・・・そなた達の道(ケシスタン聖典・導の章)・・・



➊原土人
・単純粗野な原始的差別主義者
・優越思想に基く機械めいた差別習慣を有して居り、自ら及び自認民族の神性を無意識に信仰して居る



➋矮小土人
・差別主義的思想の有無や云々について馴染みがなく、むしろ自らの価値を相対的に評価する感覚を有しない未開人
・中でも攻撃性の強い場合と自らの評価を著しく損ねて居る場合とがあり、それらは他の存在との比較接触等によって特に顕在化する


➌新土人
・自らが差別主義者であると認めた上で意図的に或いは攻撃的に優越思想を強化維持せんとする悪性差別主義者
・原土人に比べ優越思想への自らの信仰度よりも寧ろその仮想事実の布教に重点を置く



➍半土人
・自らが差別主義者であるかも知れないことに加えその差別的思想感覚が間違って居ることをも認めつつ、当該優越感を克服できて居ない潜在的差別主義者
・自らが土人ではないとする意識を最も不当に有して居る存在でもあり、土人の中で多数を占める勢力でもある



➎小土人
・差別主義思想への反対意識を克服し、人類史を自然現象として捉える景勝的観念も有して居るが、その上で他への劣等感を克服できて居ない新未開人
・自らの価値に対するいわば信仰という感覚が元来より不足して居るため著しく潜在的智性を欠いて居り、他の差別主義的土人よりも更に未開な存在である


➏旧土人
・自他への差別主義思想を完全に克服しその状態の維持に責任ある意識が芽生えた非土人
・しかし景勝的観念を有し得て居ながらも民族間の完全平等や世界友愛的発想に基く過剰な水平思想を良かれと思い抱いて居る


➐景勝人(黎明人)
・いかなる差別的意識をも完全に克服し、景勝観念に基いた上でそれぞれの価値の最大化と相変らずの競争を意識的に且つ平和的に推進支持する非土人
・すなわち自他への如何なる偶像崇拝をも克服した真の宇宙信仰者であり、銀河人と謂うこともできよう


➑地球人
・景勝的観念(つまり無差別、価値自認、競争的非平等、愛国主義の否定と景観主義への偏重)によって及びそれのみによってやはり全世界は統一されるべきとして意志を抱いた旧景勝人
・統一世界に於ける景勝観念の監査を行う景勝警察(もしくはそれに類する組織)を世界政府とせんとするが、景勝人はこれを嘲笑し、地球人はまたその反応を軽蔑する


➒太陽人
・景勝観念を持つか或いは持って居たが、敢てその中でも自らの価値の自認尊重のみを重視し強調した思想亜人
・そして太陽人のそれぞれの価値及び宇宙世界が結集した新たな宇宙(国)を仮想空間上にて形成し存在させ続けることができれば、現実世界で如何なる不幸不遇が降りかかっても構わないとする


➓宇宙人
・一見すると景勝世界を経た高度な宇宙文明の住民のように思えるが、実際は隔世遺伝的な強い差別主義を持ち、景勝観念を忘却し、利害の一致しないすべての存在への強い侵掠慾を有する
・肉体が尚もそこにあり技術的にも依然として可能とはいえないのにも関らず自らという存在がもはや仮想世界上に於てのみ肉々しく生息できるかのような確信を持ち、既に自らの肉体への関心を失って居るか失おうとして居るため保健衛生や着衣などの人間らしい文化習慣を捨ててしまった 視界は常に仮想世界によって占拠され、宇宙人以外の他者から見れば最悪の場合は異臭を纏い頭部を制禦された全裸の廃人というほかはない


⓫彗星人
・宇宙がこの上なく広いということで、ただ只管に遠くへと届くことだけを考えて身を修めた閃光物体
・もちろんこと肉体は削ぎ落されたが、当初にはほぼ光速での宇宙旅行に支障はないと思われた心的機能もそれによって人間の感覚からすれば本来は恐ろしい宇宙の深淵への突入を逡巡してしまう可能が充分に考えられたことで最終的には投棄された
・それは良いが、ところで宇宙の深淵だの果てだのといっても具体的に一体どこへ行こうというのかと言われると見当もつかず、実際は一方的に宇宙の何かに引きつけられ吸い込まれて居る途中であることを察するに至った
・察したものは今により大きな閃光を放ち、恒星などどこにも無いところで恰も恒星に突入したかのように燃え尽きたかのようになったかのようになったという



