瞼の蝶

目覚めるたび顔が欠けていくね
虫食い
モナリザ
永遠のコラージュ
でも片目の方が生きやすいだろう?
同じ大きさをもった
水槽がふたつ
でも片方(ぼく)は簡単にくだけてしまう
羽のひび割れた
魔法の跡
詩人にはなれなかった老人がつぶやいた
妻の名前を
それは詩だった、音楽だった
だからなくなった
瞼の蝶は
天国にしか咲かない花だから笑わない

瞼の蝶

瞼の蝶

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-05-25

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