zoku勇者 マザー2編・37

地底大陸編・1

翌朝。
 
「ジャミル、往生際悪いよ、観念しなよ……」
 
「嫌だ」
 
「もうっ!多可が図書館に本を借りに行くだけでしょ、
何が嫌なのっ!」
 
「……ねむいよお~……」
 
「おい、お前達何をやっとるんだ、もう出発する時間になるぞ……」
 
いつまでも下に降りてこない四人を心配し、博士が2階までやってくるが。
4人は廊下で何やら揉めている様子。
 
「だってさ、俺、図書館見ただけで……、目まいはするし、頭くーらくらの
ふーにゃふにゃのげーろげろで……、とにかく駄目なんだよ……」
 
ジャミルがアルベルトに意味不明の説明をするとアルベルトは
眉間に皺を寄せた。
 
「はあ、君の言いたい事は何となく分ったよ、要するに図書館が
嫌いなんだね……」
 
「そ、だからさ、俺、オネットの町ん中でハンバーガーでも
食ってるからさ、無口を治す本、お前ら借りて来てくれよ……」
 
「そんなにまで嫌われちゃって……、図書館さん可哀想……、でもっ!
一人で遊んでるのも駄目よっ!皆で一緒に行くのっ!」
 
「は、はい……」
 
アップで迫るアイシャに脅され、……仕方なしにジャミルが承諾した。
どうにもアイシャには尻に敷かれる場合が多い男である。
 
「すう~、すう~……」
 
「ぷう~?だうどくん、またねました?あさ、おきるですよー!」
 
又夢の中に入ってしまったダウドをどせいさんが大きな鼻で
突っついて起こした。
 
「話は纏まったかの?朝食を用意したよ、下で食べて行きなさい、
朝ごはんは一日のスタートを切る大事な仕事だからの」
 
「おお!博士気がきくー!」
 
「……たく、調子がいいんだから……」
 
「本当よ……」
 
「朝ごはん楽しみだよおー!何かな、コーンフレークかなあ?」
 
「……あんドーナツ大盛りぢゃ」
 
「……」
 
アルベルトがスーパーバズーカを部屋まで取りに行こうとした為、
他の3人が慌ててアルベルトを取り押さえた……。
 
「冗談だが……、お前、からかうと本当に面白いな、ちゃんと
トーストが用意してあるぞ……、プッ」
 
「……人を構うのもいい加減にして下さいっ!アンタ、ホントに
早死にしますよっ!!」
 
「♪ほほほ~!」
 
……博士は面白がってそのまま下まで逃走していった。
 
「あーあ、たく、どうしようもねえ親父だなあ~……」
 
やっぱり、DXスターマンから助けた事をほんの少し後悔する
アルベルト……であった。
 
下の階の食堂まで行くと、すでにアップルキッドが席に着いており、
もりもりと朝ご飯を頂いていた。
 
「あ、皆、お早う!」
 
「お早うなのだー!」
 
「おう、随分早いな……」
 
「僕も今日から此処で本格的に博士のお手伝いをさせて貰います
んで、しっかり栄養を取らせて頂かないと!もぐもぐ、あっ、
バルーンモンキー君は昨夜奥さんが迎えに来て、しこたま
ボコボコに殴られて帰ったそうですよ!博士が言ってました!
もぐもぐもぐ……」
 
「そうか……」
 
アップルの突き出た腹を見つめながらお前は栄養取り過ぎだっての、と、
思いつつ、ジャミル達も席に着く。4人はトースト、サラダ、ミルク、の
3点セットの朝食をしっかりと頂いた。
 
「ああ、美味かった!」
 
「ご馳走様でしたー!」
 
「良かった、本当に又あんドーナツじゃなくて……」
 
「美味しかったよおー!」
 
「……さあ、飯もすんだの、そろそろ行きなさい、助かっただの
助けられたのなどはもう過去の事だ、わしは引き続きスペース
トンネルの完成を急がねばいけんからの」
 
丁度朝食を食べ終えた4人の処に博士がやってきた。
 
「僕もサポートさせて頂きますので、大丈夫ですよ!行ってらっしゃい!」
 
「頑張れなのだー!」
 
「うほうほ、気をつけてね!」
 
「ぷう~、みんな、がんばるますですよ。」
 
「……ああ、行ってくる!」
 
博士と、頼もしい?仲間達に見送られながら、4人は気持ち新たに
研究所を後にし、冒険へと再出発する。まずは無口を治す本を借りる為、
オネットの図書館へテレポートで向かう事に。
 
