サターンバレーまで運んで貰える発明品を作って貰えるかも
しんねえだろ!」
「嫌なのっ!嫌ったら嫌っ!……他に何か方法が有る筈なのよ……、
もしもどせいしんさんを置いていくのなら……、私も此処に残る……」
「お、お~い……、ジャジャ馬あああ!」
「ジャミル、怒っちゃ駄目だよ……、だけど……」
アルベルトとジャミルがアイシャを説得するがアイシャは拒否し
どせいしんに縋りついた。あんな事があった後なので、アイシャは
余計に此処に一時でもどせいしんを置いていくのをとても心配
している……。
「ぷう~、だいじょうぶ……。」
「どせいしんさん……?」
「わしらのちから。……みんなをはこぶ。みんな、いっしょ。かえるます。」
どせいしんがそう言った途端、……急に4人の身体がふわりと宙に浮かんだ。
「な、なななな!?何だっ!!」
「きゃあ!」
「あーうー!何これ何これ!」
「うわわわ!」
宙に浮かんだ4人は突如出現した竜巻の様な物に巻かれた。そして
そのまま4人を包んだ竜巻はぐるぐる回転し始める。
「もうかえる。ぷう~!!」
「……うわあーーっ!!」
……そして、竜巻に巻かれた4人は……、その後どうなったのか
覚えておらず……。
……ル……
「……」
「ジャミル、ジャミルっ!」
「お兄ちゃんっ!」
「……?」
突如耳元で聞こえてきた懐かしい声にジャミルは漸く目を
開けた。気が付くと……。
「良かった……、目を覚ましたっ!バカだね、アンタ、本当にもう……、
これ以上心配掛けるなって何回言ったら……、でも、良かった……」
「お兄ちゃあああーん……!」
「……ファラ、トレーシー……、お前ら何で……?
それに俺らどうしてたんだっけ?」
頭を掻きながら周りを見る。広がる緑の地……。……周囲にはたくさんの
どせいさん達が……。
「ぷうー。」
「ぷううー。」
「戻って来たのか俺ら、……どせいさん達も元の姿に戻ったのか……」
「そうだよ、あたい達、博士に連れて来て貰ったのさ!皆で
打ち上げパーティやるから是非参加してくれってさ!それで
あんたらの話も聞いた、又戦いに行っちゃった事もさ……」
「うん、博士からまたお兄ちゃん達が行っちゃったって
聞いて……、でも、無事を信じてファラと二人で待って
たんだよ、お帰り、お兄ちゃん……」
「そっか、ありがとな、ファラ、トレーシー……」
「……全く、アンタはこれからも心配掛けまくるんだろうね、
でも、それがジャミルだもんね……」
「……お兄ちゃん、本当に無事でよかった……」
トレーシーが目を擦った。ジャミルはそんな妹の様子を見、
優しく頭を撫でるのであった。
「……ところで、お兄ちゃん、ずっと気になってたんだけど、
ダウ犬は……?姿見えないけど……、ま、まさか、まさか……!
……死んじゃった……、何て事……、ないよね……」
「……いっ!それはその……」
ジャミルは困ってファラに助け舟を入れて貰おうとファラの方を
見るが……、ファラは自分で説明して……と、言わんばかりに困った
顔でジャミルの方を見ている……。
「まいったなあ~、ファラの奴……、ど、どう説明してやったら
いいんだよ……」
「お兄ちゃん……」
トレーシーがあまりにも切なすぎる表情をしているので、ジャミルは
等々、トレーシーへダウドの件を話す時が来た。どうにか何とか
上手く説明しようと口を開いた瞬間……。
「よう!ジャミ公!」
「ひっさしぶりやなあー!おま、全然かわっとらんやないか!」
「……この声……、まさかっ!」
「じゃじゃーん、わしらも来たでえーー!」
「おっさん達!……トンズラブラザーズっ!!」
ラッキー、ナイスを始めとする懐かしいトンズラブラザーズの一面が……。
「元気じゃったかのう?よう頑張ったの!」
「ジャミルっ、信じてたよ!又会えるのをさ!」
「普段は目立たないおれだけど、ここに来て又出番があるとは……、
本当に嬉しい、うう~……」
「おっさん達も博士に招待されたのか……?」
「ああ、たまげたわ、急に変な乗りもんに乗って迎えに
来たさかい、息子達がお世話になったそうで……とな、
マジモンでわしらたまげたわ!」
「は、はは……」
トンズラ達に又会えたのは博士の好意で嬉しい事だが、
それにしてもあの親父はやる事がすごすぎんなあと
思ってみたり。
「あ、あの……、まさかまさか……、本物のトンズラブラザーズ
さんなんですか……?」
トレーシーが恐る恐るメンバーに近寄って行く。トレーシーに
気づいたナイスがおう、嬢ちゃんそうやで!と、胸を叩いた。
「あああーーっ!う、うそ、夢じゃないっ!私っ!トンズラ
ブラザーズの大ファンなんですーっ!サインお願いしまーっすっ!
