とある漫画家のお話

自分の作品に苦しめられ、自分の作品に愛を感じた漫画家のお話

自分は漫画家だ








バイトをしながら漫画の原稿を持ち出し、断られてはまた別の所へと差し出して回ってゆく。

断られても次の所へ持って行き、また断られても次の所へ持って行く














するとある日、自分の漫画を受け入れてくれる場所を見つけた!それはもう嬉しくて大はしゃぎ。顔がニヤニヤと笑ってしまう














最初は単行本を出して連載を続けていたのだが2年後にアニメ化へと進んだ。

自分の作品をアニメに出来ること。そんな嬉しい気持ちと一緒に、もっと沢山の人に見てもらいたい。そんな事を思っていた
















さて、夕方の放送時間。遂に初の自分作のアニメ放送!漫画家としての一歩だ!!
その様子を見届けるべく、机に自分の大好きなカレーを食べながら見ていた














毎週、ニヤニヤと嬉しさのあまり微笑みながら自分の作品のアニメを見ていたある日…
2ヶ月でとてつもない大量のクレームが来てしまった












何故だ!!?その理由はまず、特徴的なキャラをこれでもかと言うほどまでに出し切った。ギャグで笑えるようにハチャメチャな子供のキャラ。
少しずつ知名度が上がってくるに連れて子供が自分の作品キャラの真似をし始めたらしい





それが親からすると、とてもとても迷惑だそうだ




















…何が悪いのだろうか?
逆に言うが、ありがちなものを沢山作る方がつまんないと思った












例えで言うと、戦時後に面白いアニメを少しでも見たいのにテレビは戦争に関するアニメ、戦争に関するニュース、戦争に関する番組





現代風で言うなら、もっと独自性の含まれた話が見たい!なのにアニメはなろう系ばっかり。そんな感じだ




新しいものを作り出して、面白いものを作り出して、自分の描きたいものを描いて何が悪いのだろうか?
単にギャグで面白いものを中心的に書いているのに…















しかしクレームは止まらない
ネットでは散々言われる。マスコミに取り上げられてもっとクレームが増える。お前の作品が消えてほしい、お前自身が嫌い。…なんて言われる


















自分は心がそこまで強くなく、何度も泣いた
何度も何度も泣いた














紙を破いた。ペンを投げた。グチャグチャな心で何度も泣いては苦しんでいた














でも、描き続けた

描いて描いて描き続けた。アニメだって面白さを提供する為に放送を中止にせずに何度も見届けた





























そうして数年後……社会現象となった自分の作品

未だに放送を辞めろ。気持ちが悪い。嫌い。
なんて言われる
















でも、それ以上に沢山の方が大好き。これからも応援してる。出会えて良かった。なんて言ってもらえることが嬉しかった




















「貴方が漫画家になって一番、身に沁みたことはなんですか?」

沢山の応援者たちが集まった客席の前の、大舞台で質問をされる。



















『そうですね…』

自分は少し間を開けてから、こう言った



























『自分の作品をどれだけ貶されても、どれだけ否定されても、希望を与えるような…そんな作品を作り続けようと努力したことですね』






























自分の作品に何度も首を締められ、自分の作品に愛を感じた日





どれだけ否定されても、涙が溢れ出ようとも、自分の作品を貫いて来た漫画家のお話。


まるで、希望を与えるような楽しい漫画家さんだった

とある漫画家のお話

とある漫画家のお話

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-06-30

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