zoku勇者 マザー2編・47

バトル、ポーキー・ギーグ

「もしかして、この変な目玉が……、ギーグなんじゃないの?」
 
目玉の中に浮かぶ、ジャミルの顔、……そう、ダウドの推測通り
この巨大な目玉はギーグそのものであるらしい。
 
「おや、やっと分ったのかよ!あーあ、仕様材料が
あれだったからなあ、……かわいちょうなギーグ様!」
 
「……おい!人の顔をよくも変なモンと合体させたな!
このデブっ!!……畜生!!」
 
ジャミルは憎々しげに目玉……、ギーグを睨んだ。すると目玉の
中のジャミルの顔も憎悪に満ちた表情をし返すのであった。
 
「そうだよ、ギーグ様はお前……、ジャミ公!お前その物でも
あるのさっ!!」
 
「な、何!?……うわああーーーっ!!」
 
ギーグは4人に向け、PKキアイαを放つ。今となってはΩに
敵わないαではあるがやはりギーグが使うとなると力が半端無く……、
全員大ダメージを受ける。ジャミルも慌てて仲間にライフアップΩを
使った。……ギーグが全員を攻撃した後、目玉の中のジャミルの顔が
突如消えた……。
 
「もしもーし、ギーグサーン、……ありゃ、少しお休みに
なっちまったぜい!しょうがねえなあ、誰に似たのかなあ~、
怠け者だねえ~、ねえっ!」
 
ポーキーは歯を鳴らしながらジャミルの方をニタニタと見て
笑っている……。
 
「糞、畜生……」
 
「きついよおお、ギ、ギーグと……、ポーキーの……W巨悪
コンビなんて……」
 
「……ダウド、弱気になっちゃ駄目だっ!」
 
ポーキーはふよふよと……おかしな機械に乗ったまま4人の側を
飛び回り、そして挑発する。笑いながら、喋りながら……、機械から
レーザーを、ビームを発射しまくる。その姿はまるで
発狂して狂っている姿としか思えない程凶器に満ちている。
 
「知りたいんだろう!?ぼくとギーグ様の素敵な関係をよ!
あーっひゃっはっはっ!お前ら死ねよ!……畜生、何でぼくの方は
中々当たらないんだよ!よし、今度は後ろにいるヘタレ野郎の脳髄
狙ってやるってばよ!ノウミソどばーん!ぐっちゃぐちゃー!あー
楽しいなあ!……んでね、飛び散った脳味噌は味噌ラーメンに入れて
食べるのさあ!」
 
「くそっ!……暴走糞ブタめ!おい、お前ら大丈夫か!?」
 
「僕らの事は大丈夫、ジャミルはアイシャを徹底して守るんだ!」
 
「ひっ、ひいいーーっ!もういやらあーー!!……オイラもう
戦えないよお~!」
 
アルベルトは防御しながら何とか反撃する機会を覗っているが……。
ポーキーは太っている癖に素早く中々隙が出来ない。……ふと、
ポーキーの手が止まった……。視線の先は……。
 
(こいつだ、こいつをやっちまえば……、こんなヘタレ糞、相手に
してる場合じゃないじゃん……)
 
何かを感じたのか、ジャミルに庇われているアイシャの顔が
急に不安そうになる。ジャミルはアイシャの顔を見つめ、
大丈夫だと頷いた。
 
「有難うジャミル、でも戦わなくちゃ、……いつまでも守られて
ばかりじゃ駄目なのっ!」
 
「アイシャ……!無茶すんなっ!」
 
「大丈夫よっ!!」
 
アイシャはジャミルの腕から離れるとPKフリーズγを試み、
機械に乗った重装備ポーキー目掛け思い切り放った。
続いて隙を逃さずアルベルトがペンシルロケット5で
追い打ちを掛ける。アイシャとアルベルトの連携攻撃が
見事に機械に当りポーキーが乗った機械が墜落する……。
 
