ときめく恋はカフェオレの香り チャプター13
(これまでのあらすじ)
鈴原結奈(すずはらゆいな)は、証券会社に勤務する30代の女性。カフェ好きで、今は会社の先輩の、漆原美香(うるしばらみか)の家に同居している。
恋愛に自信が無く、今までに2人の彼氏がいたがふられてしまう。2番目の彼氏・南川達郎(みなみかわたつろう)とはうまくいってたが、実妹・円香(まどか)に略奪されて、別れることに・・。
けれど、家が心配で、実家にもどる結奈であった。また、なんと1番目の彼氏の笹原蒼空(ささはらそら)くんから、「また、付き合ってほしい」と言われて、交際することに。
蒼空くんが、結奈の家に来たり、いいムードであったが、なんと、結奈のママはイケメンの蒼空くんに恋をしてしまう。勘違いした結奈ママは、蒼空くんをデートに誘ったり、イケイケムードで押してみたが・・。
(本編)
今日は、鈴原結奈(すずはらゆいな)は、漆原美香(うるしばらみか)先輩と久しぶりに会う日だった。
思えば、妹のことで先輩のマンションに同居させてもらい、楽しかったな、、。
今日は、そのお礼もかねて先輩とパスタ屋さんに・・・。 結奈は、美香先輩に食事をごちそうするつもりだった。
「わあ、結奈ちゃん、久しぶりね、彼氏とはうまくいってるの?」
相変わらず、40代だけどいばったりせず、優しくておっとりしている美香先輩。今まで、何度となく助けてもらい頭が上がらなかった。ついつい、美香先輩の前では、、結奈も愚痴をこぼしたりしてしまうのだ。
美香先輩は、「クリームソースのほうれんそうパスタ」を注文して、にこにこと結奈のほうを見ている。
一方の結奈は、、「何にしようかな?ここのパスタ屋さん、有名なのよね?」
最近は、蒼空くんと連絡を取ってないが花束をサプライズされたり、彼女っぽいことをされて上機嫌の結奈であった。
「あ、これにしようっと。トマト味の海鮮風パスタね、ドリンクはアイスココアで、いいかな」
並んだパスタを食べながら、お互いに近況報告をする2人だった。結奈は、自慢する訳じゃないが、蒼空くんとデートしたことや、いろいろサプライズされたことを美香先輩に報告した。
美香先輩は、彼氏もいないけど仕事や私生活が充実していて、貯金も多いので
(たくさん、自分の楽しみがあるそうだ)嫌な顔をすることもなく、聞いてくれたのだ。
「ねえ、先輩、ちょっと心配なことがあって。。」
結奈は、フォークでトマト味のパスタをすくいながら、先輩に切り出したのだ。
美香先輩は、クリームソーダをストローでつついて不思議な顔をする。
「ええ・・?どうしたの、うまくいっているんじゃないの?蒼空さんに何か言われたの・・?」と心配してくれるのだ。
パスタを食べ終わると、、結奈はさっそく蒼空くんが家に遊びに来たことや、なんと、ママが蒼空くんに好意があるみたいなことを打ちあけた。すると、美香先輩は急に深刻な表情になってこう言ってくれたのだ。
「ああ、それは絶対に阻止するべきよ、前に写真で結奈ちゃんのママを見たことあったけど・・。割と美人系だったよね?」
「ママだって女性だし、それに、結奈ちゃんのパパは単身赴任なんだよね。。きっと寂しさでいっぱいなのかもね」
この時ーーー、 結奈は、自分のママが蒼空くんをデートに誘い、一緒にレストランで食事したことも知らなかったのだ。ましてや、公園でふたりが手を繋いだり、ママがエスカレートしてホテルに誘ったことなど全然、知ることも無かった。まったく、いつもながら平和で、鈍感な結奈なのであった。
「で、でも、、私のママがそれ以上のことをやるなんて、想像もつかないな」
クリームソーダを前にして、美香先輩は「やれやれ」」という顔付きである。
「結奈ちゃんは、ほんとにのん気なのよね。。今ごろ、ママは蒼空さんに連絡を取っているかもよ」
「まあ、これは冗談よ、脅かしちゃってごめんね」と、美香先輩は笑ってくれたのだ。
ーー 一方、蒼空くんのこと ーーー
笹原蒼空(ささはらそら)くんは、脳内がヒートして思考不可能だった。
『あれ・・? 結奈ちゃんのママって、旦那さんのプレゼントを選べないから 俺を誘ってくれたんだよね‥??』
けれど、公園で転んだ際に手を出してきたので、思わず握ったことや、それとなく誘われたことなど戸惑ってしまう。
