チャリオット1
父
僕には、お父さんが居ない。いや、本当のことを言えばいなくなったのだ·····
僕のお父さんはパイロットだった。お父さんは勇敢(ゆうかん)に戦ったのだ·····
僕は十三才(じゅうさんさい)だ。家で、妹と母親(ははおや)と仲良く三人で、暮らしている。
僕は妹が、嫌いだ。妹は、よく僕をバカにして、僕のことを見下(みくだ)している。
僕は時々、ふと想う。どこか世界に、僕のことをバカにしない人が居やしないかと。
ある時、僕は、一人で、家で本を読んでいた。本のタイトルは、「ポンたちのちかい」。
その中のポンやポンチの夢を、僕は見て、起きると泣いた·····
僕の住(す)むこの世界では、機械(きかい)を相棒(あいぼう)にする人達(ひとたち)が居る。
相棒にされた機械は、魂(たましい)を吹き込まれ永遠(えいえん)の命(いのち)を得る。
機械は、『チャリオット』と呼ばれ、一人一機体として、お互いの命を守る相棒にもなる。
お父さんも『チャリオット』を持っていた。お父さんの命を守るこの『チャリオット』は、お父さんの自慢(じまん)だった、僕も妹も、お父さんもこの青い『チャリオット』が大好きだった。
お父さんと『チャリオット』との別れは、辛そうだった。長い間、使っていたせいで、『チャリオット』は、ボロボロだった。お父さんは、『チャリオット』と別れを告げたのだ。
そうして僕は、あの光景(こうけい)を見ることになる。
炎(ほのお)と崩(くず)れる家。僕の子供時代は、終わりを告げ、お父さんと僕達家族は別れてしまった·····
お父さんの居なくなった後、僕達3人はなんとか暮らしていた。
『お父さん······』ある日、僕は、運命(うんめい)のように、そのチャリオットに出会うことになる。
チャリオット1