「あ、あーーー!あたた、畜生、よくもやりやがったなあ!
……この糞野郎!!……よーし、パワーアップだっ!!……万が一、
今度は地球破壊爆弾が当たっても平気だぞーん!」
 
「ああっ!」
 
「な、なんちゅう奴……」
 
直ぐに変な機械は復活し、更に頑丈な強化マシンになった。そして
重装備ポーキーは再び宙へと浮かぶ。だが少し攻撃の手を緩めた
様だった。しっかりと4人の方を睨み返して。
 
「……ポーキー、もう止めましょう、あなたはギーグに
操られているだけ、本当はあなただってこんな事したくない筈よ、
……心は誰よりも恐い筈なの……、脅えているのよ……」
 
だが自分に声を掛けるアイシャの言葉にこのブタが素直に
耳を貸す筈も無く、……逆にアイシャを強い毒口調で罵り始めた。
 
「うるせーポンコツ機械ブスっ!奇麗ごとのおや・糞束を
言うなっ!このブスブスブスっ!……いい加減しねったら
しねよおおお!!」
 
「きゃああっ!!」
 
「やめろおおっ!……アイシャっ!」
 
ポーキーが再びアイシャに向けレーザー攻撃を始めた。
咄嗟にジャミルが伏せさせて庇い事なきを得たものの……。
 
「……ふん、ゴミ箱みたいな身体でよくもまあ、ひょこひょこ
動くなあ、感心するよ、ほんとにん、ねええ!」
 
「無駄なんだよ、あいつに何言ったって聞くわけねえだろ、
もう無茶すんな……、ギーグに何もかも洗脳されて支配されてる、
全部乗っ取られてんだよ……」
 
「ジャミル……、でも……」
 
「おい、そこのノータリンバカ野郎、まーたお約束事を
言ったな?よし、今度こそ説明してやるよ、ぼくとギーグ様の
深ああーい繋がりをさっ!」
 
ポーキーが攻撃の手を止め喋り出す。その間にもアルベルトは
いつでも直ぐに攻撃出来る様、ペンシルロケットの準備を
始めるが……。
 
「お前らが此処まで辿り着く事はさ、そりゃ智恵のリンゴは
予言してたさ、でも、智恵のリンゴの予言どおりにはならないんだよ、
お前らは倒れる、……ギーグ様は強い、もっと恐ろしい物になる、
……それは何故かって?ぼくだよ、このぼく、ポーキー様がっ!
……ギーグ様に導かれて此処まで来たからだよっ!この事は智恵の
リンゴも予言しちゃいなかったんだぜ?……もうギーグ様は……、
悪の化身なんかじゃないんだ、てめえでもコントロール出来ない程の
邪悪な力そのものになっちまったのさ!」
 
重装備ポーキーは再び宙に浮かび上がった。……第2攻撃開始の
準備をしようとしている。
 
「バケモンが余計なモン食って栄養取り込んで更にバケモンに
なった様なモンだぜ!たくっ!」
 
アイシャは目の前に浮かぶポーキーの姿をしっかりと
目に焼き付ける。……そして覚悟を決めた様であった。
 
「ジャミル、アル、ダウド、……ごめんなさい、私、もう
迷わないよ、……ポーキー、あなたがその気ならとことん戦うわ!」
 
アイシャの側にジャミル達も駆け寄り、彼女を守り援護する様に
ポーキーの前に立った。
 
「ふん、いい子ちゃんぶりやがって、最初からそうすりゃいいじゃん、
ぼくがきらいならさああ!殺したいほど憎らしいんだろおおお!?
ならこっちだって構わねえよお!容赦しねえよお!てめえら、
ぶっ殺してやるよおお……、ひ、ひひひい……」
 
