自傷癖
もう、どこにもない。
あなたが私につけた傷。
あなたと別れて空いた穴。
あのときあれだけ膿んだ傷口も綺麗に塞がって。
今はもうずっと満たされていて、幸せで。
毎日なんの不安も焦燥もなくて。
常に心は凪いで穏やかで。
なのに私は。
もう見えもしないくらい薄くなった痕を引っ掻いて、抉って。
そうしてできた瘡蓋を、また毟って。
ああ、これでやっと生きていると実感できる。
あなたと過ごしたあの日々が嘘じゃなかったと、
この苦しみをもって証明できる。
ぐじゅぐじゅに膿んだ穴を痛みで埋めて、
今日もまた、幸せな毎日にあなたとの瘡蓋を探す。
自傷癖
こんな不幸せな記憶なんて、
痛いくらいが心地いいと思うの。
ありがとうございました。