霊能探偵・芥川九郎のXファイル(53)【ガチャガチャの悪霊編】
第1章 ガチャガチャ怪奇事件
霊能探偵・芥川九郎が友人の牧田と知り合ってから、まだ日が浅い頃の話である。牧田はまだ愛知県警の刑事だった。彼は同僚の京子と共に、栄のオアシス22で起きた怪奇事件を調査していた。
牧田「昨日もまた、例の怪奇事件が起きたそうだよ。」
京子「ガチャガチャが壊されたんでしょ、無理矢理回されて。本当に怪奇事件なのかしら?」
牧田「先日、大須で起きた悪霊による痴漢騒動と同じだよ。見える人には見えるけど、見えない人には見えない。」
京子「防犯カメラにも写らないんじゃ、どうしようもないわね。」
大須の痴漢騒動とは先日、発生した悪霊による痴漢事件である。牧田と京子が霊能探偵・芥川と共に解決した、最初の怪奇事件だ。
牧田「それで結局、また例の霊能探偵に依頼することになったよ。」
京子「・・・名古屋の霊能探偵・芥川氏ね。」
牧田「事件の概要はすでに知らせてある。今週末、栄のオアシス22で合同調査をする手はずだ。」
京子「合同調査と言っても、牧田君と私と、その芥川さんの三人で張り込むだけでしょ。」
牧田「うん。まぁ、そうだね。」
京子「名古屋の霊能探偵のお手並み、拝見させていただきましょう。」
京子は感情が読み取れない程度の無表情で、静かにそうつぶやいた。
第2章 栄のオアシス22
牧田と京子は、栄のオアシス22で芥川を待っていた。彼は時間通りにやって来て、二人にあいさつした。
芥川「牧田さん、鈴木さん。こんにちは、お久しぶりです・・・ご指名、ありがとうございます!霊能探偵の芥川です。よろしくお願いします!」
牧田「・・・こんにちは。今日はよろしくお願いします。」
京子「・・・・・・」
芥川は少し酔っ払っていた。右手に飲みかけの缶酎ハイを持っている。
京子「芥川さん。仕事中にお酒を飲んだらダメでしょう。」
京子がそうたしなめると、彼は笑いながら言った。
芥川「ハハハッ。ごめんなさい。今日は私、ボランティアのつもりで来たんですが・・・友人との再会が楽しみで・・・私は今、とてもご機嫌なんです!」
京子「ご機嫌なのは、右手に持っている缶酎ハイのせいでしょ。」
京子が冷たくそう言った後に、牧田が取りなすように言った。
牧田「まぁまぁ。芥川さん。私も再会を楽しみにしていましたよ。」
芥川は缶酎ハイを一口飲んでから言った。
芥川「確かに、異常な妖気を感じますね。ガチャガチャを回す悪霊か・・・どんな奴だろう?」
牧田「私はあまり霊感がないので、何も感じませんが・・・」
京子「とりあえず、ガチャガチャの林で張り込みを開始しましょう。」
第3章 ガチャガチャの林
三人がガチャガチャの林を監視していると、小さな子どものような悪霊が現れた。
芥川「アレですね。悪霊・ガチャガチャ君だ。さっさと退治して、事件を解決しましょう。」
京子「確かに何かいますね・・・ガチャガチャ君って名前なんですか?」
芥川「私が今、ネーミングしました。」
京子「・・・・・・」
牧田「僕にはよく見えないけど・・・」
芥川は隠し持っていた鉄パイプを右手に握りしめ、ガチャガチャ君の前まで歩いていった。
芥川「このクソガキがぁ!!」
芥川は問答無用で、ガチャガチャ君の後頭部に鉄パイプをフルスイングで打ち込んだ。
ブゥウーーーン!!バキッ!!!
ガチャガチャ君「ギャアーーー!!」
頭を砕かれたガチャガチャ君はそのまま倒れ、全身から白い煙を出しながら消滅した。
牧田「終わったみたいだね。」
京子「・・・・・・」
その時である。向こうから大人の悪霊が2体、駆けてきた。
芥川「まだいたのか。ガチャガチャマンとガチャガチャウーマンか・・・」
第4章 フィンガー霊丸ボムズ
ガチャガチャマンとガチャガチャウーマンは怒り狂っているようで、ものすごい形相だ。芥川に向かって襲いかかってきた。
京子「芥川さん!危ないっ!!」
牧田「一体、何が起こっているんだ!?」
芥川は開いた両手を悪霊たちに向け、絶叫した。
芥川「フィンガー霊丸ボムズ!!!」
芥川の両手指から8発の霊丸が発射され、4発がガチャガチャマンに、3発がガチャガチャウーマンに命中した。
ガチャガチャマン・ガチャガチャウーマン「ギャアーーーー!!!」
霊丸をまともに食らったガチャガチャマンとガチャガチャウーマンは、その場に倒れ、全身から白い煙を出しながら消滅した。
ちなみに、外れた霊丸1発は近くの自動販売機を直撃した。その自販機は故障してしまったようで、「ピ、ピ、ピ・・・」と音を出し続け、液晶パネルにはエラーが表示されている。
京子「芥川さん、大丈夫ですか?」
芥川「調子が良ければ10発、出るんですけど・・・今日は8発しか出ませんでした。この技は寿命を削るんで、あんまり使わない方がいいんですけどね。ハハハッ!」
牧田「事件解決ですね。芥川さんはボランティアのつもりで来たとおっしゃいましたが、ちゃんと謝礼を・・・」
芥川は牧田の話を途中で遮って言った。
芥川「謝礼をしたいと言うなら、お土産に缶酎ハイを買ってくれませんか。ストロング系でも何でも、私はかまいませんよ。」
牧田「・・・ストロング系ですか。分かりました。」
京子「・・・牧田君。ストロング系以外を買いましょう。」
京子は牧田に顔を近づけ、小声でそうつぶやいた。
霊能探偵・芥川九郎のXファイル(53)【ガチャガチャの悪霊編】