機械の中のポーキーの顔が一層邪悪に満ちた表情になった。
本気で4人を殺そうとしている様だった。
 
 
……ワカンノカヨォォ、オマエラナンカニ……イツモダレカガ……
 
ソバニイッショニイル……オマエラニサア……、ナア、
 
ヒトリ……ボッチノ…… ……
 
 
「ポーキー!あなた……」
 
「アイシャっ!」
 
「……ご、ごめんなさいっ!」
 
再び油断しそうになったアイシャが慌ててPKフリーズγを試みた。
もう只管何も考えまいとダウドも必死でPSI攻撃をしまくるが
機械の外観のガラスが頑丈の為、ポーキー自身に中々当てる事が
出来ず……。
 
「えーと、スターストームΩは最後にとっとく、えーいっ!!
PKサンダーっγ!!PKフリーズγっ!!」
 
「畜生、ゴキブリ共が中々うざいな、……ターゲットは一つ
なんだけどなあ~……、ちっ!」
 
「……何とか、機械の中を狙えればっ!!」
 
「無駄だっつーんだよ!メガネ糞野郎!!死ねっ!!
凶悪ガスミサイル!!」
 
「アルっ!!」
 
「……ううううっ!負けるかっ!!」
 
ポーキーの発砲前にアルベルトがペンシルロケット5を発砲。
……ポーキーが乗った機械のガラスを打ち砕いた。
 
「あーーー!またやりやがったな!オマエラうぜええええ!
マジうぜえええんだよおおお!!おおおおおおおおお!!」
 
怒りに満ちたポーキーの罵声が響き渡る。このブタを本気で
怒らせるのは本当に危険行為そのものであったが……。
 
「アル、大丈夫かっ!?」
 
「うん、僕はね……、でも、どうやら失敗したみたいだ、
……肝心の……、中のポーキーを外してしまったよ、
ペンシルロケットももうこれで最後なんだ、どうしたら……」
 
機械の外観ガラスだけ何とか割れた物の、中にいるポーキーには
当てる事が出来ず……、アルベルトが苦悩に満ちた表情をした……。
 
「大丈夫さ、まだまだ俺らのPPも残ってるしさ……」
 
「でも……」
 
「ジャミルっ!……ギ、ギーグがあああっ!!」
 
ダウドの叫びに後ろを振り向くと……、目玉の中に……
ジャミルの顔が再び浮かび上がるのであった……。

ギーグが再び目を覚ました。今度はキアイΩを4人に向け放つ。
アイシャは咄嗟にサイコシールドを張ろうとするが間に合わず……。
 
「うう、畜生……」
 
「あーっはっはっは!イイザマダナア、大馬鹿野郎ども!お前らが
苦しんでるのを見ると本当に気持ちがいいや!快感だよ!あはははは!
おい、ジャミ公、どうだよ!てめえの技をてめえで喰らう気分はよ、
どうだよ!?どうよ!?」
 
「うるせーんだよ、糞豚め……、いい加減に養豚所へ帰れっての……」
 
「……趣味が悪いよお、待ってて、今度はオイラがライフアップ使う、
……でも、これ使っちゃうとスターストームΩが……、でも、そんな事
言ってる場合じゃないね……」
 
ダウドは急いでライフアップγを必死で全員に掛ける。PP回復
アイテムも残り僅かであった。
 
「ふん、まだ刃向かうのかよ、しぶといな!なあ、お前達は
英雄気取りでいるけどさ、ギーグ様に刃向かおうなんて8万年
早いんだよ!大体やなあ、ギーグ様のこの真のお姿を見られない
なんて淋しいだろ、そう思わないか!なあ!この姿を見たら
それだけで腰を抜かすぜ!ちょっとだけ悪魔のスイッチを
切ってみせてやるよ、……ほんっとーに怖いんだからなっ!」
 