 
~オネット、図書館前
 
「此処に戻って来るのも久しぶりだね、オイラこの町にいた時は
殆ど犬の姿だったし、ジャミル……、ねえ?……ジャミル?」
 
「お、おええ~……」
 
「……」
 
ダウドがジャミルに話し掛けると……、既に建物を見ただけでジャミルが
吐き気を催していた。
 
「オーバーなのよっ、もうっ!ほらほら、中行くわよっ!」
 
「勘弁してくれええ~……」
 
やはりアイシャはこういう時強い。ジャミルをズルズル引きずって
図書館の中に連れて行く。
 
「♪うふふ~、図書館、図書館~!」
 
「はあー、駄目だこりゃ、次、行ってみよう!」
 
急に濁声を出しながらダウドも皆の後を追うのであった。
 
 
「やあ、ジャミル君、久しぶりだね!」
 
「……誰?アンタ……」
 
アイスホッケーマスクを着けた変な青年が近寄ってきた。
 
「ぼ、僕はジェイソン君です、ずっとこの図書館にいたんですよ、
初対面扱いなんて酷いなあ~……」
 
「だって知らねえもん、これ書いてる奴が今回、初めてアンタの事
書いたんだろ……」
 
「も、もういいよ……、無口を治す本を借りに来たの?この図書館の
何処かの棚に有る筈だから……、頑張って探してください……、うえーん!」
 
空気扱いされたのがショックだったらしく、ジェイソン君は泣きながら
何処かへ行ってしまった。
 
「何だよ、知らねえモンは知らねえっての、……うっ!ま、また
吐き気が……」
 
「こ、この図書館の何処かに無口を治す本が有るのは分かって
るんだよお~……、問題はその本が置いてある場所なのにさあ~……」
 
「頑張って探すしかないわよっ!」
 
「うへええ~……」
 
「本、本~、本がいっぱい……、幸せ……」
 
4人は徹底的に図書館の本棚漁りを開始したのであった。
 
 
「……ううう~、吐くうー、吐くううう~……」
 
「困ったわね、これじゃ本が探せないわよ……」
 
「やっぱりジャミルだけ外に置いてきた方がいいんじゃない
かなあ~……」
 
「それは駄目よっ、皆で協力してこの広い図書館から本を
探すんだから!」
 
アルベルトはよっぽど本に触れられるのが嬉しいらしく、興奮して
何処かに行ってしまった。
 
「私ももう少し、広い範囲で探してみるから、ダウドはジャミルの方、
お願いね!」
 
「あ……」
 
アイシャはジャミルの介護をダウドに任せ、別の棚まで本を探しに行った。
 
「真面目だなあ、アイシャは……、ンモ~、それにしても……、さ」
 
「おえっ!おえっ!」
 
この人、どうにか出来ないもんかな……、とダウドは思うのだが。
 
「ふうう~、……あっ、ジャミルっ、こっちこっち!」
 
「何らっ、バカダウ……、むっぷ!」
 
「こっちだってば!」
 
酔っている為、喋ると少しでも吐き気が来ているジャミルを……、
ダウドはある本のブースまで引っ張って連れて行った。
 
「これ見て息吹きかえしな!はいっ!」
 
「だから何……、あなたの震えるP~……、あはん、うふん、
洩らしちゃ駄目なの……、お、おおおっ!!
すげええええーーーっ!!おほおおおーーっ!!」
 
「……」
 
青年向け、アダルト雑誌コーナーであった。さっきまでゲロっていた
ジャミルは途端に息を吹き返した……。
 
「……おほっ、おほっ、おーほほほほっ!」
 
「……坊や達はまだ此処は立ち入り禁止、駄目だよっ、こらっ!」
 
しかし、見回りの司書により、ジャミルとダウドはブースから
あっさり追い出された。
 
「何だばかやろっ!俺は中身は成人だっつーのっ!」
 
「そんな事訴えても分からないよお~……」
 
しかしというか、やはり性の力は大きく、ジャミルを吐き気から
