賭け

麻雀を50年以上もやった
印象に残っている事も結構あった
上がった手では、リーチ、ドラ13、ツモという数え役満
メタメタにツイていない手では、6巡目で四暗刻単騎待ちを一ピン待ちでテンパイしたが上がれなかった
結局、麻雀というのは、むしり合い以外の何物でもない
だから心のつながりを持てない
勝つためには、場を読んで、じっと固く打ってツキが回ってくるのを待つ
そんなところである
指にタコができるほどやったのだが、もう卒業である
株や先物取引をやるよりは良かったのだろうか
そのへんの事は分からない
ただ、知り合いに先物取引にのめり込んで大きな穴をあけて、土地を処分して清算した人を知っている
社会勉強などといって、競輪、競馬、競艇、オートレース、パチンコもやってみた
しかし全部負けである
唯一、勝つ事ができたのが麻雀だった
とはいってもプール計算では、たぶん負けていると思う

だから社会勉強も終わりである
人間卒業の時も近づいているようだ
若い頃から死にたいと思いながら、だらだらと生きてきてしまった
だが、もうここまで来ると自然に任せるという、嘘めいた理屈で防御線を張って適当に生きている毎日である
価値のない人間ではあるが、時々ふっと見上げる事がある
こんな人間でも、愛してくれた、祈ってくれた事への感謝である
忘れないという小さな永遠をなぜかいつの間にかもらってしまった
手を合わせられる人が何人かいるのは不幸とは言い切れないだろう

最後のリーチはポーカーフェイスでかけてみる
利口といわれるより馬鹿といわれながら終わったほうがいい
宝物がいくつかあるから、それだけは誰にも取られる心配がないという事実のドキュメンタリー映画のような人ごと



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賭け

賭け

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青年向け
更新日
登録日
2026-06-26

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