ポーキーは機械から降りると、いそいそとギーグの側へと
近寄ろうとした……。
 
「う……、ブタ、……何する気だよ……、や、やめろっ!」
 
「お願いっ、アルっ!ポーキーを止めて!……何か恐ろしい事を
企んでる!」
 
「……くそーーっ!」
 
アルベルトは気力を振り絞りポーキーに向けスーパーバズーカを
発砲しようとするのだが……。
 
「ああっ!スーパーバズーカがっ!!……そんな……」
 
壊れてしまった……。目に見えない恐ろしい力が動いたのである。
これまで何度も何度も暴走しながらもPTの危機を救ってくれた
スーパーバズーカが……アルベルトの目の前で無残にも粉々に
崩れ去った……。
 
「僕の……、スーパーバズーカ……、今まで……ありがとう……」
 
アルベルトは崩れて宙に舞うバズーカの欠片を見つめながら……
その場にしゃがみ込んでしまうのだった……。
 
「ひひひーい!……悪魔のスイッチオン!ひーひひひい!」
 
ポーキーがギーグの側に寄り、何かの制御装置を切ったらしい……。
四人は慌てて急いで固まるが……、途端に場に不穏な空気が
流れだす……。
 
「……何なのこれ……、何だか凄く不安になるわ……」
 
「この感じ……、マジカントで……独りでいた時のっ……!あっ、
あうううーーっ!!」
 
「……ジャミルっ!?」
 
「……う、あああああっ!!」
 
アイシャが突如発狂し始めたジャミルを必死で抱きしめる……。
目玉の中のギーグは、もうジャミルの顔ではなく、……恐ろしい
この世の物とは思えない醜い悪魔へと変貌していた……。
 
 
……オオオ……、オォ……、ジャミル……サン……。
 
 
「どうしよう、アル、……何が起きてるの……、恐いわ、私まで
不安になってくるの……」
 
「分らない、でも……、さっきから僕もなんだよ……、
どうしようもない……とてつもなく不安で恐ろしい気持ちが
押し寄せて来てる……、言葉に出来ないんだよ!……」
 
「こわいよお~、こわいよお~……嫌だっ!……怖い、
死にたくない……オイラまだ……、生きていたいよ……、
ジャミル……」
 
ダウドはいつも通りのヘタレ……、かと思いきや、彼にも
とてつもなくヘタレ気分処ではない……、大きな苦しみと
恐怖が彼を襲っている……。その顔からは涙が溢れ、
……引き攣りどうしていいのか分らない程である。
 
「もしかして……、この空間の所為!?……明らかに今までと
違うわ!まるで私達を絶望の淵に叩き落とそうとしている様な……」
 
「……どうだ?怖いだろ、俺だって怖いよ……、ギーグはもう
考える事すら出来ないし自分が何をしてるのかもわかっちゃ
いないんだ、ギーグは自分の力のあまりの強さにてめえの
人格さえ破壊しちまったのさ!恐ろしいバケモノと化したのさあ!
とんでもない力の大馬鹿野郎さ!ギーグは!……けーっけっけっけっ!
ジャミル、餌になれよお!お前らもギーグのよお!!」
 
「……く、くそーっ!お前ら立てーーっ!頑張れよーっ!ギーグを
倒すんだあーーっ!!」
 
 
……ジャミルサン……。
 
 
「……あ、っ……」
 
「アルーーーっ!!」
 
アルベルトの身体がギーグからの正体のつかみ取れない
攻撃によって打ち砕かれ穴が空く……。アルベルトは無言で
その場にぱたりと倒れた……。
 
「……いやあーーっ!アルーーっ!!」
 
 
……ジャミルサン……。
 
 
「けっけっけっけ、お前達の力もそんなモンで精一杯だろ!
この異次元空間に正義の味方とやらはお前ら4人だけ、いや、
一人お亡くなりになっちまったかっ!お前等もよもや誰にも
知られないこの宇宙で間も無くゴミになって消えるのを待つ
ばかりだな!くーっ、悲しい話だね、涙が出ちゃうよ!おれも
ドキドキしてきた!」
 
