ただいま、故郷

かつて在りし故郷は
どこにもなく

深い森の小さな村は
跡形もなく

暮らしていた人々は
気配すらなく

ただ純白の世界だけが
静かに冷たく広がっている

それでも──
わたしはここで生まれた
ここで育った
お母さんと暮らしていたの
友だちがいて
おじさんやおばさんがいて

ちっぽけな世界だったとしても

ここは間違いなく
わたしの生まれ故郷だ

ただいま、帰ってきたよ
遅くなってごめん
ようやく みんなを弔える

わたしは故郷のことを
みんなのことを
絶対に忘れないよ
一生忘れないから

そのことを改めて誓う

ただいま、故郷

ただいま、故郷

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-07-29

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