ケシスタン・リチスタン・メシスタンの各分派


ケシスタンの各分派



➊真聖信徒
・基本的且つ最大の勢力であり、俗にいうケシスタンとはこの派閥のことを指す。克服教徒などとも謂われる。
・一切の宗教的習慣や教典などに基かず一切の寺院教会の宗教的役割と人格神を否定しいわゆる汎神論に似た境地へと達した上で、この世界に於て「多数派が美しいと認めるもの」が存在することを遂に心底より信仰し、全民は叶う叶わざるに関らず到達点たるその美を意識し目指し志すべきとする。
・あくまでも「到達点たる美への可能な限りの接近や適合」を主として居るため、いかなる宗教などへの批判弾圧も許さず、それどころか各信徒は自らが嘗て信仰して居たり関係を有して居たり見映えがいいと考えたりした宗教的文化を景勝行為として積極的に取り入れ振舞い、恰も各当該宗教の信者であるかのように装い暮らすことも珍しくない。
・真聖信徒は人格神教や宗教嫌悪などのみならず「素っ気ない合理的汎神論」をも克服し、少しばかり軽率な言い方をすれば地球文化人としての真の自覚が芽生えた存在でもあるとすることができる。
・同時に、すべての信徒は「優劣や良し悪し」と「潜在的差別意識や、先天的か後天的かを問わない優越感と劣等感」がこの世に存在して居ることについて同意し合って居る必要があり、その同意状態を以て全信徒が常に心の同盟関係を構築し続けて居なければならないとする。
・世界は全民が真聖信徒となりその同盟の下に漸く統一されるべきと考えて居るが、ただしその同盟とは前述の通り単なる同意状態に過ぎないため布教活動やそれに類する行為等はすべて禁止されるべきともして居り、その統一とは地球人としての各自発意思及び傾向によって齎される精神的な結束に他ならないとして居る。しかしそれが実現されれば世界は現の個性を維持し合いながらにして一つになることができる筈だという。

➋真聖使徒
・非信徒への布教活動とその能力の保持などを認めたケシスタン。新宗教派とも呼ばれる。
・布教活動の有無やその疑いなどを厳しく取締ることはないが、布教を明言したりそのための組織を有したりするなどのより大規模な布教活動を禁じる派閥は自制派と謂う。
・信徒間の同盟の意義を互いの責任ある布教活動の監視と調整を行うための結束と再定義した派閥は単に布教派と謂う。
・信徒全体による全面的な布教を認め推進し、延いては諸宗教の叛ケシスタン的と見做した行為態度などを批判することも辞さない派閥は単に使徒派と謂う。

➌新教典派
・ケシスタン思想に基いて作成指定された「真聖信徒教典」を宗教的聖書ではなく物理的指南本たる世界憲法にせんとする。景勝宗教という独自の宗教として認識され、教徒は景勝教徒と呼ばれる。
・教典の作成指定方法については以下の諸派に分かれる。
超然会議派 公世論に関らず結集した有志の新教典派ケシスタンらによる会議の議を以て行わんとする
旧会議派 公選制(可能な限りの全ケシスタンを投票者とする)に基くケシスタン会議の議を以て行わんとする
新会議派 対面その他ネット上での書込雑談集会などによる厖大な意見集積(教嚢)をなし、公選された比較的少数のケシスタンらがその合議を以て教嚢に則り行わんとする
完全教嚢派 二つもしくはそれ以上の複数の教嚢を相対させ、それら教嚢間の幾度幾重もの相互反応作業の末に導き出された生成結果に完全に基いて行わんとする
・また教典を軸としての布教を行い許容する拡大派と、教典そのものの引力によって既に人為的な努力は完了して居るとして布教に消極的な保留派に更に分かれるが、布教そのものを全面的に禁止せんとする派閥はごく少数である。

➍聖戦派
・布教の必要性は認めつつも直接の活動には否定的な態度を取り、ケシスタン同盟は世界中に既に発生し発生しつつあるケシスタン戦争への団結した関与協力を以て結果としてより意味深い布教を達成すべきと主張する。自身たちは同盟派と名乗って居る。
・教典を採用することについても否定しては居ないが同盟全体として特定の教典を作成指定することはなく各自に独自教典の自由を与えて居り、其等はあくまで聖戦の助けとなる力の内の一つに過ぎないとして居る。
・真理への服従を迫るためであれば虐殺殺戮に満たない必要最小限の暴力犠牲は黙認されるべきとする決戦派が聖戦本派の性質上からも多数を占めるが、殆ど真聖信徒本流の精神に基いた穏健派も少なからず存在する。