 
……ジャミルサン……。
 
……ジャミルサン……。
 
 
「……!!……い、いや……だ、……ジャミ、ル……」
 
「……ダウドおおおーーっ!!」
 
ギーグは次はダウドを狙い……、ダウドもその場に崩れ落ちた……。
 
ジャミルの心の中に……元の世界で味わった恐怖と悲しみと
苦しみと絶望が……再び浮かび上がってきた……。
 
「……嘘、だ……、こんな……」
 
「いや、いやあ……、アル、ダウド……、嘘、嘘よ……」
 
「……ポーキーっ!……てめえ…、ギーグも……絶対……許さねえぞ……」
 
「は、ははは、……おれだってこわいんだよおおおお!あは、
あはははは!どうだよ、早くこの真っ暗闇の空間に向かって
叫んで見ろお!ママあーーっ!てか!?パパーっ、ママあーっ!
ぼくちゃんこわいでしゅうー!おしっことうんち洩れちゃうでちゅう!
テレパシーでも何でも使えんなら使ってみろよ!どうだ、弱虫の
英雄さん達さあ!けけっ、けけけけけ……、け……」
 
 
……ジャミルサン……。
 
……ジャミルサン……。
 
 
……ジャミルサン……。
 
 
「……けーけけけけえっ!!○◆△×グ、ぐええええーーーっ!?
お、ノーーオオおおおおーーーっ!!い、いやだああああーーーっ!!
こわい、……こわいヨオオオオオオーーッ!!!おげええええーーーー!!」
 
「……ポーキーっ!!」
 
「……アイシャっ!危ないっ!やめろっ!!」
 
「ジャミルっ!ポーキーがギーグに飲み込まれちゃうわ!!」
 
「俺らにも……もうどうする事も出来ねえよ……」
 
 
……ォォォ……ジャミルサン……。ジャミルサン……。
 
……アーアーアー……
 
……アーアーアー……
 
……アーアーアー……
 
 
精神をコントロール出来ず……凶悪なバケモノと化したギーグは……
遂に憎悪の塊であるポーキーをも飲み込み……更なる破壊邪神と
化すのであった……。
 
 
そして……アイシャは小さく祈る。思いを込めて……。願いを込めて……。
 
 
どうか……この世界にも神様がいるのなら……。お願いです、どうか……、
私達に……力を……どうか……貸して下さい……。……お願いです……。


……ジャミルサン……。
 
 
どうか、どうかお願いです、誰か……私達に……力を貸して下さい……
 
 
コロセ、……アイツヲコロスンダ……
 
 
「アイシャっ!あぶねっ!……あ、ああっ!!」
 
ギーグは必至で祈りを込めるアイシャへと攻撃の
矛先を変えた……。ジャミルはアイシャを助けに
行こうとするのだが途端に身体が動かず……。
 
「ギーグっ!……ポーキー!テメエの仕業かっ……!」
 
 
ソコデダマッテオトナシクミテナヨ、モウダレニモギーグハ
トメラレヤシナイノサ……
 
 
「……ア、アアーー!……!!」
 
ジャミルは身体が動かなくなったばかりか、アイシャを
呼ぼうとしたが声が出なくなってしまった。動けない
ジャミルの前でギーグはアイシャに向け容赦ない攻撃を
仕掛ける……。しかし、アイシャの周りを強い力が……
優しいオーラが包み込み彼女を守っていた。
 
ムスメ、……決して諦めるな、……お前は本当に強い娘だ……
 
ハラペコザウルスさん……、うん…… ……私、負けないよ……
 
アイシャの祈りは宇宙を越えて遠い世界にいる人々の心へと届く。
 
 
「ぷうー、このこえ……、ぼくらにもきこえるます。」
 
「じゃみるくん、あいしゃちゃん、あるべるとくん、
だうどくん……、みんな、みんな、たたかってます。」
 
「わしらもいのりをとどけるます。」
 
「ぷううー!」
 
「ジャミ公達……、負けんない、絶対に、絶対によ……」
 
「おれら、ずっと待ってますぜ……、いつまでも……」
 
「信じてますよ、ジャミル君、皆さん、絶対に……」
 
「皆……、アルベルト……、私も信じておるよ……、お前達は
必ず此処に戻って来る、きっと……」
 
どせいさん達は未だかつてない気持ちの高ぶりを感じ、皆で
集まり一つの大きな輪になった。モッチー兄弟、アップルキッド、
アンドーナッツ博士もどせいさん達の側に寄り、ジャミル達の
無事を祈るのであった。
 