きゃあーー!!」
「おい……」
さっきまでダウ犬を心配していたトレーシーは憧れの
トンズラブラザーズを前にころっと態度を変えた……。
「……ははは……」
「年頃の女の子なんてそんなモンさ、あーっ!あたいにも
サイン下さあーーいっ!!」
なんとまあ、ファラまでミーハー根性むき出しになってしまった。
取りあえずダウドの話が一旦反れたからまあいいかとジャミルは
思いつつ……。
「ジャミルーーっ!あははっ、おじいちゃん達が来てくれたのーーっ!」
アイシャが嬉しそうにジャミルに手を振る。どうやらアイシャの
祖父、幼稚園のチビ達、此方も博士に正体をされた様子。
久しぶりの祖父と孫の再会。アイシャは心から幸せそうだった。
「……トニー、暑いよ、大丈夫ってば、僕は平気だよ……」
「嫌だよ!アルベルトにはぼくが付いてないと!又無茶を
するからね!これからはずっとずーっと一緒だよ!はあー、
それにしても、ぼくのアルベルト……、また、また会えて……、
嬉しいよう……」
「……ト、トニー、泣かないでよ、オーバーだよ、もう~、
……とほほのほ~……」
「プ……」
どうやらアルベルトにはトニーが招待された様子。アルベルトが
あまりにもやつれた顔をしているのでジャミルは少し吹きそうに
なった。
「王子様あーーっ!本当に世界をお救いになられたのですねーっ!
あーん、素敵ーーっ!」
「またイチャイチャして下さいねーーっ!ちゅっ!ちゅばば!」
「ダウド王子、本当にご立派になられて……、このイースーチーは……、
本当に……、う、嬉しゅうございます……」
「……オイラ、何が自分に起きてるのか分らない、でも、
幸せってこういう事……なのかなあ~、にへら~……」
ダウドにはランマからイースーチー、そして親衛隊の女の子が。
しかし、しまりのねえ顔してんなあ……、と此方も見てジャミルは
笑いを堪えた。
「ジャミル君……」
「博士……」
「本当に……、よく頑張ってくれたね、私は本当に君らに頭が
上がらん、本当に君達は凄いよ、全く……」
「へへ、このサプライズは博士がしてくれたんだろ?びっくり
したけど嬉しいよ、ありがとな!」
「大した事が出来んのでな、せめてものお礼だよ、さあ広場に
行こう、今日は非常に珍しいお客さんが来とるのだよ、珍しい
お客さんがの……」
「客……?へえー、誰だろ……」
ジャミルは博士の後について広場に向かおうとした。
……其処に一匹のカブトムシが目の前を飛んで横切った……。
「……ブンブーン……、まさか……、な……」
……
「もぐもぐ、あ、ジャミルくーん!お先にお肉頂いてますよーっ!
アップルキッドですーっ!」
「全く、スペーストンネルをアンドーナッツ博士と共に完成
させたと言うから……、少しは発明家として前進すると思ったけど、
いつもの変らないリンゴデブのアップル君だね……」
「うむ、オレンジキッド、情けない話だが、吾輩もそろそろ
そう思うのだ……」
「おーい!ど偉いフランク様も特別に来てやったぞーーっ!
はははっ!」
「うー、間に合ってよかったんなあ、これでおれらもパーティに
参加できんぞ、チュージ!」
「ハイっす、兄貴ーー!」
「はーい、アイシャお嬢様ー!元メイドのエツコですーーっ!」
アップルキッド、オレンジキッド、マウス、モッチー兄弟、そして
メイドのエツコさん。……広場には他にもみんなみんな……、懐かしい
顔ぶればかりであった。どせいさん達もわちゃちゃ、ぷーぷー、大集合。
「さあ、主役のお子様達、広場の中央に寄りなさい、よれよれ」
「え?ええええ?」
博士に真ん中に立つようにと四人は勧められる。困惑しながらも
4人は顔を見合わせ寄り添って固まるのだが……。
「はーいっ!」
「……うわ!びっくりしたっ、何事っ!?」
「怪しいおじさんだよおーー!」
「誰なの!?」
「父さんっ!誰ですかこの人は!?アンタまた変な知り合いを……」
「天才写真家さんだよ、今日はこの日の為にご招待したんだよ……、
折角だから皆の記念集合写真を撮って頂こうと思ってな……」
「駆けつけるのも早い、撮るのも早い、自称、天才写真家でーすっ!」
「おおう……」
4人は目が点になった。まさか、話本編で全く出番のなかった
写真家が……、最後の最後でこんな形で出てくるとは……。
「思い出の写真を撮りますよーーっ!!さあーーっ!」
「子供達、さあ、元気よく頼むぞ!」
「う、うん……、んじゃいっちょ、行きますか……」
ジャミルの言葉に他の3人が頷いた。……少し照れ臭そうであったが。
「……ではっ、こっちむいてーっ!……はい、チーズっ!」
「サンドイッチっ!!」
the…end
zoku勇者 マザー2編 (完)