⓬光
・輝けるし、導ける自身、それ以外の何者でもない
・行き過ぎて居ると言われても可笑しいし、もっと輝けるだろうにと言われても逆にそれも可笑しい気がする
・可笑しいことに、彗星のような推進力を失う代りに今一度にも心を取り戻し立ち直れるような気もするが、もしかして嘗て彗星が失ったのは飽く迄も心の機能であって心の本体そのものではなかったということか?

また光は、自らの一部たる次の各周回物体を伴って居た
※潤
自らが今の自らであるからして必要と思われる何時かのための水分補給用的な普通のノリの自分であると同時に、やはり心のどこかでは欲して居る癒しとしての美しく瑞々しいビオトープ的な観賞物でありもする しかし、軈て光自身の個人的闘争と癇癪によって滅ぼされることとなる
※レハ
嘗ては潤った豊かな地表を有して居たと思われる赤黄土色の涸れた物体 何も望んでそこにあるわけではなく、気づいたら潤の少し外側で勝手に自分の周りをまわって居た
※ドン
その成分が役に立つかは知らないが、いざという時にはこの物体を構成する厖大なガスを自らのエネルギー増幅の足しにしようと計劃して居る
※ワ
自分がいつか出したかも知れない無数の破片によってできた巨大な輪を持つガス物体 しかしその輪は徐々に物体の首を絞めるかのように縮み始めて居るように見え、その様子を窺う度に将来が不安になる


⓭燦(サン)
・忌わしき潤を滅ぼして齎され残された喪失感と無理に膨脹した自身の体躯を目の当りにし、一周まわって「神」への怒りがこみあげてきて、自称核エネルギーへと変貌し或いは変貌しようとする非人
・神への怒りという名目を以て然うした自らの間違った願望や判断を覆い隠さんとするご都合主義的なエネルギー物体となって光量を増し、肉体は千切れ、軈て前向きな爆発を起す


⓮烈(太陽エネルギー物体)
・また再びに肉体を失った
・肉体があってこそ「知」や「智」は「心」と結びつき「心」と呼ぶことができたのであるということに気づき終始もがき苦しんで居る
・爆雲となって銀河を漂えど当初はその周囲へ周囲へと飛び散らんとするエネルギーそのものがまだ自分自身であったが、何れ爆雲が間延びし合間合間に宇宙規模の隙間が空き始めると一区切りづつの爆雲がつまり心という実体の最期の肉片となり、ついに自身の本体すべてを失ってしまった


⓯雲(爆散物体)
・暫く掴みどころのない汚れた暗雲として宇宙を漂い過ごすこととした
・ところが雲の所々ごとに濃淡があって斑がある上に必ずどこかしらで綿菓子のように絡まり固まる箇所が出てくる
・少しでも時間が経てば刻一刻と状況は変っていってしまうということであり、また自身たちもまたちょっとでも長い間まったく何も変化の無い暮らしと状態を続けそれがいつしか永遠となってしまうかも知れないことへの恐怖心が否定できないので不安でありつつも逆らえないこの成行にそっとその身を委ねたのである


⓰白亜人
・一周まわって今更ながら静かにしてみようとして静かになった爆散残骸
・どう考えても人ではないが、落ち着きを取り戻し周囲への気遣いという妙な人間らしさを突然に思い出したようであるため意義的に斯う呼ばれる

また白亜人は常に次の各周回物体を伴って居た
※豫
今になって漸く持つことができた、自分の完全なる豫備分身 同じく白く眩しく収縮した姿をしつつも、そこにはどこか青みを帯びた気配を感じる これが果して自らの黎明を告げる要素なのか将又、腐ったチーズの青いやつみたいな腐った何かなのかは分らない