 
カエレ……、チガウ、チガウ、アーアーアー……
 
 
(何だ?……ギーグの奴、様子が……)
 
アイシャは更に思いを込めて祈る。遠い何処かにいる大切な人達へ。
一心不乱に呼び掛ける。
 
 
どうか力を貸して下さい……、私達の祈りが通じた人、……誰か……
 
 
「……この声、アイシャちゃんの声や……、わしらを呼んどる、
呼び掛けとる……」
 
「お前ら戦っとるんやな、ギーグと……、そうや、今度はわしらが
ジャミ公達に力を貸す番や……!」
 
「皆、負けたらイカン、……どうか、頑張るんじゃ……」
 
「普段は目立たないおれだけど……、今だけは思い切り祈りを
込めて思いを託すよ!だからみんな……、どうか……、どうか
負けないでくれ……!」
 
「ジャミル、みんな……、必ず会える日を絶対楽しみにしてる……、
だから絶対に死ぬなよっ!!今度会えたその時は……、皆で
ステージで派手に歌おうな……」
 
……ナイス、ラッキー、グルービー、オーケー、ゴージャス……。
トンズラブラザーズは気持ちを一つにし、青い空を見上げ、
歌を歌う。遠い何処かの地で戦っている、……大切な友に
歌声が届く様に。強く強く願う……。
 
 
……ウレシイ……カナシイ……ジャミルサン……、トモダチ……
 
 
(……アイシャの祈りが……ギーグの奴にダメージを与えてる……、
でも……)
 
……ギーグはもがき苦しんでいる……。ギーグは苦しみから
解放されようと……只管祈り続けるアイシャを消そうとし、
更に狙いを定めている……。
 
 
……ジャミルサン……。
 
 
「……あっ!……ああっ!」
 
(アイシャ……!!……アイ……)
 
遂にギーグの放った一撃がアイシャの片胸を貫いた。しかし
アイシャは苦痛にゆがむ表情を見せず……。唯、只管……祈リ続ける。
 
 
どうか、私達のこの祈りを……世界中に届けて下さい……
 
 
「……神よ、この老い耄れの命を捧げます、どうか、どうか孫を
返して下され……」
 
「アイシャ…、おれのおっかさん……、ぐす、あいたいよお~、
かえってきてくれよお~……」
 
「……あいちゃ~……、うえええ~ん!」
 
アイシャの祖父、二ザムの待つ幼稚園では、二ザムと子供達が
必死で祈りを捧げている。祖父、二ザムは孫の危機を感じたのか
涙を流している。……孫の無事を信じながら……。
 
 
……アーアーアー……ジャミルサン、キモチイイ……
 
……
 
再びギーグがアイシャに向け攻撃を放つ。……しかしアイシャも
気力を振り絞リ耐える。
 
(アイシャ、もう止めろっ!これ以上やったら……、お前の身体も
ボロボロになっちまう!もうギーグから離れてくれ!……逃げろ!
頼む、お願いだ……)
 