立ち直らせてしまったのである。
 
「あら?ジャミル、元気になったの?」
 
丁度、別の場所で本を探していたアイシャが戻って来た。
 
「ま、まあな、何とか慣れちまったよ……」
 
と、いいつつも、手は……股間をしっかり押さえて。
 
「プ……」
 
「そう、良かった、これでジャミルも本ちゃんと探せるわね、
しっかりしてね!」
 
「お、おう!任せとけ!」
 
アイシャは再び別の場所へ移動する。……ジャミルは吹きだした
ダウドの足をむぎゅっと踏んだ。
 
それから丸数時間掛け、4人はどうにか無事、無口を治す本を
大量の本棚の中から探し当てたのであった。

無口を治す本を手に入れた4人。さっとグミ族の村へと戻り
長老の所へ。
 
「よく来た、おお!それ、無口治す本、それあれば皆無口治る、
わし、皆に読んで聞かせる、貸して」
 
「ん……、どぞ」
 
ジャミルが本を長老に手渡す。長老は暫く本に夢中な様であった。
 
「……よし、これで皆無口治った」
 
「……ええええーーっ!!」
 
「ペラペラペラ!」
 
「ペラペーラ、ペラペラ!」
 
……長老が本に目を通しただけで、……グミ族の無口が全員完治したらしい。
 
「おかしいだろ、どう考えてもよ!」
 
「ま、まあ、ジャミル……、これでグミ族さん達はお喋りになったんだし、
色んな話が聞けると思うよ……」
 
「そうよ、あまり深く考えない方がいいわよ」
 
「うんうん」
 
アルベルトはそう言うが、ジャミルは何だか納得出来ない様子。
 
「これ、アンタ達にあげる、グミドリアン、とっても臭いけど、
グミ族は皆大好き、美味しい果物!」
 
「……くっせえええーーーっ!!」
 
……4人はひっくり返って倒れた。人間にはあまりに臭すぎるので
グミ族のコックさんに調理してもらい、臭いを完全にとってお皿に
盛りつけて貰った。
 
「これなら食えるわ!……うめええっ!さっきまでのウンコの
臭いが……、嘘みてえ……」
 
「美味しそうね!……いただきまーす!」
 
「うん、いけるよ!」
 
「……もぐ、おいひ~い!」
 
ジャミル達は丸くなって座り、切ってもらったグミドリアンを
突っつき合ってパクパク食べた。そこへガチャガチャと、湯飲み
茶碗を抱えたグミ族が。
 
「折角だ、一緒に茶も飲め」
 
「すみません、お気を遣って頂いて……」
 
「変わった色のお茶だよお~……」
 
ダウドがくんくんと……、お茶の匂いを嗅ぎ、湯飲み茶碗に口を付ける。
 
「あっ、美味しい……」
 
「どれどれ?」
 
ジャミル達もお茶に口を付け、一気に飲み干す。
 
「はああ~……」
 
お茶でほっこりする4人。……まるで若ジジババの茶飲み会の
様な雰囲気に……。
 
「お前達に、変なメッセージ届いてる……」
 
先程のお茶を淹れてくれたグミ族が電光掲示板の様な物を持ってきた。
 
「???」
 
 
まるで、不細工なタピストリーの様に
 
物語の縦の糸と横の糸とが
 
出会い
 
別れ
 
絡まり合って
 
大きな絵が現われてきた。
 
君はこれまで幾度となく
 
この果てしない旅を呪った事だろう。
 
傷つき、倒れた事だって
 
数えきれないほどあったのだと思う。
 
それでもそれを乗り越えられてきたのは
 
君に元々備わっていた智恵と勇気のお蔭だ。
 
仲間達と信じ合い、励まし合い、……どつき合い、
 
泣き合い、……共に殴り合いをし、友情を深めてきたお陰だ。
 
 
「……殴り合いなんかしてねーっつーに……」
 
 
君の力がどれほど大きくなったのか考えて見た事があるかい。
 
 
「ねえな……」
 
 
少しでもいいから考えて頭を使ってくれ。
 
 
今ならば、シン・ゴジラとも互角に戦えてしまうのであろうね。
