診察
本当に何もやっていないね。このままではよくなくないですか。人生がうまくいっていないのはわかるのだけれど、怠惰はよくないですよ。なんでもいいから行動を起こすべきです。人との出会いを避けて、孤独を選ぶのは安易な道です。年をとってきたらまあそっちの方が楽ですからね。精神に負担がかからない道を選ぶのは特に批判されることでもない。若い頃に、色々曲折が多かったので、今になってどさっと疲労が自分にふりかかってきたわけですね。いわゆる中年の危機というやつですよ。あなたは、様々な外部の物事に、それは几帳面に真面目に対応してきたが、あなたの心はずっと枯渇していたのです。水をやらない状態で放置していれば、いずれは枯れてしまいます。あなたの木には、もう葉もついていないでしょう。落ちた葉は、干からびた状態でもう土に還ってしまいそうです。これからどうするのですか。このままずっと怠惰な状態を、がんばって維持するために努力するのですか。怠惰を継続するためにも労力がいりますからね。色んなことを見ないようにするためには、苦労がいる。見て見ぬふりをするための力を、もっと別のことに使えばいいのです。そんなことはわかっていますよね。それができれば苦労はないですよね。何もできずに手をこまねいているのですよね。まあ鬱病に近いのかもしれませんね。何事も初めの動き出すときがつらいものです。自分の深い内面のところに手を加える作業はできればやりたくない。まず自分の深いところに探りを入れて、自己の方向性を大きく変えなければいけない。それはやりたくないのでしょう。そうなのであれば、怠惰を続けるのもまあ一つの手かもしれません。音楽でも聞いてみましょう。ああ、もう聞いているのですか。聞けば聞くほど、身体を動かさなくなってよけい怠惰になっているだけなのですか。そういうものかもしれませんね。人生なんて、知らない間に始まって知らない間に終わるのですよ。いや、知らない間に終わるとは限りませんね。場合によっては、意識的に自分で終わらせることもできますから。どうも人生はよくわかりませんね。どうも、始まりと終わりがかなり違うのです。この世に生まれたときと、死ぬときを対極のものとして扱うことが、何かまちがっているのかもしれません。
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