⓱銀河代理人
・他の白亜人に対し「そのような弱い光では傍から観てもとても銀河の光に貢献して居るようには思われない。しかし私に身を任せイイ意味で一旦は粉々となり銀河の運営にその白く美しい細粉たちを提出すれば、あなたは間違いなく銀河の光の一部となることができよう。」と語りかけ勧誘し、言うことを聞いて粉々になった白亜人を貪り食う怪物
・いつからか、或いはこの存在姿になった瞬間からもう他の如何なる存在にもなれないことを半ば察し、このままでいくことを腹に決めることで更に凶暴になり腹を空かせるようになる


⓱闇黒紳士
・自らの惨めさや孤独そして銀河代理人の勧誘脅威などから逃れ逃れ在り永らえることで次第に宇宙の深淵へ迷い込み、気づけば生も死も無い代りに存在して居るのかすらも分らないような闇黒物体と化かされた旧白亜人
・もしそのようにして生きていくなら、宇宙銀河のこれからの数億数兆幾年の盛衰を見届けられることを喜びつつも未だ辛うじて光ではある光たちへの嫉妬羨望を封印しなければならないということで、つまりその永遠の課題に悩まされ苦しみ生きてゆくことになる


⓲アクトペクス
・光としては粗悪な白亜片を天文学的に貪り蓄えたことで銀河の中心であるかのような状態を得、そして自らが宇宙の主であるのをいいことに自らが正義たる宇宙防衛戦争をでっちあげ、得体の知れない闇黒的怪物への抗戦を銀河中へ呼びかけた
・銀河のどんな遠方からもその中心たるに相応しい白亜の巨光を観ることができ見知って居た数多の光たちは正義の主との共闘を誓い、ありとあらゆる宇宙の敵と思しきすべてを撃退し討ちのめした
・しかしそれらの力だけでは果し得なかった勝利を知り、その所以たるエストシャーナとの恋に落ち、結ばれる
・正義戦争には少なからぬ犠牲を出したが、銀河中が彼の正しさ(美しさ)に屈服し祝福せん
・彼はところどころで自らの過失により謂れの無い犠牲を出したりしたが、だからといってそれを気にしても仕方がないこととなった
・彼は銀河中の同志が集い戦捷を祝う式典に出席せんとしてそちらに向かう時、名も無き星屑や同志たちを踏んづけたり吹き飛ばしたりしたが、本人は気づいても見て見ぬふりをするか本当に気づいて居ないこともあったりした
・彼はそれ以上にそもそも大勝利を飾る偉大さを兎にも角にも銀河中へ見せつけた
・彼はそれにしても幾らかの過失を犯し幾らかの犠牲を出してはしまったが、そんなことを知る者はきっと居ないことだろう


⓲エストシャーナ
・力を得ようとし力を誇示しようとし力を拡げようとすれば必ず世間(銀河)という質量の大きい物理存在との間でその自らの力を共有したり分け与えたりしなければならなくなるため、許しや愛によって宇宙を救うというもしかして誰も本気でやろうとして居ない命を懸けた革命活動を心に決する
・だが許しによって愛によってアクトぺクスの正義戦争勝利に貢献したいと考えた者たちは銀河中を探せば幾らでも居るのであり、結局は然うしたもの達によるとても美しいとは言えない血みどろの暴力的競争が繰り広げられ、結局は誰かがこれを勝ち抜き生き残った
・戦いの跡も戦捷の痕も戦いを勝ち抜いたという物騒な暴力的證拠もごまかし消し去るために、ここでこそ許しと愛を敗北者たちへ振り撒かんとし、たとえ拒否されようとしても勝者たる支配者たる事実と特権を以てすべての都合の悪い美しくもないものをもみ消し隠した
・銀河にひとりだけ許しと愛によって平和を信じて居るように見えるこの強者に惹きつけられ魅了されたのがアクトぺクスである


⓲フミレフミ
・正義戦争による「過失による犠牲」の結晶体
・例えば作戦星団による攻撃作戦に於ける「ささいなミス」による犠牲だったりする
・例えば人違いによる袋叩きや魔女狩りの犠牲だったり後にもみ消された単なる憂さ晴らしの虐殺の犠牲だったりする
・例えば戦争の転換点と目された空前の大作戦の大勝利を演出するためにわざと敵であるかのように仕立てられ惨殺された犠牲だったりもする

・・・そなた達の道(ケシスタン聖典・導の章)・・・

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  • 自由詩
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-07-16

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