灯火
暑気が心地いい
つっかけを履いて鳴らす
夜とベランダ 深い息
伸び縮みしない自動車道
テールランプは疎らに灯る
合図をくれるようで
見飽きない
手すりに顎を乗せたら
身を乗り出す気も起きない
自然解凍で わたしは
好きな人を想って 好きな人の喜ぶこと それだけを
ブルーライトで映えるから
下書きは何度も保存する
くぐもった言葉は目で追って
画面を消した
事故を起こさない
その為に誰もがする運転は
渋滞の原因に
眠れない?といつもの姿で
厚いドアを開けようとする
その優しさが
気温の低い所から 高い所へと
生まれてしまう風と共に
寂しくて スマホを握る
離せば真っ赤になる手で
顔を覆って 恋になんて
泣かないんだから
ノック ノック
空を飛べない車ばかり
だから
夜間飛行は時間を守った
手のひらを返す
わたしの顔を 確認して
強い強いバックライト
明滅に 踵を浮かせて
汗ばんだ
背伸びをしよう
灯火