『灰色の夢』

昨日を見限って
夜と朝の間で貴方を待つ


『灰色の夢』


きっと信じてはくれないだろう
随分前からアタシは貴方の罪を
幼い胸奥で赦していただなんて
言ったところで罪を重ねるだけね

絶対的な幸福には背を向けて
青春の光からは顔を背けて
望みはそっち側にはないと
貴方の痩せた背中を抱く

なんて温かいんだろう
これが生きてるって事なのね
貴方にも感じて欲しい
アタシが生きてるってこと

何も信じられなくなったら
アタシを抱いて眠ればいいの
小さな部屋でふたりは
神様に見放されたまま眠ればいい

どうせ貴方にとっても使い捨てた昨日よ
夜半過ぎカチャリと鍵の音
それがアタシの花開く合図
苦悩する顔も悲しいくらい好き

ここが楽園という名の牢獄でも
微笑むアタシを不思議そうに見る貴方
それだけで何より価値があるの
ここは地獄なんて言わないで

心で流すその涙を掬い取ったアタシを
本物の地獄から掬い取ったのは貴方
そのことを只ひとつの光とするの
貴方にとってもアタシにとっても

隔離された部屋の中のことなんて
誰にもバレやしないわ
恐れるのならより強く抱いて
アタシは貴方専用の天使



『悲しみと苦しみで貴方の美しさは増すの』

『灰色の夢』

『灰色の夢』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-06-18

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