挑戦
すっかり長編のことを忘れていました。
人は何かを失って、そうして大人になる。大人になったら、昔はバラ色だと思っていた。
けれども大人には、灰色の人もいて、虹色の人もいて、永遠の夢を追っている子供のような人も居る。
大人になると働くのがおっくうだった。
「また、夢の話?」
「そう、また。」
「子供みたいなことは、もう大概にしてね。あなたはもう大人なんだから。」
そう言い、私は仕事仲間の話題に付き合っていた。
昼の空は青い。青くてどこまでも悲しい色だ。
私は悲しい事があると、多摩川へと行く。多摩川は悠久の時の中で流れてゆく。
「ランチ行かない?」そう仕事仲間の女性が言う。
「いいよ」そう返して、ふと彼女の顔を見る。
昨日の夜、泣いていたのだろうか?泣いたあとが顔にある。
私は関心はあったが、聞きづらい。
どうして、という思いもある。
「あの子供っぽい、小説家の作品読んだ?」
「ううん、読まない。」
「少し見直した。」
「そう?」
「真面目なところもあると分かった。」
そう、あの小説には少し神がかったところがあった。
世の中には、神のような想像を絶するすごいやつもいる。ただ欠点は、だらしないらしいのだが。
時間が流れる。私は昼のランチの中で流れていく時間が好きだ。
はあ、また仕事頑張らなくちゃなあ。そう独りごちる。
『人生はいつも、楽しいものだけれど、とても悲しい時もある。』
そういう詩人もいた。
さあ、また仕事をして、人生を輝かしていかなくちゃね。
そう、私の挑戦は始まったばかりだ。
挑戦