細い糸

切れることなく続く

時々、私以外の者が私の姿を顧みる

なんて無様なんだ、何とかならないのかと囁く

私は糸を手繰り寄せる

一本しかない細い糸

眼を開けると鳥がいた

私は鳥が現れた理由を求めて小さな旅に出た

小さな動物園に辿り着いた私は、再び鳥と出会った

無口な鳥は私に背中を向けたまま、何も言わなかった

終りは始まりへと続く

旅から帰った私は鳥の姿を忘れないようにと写真を飾った

いつも見えるところにその写真を飾った

岡本太郎の痛ましき腕が掴んでいる糸は可能性を表しているのだろうか

私は時を刻む時計を見る

細い糸は時計の内へと続いている

可能性は希望なのだと私は拡大解釈を試みるのだけれども挫折しそうになる

鳥は語りかける

あなたはその糸を離してはいけない

あなただけの事実は、あなただけの大切な糸なのだと




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糸は曲がり、その先は見えない

安物の概念を胸に、私は気張って歩いてゆく

私は時々、時計を見る

ある時、時計は止まってしまった

その理由は電池切れだった

だが、それは見事なまでの客観の一コマであり、来るべき事実の証明だったのかもしれない

矛盾する心を抱えた痛ましき腕は、糸を握りしめている

無目的に生きるという生の根源から続く永遠の糸を力強く握りしめている

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青年向け
更新日
登録日
2026-07-11

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