2026.7.6

「どうしてそれまだ吸ってるの?」
「祈ってるんだよ」
「昔の男に?」
「違う、私が、私に」
「変なの、全然そんな風に見えないのに意外と可愛いところあるんだね」
それ次言ったら殺すからという言葉と一緒に男は吸い殻を投げつけて冷蔵庫へ向かう。
「そうやって怒ったら手に持ってるもの投げるの危ないからいい加減やめなよ、火事にでもなったらどうするの」
そう呆れながらも本気で怒るでもなく分かっていたかのように掃除を始めてる男を見て不憫だな、と思いながらハイボールを取る。
「ねえ明後日誕生日なんでしょ?なんか欲しいものないの?」
「どうしたの急に、てかよく覚えてたね」
「だってほら、ここに書いてあるから。」
と冷蔵庫に貼ってあるカレンダーを缶で小突きながら答えると
「なんだ、やっぱり興味ないんじゃん」
「別にそんなことないけどさ、で、なんかないの?」
「んー、あんまり人から物貰うのって好きじゃないかもしれない。特に女の人からは」
「どうして?呪われそうだから?」
男は少し黙って考えるような素振りを見せた後に
「それも無いことはないけど、何も返せないからかな?人の善意に報いることができないし。」
「ハハ、馬鹿じゃないの?そういう時ぐらい人のこと財布だと思って欲しいもの強請っておけばいいのにね」
「じゃあブラックサンダー箱で欲しいかも」
「馬鹿だろ、それぐらい自分で買え」

2026.7.6

2026.7.6

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-07-06

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