『万華鏡』
裏と表を使い分け
今日もアタシは偽証する
『万華鏡』
どの先生が好き?
女子校の噂話は日常のスパイス
アタシが差し出すのは表の顔
恋に恋する振りは得意なの
アタシを気にしてくれる
弁えた甘さが好ましい
独身貴族の身軽さで
欲しい言葉だけくれればいい
冷たいあの人の刃は
教壇からでもアタシに届く
見下されるあの瞬間
胸の奥が疼いて飲み下す
廊下で階段ですれ違う度
息を詰めるアタシを誰も知らない
好きなんて口に出せる程
子供じゃないから余計に厄介
本当を隠して甘さを好きと言う
冷たさはアタシの胸の奥だけ
零れた涙が光を反射して
違う顔に変えてくれるから
雨粒で誤魔化して笑えば
誰にも気付かれない恋の完成
吐き出すことも叶う事も望まない
アタシだけのカレイドスコープ
押し止めたアタシの欲は深い
ふと交わった視線だけで
あの人に伝わりそうなくらい
家で見せる顔は知りようもないけど
だからその甘さで癒して
代わりだって知らないまま
優しい手で心を掬って
恋される側の顔で知った気になって
言葉にしなければ全て曖昧
彼女たちの噂話に落ち着くだけ
愛されたあの人を見つめて
貴方の態度で煙に巻く
「壊れそうなものは綺麗だから、キラキラ移り変わる今が好き」
『万華鏡』