『今までも、10歳くらい年上の女性と遊んだことがはあったけど、、彼女のお母さんなんて、初めてだぜ。。 』
そう言って、、蒼空くんは携帯で誰かに、連絡を取り始めたのだ。
ーー 2週間後 ーー
結奈のママである、鈴原加奈子は、今日の表情はりんとしていた。ある決意をしていたのだ。もう、50代で、結奈と円香(まどか)という2人の娘も育て上げた。すでに、母親業は満足していたが、女性としてまだ物足りない気持ちだった。
『あ、今日も蒼空くんと会えるだわ、今度こ私を女性として見てもらおうっと・・』
実は・・、加奈子は、3日前の夜に蒼空くんに電話をしていたのだ。内容は、この前、嫌な思いをさせたので謝りたいとのこと、今回は、本当に娘の結奈が心配なので、相談にのってほしい。このことを伝えると、意外にも蒼空くんはすんなり、
「いいですよ、また叔母さんと、2人で会えるなんて、、、最高っす。」
またまた、女心をくすぐるようなセリフを言ってくれて、加奈子の心は、20年ぶりに、ときめき恋する少女のようだった。
待ち合わせ場所は、隣の市内にある・・・「隠れ家の古民家喫茶店」だった・・。
ここは、SNSでも評判だったがカップル席が区切られていて、秘かにカップルが個室で会える喫茶店として有名な場所である。
『今日こそは、個室で、、蒼空くんに抱きついてしまおうかな。。。』
またまた、中年女性の加奈子であったが、ロマンスを求めて(単身赴任の旦那のことも忘れて、、)蒼空くんへの想いで、胸がいっぱいなのであった。
いよいよ、待ち合わせの喫茶店へ、、
先程、蒼空くんからメールがあって「今日は、先に店の中に入っているね」・・と。「わあ、」やっぱり、蒼空くんって私のこと、好きなのかしら?」「結奈にも優しいけど、、、年上の私にも、女性として優しくしてくれてる」
加奈子は、昔からモテ系だったので男性にチヤホヤされることに慣れていて、どんなことも、「自分に都合の良い」ふうに考えるクセがあった。
ドアを開けて、、店員さんに待ち合わせのことを告げると・・・。
「あ、、2階の5番の席で、お待ちかねですよ」と目くばせしてくれる。
期待に胸をふくらませて、、2階へと、高いヒールをはいた加奈子がのぼっていくのだ。今日も、花柄の黄色いワンピースといった若作りの恰好で、蒼空くんを悩殺するつもりだった。2階にのぼり、5番の席を見てみると・・
そこは、カップルの個室になっていて、中にはだれかが待っている様子だ。
『いよいよ、この個室で蒼空くんとふたりきりになれるのね・・。何を、お話しようかな。。 また、手を握ってしまおうかなあ?」
そう意気込んで、個室のドアを開けてみると・・。
「ママ・・! まったく、いい年した叔母さんが、何してるの?」
そこで待っていたのは、結奈の妹の円香(まどか)だったのだ・・。
「えーー? まどちゃん・・。一体、なぜ?ここに?誰から聞いたの??」
自分の娘(次女)が目のまえに現れて、母親である加奈子はビックリ仰天である・・!
「ーー それは、蒼空くんが事情を、話してくれたからよ」
立ってられない加奈子がイスにすわり、娘が水を一杯くらい飲ませて、事情を説明した。
それによると、加奈子の誘惑に困惑した蒼空くんは、彼女の結奈に、起こったことを全部話したそうだ。 結奈は、思わず母親の痴態に困ってしまい、妹にも打ち明けることに・・。 3人で、「これから、どうしようか?」と話していた時に、また、加奈子から喫茶店に来るように」と連絡があったので、作戦を練ったとのことだった。
「そ、それで、、結奈ちゃんは・・?」と、加奈子はびくびくした声で聞いてくる。
「あ、姉ちゃんなら、気にしてないって。でも、もう蒼空くんに近寄らないでって、言ってたけど」‗
これを聞いて、加奈子はうなだれて、、がっかりしてしまい、顔も青ざめていくのだった。なんと、蒼空くんが娘に、バラしていたなんて・・。でも、どう考えたって、彼女の母親に迫られて、黙っている男性も居ないだろうに・・。
加奈子は、蒼空くんに気に入られている、と自信があったのだ。
「ねえ、ママ、もう帰ろうよ。そうだ、、パパのところに遊びに行かない?」
どこまでも、自分の母親を励ます、円香「(まどか)なのであった。
ーー そういえば、、達郎の時は、確か妹がちょっかいを出して、事件が起こったような・・?
