風紀のためにエロを見る

僕は工業高校の情報技術科に所属していた。所属とか言うとホワイトハッカーみたいだが、まあ、ただ存在していた。
 学校には電算室という、パソコンが大量に並んだ部屋があった。
 当時の高校生は馬鹿だったから、「電算てなんすか、パソコン室でないの?」なんて先生に言ったものだが、今では電算という響きが実に渋かったと思っている。
 さて、僕は何か調べものがあるたびに電算室へ行き、プリントアウトして持って帰った。
 ある日、エロい画像は検索できるのだろうか、とふと思った。試したら画面から溢れんばかり表示された。
 むむ、これはいかんぞ、と真面目な僕が思った。
 一方で悪い僕は、オカズ持ち帰り放題、と思う。
 ある日の先生のお言葉。
「ここで検索したデータは県庁に行くから、すぐバレるぞ」
 バレてもいいじゃないか~! と全画面選択して、プリントアウト。
 だいたい、風紀に相応しくないサイトは先生がアクセス不可能にすると知っていた。中学のときゲームサイトを検索した際の経験だ。
 僕はエロ画像がほしい。更には風紀のレベルを上げたい。目的と手段が一致した。
 僕はエロサイトへ入り浸るようになった。先生がもう一度言った。「ここで検索したデータは以下略」牽制か? 俺がやったと知っているのか!?
 ある日、行きつけのサイトに入れなくなった。
 おお、風紀が一歩前進した、と思う。
 網の目を掻い潜るようにエロサイトを探していると、次から次へとシャッターが下ろされていった。
 もうそろそろいいかな、と思った。エロサイトにも飽きていた。ただちょっぴり、もったいなかった。
 ただ、その後も宮部みゆきさんのブログやブレイブストーリーのアニメサイトにアクセスできていたので、なんの問題もなかった。
 宮部みゆきさんの作品が流行っていた。僕は『火車』を読んでおり、その内容がカード地獄に警鐘を鳴らす特別授業と同じだった。
 読書て役立つなあ、と思った。
 僕は未だに、紙の本のオフライン性が大好きである。

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  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-06-25

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