そう叫びたくても声が出ず、身体も動かない……。気が付くと
ジャミルの目に……何も出来ない……、アイシャを守れない自分に
悔しくて……何かが浮かんでいた。
 
 
どうか……、この祈りを……お願いです……
 
 
「アルベルト……、どうして?君を感じられないよ……、でも、
きっと戻って来るよね?……僕、信じてずっと待ってる、
お爺ちゃんになっても、ずっとずっとだよ……」
 
 
……ウーウー……トモダチ、ジャミルサン……。
 
 
「……ダウド王子……、私達はあなたが死んでしまう悪夢から
目が覚めました……、もう悪夢は終わる時なのです……」
 
「ダウド王子、あなたは決して弱虫なんかではありませぬ、
……あなたの心に秘めた誰よりも熱い、優しい思い……、
ランマの民、全てが受け取っております……」
 
 
……ジャミルサン!……イタイ、イタイ……
 
 
スノーウッド寄宿舎のトニー、ガウス、寮の友達…、
イースーチー、ランマの人々、ランマの乙女達……、
皆がアイシャの呼びかけを感じ、強く祈る……。
そして祈りは更なる力へと代り、ギーグを
追い詰めていく……。
 
 
……ハア、ハア……
 
(……!アイシャっ!)
 
 
しかし、徐々にアイシャの祈りの力も弱まって行き……。
 
もう少し……、もう少しだけ……、誰か……、お願いです、
……どうか、力を……
 
 
「……ジャミル、俺の戦友……、俺の祈りもお前に届けるよ、
まだ出会った頃のお前の顔は思い出す度、クソガキでそりゃ
憎らしい顔だったなあ……、けれど今お前はどんな顔をして
いるんだ?……沢山旅して男前になったんだろうナア……、
おい、戻って来たらもう一度勝負しようぜ!今度は
負けねえからな!」
 
再び又会える日を心に夢みて……、ジャミル達の無事を信じ
フランクも静かに祈りを捧げる。
 
「……アイシャお嬢様……、エツコにも聞こえました……、
あなたの祈り、きっと何処かで……、モノトリーさんも
感じている筈です、……あなたの声を……」
 
エツコさんは聞こえてきた懐かしい声に涙をそっと
拭ったのであった。
 
「ねえ、チャップ君、一応……、ぼくらも祈った方が
いいのかなあ?」
 
「そうだね、ライスボウル君、地球が滅んだら困るものね、
それにぼくらだけ祈ってないのがばれたら袋叩きだしね……」
 
「やれやれ、やるかい?」
 
「うん、そうだねえ……」
 
チャップスティックとライスボウルまで……、ジャミル達の為に……、
仕方なくではあったが今日は心を二人一つにし、……祈りを
捧げたのだった。
 
 
……サン、ジャミルサン、ジャミルサン……、ジャミルサン
ジャミルサンジャミルサンジャミルサンジャミルサン
ジャミルサンジャミルサン……ジャミルサンジャミルサン……
 
 
「……ファラ、聞こえる?アイシャお姉ちゃんの声が……」
 
「ああ、あたいにも聞こえるよ……、ジャミル、皆……、
無事で、無事で帰って来て……、お願い……、もう待つのは
本当に嫌だよ……、辛いよ、でも、あたいは待つ女、それが
宿命だもんね……」
 
「ファラ、一緒に祈ろう……、私達の祈りも……、きっと……
お兄ちゃん達に届く様に……」
 
「うん、……トレーシー……」
 
ファラとトレーシーが手を繋いだ。大切な家族、友達を思う
気持ち、その願い、祈りの力は最大級の力となり、ギーグへの
元へと飛んでいき……。
 
 
……ォ、ォォォォ……、ジャミル……サン……
 
 
もう……、誰の名前も思い浮かばない…… お願い、誰か……誰か
私達を助けて……
 
 
 
……ジャミルサアアーーーーンッ!!……
 
 
……ダレ……カ…… オ、ネガ……イ…… デス……
 
 
(……ア、ア……イ……)
 
ギーグの攻撃がアイシャの身体を突き破った……。アイシャは
その場に崩れ落ちる。……ロボットになっても彼女が身に着けて
いた赤いリボンが……宙を舞いひらりと地面に落ちた。

zoku勇者 マザー2編・47

zoku勇者 マザー2編・47

SFC版ロマサガ1 マザー2 クロスオーバー 年齢変更 ジャミル×アイシャ カオス ギャグ 下ネタ みんなのトラウマパート2

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-08-22

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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