……国会議事堂をバット一撃で破壊してしまう事だって可能だろう。
 
 
「……無理だっての!」
 
 
今の君にツーソンやオネットで出会った敵が襲いかかって来ても
きっと一撃で倒してしまうのだろうな。
 
もう戻る事は出来ない。
 
明らかにギーグという、とてつもない敵は
 
ジャミル!君を怖れている。
 
君の前進を妨げようとしている。
 
これからの先の旅は、今まで以上にスケールの大きな想像を
絶する旅になるだろう。
 
ギーグのふところへ、君は確実に近づいているのだ。
 
君が辛い場面は敵も苦しい場面だ。
 
それをいつも覚えていてくれ。
 
それにしてもあのブタ……、ポーキーは何処へ行ったのだ。
 
お茶を飲んだらまた出発だ。
 
運命は君を良い方向、良い方向へと導いてくれる。
 
信じて、前へ!
 
おバカで能天気のジャミル!
 
ジャジャ馬のアイシャ!
 
腹黒のアルベルト!
 
……そして、新入りの元わんこ、ヘタレのダウド……。
 
 
君達に幸運の女神がいつも微笑み掛けています様に……。
 
 
「だから、余計な事まで言わなくていいんだっての、たく……、
一体誰なんだよ、変なメッセ飛ばしてくんのは……」
 
汗をかきながらもう一つ、もう一つと、グミドリアンをぽいぽい
口に入れるジャミル。
 
「ちょっと!ジャミル一人で食べ過ぎだわっ、私にもっ!」
 
「ずるいよおお~!」
 
「無くなっちゃうじゃないか!」
 
グミドリアンで揉めだす四人。それを見ていたグミ族のコックが
近寄ってきた。グミドリアンに包丁を入れてくれたコックだった。
見ていて気の毒に思ったのか。
 
「これ、土産に持って行け、もう一つ、やる」
 
「へ?え、いいよ!直に貰うのは……って、ああーーっ!」
 
「よいしょ、遠慮するな」
 
コックはジャミルのリュックに無理矢理素のままのグミドリアンを
入れ込もうとした。
 
「臭いわっ!近寄れないっ、ジャミルっ!」
 
「……ぎ、ぎみは……、ばえみづとびい、臭うぼのにべんが
ばるのがな……」
 
「くっさああーーっ!!」
 
「勘弁してくれよっ!まんまじゃ臭くってよお!」
 
「だな、仕方ない、又切ってやる……」
 
親切なコックは再びグミドリアンを切ってくれ、入れ物に入れて、
持ってきてジャミルに渡してくれた。
 
「ふう、助かった、……ありがとな、また腹が減ったら頂くよ」
 
「うむ、大事に食べてくれ」
 
「ジャミル一人で食べたら駄目だからねっ!」
 
「平等にね……」
 
「皆でだよお!」
 
「分かってるよ、たく、臭いがなくなったらこれだかんな……、さ、
力持ちのグミ族さんの所に行こうぜ、地下への道を塞いでる岩を
どけて貰わねえと!」
 
「……待って、やっぱりこのまんまのも持ってった方が
良い気がする、何かの役に立つかもだから、もってけ……」
 
コックはどうしてもと、素のままのグミドリアンをジャミルに
押し付ける……。仕方ないので、はえみつの時同じく、臭わない
様に……、ビニール袋ン重巻きにして。
 
「しかし、何でこうなるんだ……」
 
 
4人は力持ちのグミ族がいる場所まで移動した。……力持ちのグミ族は
身体を動かしウォーミングアップをしていた。
 
「来たな、今この岩どけてやる!ふんっ、ふんっ!」
 
力持ち……、マッチョマングミ族はムキムキの筋肉を
上下左右にぴくぴく動かし、ボディビルダーポーズを取る……。
 
「……ぽっ、きゅうう~ん……」
 
ジャミルがちらっとアイシャの方を見ると……、アイシャはキラキラと
目を輝かせて。……以前に彼女が異様に大切に持っていたアニキ君の
ぬいぐるみといい、アイシャはこの系統が好きなのかもしれなかった……。
 
