ただいま、故郷
かつて在りし故郷は
どこにもなく
深い森の小さな村は
跡形もなく
暮らしていた人々は
気配すらなく
ただ純白の世界だけが
静かに冷たく広がっている
それでも──
わたしはここで生まれた
ここで育った
お母さんと暮らしていたの
友だちがいて
おじさんやおばさんがいて
ちっぽけな世界だったとしても
ここは間違いなく
わたしの生まれ故郷だ
ただいま、帰ってきたよ
遅くなってごめん
ようやく みんなを弔える
わたしは故郷のことを
みんなのことを
絶対に忘れないよ
一生忘れないから
そのことを改めて誓う
ただいま、故郷