あなたの花

君に僕の声が届いてほしい。十年先も、僕の声が届くのだろうか?届いてほしいから、僕は話すのだ。



そんな夢を見た。朝起きたら、学生は忙しい。どっかの太った詩人のようにぐうたら朝から寝てやれない。



部活の朝練がある。テニス部に、私は、入っている。



朝のホームルームまでだから。朝は美しい。アサガオをちらほら見かける。最後に朝焼けを見たのは、いつだったかなあ。



練習をする。打ち込みだ。
「なんかさ」
「うん?」
「笑った顔、かわいい」 
「へ?」


そんな馬鹿な会話が続く。



朝のホームルームだ。なんかいいことないかなあ。



「須恵ちゃん」
「はい!」
「好きな人とか居ない?」
「いないよ」
「モテるのに」
「モテないよ。モテたことないよ」
「またあ」
そんなバカな会話が続く。


ふっとあの花を想う。

名前がわからないのだが、道端で見かけるのだ。


学校は終わる。帰る。


「須恵、またね」
「あの、」
「何?」
「あの花の名前って知ってますか?」
「パンジー」
「····ありがと」



 世界には一等美しい物があるのだ。それを私は知った。

あなたの花

あなたの花

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-08-20

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