霊能探偵・芥川九郎のXファイル(77)【仙台のサキュバス編】
第1章 ラブホテル連続怪死事件
霊能探偵・芥川九郎が、仙台の東北霊能学院に在学していた頃の話である。彼はこの学院で法術や魔法の勉強をしていた。
宮沢「芥川君!いるかい?入るよ。」
芥川「うん、いるよ!どうぞ。」
芥川がいつものように寮の自室で本を読んでいると、同じクラスの宮沢政宗がやって来た。
宮沢「勉強中だったかな?」
芥川「いや。ただの読書だよ。何か用かい?」
宮沢「最近、仙台のホテル街で男性の不審死が立て続けに起こっているんだ。知っているかい?」
芥川「ニュースで見たような・・・国分町の近くだよね。」
宮沢「そうそう、それそれ。この一連の怪死事件はきっと、怪奇事件だよ。」
芥川「確かに不思議な出来事だけど、いずれも病死で、警察は事件性なしと判断したんだろう?」
宮沢「いわゆる、腹上死らしい。病死で自然死なら警察は動けない。しかし、不可解なことに、相手の女性は通報後に、煙のように姿を消している。」
芥川「それでも、せいぜい保護責任者遺棄致死罪が成立するかどうかだね。」
宮沢「この一連の怪奇事件、僕は、妖魔・サキュバスによる連続殺人だと踏んでいる。」
第2章 怪奇事件の捜査のイロハ
芥川は宮沢の推理に驚嘆した。
芥川「はぁー、なるほど。妖魔がからんでいるなら、霊能探偵が捜査するべき怪奇事件だなぁ。でも、何の証拠もないだろう?」
宮沢「僕は個人的に、この怪奇事件を追っている。あのホテル街の周辺に妖魔がいるのは確実だよ。」
芥川「妖気を探知したんだね。でも、被害者や警察からの依頼もないんだから、できることは限られているよ。」
宮沢「確かに、『私は霊能力者です。捜査にご協力を。』と言ったって、誰も理解・協力してくれないだろう。」
芥川「逆に、不審者扱いされて、警察に通報されかねないよ。」
宮沢「そこでだ!僕たち霊能探偵が夜の繁華街をパトロールし、妖魔を見つけて退治することになるわけだ。」
芥川「僕たちは霊能探偵ではなく、まだ霊能学院の学生だよ。勝手にそんなことをして大丈夫かな?」
宮沢「大丈夫だよ。悪いことをするわけではないんだから。むしろ善行だよ。」
芥川「まぁ、確かにそうだけど。」
宮沢「今週末から開始しよう。」
芥川「うん。分かった。」
第3章 夜の国分町とホテル街
こうして宮沢と芥川は週末の夜、仙台の国分町やホテル街を巡回することになった。
芥川「確かに、何かの妖力を感じるけど・・・探知が難しいなぁ。」
宮沢「そうなんだよ。夜の繁華街は、いろいろな人間の思念や欲望が渦巻いているからね。」
芥川「こういう場所には、いろいろな悪霊や魔物を引き寄せる磁力みたいなものが働いているのかもしれないね。」
二人は深夜から探索していたが、とうとう丑三つ刻になってしまった。国分町の方はまだ人通りがあるが、ホテル街は静かだった。
芥川「結局、見つからなかったね。今日はもう帰ろうか。」
宮沢「うん・・・」
宮沢が突然、立ち止まった。
芥川「どうしたんだい?」
宮沢「ようやく妖力の探知ができるようになってきた。多分、近くにいるよ。」
芥川「どこだろう?怪しい人影は・・・」
二人が立ち止まって周囲をキョロキョロ見回していると、近くのホテルから怪しい女が一人で出てきた。
宮沢「アレだ!間違いない。」
第4章 妖魔・サキュバス
芥川が少し戸惑いながら言った。
芥川「さて、どうしようか?見かけは普通の人間だよ。もし違っていたら・・・」
宮沢「芥川君。間違いないよ。挟み撃ちにしよう。」
芥川が妖しい女の後をつけ、宮沢が回り込んで正面から話しかけた。
宮沢「私は仙台の霊能探偵・宮沢です。男の生気を吸い、腹上死させている妖魔を見過ごすわけにはいきません。」
妖しい女「何のこと?お兄さん。新手のナンパかしら?」
芥川「・・・・・・」
宮沢は女の言葉を無視して、法印を結んだ。それを見た女の表情が一瞬で、激しく歪んだ。
妖しい女「おのれ・・・こしゃくな・・・」
妖しい女が正体を現した。女は宮沢の予想通り、妖魔・サキュバスだった。
宮沢「芥川君!破邪の法術だ!!」
芥川「了解!!」
宮沢と芥川は同時に、破邪の法術を使った。2つの聖なる光がサキュバスの体を貫通した。
サキュバス「ギャアーーー!!」
サキュバスは煙のように姿を消してしまった。
宮沢「やったか!?」
芥川「いや、失敗だ。逃げられたみたいだよ。僕も君も、奴の急所を外したんだ。」
宮沢「くそっ!なんてこった・・・」
芥川「まぁ、終わったことは仕方ないよ。サキュバスもバカではないから、これでしばらく大人しくしているだろう。」
宮沢「・・・そうだね。」
意気消沈した宮沢を慰めながら、芥川は寮に帰った。夜は白み始め、あと数時間もすれば朝日が登るだろう。
霊能探偵・芥川九郎のXファイル(77)【仙台のサキュバス編】