我ら工場ファクトリーズ 第三話

おはようございます。第三話のお届けです。工場の休日。風俗街の色恋街に足を運ぶ八騎だったが……。お楽しみに。

第三話


 「我ら工場ファクトリーズ」
         (第三話)

          堀川士朗


月に二回の休日。
寮にいる八騎と梅坪。
嵐感は朝から出かけていて不在だ。通院だろうか。

昼。
八騎のテントは立っている。

「怒ピュ汁出してえ」
「なら風俗行けば。俺にはどうにも出来ないから」
「お前には求めてない。そうする」


八騎連は電車とトロリーバスを乗り継いで一時間かけて東地区から西地区の風俗街に行った。
ここは、七十五軒もの風俗店が建ち並ぶ埼玉第四工場の風俗街、俗称『色恋街(いろこいまち)』である。
若い男たちが店を覗いているが、人通りはまばらだ。
立ち飲み屋は昼から埋まっていた。
吉岡工場長が飲んでいた。
酒好きな工場長。
今日は会合もないのだろう。


八騎は初めて入るピンクサロン、
『サロンドピンク』に入店した。
写真指名で一番可愛かったルイちゃんを指名した。
紙コップのお茶だけ出されて、薄暗い中で待たされる。
皮張りのソファーは何か濡れている感触がして嫌だった。
何かもう、店内全体が湿気を帯びた感じだ。
店内にかかっている音楽もやかましかった。

しばらくしてやってきたピンクサロン嬢のルイちゃんは齢七十はあろうかという老女で、シワだらけで痩せぎすで歯茎むき出しだった。目の周りには殴られた跡があった。
写真と全然違うじゃねーか!
これでは『サロンドピンク』ではなく、『サロンドどどめ色』だ……!
上半身だけ開襟のナース服を着た下着姿のルイちゃんはしきりに足首周りを掻いていた。
このソファーには蚤がいるのかもしれない。
八騎は性的サービスは一切求めず、この老女と世間話して三十分の時間を潰した。
苦痛すぎる三十分だった。
店を出る。
なんだよこの店。
詐欺かよ。
ツバを吐く八騎。
嗚呼。
でもなあ。
あの老女も、生きるのに大変なんだと無理矢理自分を納得させるしかなかった。
しかし指名料込みで八千円の出費は痛かった……!
焼き肉とかも食えたじゃないか!
全くの散財だった!
こんな事ならガールズバーに行けば良かったと深い後悔をする八騎だった……。


金を散財したので色恋街の飲み屋で飲まずにまっすぐ寮に戻った八騎。
梅坪がニヤニヤしながら語りかける。

「どうだった?スッキリしてきたか?」
「スッキリじゃなくて、ドップリ疲れてきたよ。七十歳のババアが出てきた」
「ウホッ!そうか」
「色恋街はあれか?最近みんなあんな店ばかりなのか?」
「ああ、だろうね」
「知ってたのかよ!人が悪いな和也は」
「店にいるのはババアか果てしないデブばかりだ。もうまともな女自体がめっきり少なくなってきちまったからな」
「見かけないもんな、女」
「もう色恋街も終わりか」
「だな」
「『マザー』、ピチピチの女もポンポン産めば良いのにな」
「うん。美形に限る」


           続く

我ら工場ファクトリーズ 第三話

ご覧頂きありがとうございました。また来週お会いしましょう。

我ら工場ファクトリーズ 第三話

工場の休日。風俗街の色恋街に足を運ぶ八騎だったが……。お楽しみに。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • SF
  • コメディ
  • 青年向け
更新日
登録日
2026-08-15

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