映画『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』レビュー

 雑誌、『SWITCH』での特集は必要最小限の情報として取得。配信でのシリーズはあえて1話も観ずに鑑賞しに行きました。
 第一印象としては古き良きスター・ウォーズの、遥かなる銀河を舞台にした冒険譚の側面を踏襲したもので戦闘シーンとかはそれほどだろうなぁ…とか思っていたのですが、冒頭からしてバトルのオンパレード。あらゆる状況を想定し、手持ちの武器フル活用で目的を果たさんとするマンダロリアンの超効率主義的なプロの仕事が繰り広げられる。政治に絡めたミッションとして見れば、その結果は決して成功とは言えないんだけど、本人が少しも悪びれずに淡々と依頼人に経過報告。それを終えたらさっさとパパを始めるもんだから「え、なにこの人ちょーカッコいい!」とふぉーりんらぶ。ヨーダを薄めた癒しキャラぐらいにしか捉えていなかったグローグーも悶絶必至の愛くるしさで、言葉なんて要らねぇからもっと食え!もっと遊べ!と即席で芽生えた親心をメキメキと伸ばしてくれる。本作のことを洋風『子連れ狼』なんて考えてた自分の愚かしさを罵りながら、2時間超えの上映時間を走り切りました。むっちゃくちゃ面白かったです!
 正直なところ、スター・ウォーズなんてフォースで全部解決するじゃん。なんで「それ」を最初からしないんだよ、みたいな思いを頭の片隅に追いやって観ることが少なくないんですが、本作では決してそうならない。それはグローグーが子供だからというだけじゃなくて、世知辛い世の中を、マンダロリアンという戦闘集団の一員として生きていくにはフォースさえあればいいとは絶対にならないから。自分一人じゃ手に負えない事態をも見込んで選択する。その積み重ねで前へと歩みを進める、総合的な意味での「サバイブ」に強いスポットが当たって余計なことを考えずに画面の中にのめり込むことができました。ここが最高にエンタメしてて多幸感が半端なかったです。もう、満腹。
 銀河に張り巡らされる相関関係を彩るキャラクターも個性派揃い。特にハット族はね、知性派ギャングだとばかり思っていたのに、まさか彼らの肉弾戦が観れるとは予想だにしませんでしたよ。本作の準主役というべき「彼」のエピソードは補助線として見ても優れもので①先に独り立ちした彼の選択と、②いつかは死に別れる運命を前にして大好きなパパの膝の上に乗り、ワープ走行をぶちかますグローグーの姿はドラマチックに重なって見えました。
 守る者と守られる者という一方的な関係から、互いの背中を預け合うバディへ。
 配信を追っていた人たちからすれば胸熱すぎる展開を、しかしながら、存分に味わうことができなかったのがむちゃくちゃ悔しかったのでシリーズ全話、観まくろうと決意しました。スター・ウォーズを新たにしてくれた『マンダロリアン・アンド・グローグー』、記録的な大ヒットを残して欲しいです。興味がある方は是非。お勧めの一作です。

映画『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』レビュー

映画『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』レビュー

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-06-03

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted