春色エプロン エピソード2 〜葉子おばあちゃんの彼氏・・現れる!~
吉田くるみ(36歳)は、初めて、、バイト先の84歳のおばあちゃんーー
相川葉子に会って、、あまりの形相にびっくりしたのだ・・!
「こんなことって、あるのかな・・??電話のおじさんは、温和な老人、、って言ってたのに・・。」
次の日、、吉田くるみは、もう一度バイトを紹介してくれた会社に電話してみたのだ。
「あ、ああー、なるほどね、分かりました」
今度、対応してくれたのは20代くらいと思われる、お兄ちゃんタイプのようで余裕があって、くるみも助かる。
「な、なんか、、違うんですよ、おばあちゃんって、イライラしてますけど、、」
そう言うと、、20代の男性は、ははは、、と笑う。
「実はね、内緒にしてたんだけど、、軽い認知症があるんだよね、、」
「葉子おばあちゃんは、認知症でボケているから、お願いしますよーー」
「ええ? ボケてるんですか??」
スマホの向こうで、兄的に対応してくれる男性は、なぐさめてくれるのか、、優しい声でくるみに話しかけてくれた。
「前の人も、それが嫌でやめちゃったんですよ、、だいじょうぶ、吉田さんなら、できますよ」
「あっ、、葉子おばあちゃんに、気に入られたら、追加料金を払うからね、じゃ、頑張ってくださいね!」
くるみは、どっと・・おちこんでしまった。悲しくって、どうしようもなく、、辞めたくなった。
認知症なんて、どう対応したらいいのか、、、?!
慌てて、スマホでサイトをさがしてみる。。
ー 5分後ーー
吉田くるみは、あきらめて、、バッグに入っていたクリームパンを食べてみる。
『葉子おばあちゃんも、いい人かもしれない、、明日、もう一度、、たずねてみようかなーー』
座っていた公園のベンチには、、どこから飛んできたのか、雀(すずめ)が来ていた。
くるみは、残りのクリームパンを、すずめのおやつになるように、、そっと置いてあげたのだ。
「よかったら、これ、食べてね、、今日の、おやつにしてください、、」
その時、すずめがチュン、って応えてくれたように感じた。
ーー 葉子おばあちゃんの家・バイト中 ーー
1週間、とりあえず、、業務内容をこなすことだけを考えて、くるみは通ってみた。
案外、食事を作ってあげたり、布団のあげおろし、、風呂のそうじは、家でもやっていたことなので簡単だった。
ちなみに・・・今日の、「おばあちゃんのランチ」
☆彡 ・ ピーナツソースを塗った、トースト
・ ハンバーグのきのこソース和え
・ 和風のわかめサラダ
・ アップルタルト
「よっし、今日は、たまには洋食にしてみたわ!」
「おばあちゃんにも、若者の味を食べてほしいからね・・。」
くるみは、、プレートにランチを載せると・・おばあちゃんに、声をかけようと部屋をのぞいてみる。
「 ほっほっほっ・・。 順吉さんかい?元気にしてる? またお茶のみに来てくれないかな?」
葉子おばあちゃんは、男性に電話しているのか、笑顔ではきはきと話しているのだ。
「葉子さん、誰と話してるの?」
「ええ、私の彼氏よ、、おもしろい、おじいちゃんなの」
葉子さんの自慢によると「細川 順吉さん」と言って、水泳が得意な70代の老人らしい・・。
なんでも、5年前に入った「老人キッチン Club」で、、お互いに連れ合いを失くして
いたので、、仲良くなったそうだ。
ーー と、その時、話していたら当の本人の細川順吉さんがやって来たーー
「おやおや、べっぴんなお嬢さんだなあ、
今度は、葉子さん、お手柔らかにしてあげてよ」
くるみは、、順吉じいさんにほめられても、全然・・・うれしくもなんとも無い。
ここで、順吉さんについて少しお話しておこう。
見かけは、昔のイサムラマサカズ風。。、きっと若い頃は、少しは女性にモテたかな、、って程度。
あとは、髪は白髪でちょっと、てっぺんが剥げている。
なんだか、卓球のラケットを持っていて、たまに葉子おばあちゃんと居間で、テーブル卓球を楽しむようだ。
スマホを見せてくれたが、中には一人娘と孫の写真があり、順吉さんは嬉しそうに説明してくれる。
なんでも、順吉さんは年金が少ないらしく、「俺は、、金は持ってないんだよ」と、会ったばかりの、
くるみにまでこぼしてくるのだ・・。
『はあ、これが彼氏ね、、でも、おもしろそうなおじいちゃんね』
『葉子おばあちゃんには、ピッタリかもね」
自分で、ろくすっぽ彼氏も居ないくるみは、老人の恋物語を見守ることにしたのだった。
--と、その時、
「あ、あれーー。助けて・・・!」
お茶を飲んでいた、葉子おばあちゃんが、急に床に倒れて・・ 意識をうしなっている。
「く、くるみちゃん、、どうしよう・・??」
順吉と、くるみは、、おどおどするばかりだったーー。
(続き)
春色エプロン エピソード2 〜葉子おばあちゃんの彼氏・・現れる!~