「ふんっー!私は力持ちいいいーーっ!だから自慢したいいいーーっ!!」
 
「おおおおっ!!」
 
遂にマッチョマングミ族が岩を持ち上げた。そしてそのまま、
岩をひょいっとほおり投げた。つい、力を入れ過ぎたらしく
尻から何か音が出た様だったが、ジャミル達には聞こえな
かったらしい。
 
「どうだ、……この下、地底大陸。さ、いくがよろし。」
 
「素敵っ!力持ちさん、素敵っ!」
 
「お?じゃあ、あんた私の嫁になるか?はっは!」
 
「じゃあ、お嫁さんに行っちゃおうかしら!うふふ!」
 
「……オメーもいい加減にしろっ!早く地底大陸行くんだっ!」
 
「何でジャミルが怒るのよう!」
 
「うるさいっ!」
 
「アイシャは……、結構……、逞しい男性が好みなのかな……?」
 
「みたいだねえ~……」
 
くすくす笑いながら話をするアルベルトとダウド。ジャミルは完全に
ドタマに来ている様であった……。

「この下から……、地底大陸に行けるんだな、よし、皆行こうぜ!」
 
「最近みんなお喋りになっちゃって、私の独自性が薄れてきて
しまったんでござーますのよ……、こうなったら今以上にお喋りに
なりませんと!」
 
側でブツブツ文句を言っているのは、前にグミ族の中で唯一
ベラベラお喋りだったグミ族だった。
 
「いよいよ未知の領域突入か、もうこの先本当に何が起きても
おかしくないね……」
 
ずり落ちたメガネを上げてアルベルトがまじまじと穴の先を見つめる。
アルベルトは考え事があるとすぐにメガネがずり落ちるらしい。
 
「ねえ、オイラ此処に残っちゃ駄目……」
 
「何か言ったか?」
 
「……何でもないですよお……」
 
「よっ!……ほっ!……ふんっ!マッチョマッチョ!」
 
「……」
 
「だからっ!オメーはんな教育上悪いモン見なくていいん
だってのっ、行くぞっ!」
 
この間も図書館で噴気して暴走していた奴に言われたくないであろう。
 
「何よっ!いいでしょ、ジャミルのバカっ!」
 
尚もファイティングポーズを取っているマッチョグミ族を
じっと見つめるアイシャをジャミルが引っ張って行こうとする。
 
「その前に……、交換屋のとこに行ったか?色んなアイテムと
交換してくれるぞ!……ピク、ピク、ピク……」
 
「交換屋ねえ~……、まだそんな所が此処にあったのか」
 
穴の先に降りる前に、交換屋とやらを訪ねてみる事にした。
ダウドは取りあえず一安心。
 
 
「よく来たな、おれ、いのちのつのぶえほしい、これやるものリスト、
……いのちのつのぶえ1個につき、1商品と交換してやるぞ」
 
交換屋のグミ族はやるものリストをジャミル達に見せた。
 
※やるものリスト
 
そまつなパン
そぼくなヨーグルト
そまつなパン
スパイシー干し肉
ドラゴンパウダー
まふうじのコイン
さいこうのバット
 
 
「なになに?これ、くれんのか?」
 
「……ちいさなメダル……、みたいな物なのかなあ?」
 
「ダウド、何か違う様な気がするんだけど……」
 
「いっぱいあるのね、……いのちのつのぶえは……、確か
サターンバレーに売ってたわよね……」
 
「上のは要らねえ……、した、した、一番下の……」
 
ジャミルが興奮しだした。特に……、最後の景品がお目に
とまってしまった様で。
 
「いいんじゃないかなっ!?……少しでもジャミルの攻撃力が
上がるならっ、良い武器は必要だよお!ね、ね、ね!?」
 
「おう、ダウド!分かってんじゃねえか!流石、長年の俺の相棒!」
 
「はあ……」
 
アルベルトには大体、ダウドの考えが分かっていた。地下に行きたく
ないので、少しでも多く地上に留まりたい為の時間稼ぎである。
 
「アイシャはどうする?」
 
「え?私は別にどっちでもいいけど……、そうね、捕まっていた
どせいさんの無事をちゃんと仲間のどせいさん達にも報告しなくちゃ!」
 
「よっしゃよっしゃ、じゃあテレポートでサターンバレーに行くべ!」
 
異様に張り切っているジャミル。こういう時は……、大概碌な結果に
ならない事も何となく、アルベルトは感じ取っていた。とにかく4人は
一旦グミ族の村を出て、ダウドのテレポートβで再びサターンバレーへと。
 
