流水(るすい)

 木漏れ日のした。

 私たちは、共に歩んだよね。

 夏休みの部活動。照り照りの浜辺と水着。キンキンに冷えた小玉のスイカ。クーラーのよく効いた、あなたの部屋。

 でも……今年の夏は、少しだけ、暑すぎた。

 みんな、溶けた。全てが流されてしまった。汚泥の含んだ流水(るすい)のように。

 でも、私は、あなたを思い出そうとしていた。

 あなたがいなくなっても、何も変わらない。ただ姿が見えないだけ。そう、思い込んでいた。思い込もうとしていた。

 ……ねえ、あなたは今、そちらで何をしているの?

 私たちの記憶は深い水溝に流れてしまったけれど、あなたを思い出そうとするこの気持ちさえあれば、まだ、マシなのかもね——?

流水(るすい)

流水(るすい)

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-06-25

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