➎景僧
・布教的活動によらず、ケシスタン精神を会得した公正なる景僧となること自体を推奨してゆくことで同盟の拡大をはからんとする。
・景僧とは、次の心得に基き、よく理解し、それ故によく落ち着いた者のことを謂うという。
一 景勝にいう美とは、「美しくない」の対義語に過ぎず、美しいことを繕うたりや装飾するなどすることではない つまり美しいという事を直接に指す概念は存在しない
一 宇宙の鍵は常にその各自心中にある他への優越感や安心感の単なる克服が握って居り、自分自身にとって他者や小難しい哲学理論が解決してくれ得るものなど何もない
一 すると一旦は何事にも中立であろうとし公平であろうとし冷静であろうとするが、景勝の意図するところは然うした傲慢且つ味気の無い偽りの完成体を更に克服してこの世のあらゆる長短や美醜や明暗を純粋なる気持ちを以て喜び悲しみ楽しむことにある
一 よってあわよくば景僧が恰も歴史ある宗教の僧であるかのように厳かな歴史ありげな装いに身を包み、それらしくサマになるお経や祈りを唱えるもよし
一 よってあわよくば恰も歴史ありげな寺院教会を建立するなり歴史ありげな装飾で彩りて、それらしく神がかった雰囲気を醸し出すもよし
一 よってあわよくば人類が本来はずっと前からなるべく早く到達すべきであった真の世界宗教且つ最高到達点教の栄えある僧侶であるかのように、相手がそのように勘違いするかも知れない程にそれらしく振舞うもよし
一 そしてそのようなことをして居るのにも関らず、それらはすべて景勝の観点からすべてを理解した上で行って居る景勝的行為に過ぎず、本心では全く何も大真面目に自分自身でも真に受けて居ない、そんな者こそが景僧である
・景僧は他のケシスタンに比べ、より視覚的な宗教色が強く大規模且つ壮麗な寺院教会や儀式などを展開するが、あくまでも地球文化人らしき感覚を以てそれらを楽しんで居るに他ならないという点で全く普通のケシスタンである。だが最も異なる点としては何より真の景僧となるための大小の修行が実施されることが挙げられ、景僧同志による同盟はすべてそれら全世界に於ける修行の中央監督組織であることが多い。
・各景僧自身や同盟が各修行それら自体を素直に修行と捉えて居るか将又それさえも単なる景勝的行為に過ぎないとして捉えて居るかは定かではないが、少なくとも各修行の最終局面で各僧は後者の境地に達しておく必要があるとされる。
・景僧の中に於ても修行の要素のみに重きを置いて行き過ぎた宗教的文化要素の自粛を主張する派閥も存在するものの、最早それらは真聖信徒に近い者たちとされ、大多数の景僧からは同志とは認識されて居ない。




リチスタンの各分派



➊正理徒(理智卿)
・単にリチスタンと呼ばれる場合は先ずこの勢力のことを指す。
・理智正統派から直接に転じ、自由平等主義及び議会主義及び国際統合思想そして理智教育主義の各理念を単なる目安や基準などではなく非宗教的な法的義務として全人類に課す教典と指し定め、その教典の運用と義務監督を行うためのリチスタン国際機構こそが世界統合組織となるべきとする。
・叛宗教思想は有して居らず従来の政教分離に近い価値観を有するが、リチスタンによる新たなる教典は全人類にとっての真の且つ最終の中立公平な合理的聖書であるとした上で、全人類に教典への遵守義務をいわば「恰も宗教的に」課し監督してゆく必要があると考えて居り、それを結局は宗教的なものだとして敬遠するか宗教性を完全に排除した新時代の真に望ましい共同体行動であると支持するかの如何を以てその者がリチスタンなのか然うでないのかを判別することができるともして居る。
・リチスタン国際機構を対面公選議会制に基かせるべきとする会合派と対面に固執せず通信議会等を含めたより広い真の世界会議を実現すべきとする広域派とに分かれる場合がある。しかし布教活動や教会的機能を持つ諸施設の設置などについては制限を設けない考えが圧倒的多数であるため、それらの叛対勢力は殆ど形成されない。

➋連帯派
・正理徒とは対をなす関係にあり、教典に基くことに強く叛対するとともに教会組織や理徒同志による統合連携のみによって世界の理智化を目指さんとする。
・世界の統合組織はリチスタン国際機構ではなく世界各所各回線上のリチスタン共同体による意見集合体の運用管理実態そのものであり、各共同体は何時も自由にあらゆる意見やその集合体を確認し拡散し或いは変更編輯することができる。
・明確な実体としての統合組織が存在しないため、派に属するリチスタンの数の上では正理徒に次ぐものの派としての一体化した活動そのものが無いが故にその政治力は微々たるものである。

➌逆説派
・リチスタンの結束布教などを行わず、専らケシスタン的思想の徹底排除を以て結果として理智世界を実現せんとする。
・各共同体各地域単位でのリチスタン機構の存在は否定しないが国際的な統合組織や社会全体での布教推進には消極的態度を見せ、各リチスタンは叛差別叛分断主義の標語の下に叛ケシスタン運動組織やケシスタン警察などの活動機構とその活動のみに於て結束すべきと主張する。