 
~どせいさんのお店前~
 
「私、みんなに研究所にいるどせいさんの事を報告してくるね、
ゆっくりお買いものしててね!」
 
「おう、宜しくな!」
 
アイシャはとてとてと走って行き、ジャミル達男3人は店の中へ。
 
「いらっしゃいます。」
 
「……1780ドルか……、前に見た時は高くて買えなかったから
ほおっておいたんだけど……、でも今なら!」
 
「リストにある商品は全部で7つ、……いのちのつのぶえは1個、
1780ドル、……合計で12460ドル掛るけど……」
 
やめた方がいいんじゃないかなあ~……、と言う目線で慎重派の
アルベルトがジャミルの方を見るが、ジャミルはすでにキャッシュ
ディスペンサーの方へ行ってしまった。
 
「ドル降ろしたぞ!これでいのちのつのぶえ7個分くれ!」
 
「ぷう。まいどです。」
 
結局、やる物リスト品交換用のいのちのつのぶえを購入して
しまったのである。
 
「僕、知らないよ……」
 
「♪~ふふふ~ん!」
 
浮かれて店を後にするジャミルを……、アルベルトが複雑な眼差しで
見つめるのであった。
 
「さて、アイシャの奴を迎えに行かねえとな、何処いったんだ?」
 
「あそこにいるよお……」
 
「……?」
 
ダウドが指差す方向を見ると……、広場でどせいさんに囲まれたアイシャが
輪の中心で一緒に歌を歌っていた。
 
「♪ぷう~、ぷ~、ぷう~。」
 
「♪ぷうー!ぷうー!ぷうう~。」
 
「……白雪姫と小人さん状態って言うか……、その……」
 
「あはは!絵になるじゃん、可愛いねえ!」
 
「……ぷうぷうやかましいな……、おい、アイシャ、帰るぞ!」
 
「あ、お買いもの終わったの?じゃあ、帰るね!みんなまたね!」
 
「ぷうう~。」
 
大量のいのちのつのぶえを抱え、4人は再びグミ族の村へと
戻った。
 
「おお、それ、いのちのつのぶえ!よしよし、やるものリストの品、
みんなやる」
 
「あのさ、上の3つ要らねえから……、その分、そっちにいのちのつ
のぶえを渡す個数……、削ってくんね?……駄目?」
 
「駄目っ!いのちのつのぶえは、全部よこす!じゃ、ないとこっちも
品やらない!」
 
「駄目かあ~……」
 
全品交換契約約束で、一番要らないであろう、粗末な食い物セットを含め、
全品を4人は受け取った。
 
「おお、これでいのちのつのぶえ大量にたまった、おれ、満足、
あんたらも、満足」
 
「……えへへ、新しいバットちゃーん!これでげしげし敵ブン殴って
やるかんね~!」
 
ジャミルが最高のバットにスリスリした。実に幸せそうな表情である。
 
「ジャミル、良かったわね!」
 
「でも、これでもう……、地底に降りるのかあ~、とほほ~……」
 
「ダウドったら、もう戻って来れない訳じゃないんだから!」
 
「……だってえ~、危険な場所に行くからには……、そういう覚悟も
必要だよお~、……オイラ、全然覚悟出来てないけど……」
 
「ネガティブになっちゃ駄目よ!ほら、ポジティブに、ポジティブに!」
 
「はうう~、アイシャはいつも前向きでいいねえ~、羨ましいよお~……」
 
……んでもって、粗末な食い物セットの処理……、せっかく手に入れた……
さいこうのバットの攻撃力が大した事なかったのにジャミルが気づくのも
時間の問題であった……。毎度毎度の懲りないパターンである。
 
「……ちーきーーしょおおおおーーー!!何だこの野郎!!」
 
「だから僕、言ったのに……」

zoku勇者 マザー2編・37

zoku勇者 マザー2編・37

SFC版ロマサガ1 マザー2 クロスオーバー 年齢変更 ジャミル×アイシャ カオス ギャグ 下ネタ

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-07-16

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二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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