280 散文詩『失われた記憶を求めて』
始まりと終わり
永遠の時があるとしたら、それは世界の始まりと終わり。永遠も半ばを過ぎる頃、きっと楽園で二人は出逢える。そんな期待を胸に抱いては凍える冬の日の空の下で、私は生きる歓びに打ちひしがれていた。嗚呼、きっとこの日のために生まれてきたのだから。だから、もう病むんだ。この身も、音も、命さえ。この願いも祈りも、いつかは愛に包まれるなら、私は夢の中でも目覚めることを求めやしない。
晴れたなら、いっそ君をこの晴天に呼んで、青天の霹靂にも贖う罪を背負ったルサンチマンを救うべく、この筆を運ぶ。その因果の為せる記憶の道理さえも、確と送り届けるのなら、見せる色香は永遠を内在するのだろうか。
私たちは歴史の中で、孤独に死んでいく。それを認めては、諦めるのも、抗うのも自由だけれど。私たちはその時の逆流の中で何を成し、何を求めて、何を愛するのだろうか。光もない闇の中で、光を、愛を与える光であろうとするだろうか。
これは終末ノート。永遠の終わり、終末に贈る、葬送の詩。
280 散文詩『失われた記憶を求めて』