➍理智僕徒
・リチスタン同士による対話議会や合同修練などによってのみリチスタンは結束しその活動とすべきとする。
・一切のリチスタン機構や布教活動には賛同しないが教典の制定活用については支持を表明し、教典をもとに各地域ごとにリチスタンによる共同修練習慣が確立され維持されるのであればリチスタン全体としての如何なる政治的宗教的活動も要しないとの立場を取る。

➎浄化派
・叛宗教的思想を明確に表明し従来の諸宗教への物理的規制を主張した上で、リチスタン自身の宗教化をも警戒し理智思想者同士の積極的な一切の接触交流を完全に禁止せんとする。
・古今東西の周知のすべての宗教のみならず政治経済文化に於ける歴史上のあらゆる主義思想などを総じて非文明思想と見做して弾圧さえ已む無しとした結果、俟たれるのは各一人自身の内心に於ける自発的理智革命のみであるとし、よって世界は漸く真のリチを得るであろうとして居る。
・リチスタンは相互監視と短期間での人員総交替に基く理智警察を世界に三つ以上分立させ、世界とリチスタンの宗教化と叛理智思想を規制摘発してゆくべきとする。





メシスタンの各分派



➊人命信徒
・いかなる宗教的教義や主義思想でもなく実直に人命を擁護し救わんとすること自体のみを信仰忠誠対象とする。
・メシスタン機構は人命のみを主任務とし、いかなる政治的思想的軍事的性格を持ち合せてはならないという。そのため当該前提を逸脱するメシスタンへの警察処罰や他のケシスタン及びリチスタンへの言及干渉なども強く禁止され、各敬虔なるメシスタンは只管に人命の擁護者でありそのための努力者でなければならないとする。
・機構は原メシスタン有志会議に認證を受けたメシスタンによって構成される。
・施設や各自身形などに於て徹底的に非宗教化が達成されて居る必要がありいかなる宗教的儀式習慣も許容されないが、その掟を逸脱した者もまた機構より除名され関係を否定されるのみにとどまる。
・人命忠誠論を否定し脅かさんとする世調や勢力への抵抗も想定されて居ないため、当派は必ずしも主流派と呼べるほどの支持を得て居ない。

➋人命使徒
・人命信徒より発展するか対立を起して分裂した勢力。人命忠誠論に反する者や組織に対する公然とした抵抗を認め自負すべきとする。
・メシスタン機構は先ず世界各国のメシスタン軍や現地自警団による連合軍組織がその主体とされ、純粋な人命組織はその磐石な体制によって保障され機能するものであると認識して居る。機構の構成員はより緩やかな世界メシスタン集会に端を発する使徒中枢が実施する使徒試験の合格者のみとする。
・機構が定める軍事人命諸規則に反するメシスタンはその違反内容が軍事的なものか否かを問わずすべて軍法会議にて裁かれる。
・非メシスタンには軍事的屈服を要求するが、思想的屈服は各自発的なものでなければならないとして要求しない。

➌自由命徒
・各メシスタン自身には非宗教化を強制しないとして人命信徒より分裂した勢力。
・自由メシスタン機構への加入権は回線上や仮想空間上に於けるものも含めて何時もいかなる者にも開放されて居り、メシスタンはもはやその各者がメシスタンであるかどうかの是非よりも人類の人命のみに今一度また忠誠を誓うべきと謳う。機構全体や各メシスタンの活動は決まった形式や会議を持たない公開情報共有状態によって寧ろ広く管理され定着するとして居る。
・しかし命徒として目指さんとする目標地点は明確でなく、信徒派や使徒派に比べ求心力の認められる勢力ではない。

➍矯正派
・機構や各メシスタンへの非宗教化を強制せず、且つ人命忠誠論に反する者への抵抗をも全面的に認めんとする。
・メシスタンのみならず全人類に人命忠誠論への服従を強制せんとすることにすべての重点を置いた中央機構は過激派メシスタン同志らによる人命義勇軍を原型とする。人命忠誠論への各人の服従とは様相や振舞いや心などではなく実際の人命的活動にこそ見て取れるように表れるべきとし、全人類を忠誠論への物理的奴隷にすることを公然と主張する。
・全人類は人命忠誠論への服従という範囲に於ては徹底して奴隷化されるべきという思想は当然により意義的な主張であり人々の尊厳や自由などを侵害するものではないが、メシスタンの他の派閥に対してはその命徒しての責任から一段と手厳しい態度を取り、一部には特に主流派の人命信徒や自由命徒らにはテロをも辞さないほどに攻撃的な感情を抱く分子も存在する。但し派全体としては人命忠誠論に反する者に対し暴力等を用いた者にこそ鉄槌を!という確乎たる掟を前提として居り、義勇軍によるメシスタンの処刑は取分け珍しいものではない。

ケシスタン・リチスタン・メシスタンの各分派

ケシスタン・リチスタン・メシスタンの各分派

  • 自由詩
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-06-25

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著作権法内での利用のみを許可します。

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