『ピンク水色黄色みどり』

ありったけのリボンを木に結び
遠くなった貴方に見えますように


『ピンク水色黄色みどり』


森には狼がいるから気をつけなさい
何度も聞いた大人達の小言
狼の正体に気づけない程子供じゃないわ
怖がるかどうかはアタシが決める

お気に入りのエプロンドレスで
今日も貴方に会いに行く
この森は疲れを癒してくれた?
聞きたいのに聞けないもどかしさ

少し離れた場所からいつも見るけど
もっと近付いて触れて欲しい
鋭い爪なんて些とも怖くないんだから
渇いた牙をキスで湿らせてあげたい

出会ってしまえば罪を負うのは
貴方ひとりと知りながら
アタシは自分勝手に貪る
恋だけで生きてたい気分なの

森の奥の奥の奥では欲望も
綺麗な夢に変わるから
一度だけ夢が見たいという
儚い希望も叶ってしまう

傷痕を指で辿りながら貴方を知れば
痛みを代わってあげたくなるくらい
困ったように微かに笑う顔が
本当に好きだから命を賭けてもいい

儚い夢の値段は釣り合ってた?
だけど儚いからこそ美しいってこと
お互いの胸に刻めたから泣かないで
罪に堕としてもいいくらい愛してたの

代償を負わないアタシはせめてもと
去って行く貴方の為にリボンを結ぶ
木の上からならまだ背中が見えるから
貴方からもきっと見えると信じて



『狼の本質を見抜かれていたとしても』

『ピンク水色黄色みどり』

『ピンク水色黄色みどり』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-08-03

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