『 それから、2ヶ月後 』
証券会社のカフェで、結奈のとなりにいるのは、、
一人っ子の友人である、緑川琴葉(みどりかわことは)である・・・。
「わあー、今日のおすすめランチは、ビーフシチューセットね、いちごのババロアまでついているわ。」
琴葉は、とっても嬉しそう。なんでも、ずっと付き合っている不倫の彼氏とうまくいっていて、最近、3泊4日で旅行に行ったそうだ。 スマホの画像の旅行の写真を、たくさん見せてくれている。
その中には、既婚者の彼氏が旅館でくつろいでいる写真や、ふたりで仲良く写っているものもあった。
『わあ、不倫なんてちょっとヤバくない?琴葉は、もてるからといって危ない恋を経験しすぎね?」
隣で、結奈はダージリンテイーを飲みながら、琴葉のほうをじっと見つめる。結奈の前には、ランチのAセットで「唐揚げとライス、コンソメスープ」がのっていた。その後に栗のモンブランが、ついているはずだった。
2人で、まずはランチをたいらげることとして、黙々と集中する。しばらくして、琴葉が嬉しそうに聞いてきた。
「そうそう、蒼空くんと来月から同棲するって、ほんと?」
「う、うん、、、蒼空くんが、自分のアパートに来たら?って言ってくれたんだ、」
「おめでとう。!結奈も、ちゃんと幸せになってね。ずっと心配してたんだよ。」
そういって、琴葉はプレゼントを出してくれたのだ。
「わあ、ペアのマグカップね!大切にするからね、」
あの後、妹の円香(まどか)は単身赴任のパパへ電話で事情を話して、ママの浮気騒動を聞いたパパは、ママを赴任先に呼び寄せたそうだ。そのことも、親友の琴葉に話すと、「大変だったのね」と
同情してくれて、優しい友人である。
ママも反省して、もう蒼空くんとは距離を置くことに決めて、パパの元へと行ってくれたのだ。
ーー 今、ママはパパと一緒に暮らしている。-
結奈は、蒼空くんから同棲を申し込まれて、まだ先のことは決めてないけど一緒に暮らすことにした。
妹が気になるが、「だいじょうぶ、けっこう友達が居て、家に呼んだりするから寂しくないよ。」と、言って、結奈の背中を押してくれたのだ。
蒼空くんは、ナイトバーでスタッフだったが昇給して新人を教育したり忙しそう。そんな蒼空くんを、料理を作ったり部屋を整えたりして、、結奈はサポートするつもりだった。
「でも、結奈も証券会社の仕事が大変でしょう?」
相変わらず、幼稚園で子供を見ている琴葉は、優しい言葉をかけてくれる。
「そうね、、、でも、蒼空くんのことが心配だから。」
それを聞くと、、琴葉はにっこり笑ってから、
「あ、私、、そろそろ用事があるの。。」
そう言って、店を出ていった。
「用事・・?なんだろう、今日はゆっくりしていくって言ってたのに」
ぶつくさ言っていると、カフェのお姉さんは何かを運んできた。
「お待ちどうさまーー。、ホットのカフェオレ、2人分ですね!」そう言って、カップに入っているカフェオレを、テーブルに置いてくれる。
「ええ?頼んでませんよ、それに、2人分なんて、、」
「いえいえ、先に出ていった、同伴の女性から、お代は貰ってますから。」
ーー、と、そこに、、
証券会社のカフェに、駆け込んでくるのは、、な、なんと、彼氏の蒼空くんではないか・・?!
「ごめん、遅れてね、もうランチを済んだの?」
「蒼空くん、どうしたの??今日は仕事のはずだよね?」
蒼空くは、いたずらっぽい表情になって、
「実は、琴葉ちゃんに、ここに来るように連絡を受けたんだ、」
「まったく、琴葉ったらあ・・。」
思いがけない、蒼空くんの登場というサプライズに、結奈の胸はときめいてきたのだ。
「じゃあ、カフェオレで乾杯しようか・・!」
そういって、蒼空くんはカフェオレを差し出すのだ。
ーーこれから始まる、2人の同棲生活に、、乾杯・・!
結奈は、ゆっくりと飲んでいるカフェオレの香りをかいでみる。甘くて、ちょっと大人の香りであったのだ。
それから、結奈は目の前に座っている蒼空くんの、ゆるーくパーマのかかっている
髪の毛を、ずっと見ていた・・。
( 完 )
私のつたない作品を、読んでくださった皆様に、
感謝のお言葉を、申し上げます。
本当に、ずっとお付き合いくださり、ありがとうございました。m(_ _)m
そのうち、番外編も書いてみたいので、また読んでくださると嬉しいです!(>_<)
あ、、感想なども、どこかにくださると、ありがたいデス・・。♪
ときめく恋はカフェオレの香り チャプター13