めるへん
灰を撒いたら咲く花を
母と信じる子のために
ほうきを片して畳む空
羽を広げて青い鳥
かたんことん鳴るまな板の
音を初めて聴く仕草
膨れたお腹で履ける靴
巨人に譲ってもらう道
見上げる毎に木々は頷く
教わる誰かの花言葉
はさむ両手で嗅ぐ匂い
祈れる唇のかたち
この人だあれと正直者
湖面に写す静かな微笑み
拭えるものは渡せない
女神の前で 抱き締めた
冷たい汗 熱いからだ
思い出は数多く遺されて
伝説にだって負けない
その一つひとつに火を灯す
小さな手とその明かり
真っ直ぐに上る煙の先で
叶わぬ夢を惑わす星々
背丈でわぁっと驚く 震え
一夜のシャッター音
アブラカタブラ
焦げ付いた 愛の魔法だ
めるへん