詩生活
暗鬱な気分のときには明朗な詩を書き
明朗な気分のときには暗鬱な詩を書く
わたしは不幸にも幸福にもなりたくないのだ
ただ詩のなかに身を置いていたいのだ
苦しみに引き裂かれた身体は呻吟する
これがおまえの存在証明だと
ひとつとして取りこぼさず書き切れと
自身に言い聞かせ、そして命令する
わたしは幸福の害悪さを説き
不幸の素晴らしさを喧伝する
なんのために?自分を保つために。
絶えず自分を裏切るために。
裏切りのない幸福はありえない
苦しみを溜め込んでいれば
いつか大きな幸福に交換してもらえる
という迷信に頼りきりのあなた。
幸福は一過性のもの
瞬きのあいだに終わっているもの
追いかけるほど遠のいてゆくもの
しゃぼん玉のようなもの
わたしは詩以外のどこにも身を置きたくない
わたしはきょうも自分のためだけに詩を書く
生きるということは絶えず生き直すこと
それをわたしは紙の上で実践している
詩生活