霊能探偵・芥川九郎のXファイル(51)【海竜・ハマナッシー編】

第1章 東名高速道路

 名古屋の霊能探偵・芥川九郎は、友人の牧田が運転する車で浜名湖へ向かっていた。
芥川「浜名湖へ行くのは久しぶりだなぁ。この調子で東名高速道路を走っていけば、意外と早く着きそうだね。」
牧田「うん。僕も東名高速道路を走るのは久しぶりだよ。」
芥川「しかし、あの左京さんから浜名湖の妖怪退治を依頼されるとは、夢にも思わなかったよ。」
牧田「左京さんは警視庁特別係の霊能刑事だ。なんでまた、浜名湖の怪奇事件に首を突っ込むことになったんだろう?」
左京は警視庁随一の狂人と噂される人物で、霊丸拳銃を携帯する能力者である。芥川たちとは、魔人69面相の捜査で知り合ったという経緯がある。
芥川「浜名湖の事件なら管轄は静岡県警だ。でも、怪奇事件に対応できる能力者が県警内にいるとは限らない。天下の警視庁でさえ、特別係の霊能刑事・左京さんは狂人扱いらしいからね。」
牧田「愛知県警内の雰囲気を知っているから、大体分かるよ。怪奇事件については、京子からの依頼で僕たちが調査することが多いからね。」
牧田は元警察官である。京子は牧田の元同僚で、今も愛知県警の刑事として活躍している。牧田は数年前に退職し、今はフリーランスとして活動中の身だ。
芥川「特に東京は、優秀な能力者がたくさんいるんだ。それを活用できていないんだから、本当にもったいないと思うよ。」

第2章 遠州のコロンボ

 牧田の車は東名高速道路のかんざんじスマートICを出ると、下道で舘山寺エリアへ向かった。目的地の舘山寺温泉に着くと、牧田は駐車場に車を停めた。車から降りた芥川と牧田が待ち合わせ場所まで歩いていくと、静岡県警の浜田が待っていた。
牧田「あの人が浜田さんかな?」
芥川「こんにちは、芥川です。」
浜田「どうも、静岡県警の浜田です。よろしくお願いします。」
牧田「はじめまして、牧田です。よろしくお願いします」
芥川「警視庁の左京さんから、お話は伺っております。浜田さんは、遠州のコロンボと呼ばれている名刑事だとか。」
浜田「ハハハッ。そんな風に私を呼ぶのは左京さんだけですよ。あの人はそういう冗談がお好きですから。」
牧田「静岡県警で一番霊感がお強いと伺っております。」
浜田「霊感が強くて見えるのはいいんですが、左京さんみたいに霊能力で退治することはできません。それで、静岡で怪奇事件が起きた時には、警視庁の左京さんか、東三河の神谷先生に応援を依頼するんですが・・・」
芥川「左京さんは東京の事件で忙しいみたいですね。神谷先生は別件で遠方に出張中ですから。息子の京介君も用事があるみたいで、後から来ると言っていました。」
芥川は駆け出しの霊能探偵だった頃に、東三河の霊能探偵・神谷寛志に師事していた。京介は神谷寛志の息子で、父親の事務所で修行中の若き霊能探偵である。

第3章 舘山寺のカフェ

 浜田に案内されて、芥川と牧田は近くのカフェに入った。三人は注文したコーヒーを飲みながら、浜名湖の事件について話した。
牧田「今回は浜名湖で、ウナギの妖怪が出たと聞いておりますが?」
浜田「そうなんです。深夜なので定かではないんですが、巨大なウナギの化物です。目撃者が多数に及び、警察としても調査せざるを得なくなった次第です。」
芥川「目撃者は深夜に見たのか・・・じゃあ、ウナギとは断定できませんね。ヘビのような魔物かもしれませんし、海竜のような未確認生物かもしれません。」
浜田「そんなもの・・・どうやって退治すればいいんでしょうか?」
芥川「とりあえず今日の夜中、私たち二人で浜名湖のあやしい場所を見回りしてみます。」
牧田「うん、そうしよう。準備はしてきたからね。何か進展がありましたら、こちらから浜田さんにご連絡いたします。」
浜田「そうですか、分かりました。よろしくお願いします。気を付けてくださいね。」
 こうして芥川と牧田はその夜、浜名湖の湖岸を監視することとなった。二人は交代で休憩しながら、パトロールを続けた。夜中の浜名湖は静寂に包まれ、不気味な雰囲気だった。
牧田「なんだか、魔物が出てきそうで怖いね。」
芥川「ウナギの妖怪が出ると聞いているから、そう感じるんだろう。暗くて静かな、普通の夜の湖だよ。」

第4章 海竜・ハマナッシー

 深夜の丑三つ時、浜名湖の湖面が不気味に揺れている。
芥川「何か来たな・・・牧田君、起きてくれ!」
釣り竿から垂らした釣り糸の先にある釣り針にうなぎが食いついたような、そんな感覚だった。魔物の妖気を感じた芥川が、車で仮眠中の牧田を起こした。
牧田「現れたのかい!?」
 二人が浜名湖の岸辺へそろそろと歩いていくと突然、轟音とともに大きな水しぶきを上げて巨大な海竜が現れた。
牧田「恐竜だ!芥川君、どうしよう!?」
芥川「いや、正確に言うと、アレは海竜型の魔物だ!ハマナッシーだ!!」
牧田「ハマナッシー?・・・聞いたことないよ!」
芥川「僕が今、命名したんだ。あんなもの、送還魔法で魔界に送還するしか方法がない・・・牧田君、あっちへ向かって全力で走るんだ!おとりになってくれ!」
牧田「・・・分かったよ!」
牧田は芥川の指示に従い、ハマナッシーを岸辺へ誘い出すために走り出した。ところが、ハマナッシーは想像以上に俊敏で、あっと言う間に牧田に追い付き、襲いかかった。
牧田「・・・ダメだ!食われる!?」
芥川「ダメだ!間に合わない!!」
 その時である。
 ズッバァアーーーンッ!!!
 どこからともなく飛んできた強力な霊光線に貫かれ、ハマナッシーはその場に倒れ込んだ。
 ズッシーーーンッ!!!
 見上げるとそこには、サイコアーマーを身にまとった京介が立っていた。
京介「牧田さん!芥川先生!大丈夫ですか!?」
牧田「たっ・・・助かった・・・」
芥川「危なかった・・・また、サイコアーマーに助けられたか・・・」
ハマナッシーは全身から白い煙を出しながら、灰になってしまった。巨大な海竜がいなくなった湖畔は、月明かりに照らされて、美しく幻想的な雰囲気を醸し出していた。

霊能探偵・芥川九郎のXファイル(51)【海竜・ハマナッシー編】

霊能探偵・芥川九郎のXファイル(51)【海竜・ハマナッシー編】

「あんなもの、送還魔法で魔界に送還するしか方法がない・・・牧田君、あっちへ向かって全力で走るんだ!おとりになってくれ!」 浜名湖に巨大なウナギの妖怪が出現!? 霊能探偵・芥川とその友人・牧田の前に現れたのはウナギではなく、凶悪な巨大海竜・ハマナッシーだった! 芥川がその場で適当(?)に命名した「ハマナッシー」を前に、おとりにされて絶体絶命の牧田! その時、夜空を切り裂く強力な霊光線が放たれる・・・ サクッと読めてクスッと笑える、お気楽(?)オカルトバトル第51弾!

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-06-27

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  1. 第1章 東名高速道路
  2. 第2章 遠州のコロンボ
  3. 第3章 舘山寺のカフェ
  4. 第4章 海竜・ハマナッシー